正月のにぎわい一転、閑散 まん延防止で宮島に打撃「しょうがない」

「当分我慢の日々」「しょうがない」――。観光地の宮島(広島県廿日市市)では、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の適用を受け休業する土産物店や宿泊施設も多く、店主らはやるせなさを募らせる。措置適用後初の土曜日となった15日、島を歩いた。
「こんなに閉まってるとは思わなかった」「ここも開いてないのか」。世界文化遺産の厳島神社へと続く表参道商店街で、ため息をつく観光客の声が聞こえる。8割がた休業していると思っていた記者にしてみれば「思ったより開いている」印象だ。焼きガキを売る店の前には短い行列もできていた。
だが、もみじまんじゅうなどを製造販売する店の店主、木村力さん(76)は「重点措置が適用されてから、平日は商店街のほとんどが休業している。うちもそうだ」と話す。土日祝日も大体午後5時にはほとんどが閉店するという。この日営業した理由は「こんな時に来てくれた観光客にサービスで還元したい」からだという。
営業時間短縮要請に応じた店舗への協力金は飲食店が対象で、土産物店や製菓店は対象にならない。平日も営業を続けるキャラクターショップの30代女性店員は「年末年始の客足はコロナ禍前より少し少ないぐらいだったので、がっかり。三が日と比べて9割以上少なくなった」と肩を落とした。31日まで措置は続くが、「しょうがない。割り切って乗り切りたい」と前を向いた。
商店街を抜け、正月には初詣客でにぎわった厳島神社にたどり着くと、鹿が参道を闊歩(かっぽ)していた。宮島観光協会によると、年始から9日までの来島者数(速報値)は12万2554人(前年同期比7万1133人増)で、2021年1月の月間11万1535人を上回った。回復の兆しを見せていただけに、商店街や宿泊施設のショックは大きい。
営業を続けるある旅館では、7日に重点措置適用が決まって以降問い合わせの電話が相次ぎ、11日から2月上旬までの予約のうち65%がキャンセルになった。担当者(52)は「一気にしぼんだ。今は耐える時期です」。同じく店を開ける土産物店の男性店主(83)は、「感染対策をしっかりしながら、早く収束してくれるのを願うばかりです」と客のいない店内で祈るような表情で話した。【中島昭浩】