全国の12県警が2020~24年度の5年間、警察官や一般職員からの公益通報を一件も受けていなかったことが、毎日新聞の調査で判明した。通報件数が5年間で1件だけだったのも7府県警に上った。
大半の警察は数千人の職員がおり、専門家は「この規模で通報がゼロなのはあり得ない。制度が機能していないことを意味する」と指摘する。多くの警察で公益通報制度が形骸化している実態が浮かんだ。
職員2万人超の大阪府警もたった1件
公益通報は、勤務先の不正に気づいた職員らが通報し、調査や是正につなげる制度。通報先は、勤務先に伝える「内部通報」と、監督官庁や報道機関などに告発する「外部通報」に分かれる。
毎日新聞は25年11~12月、内部通報件数や通報制度の周知方法などについて47都道府県警にアンケートを実施。通報窓口となる各警察の監察部門にも取材した。
その結果、5年間で内部通報件数が0件だったのは青森、福島、新潟、長野、滋賀、和歌山、鳥取、島根、福岡、佐賀、長崎、沖縄の12県警。1件のみだったのは7府県警で、職員数が全国2番目に多い2万人超の大阪府警も含まれる。この19府県警で全都道府県警の4割を占めた。
消費者庁「職員が通報に不安の可能性」
通報件数別では、1~5件が18警察▽6~10件が8警察▽11~50件が5警察▽51~100件が3警察▽101件以上が1警察。なお、千葉、石川、奈良、広島、愛媛、鹿児島の6県警は20年度のデータを保存期間外としており、21~24年度の4年間の数字となる。
通報件数が最多だったのは広島県警で173件。次いで兵庫県警83件、愛知県警63件、警視庁62件と続いた。
通報件数が比較的多い警察は、組織トップの本部長や担当部署が定期的に通報を促すメッセージを出したり、通報の心理的・手続き的な負担を減らすために外部窓口や専用の通報フォームを設けたりしているところが多かった。
各警察の警察官と一般職員の合計人数(25年4月時点)の中央値は約3500人。消費者庁が民間企業を対象にした23年度の調査では、従業員3000人超の企業367社で1年間の内部通報件数が0件だったのは2・2%。1~5件だったのは8・2%にとどまり、警察の通報の少なさが際立つ。
消費者庁参事官(公益通報・協働担当)室は今回の結果に関し、1年間の通報件数が一件もない場合は「多くの職員が通報に不安を感じている可能性がある」としている。
公益通報制度に詳しい淑徳大の日野勝吾教授は「通報件数が少ないのは、通報後の不利益を懸念したり、通報しても適切な調査・是正が行われるのか疑心暗鬼になったりしていることが理由ではないか。内部通報制度の実効性は、組織に自浄作用があるかどうかにかかっている」と指摘した。【遠藤浩二】
内部通報
職員や従業員が勤務先の窓口に不正を通報すること。公益通報者保護法は全部で三つの通報ルートを定めており、内部通報の他に、監督官庁や行政機関への通報、報道機関や消費者団体といった外部機関への通報があり、この二つを「外部通報」と呼ぶ。内部通報によって組織が自浄作用を発揮することが期待されているが、不正の有無を調査しなかったり、通報者に報復したりするケースが後を絶たない現状がある。
甲斐駒ヶ岳の烏帽子岩に刺さっていた剣、なくなっていた1本を登山客が発見…修験道に関わり撮影スポットに
山梨、長野両県境にある甲斐駒ヶ岳(2967メートル)の9合目の烏帽子岩に刺さっていた剣2本(長さ推定約1メートル)のうち、なくなっていた1本が南側の斜面に折れて落ちていたのを登山者が21日発見し、宿泊先の山小屋「七丈小屋」に連絡した。
山小屋を運営する登山家の花谷泰広さん(49)によると、同日午前6時半頃、男女1組の登山者が烏帽子岩近くの斜面に雪に埋もれた剣を見つけ、登山道脇まで引き上げたという。
剣は鉄製とみられ、花谷さんは15日に1本がなくなっていることを確認していた。文書の記録は残っていないものの、かつて修験道で祈りの対象になっていたとみられ、現地の撮影スポットになっていた。
花谷さんは「刺さっていた剣の復元も視野に、地元の山梨県北杜市や地域と話し合いを進めたい」としている。
釣り客2人死亡 三重・鳥羽沖の船舶事故 一体何が起きた? 今回 逮捕・送検された「二等航海士」とは 【大石邦彦解説】
(大石邦彦アンカーマン) 2月20日に発生した三重・鳥羽沖での船の衝突事故。最終的には釣り船客2人が亡くなるという惨事となりました。なぜ?事故は起きてしまったのか?
まず事故が起きた場所なんですが、貨物や漁船が多数行き交う海上交通の要所で、事故が起きやすい場所でもありました。
ここで長さ約70メートルの鉄でできた「貨物船」と、約15メートルの強化プラスチックでできた「釣り船」が衝突しました。逮捕・送検されたのは貨物船を操縦していた二等航海士の杉本波音容疑者(21)で、一方で釣り船の66歳の船長は任意で事情聴取を受けました。
捜査のポイントは?専門家は…
(大石) 事故の原因は具体的にはまだわかっていませんが、海上保安庁に40年間勤務していた日本水難救済会 遠山純司理事長は「そもそも船は見張りの注意義務がありますが、今回両船ともに注意義務を怠っていなかったか」という可能性を指摘していました。まさにここが捜査のポイントになるとみられます。
二等航海士ができること
(大石) 今回逮捕・送検された21歳の容疑者は「二等航海士」です。二等航海士はどんなことができるのか。
大型船舶の組織図を見てみると、船長をトップに一等航海士、その次に位置しているのが二等航海士です。航行する区域や船の大きさによって、必要とされる海技士(航海)の資格は細かく決められていますが、三等航海士以上は操船が可能です。
遠山さんによりますと、一般的には4時間で操船を交代するということです。二等航海士は航海計画を担うことはもちろん、操船も可能で、今回のように船長から依頼されて操縦しても、違法性はありません。
では、過失はどこまであったのか?一般的には止まっている船よりも動いている船の方が衝突を回避しやすいので、動いている船の責任が大きいとみられますが、今回はどのような状況だったのか?どちらにどれだけの過失があったのかはまだわかっていません。
事故当時の海は視界もよく荒れてはいませんでした。人為的なミスだったのか、他に原因はあったのか、究明が待たれます。
野党に「もう質問しないでほしい」と前代未聞の答弁…高市首相の「逃げません」発言を徹底検証した《ブログ削除問題も》
「逃げません」。高市早苗首相が自民党の公式YouTubeで訴えた言葉である。
その後の衆院選で自民党は316議席を獲得。定数の3分の2を超えた。巨大与党の誕生だ。だが、300議席とはもはや誰のせいにもできない立場に立ったということでもある。「どうぞチェックしてください」「どうぞ批評してください」と堂々と言う立場のことでもある。
気になったのは「他責」に聞こえる言説
さぁ、そうなると楽しみなのは国会だ。実りある論戦が行われるか注目なのである。ただ、昨年秋の国会で気になったのは「他責」に聞こえる言説だった。台湾有事をめぐる答弁では「質問が悪い」という擁護論まで飛び交った。首相自身も、政府見解を繰り返すだけでは審議が止まる可能性があったと釈明した。結果として、自分のせいではないという印象が残った。
そして今年。解散により国会での論戦は先送りされた形になった。では選挙戦での政策論争が深まるかと思いきや、直前まで「悲願」と語っていた消費減税の話題はされなくなった。NHK討論の出演も見送られた。体調の問題ならやむを得ないが、再設定もなかった。その結果、「信任するか否か」という構図だけが前面に出たまま、選挙は圧勝に終わった。
では、「逃げません」と語った首相はこの国会でどう振る舞うのか。これは野次馬的な興味では済まない。過去の「実績」があるからだ。振り返ればいくつかの騒動があった。おさらいしておこう。
・総務省の公的文書を「捏造」と言ってしまった事件(2023年)
3年前の春、放送法をめぐる答弁が大きな問題になった。放送法の政治的公平をめぐる行政文書について、高市氏は自身に関する発言の部分を「捏造」と断じた。そして野党に対して「もう質問しないでほしい」と前代未聞の答弁をした。自民党内からも批判が出て、この発言は撤回に追い込まれた。
「8割大陸」発言疑惑やブログ削除問題も
さらにはこんなことも。
・高市大臣の「8割大陸」発言疑惑(2022年)
三重県議が「(安倍氏の)国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」とツイートし、それは当時の高市・経済安全保障担当大臣の「講演で伺った話」と述べた件である。大問題になると三重県議は発言を撤回、当の高市氏も曖昧な否定で収めようとした。
ちなみに別の参加者が、同様の内容を高市大臣が発言していたという報告を当時のTwitterで行っていたことが分かっている。当該のツイートは削除されている。
この二つだけでも軽い話ではない。さらには、問題が起きてからの対応だ。強い否定、曖昧な収束、揺れる説明。その繰り返しが疑念を増幅させてきた。
まだある。昨年の「奈良のシカ」の発言だ。SNS情報をもとに問題提起し、根拠を問われると「不安や怒りがある」と応じた。後の国会では「自分が注意したことがある」と説明が変わった。
そして最新の案件が「ブログ削除問題」である。
高市早苗首相の公式サイトに20年以上にわたって掲載されていた約1000本の「コラム」が、2月18日までにすべて削除された件だ。事務所は「サイトをシンプルにするための見直し」と説明しているが、再公開するかどうかは未定だという。
指摘を隠すための意図的削除ではないかと疑念も
削除の直前にはプレジデントオンラインが過去のコラムを検証していた。「消費税減税は私の悲願」とする最近の発言を裏付ける記述は見当たらず、むしろ増税に肯定的な内容が多かったと報じていた。記事公開後にコラムが一括削除されたため、指摘を隠すための意図的削除ではないかと疑念が出ているのである。
もし、ブログの検証記事がきっかけで削除されたのだとすれば、それは都合の悪い指摘への向き合い方として適切だったのか、という疑問が残る。
こうした出来事は、単なる野次馬案件で済ませられるものではない。我々日本に住んでいる人間にとっても重要な問題だからだ。今後国家の命運に関わるような状況が勃発したとき、首相側の危機対応がここまでわかりやすい悪手をどんどん駆使するなら、我々にも影響する。防衛費をいくら増額しても肝心の首相が杜撰な自己防衛ぶりだと元も子もない。求められるのは、状況を見極め、冷静に説明し続ける力である。
検証コラムを読んだ人の多くは首相のブログを確かめるだろうし、消されていれば話題にならないわけがない。その可能性すら計算していなかったのだとすれば、周囲に直言できるブレーンはいるのか。あるいは、いても言えないのか。
そして、ここでもう一つ見落とせないのは「意見が変わること」そのものは恥ではない、という点だ。政治家は私たちの代わりに議論する職業である。徹底した議論の末に考えが変わったのならそれでいい。必要なのは、なぜ変わったのかを言葉で示し、説明し、説得することだ。それこそ政治家の本分ではないか?
316議席は、強さの象徴であると同時に、言い訳のできない立場に立ったという意味でもある。巨大与党となった今、「逃げません」という言葉は、これからの国会でどう示されるのだろうか。
(プチ鹿島)
「女子高校生コンクリ詰め殺人事件」服役を終えた元少年・Cが表情を変えずに語ったこと「自分が毎日生活するので精一杯」
史上最悪の少年犯罪と呼ばれる「綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件」。事件を長年追ってきた元「ニュースステーション」ディレクター・山﨑裕侍氏は、服役を終えた元少年・Cの行方を追い、9回目の張り込みでついに本人と対峙した。
その貴重なインタビューの様子を記した著書『 償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って 』から、加害者の内面と「償い」への姿勢が浮かび上がる。
◆◆◆
「自分のことばかり考えているというのはありますね」
「事件から11年が経つが、何がいけなかったとか考えますか?」という山﨑氏の問いかけに、Cは「本人の弱さとか」と答えた。なめらかだった口調に急ブレーキがかかったかのような瞬間だったという。
被害者の父親は裁判中、「私たち親の気持ちとしては、これだけ残虐な殺され方をして、『返せ』と言っても死んでしまったわけですから、償いは一生かかってもやってもらいたい」と訴えた。山﨑氏がこの言葉をどう受け止めているか尋ねると、Cは「今、だからまだ自分自身のなかで落ち着いていないし、やっぱこういうふうに生活していればそのなかで一生懸命やるとか」と、明確な答えを避けた。
「事件のことを忘れたことはないと言いましたが、被害者に対して申し訳ないという気持ちを持ち続けている?」という問いに対し、Cは「なんて言うんですかね、自分のことばかり考えているというのはありますね。正直、自分がいちばんかわいいじゃないけど、そういうふうになっちゃう」と率直に語った。
「申し訳ないとかそういう気持ちはそんなにはないんでしょうか?」と尋ねると、「なくはないです」と返答したものの、「自分が毎日生活するので精一杯」という言葉が続いた。
将来的な償いについて問われると、「今の段階ではそこまでの余裕じゃないけど、自分の生きていく、生活していくのが結構大変だから」と語った。
結婚や子どもの話題になった時点で、Cは「それはちょっとわからないというか……。申し訳ないですけど、もういいですか」と言って、アパートに向かって歩き出した。山﨑氏は、Cが表情をほとんど変えることなく、反省や償いについて迷ったり葛藤したりする素振りすら見せなかったことに、底知れぬ闇に触れたような寒気を覚えたという。
東京高裁判決によれば、Cの両親は「自宅を売却し、その中から1000万円を被害者遺族への賠償金として提供するため積み立てている」とあったが、高裁判決が下った1991年7月時点で、主犯格A以外の賠償金を遺族は受け取っていなかった。山﨑氏がCの両親を訪ねた際も、「お断りします」「とくに何もありません。お引き取り願います」と取材を拒否されている。
◆◆◆
この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。
(「文春オンライン」編集部/ノンフィクション出版)
〈大敗の中道・米山隆一氏が敗因を分析〉「SNSで雰囲気が…」拡散したデマに無策だった執行部「今後は真ん中~左寄りに戻らないと」
衆議院選挙で大敗し引責辞任した中道改革連合の野田佳彦前代表は「自民党にガチンコ勝負で負けたという実感はない」「独特の『時代の空気』に飲み込まれた」と主張する。これに対し、落選した立民出身の米山隆一前衆議院議員が自身のXで正面から反論した。「現代の選挙戦では『空気』が重要で、対応策が必要であることを再三再四提言したのにスルーしたのは野田さんです。今般の決断・実行も『空気』を余りに軽視していたと思います」と指摘する米山氏は、中道の敗北は「必然だった」とまで言う。その理由を詳しく語ってもらった。
〈画像)中道の大幹部安住氏に勝った森下千里氏のグラビアアイドル時代のミニスカート警察官などの秘蔵写真
「自己否定してしまったのでコアなファンも一定離れたでしょう」
――立憲民主党が公明党と一つになって選挙に突入したことをどうみますか。
米山隆一(以下同) 2党が合併すれば支持率の劣勢を挽回できると執行部は本気で思っていたと思います。しかしその「足し算」だけ考え、批判されることがまったく見逃された。これでふわっとした立憲の支持層は離れたのかもしれないと思います。
さらに立憲は“真ん中から左寄りまで”という立ち位置に存在意義がありました。それを執行部が「左がいるから俺たちダメなんだ。真ん中にさえ行けば支持は増える」という態度を打ち出し、自己否定してしまったたのでコアなファンも一定離れたのではないかと思います。
私も自分は真ん中だと思うし、真ん中の人が多いのはいいのですが、「真ん中プラス何か」でなければ方向性がない。「真ん中プラス右」の立ち位置に自民党や国民民主党がいる中で「俺たちド真ん中です」って言っても難しいでしょう。
――「時代の空気に飲み込まれた」という野田前代表の認識をどうみますか。
今回、街宣車に手を振ってくれる人は結構いて、体感は悪くないのになぜこんなに情勢が悪いのか、という印象を仲間も私も持ちました。
このように手を振ってくれる層は政治に関心がある人です。こうした人たちが街頭での政治家の呼びかけを聞いて一定の「空気」をつくり、それが政治に関心がない層に伝播していくというのがこれまでの選挙でした。
ところが今回はSNSの動画で、まず関心のない層で雰囲気が作られ、そこから関心を持つ層に伝播する順序になっていた。野田さんは目に見える人にコンタクトしてそこから伝播させていくということをやってきた政治家だから、あのような認識を持つこともわからないではありません。
しかし、僕も今回は対応が遅れたと思いますが、政治家はそういう世の空気がどうできているかを一生懸命見ながら(空気を)作っていくのが仕事なわけですよ。
――「空気への対応が必要だと再三提言したのに野田さんがスルーした」とXにポストされたのは、選挙中に対応を求めたのに方針転換ができなかったということですか?
いえ、そんな短い期間の話ではありません。昨年の参議院選挙で負け、SNS対策を強化しなければいけないとなって広報委員の職務として真剣に提言しました。党では特命チームまで作りました。しかし新たな提言は殆ど受け入れられなかったのです。
「再生回数がカネになる問題」に対し自民党だけは動きが鈍かった
――新たな提言とはなんですか。
SNS対策は突飛なことはありません。まずキーコンセプトを作る。今回、高市早苗首相が言った「積極財政で日本を強くする」みたいなものです。私は自民党のこのコンセプトは荒唐無稽だと思いますが、とにかくまずそれをつくる。
そしてそこを起点にSNSの広報を展開していくわけです。そこに一貫したストーリーがないと話が広く伝播しません。
同時にネガティブな発信に迅速に対応できる態勢を整えることも求めました。これも特別なことではなく、例えば切り抜き動画の明らかなデマには法的措置を取る。そうでなくても著作権法違反のものは、著作権を主張してそのコンテンツの削除を求めれば一定の対応は可能になります。その通報システムを確立しておこうということです。
ユーチューバーは何回も削除の申し立てを食らうとアカウントが凍結/収益停止され稼げなくなります。損害賠償訴訟を起こさずとも著作権法違反を主張するだけでも効果があります。
そうした援護態勢をちゃんと確認しよう言ったのに、「余計なことすんな」みたいな感じで全部潰れました。その結果、今回選挙では「岡田克也さんが中国のスパイだ」と言い立てる事実無根の動画への対応も遅れ、炎上することになったんです。
――2024年の兵庫県知事選挙などから指摘されてきたのに旧立民の執行部が問題意識を持っていた印象はないですね。
騎馬兵の隊長が指揮を取っていて、「制空権が大事」だといくら言っても聞いてくれない。「騎馬戦力を倍にしたから勝てるんだ」みたいなことを言われる感じです。制空権を奪われた状態で何したって中々如何ともしがたいですよっていう話が通じない。
「SNS動画の再生回数がカネになる問題」は超党派で対応を考えようとしましたが、自民党だけは非常に動きが鈍かったです。自分たちに有利になるとある程度わかっていたのだと思います。リベラルを叩けば何万とビューが集まってくる傾向がSNSではあります。
SNSの収益化によって無関心層が政治をみるようになった。政治がこんなに回るコンテンツになって、政治で気に入らないやつをぶっ叩けば儲かり、それが無関心だった人から空気を決めていくことにつながっている。
だから動画の洪水の中で無関心層をどう取り込むかという状況で、相変わらず街頭に立って関心層に訴え続ければなんとかなると(執行部は)思っているんじゃないでしょうか。
「このまま行ったら衰退ですよね」
――中道執行部は交代しましたが、そうした認識を持つように変わるでしょうか。
変わりづらいでしょうね。僕も(選挙に)落ちていて偉そうに言える立ではありませんが、(旧立民の当選者は)どんなに制空権を失っても勝てるという地上戦で強い人が生き残ったわけで、そうなると「結局頼りになるのは地上戦」みたいな話になりかねない。
野田さんが相変わらず「ガチンコで負けたつもりはない」みたいなことを言っているし。このまま行ったら衰退ですよね。
もちろん(自民党と)大きな資本力の差がある中で空中戦を展開するのは難しいんですけど、当面は「ド真ん中で全部取る」とか言わずに、一定程度コアなファンを固める空中戦をした方がいい。そういう意味では「真ん中・左寄り」という本来の立ち位置に戻らないと相当厳しいと思います。
で、実は「真ん中・左寄り」はすごく空いてる(他党が入ってきていない)ところだからそこに特化したらいいと思います。エモーショナルなことも言いやすい立場ですよね。立民の立党の精神みたいな、「寄り添おう」「一緒に豊かになろう」みたいな感じでね。
――「真ん中・左寄り」は公明党が一緒になっている状態で可能でしょうか。
率直に言ってわからないですが、訴え方次第だと思います。
(旧立民の)「真ん中・左寄り」のレフトは今までは戦争反対、安保法反対、9条守る、みたいなことを訴えていましたが、これからはむしろシングルマザーや非正規雇用とか、社会のメインストリームから外れてしまった人をちゃんと守っていきますよっていう事を訴えるべきだと思います。そういうレフトだったら公明党さんともできるかもしれない。
そこは立憲も今までのレフトの意味をちょっと変えた方がいいでしょうね。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
米山隆一/よねやまりゅういち 1967年9月8日生まれ。医師で医学博士。弁護士資格も持ち第一東京弁護士会所属。自民党、日本維新の会、民進党を経て2016年の新潟県知事選挙に無所属で出馬し当選。21年の衆議院選挙で当時の新潟5区から無所属で出馬し当選、22年に立憲民主党に入党する。24年衆院選では区割り変更後の新潟4区から出馬し当選。憲法審査会理事などを務めた。今回衆院選では中道改革連合公認で出馬したが小選挙区で落選し比例復活もならなかった。
ゼロ戦「内部」を特別公開 エンジンのカバーを外して補強・修復作業 福岡・大刀洗平和記念館
福岡県筑前町の大刀洗平和記念館で、ゼロ戦の名で知られる旧日本軍の零式艦上戦闘機三二型の補強・修復作業が行われています。機体の内部が特別公開されていて、多くの人が訪れています。
■井手妃奈子記者
「こちらが零戦三二型の機体です。今回、特別に機体の内部を確認することができます。」
大刀洗平和記念館では、零式艦上戦闘機三二型を常設展示していますが、保存状態の確認や補強・修復のためエンジンや主翼などのカバーを取り外していて、ふだんは見ることができない機体の内部を特別公開しています。
補強や修復はこれまでにも行われていますが、今回は機体後部の車輪=尾脚の補強や左右の主翼の下側部分の修復が行われました。
機体は1978年にかつて日本軍の飛行場があったマーシャル諸島・タロア島のジャングルで発見され、1983年に日本に帰還しました。
大刀洗平和記念館では、同じ型のゼロ戦としては世界で唯一現存する機体としています。
■訪れた人
「見てみて、とても怖いなと。すごく刺激が強かったです。」
「これを見て当時の悲惨さも分かるのですが、その時の日本の技術もすごいなと感じました。」
大刀洗平和記念館の担当者は「当時の航空技術の発展や平和の大切さを知ってもらいたい」と話していて、24日まで特別公開しています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年2月23日午後5時すぎ放送
震災直後から学校新聞 書き残した大沢小の記憶、当時の教員ら回想
2011年3月の東日本大震災で被災した岩手県山田町大沢地区で21日、地域シンポジウム「未来に伝える東日本大震災の記憶」が開かれた。地元の大沢小(20年閉校)で震災直後も学校新聞の発行を続けた当時の教員や児童が、取材や記事執筆から学んだことや今後への決意を語った。
大沢地区は震災で121人が犠牲になり、家屋の7割が損壊した。シンポは同地区と縁が深い麦倉哲・岩手大名誉教授(災害社会学)が、震災から15年の節目に交流の場を作ろうと地元自治会と共同で企画。大沢小の元教諭で、閉校までの11年間学校新聞を指導した佐藤はるみさん(66)=山口県周南市=や佐藤さんの教え子に呼び掛けた。
大沢小の学校新聞は04年に創刊。学校生活や地域活動を取り上げ、閉校までに175号を発行した。震災後は避難所や仮設住宅で配布し、住民を勇気づけた。「全国小・中学校・PTA新聞コンクール」(毎日新聞社など主催)では最高賞をはじめ何度も上位に入賞した。児童が各自でまとめる「個人新聞」もあった。
地区公民館で開かれたシンポには、佐藤さんと当時5~6年生だった男性5人が登壇し、住民ら約20人が訪れた。会場には「海よ光れ」と題した学校新聞や個人新聞の拡大コピーなど資料計150点が掲示された。
6年生の担任だった佐藤さんは震災直後に「起きたことを書き残そう」と厳しい状況下での個人新聞作りを決意。東京電力福島第1原発事故についても耳にし、不安が広がっていた時期だった。中村海成さん(27)は「当時は親戚の家にいた。停電が続いていて、暗い場所で書いた記憶がある」と振り返った。
4月中旬には学校新聞の発行も再開した。佐藤さんは「原稿を書くことで自分の気持ちを整理できるし、記事の結びを考える時は、前向きな言葉が浮かんでくる」と振り返った。福士悠太さん(26)は「仲間と協力し合って新聞を作った経験は、社会人になっても生きていると感じる」と話した。現在は山田町職員で、25年4月から能登半島地震で被災した石川県輪島市に派遣されているという。
登壇者からは今後の決意表明もあった。震災で漁師だった父康則さんを亡くした鳥居勢矢さん(27)は「自然災害で誰一人として命を落とすことがないように、自分の記憶をつないでいきたい」と話した後、「今も父のようになりたいと思うし、強く生きたい」と言い切った。
教え子たちの成長を目の当たりにした佐藤さんは「大沢地区には一生懸命生きてきた子供たちと、それを支えた大人たちがいる。これからも大沢は大丈夫だ」と感激していた。【奥田伸一】
「走行路面に人が立ち入った」 地下鉄南北線が一時運転見合わせ 24日朝は始発から通常運行
23日夜、札幌市の地下鉄南北線の大通駅で「走行路面に人が立ち入った」との情報があり、地下鉄の運転が一時見合わせとなりました。 24日の始発からは通常通り運行しています。
23日午後11時35分ごろ、市営地下鉄南北線の大通駅で、駅員から「走行路面に人が立ち入った」と指令所に通報がありました。
これを受け、札幌市交通局は、地下鉄南北線のさっぽろ駅からすすきの駅間の点検を行いましたが、発見には至らなかったということです。
この影響で地下鉄南北線は一時全区間で運転を見合わせました。 札幌市交通局は、安全に問題がないことを確認し、およそ35分後の24日午前0時10分に運行を再開しました。
24日朝は始発から通常通り運行しています。
「安全はコストじゃない」 ダッカテロ事件10年、被害者が語る教訓
バングラデシュの首都ダッカで2016年7月、武装集団が飲食店を襲撃し、外国人客らを人質に立てこもり、日本人8人が死傷したテロ事件から約10年。当時、銃撃などで大けがをした建設コンサルタント会社「アルメック」(東京都)の渡辺玉興・海外業務室長が、海外に進出する中小企業の安全対策を強化するための会合に出席し、「安全対策はコストではなく、事業を続けるための前提条件だ」と教訓を語った。
事件で同僚ら7人犠牲に
事件は地元のイスラム過激派勢力によるもので、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。20人が殺害され、そのほとんどがイタリア人や日本人ら外国人。日本人は、国際協力機構(JICA)が発注した事業で調査していた建設コンサルタントや技術者らで、渡辺さんは事件で同僚ら7人を失った。事業は22年にバングラデシュ初の都市高速鉄道「ダッカメトロ」として部分開業し、経済発展の起爆剤と位置づけられている。
渡辺さんは18日に外務省で開かれた会合で事件で得た教訓について語った。「この国で大きな事件はめったに起きないと発生確率で考えるのではなく、起きたらどうなるか、社員の命や会社の事業にどれほど大きな影響が出るかを基準に判断することが重要だ」と指摘。「個人の注意で安全は守れない。『気をつけてください』だけでは限界がある」として、危険情報確認や緊急時の連絡方法などを会社が事前に決める仕組みが必要だと訴えた。
中小企業などで課題も
渡辺さんは毎日新聞の取材に「安全対策は現場任せや個人の注意に委ねる部分が少なくなかったが、企業で責任を持って管理する体制づくりが進んだ」と過去10年を振り返った。安否確認システムの導入や緊急連絡網の整備、海外渡航前の在留届の提出、外務省の安全情報配信サービス「たびレジ」の登録が徹底されてきたという。
一方で、課題もある。「中小企業では専任の安全担当者を置けないことが多く、短期出張者の安全意識の浸透は十分ではない」という。慣れによるリスク感度の低下やサイバー・偽情報など新たなリスクも課題だと指摘した。
渡辺さんが出席したのは「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」会合。ネットワークは事件を受けて16年9月に設立され、会合は今回で10回目。外務省や全国商工会連合会などが参加し、安全対策のノウハウ共有などに取り組んでいる。
同省によると、24年に発生したテロの件数は前年比3%減の3492件で、死者数は同13%減の7555人で減少傾向にある。ただ、テロが発生した国の数は前年の58カ国から66カ国に増えた。発生地域は中東や北アフリカが多かったが、近年はアフリカのサヘル地域(サハラ砂漠南縁部)が多いという。
実生泰介領事局長は日本人が海外で直面するリスクについて「テロだけでなく政情不安や大規模感染症、自然災害など多様化している」と指摘。「『海外は危ないから行かないで』ではなく、日本の底力を高めるためにも海外に打って出る日本人を後押ししたい」と話した。【田所柳子】