【小沢一郎が吠える!】#5
立憲民主党も民主改革の会も、執行部は将来像を全く示せないままだ。浪人中の人たちなど、みんな不安でたまらないというのが現実だろう。そうした中、今までのしがらみや、くびきを断ち切って、国民に支援してもらえるような新しい集団・政党を立ち上げるということが、どうしても必要だと思う。
僕は今、中道改革連合に離党届を出して無所属だが、どうも、立憲と民主改革のどちらを見ても、そういう思い切った決断をできるような雰囲気はない。乱世のような傾向を見せている今日の内外情勢の中で、野党の第1党的な集団のリーダーが、自分たちの将来像を示せないとは本当にどうしようもない状況だ。
だから僕は、この際、既存の政治家にこだわらず、広く民間の皆さんからも参加を求めて、ぜひ、新しい政党をつくりたいと思って、実際に努力している。
ただ、低落傾向とはいえ高市内閣の支持率がまだやや高いうえ、バラバラ状況の野党の中に自分の身を置いて頑張ろうという人は、現実問題としてなかなか出てこない。それで今、悩んでいるところだ。
我こそはと思わん人が自ら旗を立てて、志を同じくするものを糾合する、そういう人の出現を心待ちにしている。
高市内閣では来年の自民党総裁選まで持たない
──進捗状況は何合目?
かなり進んできている。でも、僕は徳川家康をあまり好きではないけれど、家康が説いたとされる「百里の道は九十九里をもって半ばとすべし」は言い得て妙だ。九十九里まで進んだと思ったけれど、残る一里が難しい。最後の最後の詰めが、何事も難しい。
既存の政党の中でやろうとしたら、それこそ与野党の有志が、「今の保守政治は、本来の姿から外れている」として、ガラガラポンみたいな形で動くべきなんだ。
腐敗もひどいし、高市総理に代表される政治姿勢は、あまりにも軽薄で極端だ。こういう政治が戦前の昭和史の悲劇を招いたことを、国民は思い起こさなければならない。300万人以上の国民の命を犠牲にした愚行を、国民は繰り返してはならない。
中身のない右翼というかナショナリズムというか。ただの煽りだ。昭和の行政・軍閥官僚が、自分たちには何もないのに天皇陛下の名を借りて国民を煽って、勝ち目のない戦争へ突入した。高市内閣には、それと似たような体質と傾向がある。国民は肝に銘じるべきだ。
新しい政党のリーダーは、国民の中から在野から立ち上がってくれる形が一番いいが、それはなかなか難しいだろう。だから、そういう人たちがいつでも飛び込んでこられるような受け皿をつくってチャンスを待つしかない。
下り坂の高市内閣では来年の自民党総裁選まで持たないと思う。必ず「さあ、どうしよう」という機会が来る。自民党も野党も、いや応なしに考えなければならない時が来る。
(取材・構成=小塚かおる/日刊ゲンダイ) (小沢一郎/前衆議院議員)
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農相更迭まで2週間、対応の遅れを問われ「スマホは最大音量」…高市首相の国会答弁に残った疑問
政権の危機管理や情報収集・分析の能力に乏しく、その自覚もないのだろう。“身内”の不祥事へのガバナンスが機能しなかったことが露呈したにもかかわらず、反省する姿勢を示さないのだから。
高市早苗首相が10月14日、ようやく「私の大事なやなちゃん」「知恵袋」と呼んでいた簗和生農相(当時)を更迭した。地元自治体の道路予算を「カットした」などと発言しただけでなく、公職選挙法違反(買収)を強くうかがわせる事案、政治家としての資質の欠如を物語る発言などが相次いで報じられたためだ。遅まきながら、このまま閣僚に留めれば、参院で問責決議案が提出され、臨時国会の重要法案の審議入りへの影響が避けられないと気付いたのだろう。
簗氏については、9月17日の内閣改造に当たって、政権内で意思疎通を図っていれば、閣僚にふさわしい人物ではないと分かったはずだ。役職希望アンケートというエントリーシートだけで閣僚・党人事を決するという政治手法の限界が現れてしまった。
首相は10月15日、後任農相に自民党の武部新元農林水産副大臣(旧二階派)を一本釣りした。「即戦力として活躍してくれる」と、その起用の理由を語ったが、決め手はやはりアンケートだった。
この先、同様の間違いが繰り返されないとの保証はない。現に武部氏を含む数人の閣僚について公職選挙法違反や政治資金規正法違反の疑惑が取りざたされている。
だが、内閣支持率は各種世論調査で下落せず、横ばいだった。首相が自ら独善的政権運営を見直すこともないのではないか。
高市首相は、簗氏の予算カット発言が9月30日に週刊新潮と週刊文春の電子版に報じられてから、更迭(辞表提出)まで2週間もかかったことについて、10月16日の参院予算委員会で、釈明に追われた。
立憲民主党の辻元清美氏から、発言の発覚時点でけじめをつけなかった理由を問われ、「かばっていたわけではない。本人が説明責任を果たすべきだと考え、そのように促した」と明らかにした。
辻元氏は、呆れたように「今回、危機管理能力の欠如が指摘されている。簗大臣の問題と同時に、首相の資質も問われている」と重ねて問いかけた。
その答弁は唖然とする内容だった。首相は「危機管理能力がなかったと思われたのは、とても残念だ。24時間、常に公用スマホをそばに置いて最大音量にして、夜も横になっている。国会の危機管理能力、災害などが発生した時の対処は迅速にやってきたし、危機管理には私は力を入れている思いだ」と、独自の見解を得意顔でアピールしたのだ。
辻元氏は「国交省も農水省も大混乱していた。それをちゃんと収められなかったというのは、災害の時に電話を置いていたとか、そんな話じゃない。そこが分からないというのが、理解できない」と首相を非難した。
辻元氏が指摘したのは、簗氏の更迭をずるずると先送りし、首相官邸や関係省庁、国会運営を混乱させたという組織的な危機管理対応力の欠如だった。首相は、精神論や技術的な初動対応に話をすり替えたのである。それがかえって首相の資質の問題を浮かび上がらせてしまったといえよう。
政権の危機管理の要諦は、「事実把握と初動対応」「情報の一元的管理と丁寧な説明責任」「身内の処分を含む毅然としたガバナンス」とされる。今回の簗氏の事例では、どう対処すべきだったのか。
簗氏は、自民党筆頭副幹事長当時の5月24日、党栃木県大田原支部総会後の懇親会で、数十人の党員らを前に2026年度道路予算をめぐって、こう述べたことが音声データに残っている。
「那須烏山市と那珂川町の26年度の道路予算については、大幅にカットした。那須烏山市は前年度比で64%減、3分の1にした。那珂川町は54%減にしている」「自民党の議員に頼ってインフラ整備が必要だというところに多く回すのが、当たり前の話だから」
26年2月の衆院選で栃木3区は保守分裂選挙だった。簗氏は無所属新人の渡辺真太朗氏に敗れて比例復活当選した。那須烏山市の川俣純子市長と那珂川町の益子純恵町長らは、渡辺氏を支援していた。そして簗氏の発言に符合して道路予算が大幅に削減されていた。
こうしたカット発言報道の翌10月1日、簗農相は記者団に「大臣就任前の一議員の活動に関わる回答は控えたい」と述べたが、閣僚としての資質が問われている以上、逃げ切れるはずはない。
木原稔官房長官が翌2日、簗氏を官邸に呼び、「説明責任を果たすように」と指示せざるを得なかった。簗氏は同日夕、一議員として記者会見に臨み、国交省に交付金の額を問い合わせ、5月の会合で報告したことを認めたが、「私の表現ぶりが誤解を招いた」「行政に働きかけて予算が減ったという事実はない」と釈明した。
簗氏は10月5日、国会内で記者団に対し、5月の予算カット発言について「撤回し、お詫びする。極めて不適切だった」と陳謝しつつ、辞任を否定した。これに先立ち、高市首相が簗氏を首相官邸に呼び、発言を撤回し、謝罪するよう指示していた。
この時点で「初動対応」を誤ったといえよう。本来なら、ここで更迭すべきだった。首相や木原官房長官には、地元の道路予算を削減することで自分の力を誇示し、投票行動に影響を及ぼそうとする政治家に即レッドカードを出すというセンスがなかったといえる。
首相らは、簗氏が国交省に問い合わせただけで、何も働きかけていない、という報告を内々受けていた。道路予算を増減する権限がないのに、身内の会合で自分の政治力を誇張して話したに過ぎないのだから、発言の撤回、謝罪で乗り切れると読んだ。どう受け取られるかというところに考えが及ばなかった。
簗氏の入閣は、首相の特別枠だった、と聞く。9月の内閣改造後の記者会見で、今回の顔ぶれについて「選挙に強い人を選んだ」と言いながら、簗氏は閣僚で唯一、小選挙区選で落選していた。旧安倍派で、政治資金収支報告書に1746万円の不記載があり、党から役職停止6カ月の処分を受けた過去がある。世論の反発を敢えて押し切っての抜擢だった。
問題発覚後、簗氏の辞任を首相に進言する側近もいなかった。首相には自分に都合の良い情報しか上がらない。何しろ首相自身が「危機管理のプロ」を自認(錯覚)し、「とにかく働いて仕事で返せと言っている」(8日の衆院本会議)と答弁しているのだから。
自民党内は「『私が予算をつけた』と言う人は昔から時々いるが、『私が削ってやった』というのは聞いたこともない」(石破茂前首相)という冷めた空気だった。
地元は当然、反発する。那須烏山市の川俣市長は10月5日、「予算カットの発言を撤回し、謝罪があったが、那須烏山市や那珂川町の住民に大きな不安を与えたことは事実だ。住民に、しっかりと説明責任を果たされたい」とコメントした。
これに対し、国土交通省が10月6日、簗氏のカット発言をめぐって、国交省への圧力や働きかけは確認されなかったが、問い合わせがあった、との調査結果を公表した。
問い合わせは2月中旬、簗氏から那須烏山市と那珂川町への26年度予算配分額について、佐々木紀国交副大臣(現首相補佐官)と黒田昌義官房長(現国交審議官)にあった。佐々木氏は4月の予算成立後、簗氏に2市町への予算配分を説明していた。
こうした経緯は国交次官らに報告が上がったというが、記録が残っておらず、黒田氏は国交省の聞き取り調査に対し、「細かいメモがないので覚えていない」と答えたという。軽微なものは記録を残さないというルールは、それはそれで別の問題でもある。
この時点では、首相官邸が主体的に国交省や財務省からの情報をまとめて開示すべきで、「情報の一元的管理」という観点からも、いかがなものかという対応だった。
「説明責任」のポイントは、なぜ那須烏山市は前年度比で64%減(国交省によると26%減)、那珂川町は54%減になったかという算定根拠の開示だろう。国交省はその後、那須烏山市内の重点配分対象事業が26年度内で終了することや那珂川町内には対象事業がなかったなどと説明したが、そもそも同省は自治体ごとの配分額、県の事業に対する社会資本整備総合交付金(国費)の上乗せ分などの算定根拠や調整過程を明示していない。
国交省関係者は一様に「簗氏が予算配分に関与できるはずがない」「一度付いた予算をはがすことはあり得ない」と明言する。
実際には予算カットはなかったのだろう。だが、国交省の配分の匙加減が不透明なだけに、政治家が「予算を取ってきた」と地元にアピールする余地を残しているともいえる。
危機管理の「処分を含むガバナンス」という点で、高市首相の判断はどうだったのか。
日本維新の会の前原誠司元外相が10月7日、簗氏について京都市内で記者団に「政治家として失格だ。閣僚を辞めるだけではなく、議員辞職に値する」と語った際は、維新側に「言い過ぎだ」と苦言を呈していた。
転機は13日の衆院予算委だった。公明党の中野洋昌氏が「発言そのものが大臣の適性を欠いている」と更迭を求めたのに対し、首相は「本当に不適切でダサいと思う」と、それまで擁護していた姿勢を一変させた。
野党は同委で、選挙時に簗氏の陣営が支持者をシャトルバスで出陣式に無料送迎したとの週刊文春報道を受け、公職選挙法が禁じる利益供与の疑いがある、と一斉に追及した。
簗氏は当初、スタッフがバスを借りる前に栃木県選挙管理委員会に照会し、「会場費の一部として計上する」との回答を得ていたとして、違法性を否定した。野党側が同選管に確認したところ、公示前に簗氏側から相談された記録も記憶もない、事前に聞かれれば公選法違反の可能性があると答えるはずだ、という内容だった。
この食い違いに、首相は「違法性があるようなことがあれば、私は躊躇しない」と述べ、初めて更迭を示唆したのである。
簗氏は、翌14日の衆院予算委で答弁が揺れる。選管への照会は事前ではなく、収支報告書への記載方法だった可能性がある、と事実上、前日の発言を修正したのだ。
14日には簗陣営が2024年衆院選で、選挙運動に携わった運動員に報酬を支払っていたという新たな公選法違反(買収)疑惑が週刊文春電子版に報じられる。ここに至って、首相がようやく更迭に踏み切ったが、委員会の場でこれほど醜態をさらした例は稀だろう。
首相にとって計算違いだったのは、野党10会派が14日、簗氏の問責決議案提出で一致したことだった。仮に提出されていたら、可決する可能性があるだけでなく、臨時国会での消費税減税・支援金法案や衆院定数削減法案の審議にも少し影響が出たことだろう。
高市首相は14日、簗氏の辞表提出を受け、記者団に「任命責任を重く受け止めている」と弁明したが、政権内に混乱を招いたことについて謝罪も反省の弁もなかった。
簗氏については「今日も(衆院予算委の)答弁を聞いていたが、まだ私自身も含めて十分に理解を得られた内容だとは思っていない。今後、一国会議員として説明責任を果たしてもらいたい」と突き放した。
簗氏は辞任後、国会に現れず、メディアの前からも姿を消している。地元ではお詫び行脚を求められているが、公選法違反疑惑への対応に追われているのか、実現していない。
高市改造内閣では、武部農相が2024年10月の衆院選公示日に代表を務める党北海道第12選挙区支部が国交省の港湾業務を受注していた地元の海運会社から30万円の寄付(献金)を受け取っていたとの報道など、数々の公選法違反疑惑が取り上げられている。
関芳弘文部科学相も初入閣前の2020年12月と2024年6月の2回、衆院内規で禁じられている議員会館で政治資金パーティーを開いた問題がしんぶん赤旗から追及されている。関氏は旧安倍派の政治資金事件で836万円の不記載が指摘され、党の戒告処分を受けていた。
こうした閣僚の辞任や不祥事があると、内閣支持率は低落する傾向にあるが、高市内閣はそれに当てはまらない。10月の読売新聞世論調査(16~18日)では内閣支持率は57%で、前月から2ポイント減の横ばいだった。不支持率は30%(前月30%)だった。
簗氏が更迭されたことを当然だと「思う」は82%で、「思わない」の10%を大幅に上回った。一方、高市首相の責任について大きいと「思う」46%と「思わない」46%が並んだ。内閣不支持層では「思う」77%、「思わない」19%で大差がついた。
内閣支持層や若年層、中年層の現役世代は簗氏の問題と首相の責任を切り離して考える傾向が強いらしい。支持層では首相の責任が大きいと「思う」は35%にとどまった。
政治的スタンスによって、同じ対象への評価基準が異なるのは、安倍晋三政権以降に見られる党派的分極化によるものだ。高市首相を「推し活」している支持層は、野党やメディアから危機管理の不備などへの批判があっても、異なる情報環境にいて、状況の変化を見極めて更迭したのだから責任はない、などと心理的に首相擁護に傾きがちだという。
内閣支持率を常に気にかけている首相が、危機管理の仕組みと実務を学び直し、何でも独りで決定する政治スタイルを見直すきっかけが当面、望めないことにもなる。
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(政治ジャーナリスト 小田 尚)
JR宗谷線 特急列車とクマが衝突…クマを巻き込んでいる可能性あり停車続く 乗客乗員にけがなし
30日夜、JR宗谷線の天塩中川駅と問寒別駅の間で特急列車がクマと衝突し、非常停止しました。
クマを巻き込んでいる可能性があり、現在も停車したままです。
JR北海道によりますと乗客32人と乗員にけがはありませんが、安全のため31日午前6時段階で車内にとどまっているということです。
この影響で31日、特急2本と普通列車3本に運休が発生しています。
【いまさら聞けない】「リベラル自認」なのに自民党へ投票?保守との違いから紐解く、日本人の約2割を占める「新しいリベラル」の正体《全8回の1回目》
世の中の「知らないと損する」話題を、北海道から「ざっくり」深掘りするHBCのWEBトーク番組「むちぞん~無知は損する~」。
情報があふれる現代社会で、「もやもやする話題」や「実は、知らないと損する知識」を、その道の第一人者をお招きしてじっくり聞いていこうという企画です。
今回は日本の最大多数を占めながらも実態が知られていない「謎の集団・新しいリベラル」に迫ります。
ゲストに『新しいリベラル』(ちくま新書)の著者である北海道大学大学院の橋本努教授をお迎えし、政治思想の基本から「新しいリベラル」の正体まで、ゼロからたっぷり伺いました。
聞き手は、HBC本間吏成アナウンサーと、報道部の髙橋智也記者です。
【全8回の第1回/・・・・・・】
「新しいリベラル」とは?話題の著書から深掘り!
本間アナ) 「新しいリベラル」ということで、最初聞いたときに「ちょっと重たいんじゃないかな」って思ってしまったんですけれども、「新しいリベラル」という政治思想があると…?
橋本教授)そうですね。もちろん経済にも関わってきますし、私たちが普段使う「保守」や「リベラル」という言葉は一体何なのか、中心は政治ですが深く関係してきます。
本間アナ)橋本先生は『新しいリベラル~大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」』(ちくま新書)という本を、立命館大学産業社会学部の金澤悠介教授と共同執筆されました。日本の人口のおよそ2割を占めるという最大勢力「新しいリベラル」の存在を浮き彫りにした本です。
橋本教授)政治家たちもこれまで「何かあるんじゃないか」とぼんやりとは考えていたと思うんですが、私たちがこの言葉を初めて使ったんですね。「新しいリベラル」という言葉はこれまで流通していなかったんです。
そもそも「リベラル」「保守」ってなに?
本間アナ)「新しいリベラル」の前に、そもそも「リベラル」って何ぞや?というところなんですけれども。
橋本教授)リベラルという言葉はかなりいろんな意味があって、実際には誤解している人も多いです。 「私はリベラルだ」という人に「どういう意味ですか?」と聞いても意見が一致しないのが現状なんです。 保守の場合もそうで、「あなたはリベラルですか、保守ですか?」と聞いて「保守だ」と答える人に「何を支援するんですか?」と聞いてもバラバラになってしまう。
ですので、今「リベラル」や「保守」という言葉はかなり曖昧で、良い定義がなくなってきたのが現状です。あまりこういう言葉を使わない方がいいんじゃないかと思っている人の方が、実は多いんですね。
ただ、もともと「リベラル」という言葉は「権威主義に反対する」という意味です。例えば、戦争のときに政府が人々を戦争に駆り出すような権威主義の体制に反対した人たちが、戦後に「平和が大切だ」という考え方でリベラルの立場を取ってきた、そういう人が多いんだと思います。
本間アナ)権威主義に反対する立場を取るのがリベラルということですが、ざっくり言うと「権威主義」とはどういうことですか?
橋本教授)例えば「政府が一番大切で、政府の言うことは絶対だ」とか、男女で言えば「家庭の中では父親が一番偉いんだ」といった考え方を権威主義と言います。
本間アナ)そういったものに対して、反対する立場を取るのがリベラルなんですね。
橋本教授)そうですね。ですから「男女平等であるべきだ」とか「政府をそこまで信用してはならない、戦争しそうになったら反対する」というのがリベラルの立場になります。
本間アナ)どちらかというと、現代風な考え方がリベラルという感じでしょうか?
橋本教授)そうですね。どちらかというと伝統に反対して、日本の男尊女卑的な伝統や権威主義に反対する現代的な考え方がリベラルです。ただ、現代だから全員がリベラルかというとそうではなく、やはり「保守」と「リベラル」に分かれます。
髙橋記者)現在の国内のリベラルと保守のざっくりとしたイメージをまとめたフリップがあるんですが、こう分けられるのかなと考えています。
まず「憲法9条の改正」についてどういう立場を取るかという点で、リベラルは反対、保守は賛成という立場を取ることが多いです。
そしてもう一点、これが新しいリベラルにもつながっていくんですが、「支援する対象」として、リベラルは高齢者層を支援した方がいい、一方の保守は現役世代をもっと支援した方がいい、という立場を提示することが多いかと思います。先生、このあたりはいかがでしょうか?
橋本教授)最初の憲法9条の話は、まさに平和と戦争の問題ですね。平和憲法と言われる憲法9条をできるだけ維持したいのがリベラルの立場ですので、改正反対となります。
もう一つの支援対象は、政府の政策をどうすべきかという問題です。貧困層に対して手厚く再分配していくべきだというのがリベラルの考え方です。 もともと市場経済は金持ちと貧しい人に分かれてしまうので、格差を縮めた方が平等な社会になるという発想ですね。
そして高齢者についてですが、日本は高齢化が進んでいて高齢者が多いですよね。民主的に考えたときに、高齢者の方に投票に行きますし、人口が多い高齢者を支援していく政策になっていきます。
リベラルが特に高齢者を優遇して支持しているというわけではなく、もともと医療制度や年金制度を充実させることに関心を寄せてきた結果として、高齢者世代を支援する傾向になっているということです。
一番多いのは、「リベラル」でも「保守」でもなく…
本間アナ)こう見ると、リベラルと保守は全く真逆の価値観という理解でいいですか?
橋本教授)もともとこういう価値観の対立が強かったんですね。戦後日本でアンケート調査をすると、「政治で一番重要な問題は何か」という問いに「憲法や安全保障の問題」と答える人が多かったので、ここで意見が分かれてきたということです。
本間アナ)よく聞く「右派」「左派」という言葉も同じような意味ですか?
橋本教授)同じ意味で使われるので、同じといえば同じですし、違うという人もいます。ざっくり言えば「左派=リベラル」と理解されますが、具体的に議論し始めると両方の言葉が曖昧なので大変になってきます。
例えば今アンケート調査で「あなたはリベラルですか、保守ですか?」と聞くと、多くの人は「どちらでもない」「分からない」と答えます。
「どちらかといえばリベラル」という人が2~3割、「保守」と答える人もそれくらいで、高齢者が多いので保守がやや多いです。年を取ると「今の日本社会のままでいい」という現状維持の保守になりがちで、若い人の方が「もっと日本は変わるべきだ」とリベラルになりがちです。
ですが、一番多いのは「分からない」「中間」なんです。
ただ、ここがポイントなんですが、「自分はリベラルだ」という2~3割の人に「どの政党に投票しますか?」と聞くと、イメージとしては共産党や立憲民主党に投票する人が多いと思われますよね。ところが、そこに投票している人は1%もいないんです!
本間アナ)えっ!?
橋本教授)強い意味で自分はリベラルだと思っている人は人口の2%しかいません。その中で共産党に投票する人が20%、立憲民主党に投票する人が20%です。 全体として見ると、強い意味で自分がリベラルで共産党や立憲民主党に投票する人は、人口の1%以下しかいないんです。
これには私もびっくりしました。リベラルと言いながら一番どこに投票したかというと、実は自民党が一番多くなってしまうんです。
本間アナ)みなさん自認している思想と、実際の投票先が違っているんですね!不思議です……。
次回の記事では、リベラルと保守では分けきれなくなったのでは?と思われる日本人の政治思想についての調査によって、新たに浮かび上がった「新しいリベラル」とは何なのかについて深掘りします。 実はあなたも、新しいリベラルかも?
むちぞん~無知は損する~
HBCアナウンサー・本間吏成 稚内市出身。HBCラジオ「気分上昇ワイド ナルミッツ!!!」パーソナリティ、野球実況、HBCテレビ「キタコイ」を担当。Sitakkeでは「むちぞん~無知は損する~」や「アライマ(アラサーの今、話してみた)」に出演。好き勝手に喋るので、リスナーからは「ナルミッツの毒」と言われる。
HBC報道部・髙橋智也 北海道の政治・社会ニュースを中心に取材を担当。
ゲスト:橋本努 北海道大学大学院経済学研究科教授。経済思想・政治思想を専門とし、大規模調査に基づく著書『新しいリベラル~大規模調査から見えてきた「隠れた多数派」』(金澤悠介教授との共著)が話題を集めている。
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は収録時(2026年5月)の解説・議論に基づきます。
ICC制裁巡り意見交換 日米外相、意思疎通で一致
【アトランタ共同】茂木敏充外相は30日(日本時間31日)、訪問先の米南部アトランタでルビオ国務長官と会い、米政権による国際刑事裁判所(ICC)や赤根智子所長の制裁対象指定を巡り意見交換した。法の支配を重視する日本の立場を伝えたとみられる。両氏は引き続き緊密に意思疎通することで一致した。日米同盟の強化に向けて議論を深める方針も確認した。
茂木氏は、ロシア当局による北海道新聞記者の拘束を米国務省が非難したことに謝意を表明した。両氏はインド太平洋を含む国際情勢についても協議した。中国で11月に開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた米中首脳会談も議題となった可能性がある。
〈阪神戦チケの転売ヤー親子逮捕〉売上約4200万円「名門私大を中退、引きこもり…」住職の息子(28)が大量転売…母親は「発送を手伝っていた」
兵庫県警は阪神タイガースの試合のチケットを転売して利益を得ていたとして兵庫県姫路市の無職の男A(28)と親B子(56)を「チケット不正転売禁法」違反容疑で逮捕した。男は古刹の住職の息子だが、修行ではなく、チケットを右から左へ流すだけの転売ヤー業にハマっていたとみられる。
【画像】「まさか住職の息子が…」阪神チケット不正転売で逮捕された母子も暮らしていた古寺
約3500枚を転売、売上4200万円…逮捕された住職の息子の素顔
兵庫県警は10月15日にAとB子を逮捕したと、発表した。2の逮捕容疑は2026年3~4に共謀して、阪神戦のチケット12枚を約2万8000円で仕入れ、転売サイトを通じて3人に計約6万2000円で不正転売した疑い。2人とも逮捕容疑を認めているという。
「1枚約1900円のチケット5枚を、それぞれ約1万2000円(1枚当たり約2400円)と約3万5000円(1枚当たり約7000円)で、1枚約4400円のチケットを2枚で約1万5000円(1枚当たり約7500円)で、それぞれ転売したというのが逮捕容疑です。
このほかにサイトのアカウント記録を見ると、母子は2019年ごろから阪神戦をはじめとするプロ野球の試合やコンサートのチケットを約3500枚売っており、売り上げは約4200万円あったとみられます。ただし、これらは購入金額を確認中で、利益がいくらだったかはまだ分かりません。一部は時効にかかっている可能性もあります」と兵庫県警生活経済課は説明している。
2年連続リーグ優勝するなど近年好調な阪神。本拠地甲子園球場の試合は巨人戦など対戦カードによってはプラチナチケットとなっており「兵庫県警の警察官も当然阪神ファンはいっぱいいますが、『甲子園のチケットがなかなかとれへん』という話が出ることもあります」(捜査関係者)という状態だ。
さらに阪神はシーズン内の甲子園の試合を2月に一斉に売り出すことも転売市場の“需要”につながっている可能性もあるという。
「今年も阪神は2月に、その時点で甲子園で主催予定だった全62試合の入場券を売り出しました。このチケットは『主催者の同意なく第三者に有償譲渡してはならない』とされる特定興行入場券に該当するため、チケット不正転売禁法の対象になります。
ただ年間シーズンのチケットが2月に一斉に買われるため、シーズン途中で行きたくなっても買えないという状況もあります。そこに違法転売が出る余地があるのではないかとの指摘も出ています」(スポーツ紙記者)
約千年前の寛仁年間に開かれたとされる古寺の住職の息子だったAも、そんな阪神ファンの一人だった。疲れ切った表情で親族が事情を話す。
「Aは地元の名門私立中高から関西の有名私大に進んだ頭のいい子だったんです。でもいつの間にか大学を中退して、自分の部屋にこもってパソコンの前にずっといるような生活をしていました。母親のB子以外とはほとんど話もせず、ひきこもりみたいな感じです。
阪神? はい、Aは阪神ファンで、以前は甲子園にも応援に行ってました。最近はそれもなくなりましたけど、テレビで試合はよく見ていました。
普段はたまに散歩に出たりしてましたが、大体家にいて、本人は酒もたばこもやらないから夜に飲み歩くこともないんです。趣味もなく、高そうなものを買っていた気配もないので、お金を遣って遊びまわっていたとかでは全然ないんです」(親族)
「息子に頼まれるまま郵送の手伝いを…」母親も逮捕、住職の父親は謝罪に奔走
母親のB子はそんなAを心配して世話を焼いているうちに“共謀関係”になってしまったようだという。
「B子は夫の住職の仕事を支えている家族思いの人で、Aの生活も心配していろいろ面倒を見すぎるくらいだったんです。それでAに頼まれるままに郵送の手伝いをして、そのときにチケットとか阪神のグッズなんかも送っていたみたいなんですけど、B子自身は転売でお金儲けをしなければいけない理由なんかないし、ただただ自分の子が社会と何か関わりを持って仕事をしてくれるんなら、という気持ちだったと思います」(親族)
AとB子の逮捕前に兵庫県警は姫路署に家族全員を呼んで事情を聞いたりもしたという。
「私は詳しいことはわからないんですけど、転売って、買った人も納得して買っているんじゃないんですか? 今回、『何千万円も売り上げていた』みたいに言われてますけど、それが全部儲けになるわけでもないし……。
住職も今回のことがあっていろんな役を降りて、みなさんに謝罪して回ってます。どうしてこんなことになってしまったのか……」(親族)
だが、親族の主張とは裏腹に、転売ヤーによって健全な市場が歪められると、高い額を出さないと試合を観に行けなくなる。それを防止するため、チケット不正転売禁法が作られた。
「今回の捜査の発端は、球団がチケットの転売を知って県警に情報を伝えたことですが、球団が情報を伝えたのは今回逮捕されたAとB子だけではないとみられています。今後阪神チケットの転売ヤーへの捜査は拡大する可能性もあります」(地元記者)
球団は18日、AとB子の逮捕を受け、公式SNSで、 〈このたび、転売仲介サイトにて当球団ホームゲームのチケット不正転売行為が確認されたため、この者たちに対して「試合観戦契約約款」並びに阪神タイガース公式ファンクラブ2026年会員規約に則り、阪神タイガース公式ファンクラブ会員資格取消し処分を行いました。〉 と発表。
また、阪神のチケットの不正転売は、 〈1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります〉 と警告した。
いちファンとして入ったファンクラブ会員の特典でチケットを買った可能性もあるAは、応援していた球団が禁じるチケットの高額転売に関与したとして、母親とともに逮捕された。「転売ヤー」という虚業は違法行為であることをきちんと認識するべきだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
48歳女性警察官の顔面を殴打 職務執行妨害疑いで71歳男を逮捕「泥酔している客が退店しない」店の通報で職務質問され「うるさかったから殴った」北海道小樽市
10月30日夜、北海道小樽市で女性警察官の顔面を殴打し、警察官の職務を妨害したとして71歳の男が逮捕されました。
公務執行妨害の疑いで逮捕されたのは、小樽市住吉町に住む71歳の自称・無職の男です。
男は、10月30日午後9時半ごろ、小樽市花園3丁目の路上で、48歳の女性警察官に対し顔面を殴打する暴行を加え、職務の執行を妨害した疑いが持たれています。
警察によりますと、当時、現場近くの飲食店から「泥酔している客が退店しない」と通報があり、駆けつけた女性警察官が店の外で男を発見しました。
そして職務質問をすると、男は女性警察官の顔面を平手打ちしたということです。
女性警察官にけがはありません。
男は、一緒にいた警察官に取り押さえられ、その場で逮捕されました。
取り調べに対し、71歳の男は「警察官がうるさかったから殴った」などと話し、容疑を認めているということです。
当時、男は酒に酔っていたということで、警察が事件のいきさつなどを調べています。
ゲームセンターで暴れた女…制止しようとした女性の髪を引き抜く 傷害の疑いで逮捕 北海道旭川市
ゲームセンターで暴れた女…制止しようとした女性の髪を引き抜く 傷害の疑いで逮捕 北海道旭川市
北海道・旭川中央警察署は2026年10月30日、自称・東京都に住む職業不詳の女(自称・22)を傷害の疑いで逮捕しました。
女は30日午後2時半ごろ、旭川市宮下通7丁目の商業施設内で、パート従業員の女性(42)の頭髪をつかんで引き抜く暴行を加え、傷害を負わせた疑いが持たれています。
警察によりますと、当時、女は商業施設内のゲームセンターで暴れていて、制止しようと近づいた女性の頭髪をつかんで引き抜いたということです。
調べに対し女は「私がしたことに間違いない」と容疑を認めています。
警察が動機などを詳しく調べています。
オオサンショウウオ「さんちゃん」天国へ 91年に保護 三重
津市の県総合博物館(MieMu)で展示されていたオオサンショウウオの「さんちゃん」が27日に死んだ。県が30日に発表した。名張市内で1991年に保護され、前身の県立博物館時代から35年余りにわたって飼育。平たい大きな口と小さな目、時折のっそりと動く姿で親しまれていた。
館によると、27日午前9時ごろ、巡回していた職員が発見した。数日前まで元気に過ごしていたという。死因は不明。そもそも年齢・性別も分かっておらず、今後解剖など調査を進める。
オオサンショウウオは世界最大級の両生類で、国の特別天然記念物。県内では伊賀、名張両市などの河川に生息しており、さんちゃんは91年6月ごろ、名張市美旗の小波田川(名張川支流)で住民が見つけた。
その辺りに近くの水田から農薬が流入する恐れがあったことなどから、文化庁の許可を得て県立博物館が保護。2014年のMieMu開館後は、ミュージアムショップ横の展示水槽で暮らしていた。
給餌は毎月第2土曜日のイベント「さんちゃんのお食事会」の時だけ。竹の棒に挟んだ川魚(1回数匹、計300グラム)を丸のみする様子が子どもに人気だった。
保護時の全長は100・5センチ、体重は7・4キロと少し大きめ。死後に計測すると122・9センチ、12・2キロと更に成長していた。
MieMuでは11月6日~12月6日、2階の展示水槽前でさんちゃんの飼育記録や思い出を紹介するパネル展を開催。無料で見学できる。担当者は「寂しいです。展示で在りし日をしのんでほしい」と話している。【石本万象】
8月下旬の大雨、富山・氷見市は「1000年に1度の雨量」…専門家警鐘「今後も同規模の雨が降る可能性」
8月下旬に富山県内を襲った記録的な大雨から、27日で2か月がすぎた。氷見市周辺では「1000年に1度程度」のまれな雨が降っていたと推定されることが、国立研究開発法人・防災科学技術研究所の解析でわかった。専門家は「今後、同じ規模の雨が降る回数は増えるだろう」と警鐘を鳴らしている。(原中翔輝)
同研究所は、気象庁がもつ各地域の過去約30年の雨量データを基に、3、6、24時間などの雨量ごとに、「何年に1度の規模に当たるか」を割り出している。
分析によると、同市周辺の27日午前6時までの6時間雨量は「1000年に1度程度」と極めてまれな大雨だった。高岡市伏木地区でも、氷見に匹敵する雨が降ったとみられるという。
台風や大雨災害に詳しい同研究所の飯塚聡・極端気象災害研究領域長は「富山は大雨災害が少ない印象だった。普段の経験ではありえない雨が降り、被害につながった」と指摘する。
全国では過去に、東日本を中心に死者・行方不明者計120人超を数えた、2019年の台風19号により氾濫した千曲川や阿武隈川流域で、24時間で「100年以上に1度程度」の雨が降った。また、今年8月の千葉豪雨や24年9月の石川県奥能登豪雨でも、24時間で「100年以上に1度程度」だった場所があった。
今回の富山県内での大雨は、北陸地方にかかる前線に向かって次々に湿った空気が流れ込んだこと、地球温暖化の影響で海面水温が高く、大気中の水蒸気の量が増えていたことが主な原因とみられる。
飯塚さんは「全国で大雨が増加傾向にあるのはデータ上も明らかだ。県内の別の地域でも今回と同じような規模の雨が降る可能性はある」と語る。大雨に備え、アンダーパスなどの危険箇所を事前にハザードマップで確認することが重要だとしている。
2日間で落雷1万回以上
県内では8月26~27日の2日間で1万回以上の落雷が観測されたことが、気象情報会社「フランクリン・ジャパン」(相模原市)のデータでわかった。県内の1か月平均落雷数の3・7倍に上り、同社は「これだけ集中したのは異常だ」としている。
同社は全国で、落雷の位置や時刻を把握できる、観測システムを運用している。同社によると、県内では8月26日に約5500回、同27日に約5200回の落雷があった。
26日午後10時台の1時間には3300回を記録した。2016~25年の10年間の1か月平均落雷数は2900回だといい、わずか1時間で上回った。同社の気象予報士、重田絵里奈さんは「普段落雷が多い地域と比べても、短時間にこれだけの雷が落ちるのはめったにない」と指摘する。
8月26日は富山市石坂で、最高気温34・4度を観測。そこに寒気が流れ込んだといい、重田さんは「地上と上空の気温差が大きかったことが、異常な落雷をもたらした」とみる。
県内では、落雷が原因とみられる火災も発生した。
8月27日午前1時5分頃、氷見市島尾の木造2階住宅から出火、約192平方メートルを全焼した。氷見署によると、在宅していた2人は無事だった。住民が出火直前に落雷の音を聞いたという。
小矢部市道明でも同26日午後11時20分頃、木造2階の納屋から出火、約246平方メートルを全焼した。けが人はいなかった。