館野仁(53)桜井純(45) 金密輸容疑で男2人逮捕 韓国から1トン運び込んだか―警視庁

韓国から金を密輸したなどとして、警視庁生活経済課は21日までに、関税法違反容疑などで、職業不詳館野仁(53)=千葉県習志野市秋津、会社役員桜井純(45)=同県市川市国分=両容疑者を逮捕した。館野容疑者は「密輸するつもりはなかった」と否認し、桜井容疑者は認めている。
同課によると、両容疑者は2023~24年、韓国と日本を計216回往復。計約1トンの金(約108億円相当)を密輸して東京都内の金買い取り店で売却し、計約9億8000万円の利益を得たとみられる。

館野容疑者の逮捕容疑は昨年8月21日、金の延べ棒4本(約4600万円相当)をポーチに入れて韓国から密輸し、消費税の支払いを免れるなどした疑い。

同容疑者は同日、韓国から羽田空港に到着した際にポーチを紛失。同空港に落とし物として届けられたことで発覚した。

その翌日、桜井容疑者がかばんに金の延べ棒9本(約1億450万円相当)を隠し、韓国から密輸しようとしたところを同空港の東京税関職員に見つかった。

両容疑者は韓国で延べ棒を預かり、入国時に消費税相当額を納めないまま日本の金買い取り店で換金し、売却代金を韓国に持ち帰ろうとしていたとみられる。両容疑者が韓国出国時に提出した輸出申告に関する書類には、同一の金の販売先が記されており、同課は韓国に仲間がいるとみて調べている。

山下史晃容疑者 自称・医師が交番のガラス割る…「蹴ったら割れた」 酒に酔い犯行、自ら通報し現行犯逮捕

千葉・成田市で、酒に酔って交番のガラスを破損させた、医師の男が逮捕された。 JR成田駅前の交番で2日午後11時過ぎ、「交番のガラスを蹴ったら割れた」と通報があった。 警察が駆けつけたところ、交番のガラス約10センチが破損していて、自ら通報した自称・医師の山下史晃容疑者(32)を現行犯逮捕した。 山下容疑者は当時、酒に酔っていたという。

東日本大震災の地震波、日本列島を5ミリ動かす 地球深部で反射

2011年の東日本大震災で発生した地震波が地球の核(コア)に跳ね返って地表に戻り、日本列島のほぼ全域で地盤を東向きに最大5~6ミリ動かしていたとの分析結果を、米シカゴ大などの研究チームが18日付の米科学誌サイエンスに発表した。コアで反射した地震波は、東日本以外のプレート境界でも滑りを誘発したとみられるという。
研究チームは、地震計や地殻変動を測るGNSS(全球測位衛星システム)観測点のデータを1秒ごとに解析した。それによると、マグニチュード9・0の本震発生後、地中深くに向かった地震波(S波)がマントルとコアの境界面(深さ約2900キロ)で反射。跳ね返った地震波(ScS波)は本震の約15分後、日本列島全域へほぼ同時に到達していた。
通常、地震波はコアで跳ね返って地表に戻るまでの往復約5800キロの間に弱まるが、地震の規模が極めて大きく、強いScS波が届いたという。
ScS波が地表に到達した直後(本震の約15~16分後)、日本のほぼ全域のGNSS観測点が東向きに移動。その変動幅は、東北の震源域付近で最大5~6ミリ、中部や中国地方でも約4ミリに及んでいた。
震源域から遠い北海道や九州の観測点も動いていたことから、ScS波は広範囲に複数のプレート境界の滑りを誘発したと考えられるという。東日本大震災が起きた太平洋プレートと北米プレートの境界だけでなく、南海トラフ地震が想定されるフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界でも滑りが生じた可能性がある。
ただし、こうした滑りは急激な破壊を伴う通常の地震と異なり、比較的ゆっくりと進行したため、強い揺れとして感知されなかった可能性が高い。
チームのパク・スンヨン・シカゴ大助教は「地球のコアに反射した地震波がプレート境界で追加の滑りを引き起こしうる可能性が示された。巨大地震の本震が終わった後でも地震を起こす恐れがある」と指摘している。【岡田英】

最新AI対策巡り外国政府と連携強化…基本計画初の改定案、7月閣議決定目指す

政府の人工知能(AI)政策の指針となる「AI基本計画」の初の改定案が判明した。AIによるサイバー攻撃への備えを抜本的に強化するため、政府系機関による最新モデルの性能評価や、外国政府との連携強化を新たに明記した。7月の閣議決定を目指す。
基本計画は、AIの技術革新とリスク対応を両立させるため、昨年12月に初めて策定された。急速に進む能力向上を踏まえ、半年余りでの改定となる。
改定案では、「AI性能が高度化することで、AIを悪用したサイバー攻撃の危険性が高まる」現状に警鐘を鳴らした。今年4月に米アンソロピックが発表した最新モデル「クロード・ミュトス」が、システムの脆弱(ぜいじゃく)性を見抜く能力の高さで世界に衝撃を与えたことが背景にある。
対応策としては、2024年に設立した政府系機関「AIセーフティ・インスティテュート」が、サイバーセキュリティーに関するAIの性能評価に取り組む。国内外の最新モデルにアクセスできるよう、開発事業者や外国政府機関との連携も強化する。IT製品メーカーにはプログラム修正などの対応を急ぐよう求める。
利活用の面では、人間の細かな指示を必要としない「自律行動型AI」が世界各国で急速に普及していると指摘し、早期の実用化が「国力に直結する」と強調した。一方で、思考力や判断力が「AI依存により退化しないための教育環境の整備」の重要性も新たに盛り込んだ。

「昭和のうちに失効した」無免許運転などの疑いで男(83)を逮捕 福岡・久留米市

福岡県久留米市で、無免許運転などの疑いで83歳の無職の男が現行犯逮捕されました。
男は「一度免許を取ったが昭和のうちに失効した。」という趣旨の話をしているということです。
18日、午後5時半ごろ福岡県久留米市で、交通取締り中の警察官が一時停止の標識がある道路を、一時停止せずに通過した乗用車を見つけました。
警察は停止を求めましたが乗用車は逃走。
約400メートル先のコンビニエンスストアの駐車場で停止しました。
警察が確認したところ、運転手は無免許でした。
警察は、乗用車を運転していた福岡県久留米市南の無職の83歳の男を、無免許運転と一時不停止の疑いで現行犯逮捕しました。
男は警察の調べに対し、無免許運転については容疑を認めていて「かなり前から無免許運転をしていた。」「一度免許を取ったが昭和のうちに失効した。」という趣旨の話をしているということです。
また、一時不停止については「無免許(運転)をしているので、一時不停止などの交通違反には気をつけていた。なので、きょうも一時不停止はしていない。」と話し、容疑を否認しています。
警察は、男のこれまでの運転状況などについて調べています。

逮捕の女「口論になりカッとなって刺した」福岡市で女性刺され死亡

18日、福岡市東区の市営住宅で、女性が刃物のようなもので刺され、死亡した事件についてです。
逮捕された女が警察の調べに対し、「口論になりカッとなって刺した。」という趣旨の話をしていることが新たにわかりました。
逮捕された藤本朱緒容疑者(36)は、18日午前3時すぎ、福岡市東区馬出の市営住宅の一室で、この部屋に住む高橋沙耶さん(33)の首や胸を刃物のようなもので複数回突き刺し、殺害しようとした疑いです。
その後、高橋さんは、死亡しました。
藤本容疑者は「刺した、ケンカをしていた。」と自ら通報していて、「いっぱい刺した。」などと容疑を認めています
その後の捜査関係者への取材で「口論になりカッとなって刺した。」という趣旨の話をしていることが新たにわかりました。
2人は友人関係で、部屋には押し入った形跡はなかったということです。
警察は、17日夜から18日未明にかけて藤本容疑者が部屋を訪れ、その後、トラブルになったとみて容疑を殺人に切り替え、動機などを詳しく調べています。

「会長」母親も逮捕 近隣住民「宗教やってるから…」 “神の取次者”に父親心酔…2家族で男性監禁か

19歳の息子を監禁した疑いで、父親ら7人が逮捕された事件で18日、新たに逮捕者が出ました。「神のお告げの取次者」を名乗る容疑者の母親にあたる人物です。『news zero』が逮捕される前に取材した際、「監禁なんかしていない」と話していました。
母親の村上恵美容疑者は逮捕前、『news zero』の取材に応じていました。
村上恵美容疑者(75)
「うちは被害者だ。青天のへきれき」
――監禁していたって?
村上恵美容疑者(75)
「そんなことありません。よく言うわ。監禁なんかしてません」
しかし、18日に監禁の容疑者として逮捕されました。
18日朝、警察車両に乗り込む村上容疑者を見たという近隣住民は…
近隣住民
「最初、ここに奈良県警の車が止まってて」
――この道路に?
近隣住民
「そうです。そこから入っていくと、村上さんのお宅があるわけ。午前9時ごろ奈良県警の車がなくなっているので、のぞきに行ったらお母さんが車に入っていくところを見かけた。捕まったのは3人でしょ、長男・二男・(長男の)嫁さん。なんでお母さん逮捕されないのかなと思っていた」
村上恵美容疑者は、すでに逮捕されている息子の有容疑者らとともに19歳の男性を監禁した疑いがもたれています。
有容疑者は自らを「神のお告げの取次者」と名乗っていました。
村上容疑者親子らが監禁していたとみられるのは、ともに逮捕された辰己勝容疑者の息子でした。村上容疑者家族と辰己容疑者家族、2つの家族の間で起きた監禁事件で、逮捕されたのは、合わせて8人です。
18日に逮捕された村上恵美容疑者と、主犯格とされる息子の有容疑者。もう1人の息子の順容疑者、順容疑者の妻の莉奈容疑者、そして被害者の父親の辰己勝容疑者、母親の貴子容疑者、姉の桜容疑者、弟の17歳の少年です。
発端となったのは、辰己容疑者が奈良県内で経営している塗装などの工事を扱う会社の業績悪化でした。
警察によりますと、数年前に経営が悪化。会社が傾きかけたとき助言を受けたのが、“神のお告げの取次者”を名乗る村上有容疑者でした。
このときの様子について、逮捕前に母親の恵美容疑者は…
村上恵美容疑者(75)
「このままいけば破産か倒産のときに(相談に)来たわけ。うちの子(有容疑者)はわかるもんだから、そういうのは見られるから、そうしたら『助かる』って言ったわけ」
――困っている人を助けたり導いたりしている?
村上恵美容疑者(75)
「やってます。うちは占いじゃないので、こうした方がいいってちゃんと証しが出る。言うのみなさん、ちゃんと動きましたよって。当たり前じゃん。それが本当の神様の力」
有容疑者の助言を受け、会社は経営を回復。それ以来、辰己容疑者は「有先生」と呼び、心酔していったといいます。
辰己容疑者
「有先生にお伺いをたてないといけない」
精神的な依存が続く中、辰己容疑者は監禁の被害者となった19歳の息子を更生させる目的で有容疑者に預けたということです。息子は、有容疑者が経営に携わるレストランで働くことになったといいます。
18日に訪ねると、シャッターは開いていましたが、準備中となっていました。近くの店の従業員は16日、店に来た恵美容疑者と話したといいます。
――何しに来ていた?
近くの店舗の従業員
「店をいきなり閉めたから在庫とか腐っちゃうから、お母さん来て掃除やる。『大変、大変』とか言われて」
被害者の辰己容疑者の息子は去年12月、このレストランから逃げ出しましたが、先月見つかり、連れ戻されたといいます。
監禁場所となったのは、恵美容疑者らの自宅の隣でした。
男性を監禁していたとみられる有容疑者ら7人。このとき恵美容疑者は不在でしたが、有容疑者が恵美容疑者を呼び、8人で監禁したとみられています。
実は2人は親子という関係のほかに、恵美容疑者が営むコンサルティング会社の代表と会社員という関係で、有容疑者は恵美容疑者のことを「会長」と呼んでいたといいます。
有容疑者は「会長がいないと話が進まない」などと話していて、恵美容疑者は、監禁の意思決定に力をもっていたとみられています。
村上恵美容疑者(75)
「監禁なんかしてませんよ。親(辰己容疑者)もいた。みんな何言ってんの。逃げようと思えば逃げればいい」
――家にカギは?
村上恵美容疑者(75)
「かけてませんよ」
――部屋とかも?
村上恵美容疑者(75)
「かけてませんよ、全然デタラメ」
恵美容疑者らは、男性を下着姿にして取り囲み、全裸で寝かせるなどしたり、バリカンで髪をそるなどしたとみられています。
――裸にさせられ外に出られないように
村上恵美容疑者(75)
「それは逃げるから。口がうまいから、見張ってないと逃げていっちゃう。それでパンツだけにしたの。私は呼ばれて横になっていただけ、なんかやってるなって。いつの間にかモヒカンになってた。言うこと聞かない罰だって。イヤだったら言い分あるでしょう。なんで黙ってるの」
恵美容疑者の印象について、近隣住民に聞きました。
――印象は?
近隣住民
「普通の人。ただ宗教やってるから、幸せとか、ここに木があると家の中が不幸になるとか、木は伐採した方がいいとか」
――母親が逮捕されてどう?
近隣住民
「テレビ聞いてて、神様のなんつったかな、取り次いで証しがあるようなこと言っている。(有容疑者らと)一種の同類項だと思った。時間の問題なのかなってみんな思ってた」
警察は「捜査に支障がある」として、8人の認否を明らかにしていません。
(6月18日放送『news zero』より)

“保守派”に大ウケでも、世界の流れに完全逆行…高市首相の「台湾発言」が日本にもたらした”大きすぎる代償”

※本稿は、富坂聰『おそるべき「中国一強」時代』(小学館新書)の一部を再編集したものです。
日本の政治家やメディアが煽り続けた結果、中国といえば「軍拡に熱心で力による現状変更を目論む国」であり、「人権侵害と少数民族弾圧が繰り返されているにもかかわらず、それを言論統制と警察力で抑え込んでいる国」で、「経済もボロボロ」「若者の失業問題が深刻」「たくさんの人が日本に逃げてきている国」とのイメージを定着させてしまった。
だが、その一つ一つは、検証に堪えうるものなのだろうか。
例えば、「力による現状変更」という表現だ。多用されるのは台湾問題と南シナ海問題だが、記事を書いた記者は、いまだ内戦の過程にある台湾のいつの時点を「現状」と考え、何を「変更」と考えているのだろうか。
南シナ海問題でも、中国(中華民国時代を含む)がこの海域の領有を宣言したのは戦後間もなくのことで、そのころにはフィリピンもマレーシアもベトナムもまだ国として存在していなかった。当然、領有の宣言もできなかったのだが、その場合の「現状」をどう考え、何を「変更」したと解釈しているのか。
中国は「経済もボロボロ」という切り捨て方も同じだ。その「ボロボロの国」も5%の経済成長をしている。そう書けば、日本人の多くは「中国は統計データを改竄している」と反論するが、IMF(国際通貨基金)も世界銀行も似たような数字を導き出している。
また中国は、新型コロナ禍と米大統領選挙の影響で、アメリカを筆頭とした西側先進国からの批判の的になった。だがその流れも、新型コロナ禍が明けて、ようやく終わろうとしており、現在はその「変化」の途上にある。しかも、世界の「反中」の流れを牽引してきたトランプ大統領自身の手によって、それが大きく修正されようとしているのだ。
世界は当然、それを無視できなくなっている。今の中国との新たな経済協力の可能性を求めて、グローバル・サウス各国から新興国、西側先進国に至るまで政府首脳・経済人が日参し始めているのは、偶然ではない。
例えば、オーストラリアは、それまで「反中」姿勢を続けていたスコット・モリソン首相が退任。2022年に就任したアンソニー・アルバニージー首相が中国との関係修復に動き、2025年には、2回目の訪中も果たしている。
またカナダも、ジャスティン・トルドー前政権時代には中国との対立を深めていたが、2025年にマーク・カーニー首相が就任すると、方針を転換。2026年1月14日には、カナダ首相としては8年ぶりの訪中を果たし、カナダが中国製EVに課していた100%の関税は、年間4万9000台の輸入枠を設けた上で6.1%にまで引き下げられた。
さらに、カーニー首相に続いて1月28日から北京を訪れたのは、イギリスのキア・スターマー首相だ。同国のビジネスリーダーら60人を引き連れての訪中だった。
興味深いのは、オーストラリア、カナダ、イギリスがともに7~8年という長い歳月を隔てて再び訪中に踏み切ったことである。このブランクが意味しているのは、西側先進国がようやく新型コロナ禍で悪化した対中外交を正常な軌道に戻そうと動きだしたことだ。
2025年暮れから2026年にかけては、フランスのエマニュエル・マクロン大統領やドイツのフリードリヒ・メルツ首相も訪中している。彼ら首脳にそうした決断をさせたのは「トランプ2.0」であることは間違いないが、それだけではない。
中国と対立することのデメリットを、彼ら自身が時間をかけて学んだ点も見逃せないからだ。そのことは、いずれも自国の経済人を大勢引き連れて訪中したことからも見て取れる。
そういった流れに逆らうかのように、中国についての否定的な情報やマイナスイメージばかりをクローズアップして、中国とさらに距離を置こうとしているのが日本なのである。
一方の中国は、米中対立の裏で、アメリカ以外の国との関係改善を進め、着々と外交環境を整えてきた。その象徴的な成果が、インドとの和解だ。
2025年8月31日、習近平国家主席はインドのナレンドラ・モディ首相と5年ぶりに会談した。中国天津市で開催された安全保障の枠組みである上海協力機構(SCO/加盟国は10カ国。ロシア、中国、キルギス、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、パキスタン、イラン、ベラルーシ)首脳会議でのことだ。
中国とインドの関係改善は、両大国が属するBRICSやSCOの存在感を国際社会の中で高めることに大きく寄与するだけでなく、メンバー国同士の紛争や対立を「話し合いで解決できる」ことを証明する良い機会にもなった。
BRICS加盟国は現在11カ国で、人口の総和は世界全体の49%にも達する。GDP(国内総生産)の合計も世界の3分の1を上回る規模で、今後もさらに成長が期待されている。加盟国の他に準加盟国としての「パートナー国」があり、タイやマレーシア、ベトナムなど10か国が参加し、さらに多くの国が関心を寄せている。このままゆけばBRICSが、世界の人口のわずか10%にも満たない「G7」(先進7か国)を凌駕する影響力を持つ日が来ても、不思議ではない。
その中でもインドは、中国と価値観の異なる西側先進国にとって中国の台頭を封じ込めるために大きなカギを握る存在と期待されてきた。
例えば、日本が提唱してトランプ大統領が興味を示し、バイデン政権にも引き継がれた「自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)」は、今も日本の外交方針の大きな軸となっている。
インドは、2020年に中印両軍が国境で激突したことをきっかけに「中国の不戴天の敵」と呼ばれるほど中国との対立を悪化させてきた。事実、中印は両国を結ぶ直行便さえなくしてしまったのだ。
2022年には、「中国包囲網」の枠組みとも呼ばれた日米豪印4カ国の「クアッド(QUAD)」のメンバーとしてモディ首相が東京での首脳会議にも出席。BRICSやSCOで習近平主席と同じテーブルに着いても、決して両首脳が会談することはなかった。
ところが、そのインドも2024年の総選挙前後に、にわかに中国へ秋波を送り始める。注目されたのは、米誌「Newsweek」(同年4月10日付)のモディ首相インタビューだ(Exclusive Interview: Narendra Modi and the Unstoppable Rise of India)。
記事の中でモディ首相は、〈インドにとって、中国との関係は重要かつ必須だ。(中略)私は、外交・軍事レベルでの積極的かつ建設的な2国間の関与を通じて、両国の国境の平和と平穏を回復し、維持できることを期待し、信じている〉と語り、世界を驚かせた。
インドのこの発言に中国も素早く反応。両国は歩み寄り、最終的に5年の時を経て再び握手を交わしたのである。
実はこの両者の動きの裏にも、前述したオーストラリア、カナダ、イギリスなどと同じく、中国と対立することのデメリットについての「学び」が存在している。中国封じ込めを狙いインドに期待していた日米にとっては、ダメージの大きい中印接近だった。
日本にとってさらに頭が痛い問題は、トランプ政権が戦後の国際秩序を公然と無視し始めたことだ。
日本がアメリカとの紐帯を強調し、中国を排除するためにしばしば用いてきたのは、「法の支配」という言葉だった。ところが、周知のようにトランプ2.0では、ベネズエラに軍事作戦を発動して大統領夫妻を拉致し、グリーンランドの領有のために武力を使う可能性を示唆。カナダを「51番目の州」と呼んで一国の首相を知事と侮辱する言動をしたかと思えば、イランの政権転覆のために圧倒的な戦力を投じて武力攻撃を繰り返している。
そんなアメリカ政府・軍の横暴ぶりを目の当たりにするに至り、中国を「法の支配」で批判する根拠も失ってしまったように見える。
決定打となったのは、トランプ大統領自身による国際法の真っ向否定発言だ。衝撃のインタビューは米紙「ニューヨーク・タイムズ」(Trump Lays Out a Vision of Power Restrained Only by My Own Morality)に掲載された(2026年1月8日付)。
「自分の行動を抑制できるのは?」と問われた大統領は「私自身の道徳観。私自身の心。私を止めることができるのはそれだけだ」と断じたのだ。
アメリカは、こんな大統領の下で軍事行動を起こしているのだ。
これはトランプ氏個人の問題で、一部の共和党の誤った考え方であり、いずれアメリカは軌道修正し、以前の姿を取り戻すだろう─―そんな希望的見通しももはや通用しない。
米誌「THE HILL」(2026年1月20日付)によれば、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)においてベルギーのバルト・デウェーフェル首相は〈これまで私たちはホワイトハウスの新大統領をなだめるよう努めてきた。(中略)しかし多くのレッドラインを踏み越えられ、いま自尊心を守るかどうかの選択を迫られている。(中略)いま引き下がれば、尊厳を失うことになるだろう〉と語った。
当初、トランプ大統領に対して「寛大である道」を歩んできたEUやファイブ・アイズ(アメリカを中心に情報共有する英語圏5カ国)も、今でははっきりと別の選択肢を探り始めている。
トランプ政権は間違いなく同盟軽視─―ロシアも中国も、アメリカにとって直接的な脅威ではないので、そこに資源を投入する必要はない─―だと気づいたからだ。
実際、同盟を不要なものと切り捨てようとしているのは、J・D・バンス副大統領の世代も同じで、むしろ彼らの世代の方がその傾向は強いと見られている。
日本が「高市答弁」で中国との関係を劇的に悪くしたのが、こういうタイミングだったと考えれば、現政権がいかに世界の流れを見誤っているかが分かるだろう。
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(拓殖大学海外事情研究所教授、ジャーナリスト 富坂 聰)

「謝るなら死んでくれ」全裸で謝罪させる動画も 内田梨瑚被告に22日判決 旭川女子高校生殺人

【詳細①】「家族ごと潰していいんだね」証拠隠滅も… 内田梨瑚被告22日に判決へ 弁護側は殺人罪否認
旭川市で女子高校生が殺害された事件の裁判は、2日目(5月26日)も検察の証拠調べが続きました。
青のストライプシャツに黒いスラックス姿で礼をして入廷したのは、内田梨瑚被告(23)。
殺人と不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われていて、起訴状などによりますと2024年4月、旭川市の神居大橋で留萌市に住む女子高校生(17)を全裸にしたほか、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と言うなどして川に落とし殺害したとされています。
裁判の争点は、殺人の実行行為や殺意があったのかどうか、共犯者との共謀の有無などです。
内田被告は5月25日の初公判で、起訴内容について「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と述べ、殺人罪などについて否認しました。
5月27日の裁判には、内田被告と同じ罪に問われ、すでに懲役23年の有罪判決が確定している小西優花受刑者が証人として出廷し「梨瑚さんが肩甲骨のあたりを両手で押しました。(女子高校生の)姿が一瞬で消えました」と証言。内田被告と小西受刑者の主張は、真っ向から対立しています。
◆検察の証拠調べ(5月26日)
・女子高校生を乗せて旭川に向かっている途中、走行中の車から出ようとした女子高校生に対し、内田被告らは「こいつどうにかしてる、話通じないなら今すぐ死んでくれ」「謝るくらいなら、死んでくれ」などと発言。
・内田被告は女子高校生のバイト先や住所をしつこく聞き、毎月5万円払うように言ったほか、払えないなら親に連絡すると脅した。
・女子高校生は車内で「すいません」と謝り、内田被告は「謝るなら死んでくれ」「そこの電柱に立て、車でぶつけるから」などと言う。
・女子高校生は次第に「死にたいです」と言うようになる。
・女子高校生がコンビニエンスストアで、警察に通報するよう助けを求めたときには、内田被告が従業員に「こいつ悪いことしたから警察に行く」「いま通報したら店も巻き添え食らう」という趣旨の話をして口止めした。
・女子高校生はコンビニ店内であお向けに倒れ、女子高校生のフードを引っ張って店を出るとき、内田被告は「店に迷惑」と言っていた。
また法廷では、女子高校生が欄干の上で全裸で謝罪をさせられている動画(小西受刑者が撮影)が流されました。
小西受刑者「座って」内田被告「はいどうぞ」女子高校生「舐めた態度とってすみ…やーだ!」小西受刑者「何が何が」女子高校生「やーだ」
一方、これまで弁護側は、「(被害者から)受け取った4000円と被害者の携帯電話を置いて立ち去っている。つまりそれは殺意がなかった一つの証拠」などとして殺人罪について否認。
さらに、被害者を全裸にしていることから不同意わいせつ罪については認めたものの、全裸にしたことと橋からの落下には因果関係がないなどとして、不同意わいせつ致死罪にあたらないと主張しています。
検察は6月8日の裁判で「被害者の人格、尊厳を踏みにじるもので身勝手極まりない犯行」と指摘し、「主犯であることは明らかで最も重い責任を負うべき」として懲役27年を求刑しました。
弁護側は「偶発的に起きた計画性のない犯行」、「すべて内田被告の責任とは言えない」などと主張し、情状酌量を求めています。
裁判は6月8日に結審し、22日に判決が言い渡されます。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。

給食の米粉パンに相次ぎカビ混入、業者に製造中止を指導…奈良県の11市町が米飯切り替えなどで対応

奈良県広陵町の町立小で給食の米粉パンにカビが混入していた問題で、新たに斑鳩町の学校で同じ業者が製造・納入したパンに異物が混入していたことがわかった。学校給食用パン指定工場を指定している県学校給食会は16日、給食パンの製造を中止するように指導。同会によると、業者は県内11の市町にある小中学校などに1週間に約1万5000個を納入しており、関係する教育委員会は米飯に切り替えるなど対応を講じている。
同会は1日、広陵町教委からカビの混入に関する報告を受け、2日に業者を立ち入り調査。パン生地をこねる機械に、水を供給する配管内のカビが流れ出たとみられたことから、業者は配管を使わず、手作業で水をくみ入れる代替策を示した。
だが、16日に斑鳩町で検品中に異物の混入があったことがわかった。
これらの状況を受け、同会は業者に設備の入れ替えなどの実施と、安全性が十分に確保されるまでは給食パンを製造しないよう指導した。王寺町などでも5月26、27日にもカビの混入が2件わかっている。
三郷町教委では6月17日、当面は米飯に変更する旨を保護者に連絡。9月以降は別の業者を探すという。広陵町教委では6月18日、町立の5小学校で予定していたパンを米飯に変更した。
県学校給食会の辻本裕明事務局長は「委託している側にも責任はあり、申し訳ない。今考えれば、立ち入り調査の時点で徹底的に指示しておくことも選択肢だった。(異物混入が)二度とないように努めたい」と話している。