〈高市チルドレン多数誕生〉「安倍首相時代の悪夢再びか…」名刺もなかった25歳介護職員、71歳地元政界のドン、あの筆談ホステスも…個性豊かな比例当選者たち

高市早苗首相の人気で衆院選にボロ勝ちした党。これほど勝つとは執行部も想像できなかったようで、例代表では候補者数が獲得議席に追い付かず、余った議席が他党に回って「おこぼれ」で復活した議員が14人も生まれたほどだ。自民党の中でも、自分の当選は考えず同僚の応援ばかりしていた候補者も。かつて小泉純一郎人気で誕生した小泉チルドレンは数々の「個性豊かな」議員を生み出したが、今回の「高市チルドレン」にはどんな新人がいるのだろう。
〈画像多数)「政策を聞かれても…」大金星の森下千里氏のグラビアアイドル時代。ミニスカートをはいた1日署長、ゴルファー写真
政策について言葉が出なかった元グラビアクイーンの森下氏だけじゃない
高市人気の追い風を象徴するのは宮城4区(石巻市など)の森下千里氏(44)だろう。 中道の共同幹事長だった安住淳氏(64)を破るジャイアントキリング。
「元グラビアクイーンでタレントの森下氏は厳密にいえば新人ではありません。2021年に宮城5区(当時)から出て落選し比例復活もできませんでしたが、前回24年は比例単独で立候補して当選しています。 でも今回出た小選挙区では当選10回の安住氏に4万5000票以上の差をつけ、楽々当選しました。これは高市旋風のなせるわざでしょう」(政治部記者)
もともと宮城とは縁のなかった森下氏は、東日本大震災の被災地でボランティアをしたことを機に政治家を志し、この選挙区に移住。辻立ちを5年間に約7000回行なったとして「辻立ちクイーン」とメディアは呼んでいる。
「ところが当選した途端に周囲を不安にさせています。当選確実が出た後のインタビューでは、何が有権者に受け入れられたと思うか、と質問されても『さあそれは。これから皆さんに聞いてみたいと思います』と言うだけ。
質問者がさらに、選挙中に有権者と触れあって感じたことは何か、と聞くと『日頃も地域を回っているので、そういった思い出とかもめぐりながら戦いました』とだけ話し、政策に関する言葉が全く出なかったことがSNSでも話題になっています」(同)
他に名の知れた候補では「筆談ホステス」として知られる斉藤里恵氏(42)が比例東海ブロックで当選した。
「1歳の時に聴力を失った斉藤氏は銀座の高級クラブでの筆談による見事な接待が知られるようになり、2015年には東京都北区議、21年には東京都議にも当選しています。 昨年夏の参議院選に自民党から比例候補として出馬しましたが落選し、その後自身のSNSで銀座のクラブに入ったことを明かしながら『政治の道を完全に手放したわけではございません』とも表明していました」(雑誌記者)
今回の衆院選では東海地方の実力者・野田聖子氏(岐阜1区で当選)の力添えで比例単独候補になったと明かしていた斉藤氏。「自民党は比例東海ブロックに39人を立てて38位まで当選しました。斉藤氏は36位で、ここまで下の順位で通ったのも高市人気があったからでしょう」と地元記者は話す。
25歳新人女性候補は「当選できるとは思わなかった」
新人議員は年齢層も多様だ。衆議院議員になることができる最低年齢の25歳で当選したのは党が15人の比例候補を立て全員が当選した北海道ブロック14位の村木汀(なぎさ)氏だ。
「岩見沢市出身の村木氏の父は4期目の北海道議である村木中氏。その中氏の後援会関係者によると、汀氏は北海学園大法学部を卒業後、JA関係組織の職員や税理士法人職員を経て現在は地元岩見沢の訪問介護を行う会社で働いているという。
大学1年の時から自民党青年局に携わり、コロナ禍での就職活動や憲法改正で地元衆院議員に意見を聴く懇親会を開く活動をしていた。
中氏は娘の当選について、
「今回の立候補は女性候補者を増やしたいとも考えた自民党側から出馬を頼まれたものです。私は娘が落選することは覚悟していましたが、その上で『出てくれないか』と打診してみると娘は二つ返事で『いいよ』と言ってくれたんです。
そういうわけでタスキも作っておらず、名刺も作っていません。ただ投開票日の2日前に記者さんから『自民の勢いが強くてもしかしたら娘さんも当選するかも』と言われ、そこから当選も現実味があると思い始めたんです」
と話す。小選挙区の候補の応援に勤しんでいた汀氏の名刺は選挙2日後の1月10日にできたという。
できあがったばかりの名刺を手にした村木氏は地元テレビのインタビューで、「自分の名前の横に衆議院議員って書いてるのって、違和感。似合わないなあっていう感じですかね(笑)」と話し、政治家やその卵が感じさせるギラついたところがまるでない。
自身の年齢が話題になると、
「20代の国会議員の方ってなかなかいなくて、若い世代の代表として国政に声を届けていける立場であることがやはり強みだとも思いますし、一方で人生経験の浅さっていうものは他の議員の方々に比べたら大いにあるかと思います。弱みが強みにどんどん変わるように頑張っていきたいなと思っています」
と冷静に回答していた。
71歳“新人”は地元政界のドン
対照的に新人議員の最年長は比例北関東ブロック32位で通った西條昌良氏(71)だ。茨城県議を8期務め、県議会議長の経験もある地元政界のドンのような人物だ。
後援会関係者も「普通なら引退を考える年齢」という西條氏が国政に転出を図ったことについて、
「これからは茨城県議という『地域の顔』から、国会議員として『北関東、そして日本の顔』になるわけ。長年培ってきた調整能力や、地方創生、国土強靭化に対する知見を国政でどう爆発させるのか。『ベテランの大型新人』として、老樹のような粘り強さで永田町にどう根を張るのか、これからの活躍から目が離せないよね」
と興奮気味に話す。
自民党では近年、選挙で大勝ちして新人議員が多く生まれると、議員教育に手が回らないことで問題行動も発生。さらには、そもそも資質が疑われる人物が議員になってしまったのではないかと思われるケースも起きてきた。
「2005年9月に小泉純一郎首相が仕掛けた郵政解散後には83人の『小泉チルドレン』が生まれました。当時一番悪目立ちしたのが杉村太蔵氏(現タレント)です。『料亭に早く行ってみたい』『国会議員はJR乗り放題らしい。しかもグリーン車』という失言で騒ぎになりました。
また2012年に安倍晋三総裁の下で自民党が政権に復活した総選挙で当選した若手は、14年に再選されると『魔の2回生』と呼ばれる不祥事製造機集団になりました。
秘書に『このハゲー』という暴言を浴びせた豊田真由子氏(今回参政党候補として当選)もその一人です。他にも不倫や買春問題が次々と噴き出しました。2017年の総選挙を経て『魔の3回生』と呼び名が変わっても問題議員が生まれ続けた世代です」(政治部記者)
改選前の衆議院議員198人が316人にまで増えた自民党。当選したベテラン自民党議員は、当選直後からこう警戒している。
「これから当然、自民党に対する目が厳しくなる。今回は準備期間が少なく身体チェックも甘いし、若手や中堅が浮かれて、やらかす議員が出そうで心配だね、ウチの比例区でも『誰だ?』って子が当選しちゃったよ。悪夢が再び起きなければいいけど…」
今回は大丈夫だと願いたい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

高市首相に振り回される〈財務官僚〉の悲鳴「消費税減税を確実に2年で打ち切る策を練ろうとしている」

日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「 霞が関コンフィデンシャル 」。最新号から、ダイジェストで紹介します。
◆◆◆
消費税をめぐる混乱
高市早苗首相が衆院選の公約の目玉に据えた消費税減税。例によって「食品の税率を2026年度中にゼロにする」という中身を事前に知らされたのはごく少数の側近だけ。通常国会の冒頭解散も公約も独断で決め、自民党執行部も各省庁も、あまりのことにすっかり毒気を抜かれた様子だ。
消費税堅持を訴えてきた財務省との溝が深まる一方、片山さつき財務相(昭和57年、旧大蔵省入省)は金融界のトップらに「大きな政策は首相と私のツートップで決める」と宣言。首相との距離の近さをアピールする。「片山氏の能力は現政権で群を抜いている。財務官僚も首相とのパイプは片山氏に頼るしかない」(官邸筋)と、最強官庁もすっかり制圧された格好だ。
新川浩嗣事務次官(62年、同)はさすがに元気がない。与野党が消費税減税でほぼ足並みを揃えた以上、「減税そのものを阻止するのはさすがに難しい」(内閣府幹部)のが現実だ。
首相は「2年間の時限措置」と表明したが、28年夏には参院選が控えている。財政規律派の閣僚経験者も「消費税率の引き上げなんて、できるわけがない」と半ばあきらめ顔だ。与野党が参加する社会保障改革の国民会議も近く始まる予定だが、財務省とともに実務を仕切る厚労省でも「消費税減税が常態化すれば、いずれ医療、介護、年金の給付をカットしなければ制度を維持できない」(局長級)と深刻な雰囲気が漂う。
税率8%の食品の消費税収は年間5兆円。財務省内は「2年間で10兆円なら国債発行以外の財源を生み出すこともできる。だが3年、4年と続けるのは無理だ」(中堅)と危機感が大きい。このため、主計、主税局を中心に、減税を確実に2年で打ち切るための策を練ろうとしている。
※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年3月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年3月号)

「組織として必死でやった。数字にも表れている」中道大惨敗、創価学会員の本音と公明党の逆鱗にふれた「ネット記事」の中身

高市早苗総理率いる自民党が大勝した衆議院総選挙。その一方で話題となったのは議席数を半分以下に減らした中道改革連合だ。落選した立憲民主党の元議員たちからは「比例が公明出身に占められていたのはおかしい」などといった恨み節が聞こえてくる一方で、あるネット記事が公明党の逆鱗に触れたという。
【画像】中道、安住氏から大金星をあげた森下千里氏のグラビアアイドル時代の1日署長写真
公明党幹部がブチぎれた、あるネット記事
ある一つの記事が、公明党の逆鱗に触れた。
怒りは静かなものではない。公明党の幹部たちが公式に、そして即座に反応し、法的措置さえ口にするほどの激しい拒絶反応を示している。それほどまでに、この記事が報じた内容は、現在の公明党、あるいは「中道改革連合」の内部にいる人々の肌感覚と乖離していたのだろう。
まずは、記事の問題となっている箇所を確認していただきたい(以下、引用)。
『「中道で一緒にやっていく意義はない」 “負け組”立憲民主と“勝ち組”公明、もはや分裂必至か』(AERA DIGITAL、2月10日配信)
公明党の参院議員A氏はこう言ってほくそ笑む。 「正直、うちはうまくやった。小選挙区は擁立しないが、組織票がある比例で優遇してくれという交渉をうまくやった。それでなきゃ4議席も増えない。小が大を飲み込んで、利を得た」 新党設立があまりに急ごしらえだったため、参院では立憲民主と公明がそのまま存続している。この公明のA氏は早くも解党を示唆する。 「衆院で自民党に大敗したので、中道でやってもかなわない、一緒にやっていく意義もないことが証明されてしまった。参院ではまだ分かれたままなので、お互いが元に戻ればいいんじゃないか」 (引用終わり)
私が取材した「公明党の現場の空気」とはたしかに違った
公明党側の怒りは凄まじい。参議院会長らが所属議員全員に確認を取ったところ、このような取材に応じた人間は一人もいないというのだ。つまりA氏は存在しない、発言は捏造である、と抗議の声を上げているのだ。
たしかに、報道に対して匿名告発者を晒せというのは無理筋な話で、これまでも報道の自由の中で匿名告発者は守られてきた。匿名告発者がいたからこそ、社会や政治が動いたことはいくらでもある。
しかし私は、その公明党側の怒りについては支持したい。なぜなら、私が取材した現場の空気は、A氏が語るような「計算高い冷笑」とは程遠いものだったからだ。
周囲にいる創価学会の人に話を聞いてみても、返ってくる言葉は苦渋に満ちている。
「組織として必死でやった。数字にもそれは表れている」
「状況は複雑だ」という言葉が、多くの人の口から漏れた。確かに、公明系の候補者が比例で当選したことは喜ばしい。しかし、共に戦ったはずの立憲民主党出身の議員たちが小選挙区で次々と落選していく様を見て、手放しで喜べるはずがない。
「組織として必死でやった。数字にもそれは表れている」
そう語る表情に、裏切りや策謀の色は見えない。あったのは、やるべきことをやったという自負と、それでも届かなかった現実への徒労感だけだ。
友人の経営者(非創価学会員)が語ってくれたエピソードも、現場の熱量を裏付けている。
選挙が始まったばかりの頃、友人は笑っていた。
「うちのオフィスの大家さんは創価学会の人で、いつもなら選挙のたびにお願いに来るのに、今回はまだ来ない。あんまりやる気がないんじゃないか」
しかし、選挙戦も中盤に差し掛かった頃、大家さんはやってきた。そして、これまで以上に熱心に、中道候補への支援を訴えて帰っていったという。友人は「むしろいつも以上に必死だった」と振り返る。
出足が遅れたのは、やる気がなかったからではないだろう。かつて敵対していた勢力と手を組むという「中道」の枠組みを、自分の中でどう消化し、どう他者に説明すればよいのか、言葉を探していた時間が長かったのではないか。
悩みながら、それでも組織の決定に従い、汗をかいて歩き回った。そんな実直な支援者たちの姿が、この記事には欠落しているように感じられる。
組織票は逃げていない。しっかりと固められていたのだ
数字を見ても、現場の努力は明らかだ。時事通信が配信した分析記事は、感情論ではなくデータで公明党の動きを証明している。
「前回衆院選では、選挙協力により公明の比例票に自民支持者の票が一定程度含まれていることを考慮すると、純粋な公明・学会票は、参院選の得票数が実態に近いと言える。
学会員の高齢化などにより、国政選挙での公明の集票力が減少傾向にあったことを踏まえれば、2.9ポイント減という数字からは、東京の創価学会が組織を挙げて、中道の比例票の掘り起こしに取り組んだことがうかがえる」(時事通信『創価学会は全力で戦った? 新党・中道、衆院選で大敗【解説委員室から】』2月10日配信)。
記事によれば、比例票の減少幅は想定の範囲内に留まっている。つまり、組織票は逃げていない。しっかりと固められていたのだ。
北海道や東京といった重点地区でも、学会員たちは中道票の確保に全力を挙げていたことが数字から読み取れる。
「中道」を掲げるならその定義を広げたらどうか
とりあえず今後も中道は存続するようだ。もし「中道」という概念を大切にしたいのであれば、その定義をもっと広げる必要があると思う。
例えば、ドイツには「キリスト教民主同盟(CDU)」という政党がある。彼らはキリスト教の価値観をベースにしながらも、保守的な層から中道、そして労働者層まで、幅広い人々を包摂する巨大な国民政党だ。
日本の「中道」も、こうしたものを目指すべきではないだろうか。
現在の枠組みは、旧立憲民主党と旧公明党の合併という形だが、それだけでは足りない。世の中に存在するさまざまな仏教勢力、あるいは宗教的なバックボーンを持つ人々、さらにはリベラルにアレルギーを持つ保守的な仏教勢力までも取り込んでいく。
「右でも左でもない」ではなく、「右も左も包み込む」ような、大きな器としての「中道」。
そこまで懐を深くして初めて、宗教アレルギーやリベラルアレルギーといった壁を乗り越えることができるのではないか。
公明党の歩みを振り返れば、現実に即した柔軟な対応をしてきた歴史がある。
現場の人々は、やるべきことをやった
昨年は減税を強く主張して実現させた。リベラルと言われながらも、安全保障法制や辺野古移転、原発再稼働といった問題では、現実的な判断を下し、政権与党の一翼として責任を果たしてきた。理想を掲げつつも、現実の泥にまみれることを厭わない。その姿勢こそが、公明党の強みだったはずだ。
今回の選挙戦で、学会員たちが流した汗は嘘ではないだろう。大家さんが見せた必死さは、政治への誠実さそのものだ。だからこそ、その努力が報われない今の状況には、私も「複雑な思い」を抱かずにはいられない。
現場の人々は、やるべきことをやった。だとしたら、次は指導者たちが応える番だ。
「高市ではないから」という消極的な理由ではなく、人々が積極的に選びたくなるような、新しい「中道」の姿を示せるかどうか。
敗北は終わりではない。それは、自分たちが何者であるかを問い直す、最も貴重な機会でもある。
静かに、しかし確実に変化し続ける時代の波の中で、公明党という組織が次にどの方向へ舵を切るのか。もう一度、足元を見つめ直す時が来ている。
日本の仏教勢力の結集。中道がその役割を果たせるかどうか
かつて仏陀が説いた「中道」は、単なる中間地点ではなかったはずだ。それは、対立を超えて高みへと至る、智慧の道であった。
今の日本の政治に必要なのは、まさにその意味での「真ん中」なのだろう。
日本の仏教勢力の結集。中道がその役割を果たせるかどうか、私たちは、冷静に、そして温かく見守る必要がある。
今回の衆院選で露呈したのは、急造された「中道」という看板の脆さと、現場の熱量との温度差である。公明党の支持母体がどれほど献身的に動こうとも、理念なき野合と見なされれば、有権者の心は離れていく。
高市政権という強力な保守の対抗軸として機能するためには、単なる議席の融通を超えた、魂の通った旗印が必要だ。捏造疑惑に憤るエネルギーがあるならば、それを「真の中道」を構築する力へと転換すべきである。
混沌とする政局の中で、彼らが自己の存在証明をいかに果たすのか。その真価が問われるのは、まさにこれからだ。
文/小倉健一

「被告の関心は…」安倍晋三元首相銃撃事件・山上徹也が注視する“もう一つの裁判”とは

山上徹也被告(45)に無期懲役刑が下された奈良地裁判決を「不当」とする弁護側は4日、大阪高裁へ控訴した。
「弁護側はこれまで、『殺人罪』については争わなかった一方、自作のパイプ銃は銃刀法上の『銃』に当たらないとし、法定刑の上限を無期懲役とする銃刀法上の『発射罪』については無罪を主張。
情状面では、『宗教2世としての不遇な生い立ちは犯行と一直線に結びついており、量刑判断において最も重視されるべき』として、『懲役は最長で20年が妥当』としていた。判決では一切の主張が退けられた形です」(社会部記者)
公判に明らかにされたこと
一方、公判で明かされた境遇には裁判員たちも、「想像もつかない程つらい家庭環境」「家族の不遇を抱え込んでしまう家族思いな人物」と同情を寄せた。
「被告が4歳の時に父親が自殺。重病を患う兄を案じた母親は教団へ高額献金を繰り返し、家庭は崩壊する。
高校を卒業後、海上自衛隊に入隊し家計を支えるも、母親は亡くなった祖父の遺産まで教団に注ぎ込み、自己破産。被告は兄妹に保険金を残そうと自殺を図るも未遂に終わり、その10年後の兄の自殺で激しい自責の念にかられ、生きる意味を教団への復讐に見出していった。
21年、教団に贈ったビデオメッセージをきっかけに安倍晋三氏が標的の一人に浮上したことなどが明らかになりました」(前出・社会部記者)
山上被告が控訴を受け入れた本当のワケ
奈良地裁は、こうした境遇を情状として重視しない理由について、「背景や遠因」に過ぎず、教団や関係者への怒りや復讐心と、殺人の実行とには「大きな飛躍」があると言わざるを得ないと判示した。
事実、安倍氏を最終的な標的とした理由は十分には解明されていない。
「判決では安倍氏について、『殺害を正当化できるような落ち度は何ら見当たらない』としているが、裁判で『殺害を正当化できる落ち度』が被害者に認められるケースの方が稀。判決は、教団との関係や、道徳的・政治的責任を否定するものではない」(司法担当記者)
弁護側は今回の控訴理由の詳細を公表していないが、「銃刀法の認定や生い立ちについての一審判断は不当」との考えから控訴を提案したところ、山上被告もこれを受け入れたという。
関係者が内情を明かす。
「山上被告は、今回の衆院選で高市自民党の圧勝に終わった場合、旧統一教会の解散命令請求について東京高裁が3月4日に下す可否判断にどう影響するかを非常に懸念していた。被告の関心は自身の減刑よりも、公判の継続により統一教会問題が風化されないことの方にあるようだ」
衆院選直前には、教団の極秘文書や事務所の内部文書を通じて高市首相にも教団との新たな“接点”が浮上したばかり。2つの裁判の行方に今後も目が離せない。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年2月19日号)

階・小川氏の主張に大差なく…中道議員困惑「どちらに票を」「テレビでしか見たことない2人」

12日に告示された中道改革連合の代表選(13日投開票)には、階猛、小川淳也両衆院議員が立候補を届け出た。立憲民主党出身の両氏は政策や党運営への思いをアピールしたものの、明確な対立軸を示すことができず、党再建につながるかは不透明だ。(原新、中田隆徳)
「この中から選ばないといけないのか」
弱点を指摘
「法案への賛否やスキャンダル追及にエネルギーが割かれがちになっていた」
階氏は中道改革の党本部で開かれた共同記者会見で、かつて所属した民主党や立民の弱点をこう指摘した。政務調査会での活動が長く、財政金融政策通を自負していることもあり、代表に就任すれば「国会ではスキャンダル追及より、証拠と論理に基づいた説得力のある議論を展開したい」と述べ、政策論争に比重を置く考えを明らかにした。
これに対し、小川氏は党が衆院選で大きく議席を減らしたことに触れつつ、「野党第1党が国会で果たすべき役割に質的な変化はない」との認識を示した上で、「与党と対峙(たいじ)し、政権監視をしていく」と強調した。ただ、「反対野党」と批判されることを意識してか、「協力するところは協力する」とも訴えた。
高市政権の経済政策はそろって批判した。階氏は「借金頼みで予算を増やし、バラマキを行っても共栄につながらない」と問題視。小川氏も政府債務を対国内総生産(GDP)比で引き下げる政権の方針について、「極めて無責任だ」と言い切った。
合流に慎重姿勢
党運営を巡っては、立民と公明党に所属したままの参院議員や地方議員の合流時期が焦点となっている。
階氏が「性急に事を運ぶべき時ではない」と主張すると、小川氏も「少し時間をかけて、丁寧に関係者の意見を確認しながら意思決定していくべきことだ」と同調した。衆院選の大敗を踏まえ、立民内には中道改革への合流に慎重意見があることに配慮したものとみられる。
立民系と公明系の党内融和をどう図るかも課題となる。立民系は、衆院選で公明系が比例名簿上位で処遇されたことに不満を募らせているためだ。次期衆院選での比例名簿の扱いに関して、階氏が「原則として平等であるべきだ」と訴えると、小川氏も「全ての人が平等だ」と続いた。
記者会見を受け、中道改革内には、両氏の主張に大きな違いがなかったことに戸惑いが広がっている。
立民系の衆院議員は「どちらに投票すればいいかわからない」と困惑する。自主投票を決めている公明系の衆院議員は結党から3週間しかたっていないことを念頭に、「候補者の2人はテレビでしか見たことがない。その中から代表を選ばないといけないのか」と漏らした。
諦めぬ苦労人 金融政策強み…階猛元総務政務官
東京大には2浪の末に入学した。野球部で投手を務めるも、チームは70連敗を喫し、就職した旧日本長期信用銀行は1998年に経営破綻。働きながら挑戦した司法試験は10回目でようやく合格した苦労人だ。
「とにかく諦めない。それが強みだ」と胸を張る。2007年の衆院補欠選挙で初当選した。政界入りしてからは、政局よりも政策を重視し、金融・財政政策を得意とする。
民主党政権で総務政務官、民進党時代には政調会長を経験した。「与党をうならせるような政策を一つでも多く出す」と語る。
各党渡り歩き 政権選択肢に…小川淳也元立民幹事長
高松市で「パーマ屋」を営む両親のもとに、3人きょうだいの長男として生まれた。「社会不安、将来見通しのなさを何とかしたい」と、政治家を志した。
自治官僚を経て、民主党から出馬した2005年衆院選で初当選し、民主政権では総務政務官を務めた。民進党、希望の党、立憲民主党と渡り歩いたのは自民党政権に代わる選択肢を示したいという信念からだ。
立民時代は幹事長や政調会長を経験した。20年のドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で自身の政治活動が取り上げられたこともある。

【続報】山岳遭難の韓国籍の男性(24)通報から4時間後救助 コース外で道に迷う 北海道・旭岳

【速報】韓国籍と思われる男性「道に迷った」バックカントリーで遭難…連絡取れず捜索中 北海道・旭岳
2026年2月12日、東川町の旭岳で韓国籍の男性が一時遭難しましたが、通報から約4時間後、山岳遭難救助隊により救助されました。
救助されたのは、韓国籍で旭川市に住むアルバイト従業員の男性(24)です。
男性は2026年2月12日午後6時半前「スノーボード中に道に迷った」と110番通報しました。
警察によりますと、男性はバックカントリースノーボードをしていて道に迷ったということです。
その後、道警山岳遭難救助隊が捜索し、通報から約4時間後の午後10時半ごろ、男性を発見し救助しました。
男性にけがはありませんでした。

【速報】仮眠で停車中の大型トラックに別のトラックが突っ込む 運転手の男性死亡 神戸・ポートアイランドの港湾道路

けさ早く、神戸市のポートアイランドで、路肩に停車していた大型トラックに、後ろから別のトラックが突っ込み、突っ込んだ方のトラックの運転手が死亡しました。
午前5時すぎ、神戸市中央区の港湾道路で、「トラックが突っ込んできた。前方が大破している」と、大型トラックの男性運転手から警察に通報がありました。

警察によりますと、現場は片側4車線で、通報者の男性が路肩に大型トラックをとめて仮眠していたところ、後ろから別のトラックが突っ込んできたということです。
トラックは、運転席部分が大型トラックにめり込んで大破し、消防が運転席部分から男性を救出しましたが、その場で死亡が確認されました。
警察が事故の詳しい原因を調べています。

「分布拡大防止ライン」も突破 キョン生息域拡大、千葉県が対策強化

千葉県南を中心に農作物被害などを引き起こしている特定外来生物「キョン」への対応を強化するため、県が第3次の防除実施計画案を作成した。3月までに内容を詰めて正式決定し、2026年度から5年間の方針とする。生息域が北に拡大しており、これ以上の「北進」を防ぐために捕獲目標を前回計画の2倍超にすることを盛り込んだ。
キョンはシカ科の動物で「ギャー!」と鳴くのが特徴。肩までの高さは40センチ程度で大きさは中型犬に近い。中国や台湾が生息域だが、1960~80年代に勝浦市の観光施設から逃げ出して県内で繁殖したとされる。
県は生息数を抑えるため鳥獣保護管理法に基づき2000年度から捕獲を開始。09年度からは防除計画を2度策定して「完全排除」を目指した。しかし想定以上の繁殖力で、推定生息数(中央値)は06年度約1万3300頭だったが、24年度は約9万4100頭と20年弱で7倍になった。
定着する市町村も04年度の5市町から25年度の18市町に拡大している。県は21年度からの前回計画で一宮町と市原市を東西に結ぶ一帯を「分布拡大防止ライン」に設定してきたが、これも突破され、25年にはその北側の茂原市でも定着が確認された。ここ数年はさらに北の成田市や千葉市緑区でも死体が確認されている。
農作物の被害も増加しており、県はこれ以上の拡大を防ぐため、前回計画で年8500頭以上とした捕獲目標を新計画案では約2.1倍にし、年1万8000頭以上に設定した。キョンの移動を制限する柵の設置も検討し、より効果的な捕獲体制の整備を図っていくなどとしている。
新計画案は1月14日に開かれた有識者らとの会合で示された。有識者からは、茨城県など県外への拡大防止も目標に明記すべきだという声が上がった。県はこうした意見も反映して文言を一部修正し、パブリックコメント(意見公募)を実施した上で計画を3月末までに正式にまとめる。【中村聡也】

ケースワーカー2人が生活保護業務怠り市長が謝罪…5年間で139世帯分、受給者の死亡発見半年遅れた事例も

高知県南国市は12日、市福祉事務所のケースワーカー2人が昨年までの5年間、生活保護受給世帯の約2割にあたる139世帯への訪問調査や書類作成、転出世帯の業務引き継ぎを怠っていたと発表した。事務作業の遅れに同僚が気付いてから福祉事務所長が知ったのは約1年半後で、平山耕三市長は「業務への意識が低く、組織内でも連携が取れていなかった」と謝罪した。今年度中に退職者1人を含む関係者8人を処分する。
職務を怠った1人は2021年度から74世帯、もう1人(25年春異動)は22年度から72世帯。うち7世帯は2人が関与している。
市は、受給者の実態に合わせ、月1回~年1回の5段階に分けて訪問・面談をしているが、2人が訪問や引き継ぎを怠っていたため、受給者の死亡の発見が半年間遅れた事例もあった。
また、ケースワーカーの指導・監督役である査察指導員に記録を提出せず、援助方針も策定しなかったため、保護費の過支給は2件(計約9万5000円)、未支給は4件(計約11万4000円)あった。一方で、高知市に転出した10世帯の業務移管を放置し、同市まで面談に出向いていた。
2人の事務処理の遅れを査察指導員が知ったのは23年9月。指導員は早く行うよう繰り返し指示したが改善せず、天羽庸泰・福祉事務所長が知ったのは25年2月だった。2人が自力で処理するのは難しいと判断し、他部署からの応援も得て、完了したのは今年1月末。2人は業務の遅れについて理由を説明しないという。
市は再発防止策として、面談実施の状況や事務作業の進行具合を把握し、職場内での情報共有を図るとしている。

弁護士が証拠隠滅指示メモ送信か 愛知県警、書類送検

警察署で昨年7月、勾留中の男と接見し、男が書いた証拠隠滅を指示するメモを携帯電話で撮影して関係者に送ったとして、愛知県警が証拠隠滅教唆の疑いで、県弁護士会所属の中山敬規弁護士を書類送検したことが13日、捜査関係者への取材で分かった。書類送検は10日。男はコカインを使用したとする麻薬取締法違反の罪などで公判中。
捜査関係者によると、書類送検容疑は昨年7月、県警中村署で勾留されていた野口隆希被告(25)と接見。コカイン入りのカプセル剤を名古屋市守山区のマンション一室のテーブルに置くよう指示するメモを撮影し、被告のいとこに送った疑い。
県警は、コカインが入っていると知らずにカプセル剤を飲んだように偽装する目的だったとみている。