「家庭用エアコン」の冷媒に使う「フロン類」の回収規制を強化へ…廃棄業者らに罰則、来年の法改正目指す

環境省は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一種で、家庭用エアコンの冷媒に使われる「フロン類」の回収規制を強化する方針を固めた。大気中に放出させた場合に罰金などを科す「フロン排出抑制法」を来年にも改正し、現在は業務用機器が対象の規制を家庭用に広げる。古い家電を引き取って廃棄する業者らにフロン回収を徹底させ、排出減につなげる。
フロンは、温室効果が二酸化炭素の最大1万倍超あり、排出減が世界的な課題となっている。日本はフロン排出抑制法で、廃棄される業務用エアコンなどを対象に、業者らがフロンを回収せず放出させた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科している。
同省は、家庭用についても、正当な理由なくフロンを放出させた業者らに罰則を科す方針で、今冬までに新たな規制強化策をまとめて来年の法改正を目指す。
家庭用エアコンのフロンは本来、家電リサイクル法でメーカーに回収を義務づけている。個人がエアコンを交換・廃棄する際、有料で引き取った小売業者経由でメーカーが回収する。
しかし、個人によっては「無料引き取り」をうたう業者に廃棄を依頼したり、自宅の建て替え時に解体業者に廃棄を任せたりしている。業者の一部は市場価値のある金属のみ取り出し、フロン回収を怠っている。
現在、主に使われるフロンはオゾン層を破壊しない「代替フロン」だ。同省の推計では、2024年に廃棄されたエアコンの使用済み代替フロンが回収された台数は業務用53%、家庭用45%にとどまる。リサイクルに回らない家庭用の多くは未回収とみられている。
政府は、代替フロンの年間排出量(二酸化炭素換算)を30年までに13年比で6割減とする目標を掲げるが、エアコン需要の高まりなどで、23年の排出量は13年比44%増の3170万トンと逆に増加。家庭用エアコンの廃棄時の排出量は664万トンで全体の2割に上る。
◆フロン類=空気中の熱を放出・吸収する性質を利用し、エアコンなどの冷媒に使用。オゾン層を破壊する「特定フロン」は生産が規制され、現在は「代替フロン」が広く活用される。

池袋の自動車暴走事故、松永拓也さんに届いた「被害者ノート」が心の回復の一歩に…国・自治体に理念広がる

2019年4月に起きた東京・池袋の自動車暴走事故から19日で7年となる。妻子を亡くした松永拓也さん(39)は、事故直後に手にした一冊のノートを今も大切に持ち歩いている。事件や事故の被害者が直面する現実への方策をまとめた「被害者ノート」だ。民間の支援団体が作ったノートの理念は、国や自治体にも広がりつつある。(鈴木直人)
「混乱して自分が何に困っているのかも分からなかった」。松永さんは今月5日、妻・真菜さん(当時31歳)、長女・莉子ちゃん(同3歳)と暮らした都内の自宅でノートを開き、事故直後の状況を振り返った。
悲しみに打ちひしがれる中でも、やらなければいけないことが次々に押し寄せた。行政手続きや捜査協力、弁護士との打ち合わせなど、慣れないことばかりで「暗闇の海の中に放り投げられた感覚になった」。
公的なパンフレットにも目を通したが、専門用語が多く、精神的に余裕がない状態で理解するのは難しかった。インターネットで検索しても、整理された情報にはたどり着けなかった。
松永さんのもとに被害者ノートが届いたのは、事故から約1か月後。送り主はノートを考案した「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」代表理事の小沢樹里さん(45)だった。「一人で苦しまないでください」との手紙が添えられていた。
ノートは、小沢さんらが発足させた団体「途切れない支援を被害者と考える会」が14年に制作した。刑事手続きや弁護士の選任、自治体への各種届け出、相談・支援窓口のほか、マスコミへの取材対応の方法などがA4判約100ページにまとめられている。
警察や役所で同じ説明を繰り返すのに備え、事故の発生日時や場所のほか、被害者の当日の行動を記録するページがある。松永さんは現場周辺の地図を印刷して貼り付けた。あの日、昼休みに職場からかけた最後のテレビ電話が思い出された。「買い物と莉子を遊ばせるため南池袋公園へ」「帰り道に事故」――。書きとめながら涙があふれた。
事故後は眠れず、食べ物も喉を通らなくなった。「自分の心は壊れたんじゃないか」と不安に襲われた。そんな時「心配になるでしょうが、正常な反応」というノートの一文が、落ち着きを取り戻させてくれた。
「ノートに書いて事実と向き合うことが心の回復の一歩だった」。松永さんは自らの経験を踏まえ、講演など行く先々でノートの存在や必要性を伝えている。
国土交通省は22年から、「交通事故被害者ノート」の配布を始めた。事故による後遺障害の治療や看護を行う病院の紹介、被害者を介護する家族のコラムなど、交通事故に特化した情報をまとめ、約2万5000部を発行した。東京都や新潟、佐賀両県のように、同様の被害者ノートを独自に作る動きもある。活用の広がりは大きな前進だ。
松永さんは昨春、最愛の2人と暮らした都内の自宅に生活の拠点を戻した。真菜さんが料理する姿や、壁からぴょこんと顔を出す莉子ちゃんの表情――。思い出すのはつらいが、2人を近くに感じていたいと思ったからだ。
事故後に始めた講演は今年2月に100回を超えた。活動の根底には、被害者ノートに記した「もうこんな思いを誰にもしてほしくない」という決意がある。それでも悲惨な事故は起きる。「誰かに聞かれたときにすぐ見せられるように」。松永さんのバッグにはきょうもノートが入っている。
◆池袋の自動車暴走事故=東京都豊島区東池袋の都道で、旧通産省工業技術院元院長の男性の車が暴走。横断歩道の通行人らをはね、母子2人が死亡、9人が重軽傷を負った。男性は禁錮5年の実刑判決を受け、受刑中の2024年10月に93歳で死亡した。

《結希くん“殺害後”の義父目撃証言》「どっちでも良いです、と逃げるように…」防犯カメラが捉えた京都小6遺棄・安達容疑者の不可解な“ビラ配り”と、裏で進めていた冷徹な隠蔽工作

「『外と中、どっちに貼りましょうか?』って聞いたら、『どっちでも良いです』と、逃げるような感じで出て行きはったんです」──京都府南丹市で小学6年生の安達結希くん(11)の遺体が山林に遺棄された事件。4月16日に死体遺棄容疑で逮捕された義理の父・安達優季容疑者(37)は、結希くんが”行方不明”になった後、捜索のチラシを配り周っていた。安達容疑者が訪れた洋菓子店を営む男性は、当時の不気味な様子をそう明かした。
捜査関係者によれば、安達容疑者は逮捕前の任意の調べに対し「首を絞めて殺害した」という趣旨の供述をしているという。3月23日朝、結希くんを車で小学校へ送った後に殺害し、遺棄したとみられている。しかしその直後から、容疑者は”行方不明の息子を探す父親”を演じながら、裏では冷徹な隠蔽工作を図っていたようだ。
「子どもを探してるんです」女性とアポなしのビラ配り
3月23日に結希くんの行方不明が大きく報じられ、警察や消防など、のべ1000人以上による大規模な捜索が行われていた。
その約1週間後となる3月31日。安達容疑者は女性とともに、南丹市内の店舗をめぐり、結希くんを探すビラを貼って欲しいと頼んで回っていたという。対応した地元のパン屋が明かす。
「31日に、2人でアポなしで貼りに来ました。『ニュースとか新聞とかでご存知だと思いますけど、子どもを探してるんです。もし良かったら貼ってください』って感じで言ってましたね。私が『ご心配ですよね』と声をかけたんですが……印象はとにかく暗かったです。子どもがいなくなって慌てているという感じはなくて。同じくらいの年齢の女性と来ていて、私にはご夫婦に見えました」
同日、安達容疑者は園部町内にある洋菓子店にもチラシを手に。NEWSポストセブン取材班が入手した同店の防犯カメラには、後に警察に押収されたものと同じ黒い車が駐車場に乗り入れ、安達容疑者とみられる細身の男性が助手席から降りてくる姿が収められていた。男性は店内に入り、わずか2分程度で出てきている。冒頭の洋菓子店店主の会話に戻る。
「3月31日にアポなしで来はりました。黒い車で来て、細身の男性が助手席から降りてきて。『ニュースで見て知っていると思うんですけど』って紙を見せてきて、『貼っておいてください』と、それだけ言われた感じです。『お店の外と中、どっちに貼りましょうか?』と尋ねたところ、男性は『どっちでも良いです』と言い残し、その場から逃げ出すように足早に去っていきました」

受け入れ施設が… 三重・四日市、「こども誰でも通園」開始できず

国が全国一斉で4月にスタートした「こども誰でも通園制度」。だが、三重県四日市市には子どもを受け入れる施設がない。こども家庭庁の最新調査によると、受け入れ施設がないのは全国で4自治体だけだ。森智広市長は14日の定例記者会見で、保育士不足の中で待機児童の解消を優先するためだとし、「どの自治体でも容易にできるということではない。全自治体での一斉開始は無理がある話だ。やらなければダメという烙印(らくいん)はつらい」と話した。
この制度は「異次元の少子化対策」の一つで、保護者が働いているかどうかに関係なく、子どもを保育所などに預けられる。多様な経験・育ちの支援、保護者のリフレッシュ・孤立防止が目的で、保育所などに通っていない生後6カ月~2歳が対象。利用上限は月10時間となっている。全世代から医療保険に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」が財源だ。
こども家庭庁が3月31日時点の状況を調査したところ、受け入れ施設がない自治体は4市町村。中核市では四日市市だけだった。地元自治体に受け入れ施設がなくても、他自治体の施設に預けることができる。
森市長は会見で「待機児童をまず解消しないといけない。そのためには保育士の確保が必要だ。この制度も保育士の確保が必要なため、待機児童解消と相反しており、取り組むのは難しい」と説明した。
制度自体については「いいことだとは思う」としながらも、四日市は子どもの数が減っていない現状を挙げ、「待機児童がいるということは、働けない家庭があるということだ。そこを置いておいて、やるべきなのか」と述べて疑問を呈した。
一方で「税金(支援金)を払いながら恩恵を受けられないことは、申し訳ない。やろうという思いで必死に知恵を絞っているが、もどかしい状況だ」と述べた。
市によると、2024年度当初の待機児童数は72人で全国で3番目に多く、25年度当初は56人で4番目だった。今年度当初はまだ集計が出ておらず、昨年度よりは減少しそうだが解消は困難という。【荒川基従】

小学生ら823人の給食が「おかずと牛乳」のみに…配送員の体調不良で主食のソフト麺届かず

静岡市は17日、同市駿河区の市立西豊田小学校に配送予定だった給食の主食「ソフト麺」を配送できないトラブルがあったと発表した。配送員の体調不良が原因だという。同校の児童と教職員計823人は、副菜や牛乳など主食以外のメニューのみ食べたという。
今回の委託事業者は同区内の小学校5校への配送を担当していた。同校以外の4校には遅延を伴いながらも配送した。代わりの配送員を手配できなかったといい、市は今後の対応策を検討して再発防止に努める。

日米同盟「黄金時代」と評価 片山財務相、NYで講演

【ニューヨーク共同】米国訪問中の片山さつき財務相は18日、ニューヨークで講演し、日米同盟を「黄金時代」と評価し、重要鉱物の供給網の構築など経済安全保障分野の難題解決には「日米の協力が不可欠」と述べ、緊密に連携する考えを強調した。
中東情勢の緊迫化で金融市場が荒い値動きとなっている中、市場動向を注視する姿勢も明確にした。
日本の財政については、2026年度予算で基礎的財政収支(プライマリーバランス)が黒字化する見通しを示した。
日本は「デフレ・コストカット型経済」から「成長型経済」への移行期にあると指摘。戦略的な財政出動で供給構造を強化し、経済成長率を高めることを目指す考えを表明した。

「金」の議員バッジやめます…富山など11県、価格急騰で銀や金メッキなど安価な素材に変更へ

47都道府県議会の事務局に読売新聞が取材したところ、来春の統一地方選に合わせて富山、奈良、福岡など11県で、経費削減のため金製の議員バッジについて、銀や金メッキなど安価な素材に変更することがわかった。金価格高騰が背景にある。2023年の前回統一選以降で見ると、全体の4割超の20府県で見直しが進んでいる。(柿井秀太郎、籾井智行)
議員バッジは正式には「議員記章」といい、議会での身分証となる。権威を象徴し、主要部分に純度が一定以上の金が使用されることが多い。前回統一選時は主に、1個3万~4万円台で作製されていた。
ただ、金価格はこの5年間で4倍以上になった。田中貴金属工業の参考小売価格(1グラム、税抜き)を見ると、21年は6000円台だったが、前回統一選があった23年は1万円近くに上昇し、昨年後半から急騰した。和歌山県が先月の補選で14金(金含有率58%)のバッジを作製すると、1個16万5000円もの費用がかかった。
金価格上昇を背景に、岩手、大阪、宮崎など5府県は前回選で素材を変更。高知など3県もその後見直した。時期未定の愛知も含めると12県が今後安価なバッジを新議員に渡す予定で、埼玉、香川、長崎など8県は見直しを検討中だ。
素材変更は、18金(金含有率75%)や10金(同42%)などを銀や金メッキにするのが主流。14金を使う静岡県(定数68)は来春から金メッキ製にする予定で、単価は6438円(見積もり時点)と、従来の6分の1程度になる。当選者全員に新品を交付しており、価格上昇で従来の単価を2倍にして計算すると、500万円近い節約になる。
一方、山形など3県は「変更予定がない」と回答。宮城など12道県は既に安価な素材でバッジを作製している。
また、東京など9都県は貸与制を採用。10金を使う山形と14金を使う三重は、交付対象をそれぞれ「新人のみ」「新人と元議員」にして節約している。
世界で議員バッジを使用するのは日本や韓国などごく一部とされる。地方自治に詳しい佐々木信夫・中央大名誉教授(行政学)は「バッジの本来の趣旨は議場への通行証だが、今や特権階級の証しとして受け取られている。コストを下げる工夫は評価出来るが、地方議会では名札で十分ではないか」と話している。
「そもそも必要?」大阪府は木製に
現在の金価格で議員バッジに金を使用すると、作製単価は10万円前後に膨らみかねない。議員からも「そもそも必要なのか」との声が上がり、木製バッジを導入した議会もある。
来春に改選を控える富山県議会(定数40)は今年2月、現行の14金から、銀の装飾に金を張り付けた銀台金張(ぎんだいきんば)りとし、貸与制から交付制に変更すると決めた。14金のままだと単価(見積もり)が9万7900円で、前回統一選と比べて2・5倍となってしまうためだ。
議会事務局が昨夏、「税金で作るのは現実的ではない」と見直しを提案。議会も全会一致で受け入れ、単価(同)を前回の半額以下の1万6280円に抑えた。決定時に議長だった武田慎一県議(60)は「バッジには重い責任を背負っているとの自覚を議員に持たせる効果がある」としつつ、「ほとんどの有権者は必要なのかと疑問に感じているのでは」と話す。
福岡県議会(定数87)も来春に向けて、本章を18金から金メッキ製に変更し、20金(金含有率83%)の略章を廃止した。見積もりでは、購入費が4年前の約3・3倍の約3000万円に膨らんだが、変更で約200万円に抑えられる。
大阪府議会(定数79)は前回改選時から、14金から、土台が真ちゅうの金メッキ製と府産ヒノキをPRする木製(1個3190円)の2種類に変えた。マグネット式の木製バッジは背広以外でも装着しやすく、女性議員から好評だ。男性議員もポロシャツなどの軽装時に使いやすく、担当者は「前のほうが良かったという話は全くない」と話す。(富山支局 松田拓也)
衆院バッジ 1890年制定
衆議院・参議院編「議会制度百年史 資料編」によると、第1回帝国議会が開かれた1890年(明治23年)に貴族院と衆議院の議員バッジが制定され、参議院でも踏襲された。単価は、衆議院が真ちゅうに金メッキ製で1万7050円、材質非公表の参議院が1万8150円だという。
国会に倣い、地方議会でも広く採用されている。都道府県議会は統一のデザインがないが、全国市議会議長会は銀台金張り、全国町村議会議長会は銀台金メッキの共通バッジをそれぞれ作製。多くの市町村議会で採用されている。

京都・西舞鶴駅近くでひき逃げ 男性死亡 道路上で倒れていたか

19日午前3時15分ごろ、京都府舞鶴市伊佐津の市道で、近くを車で走行していた運転手の男性から「道路に人が倒れている。後続の車が倒れている人をひいた」と110番があった。
京都府警舞鶴署によると、倒れていた男性は30代から40代くらいで頭を打つなどし、搬送先の病院で死亡が確認された。同署はひき逃げ事件とみて捜査し、男性の身元を調べている。
同署によると、通報した運転手が走行中、路上で倒れている男性に気付いて避け、近くに停車したところ後続の車が男性をひき、そのまま立ち去ったという。
現場はJR西舞鶴駅東口近くの市道。

液体かけられ病院へ搬送された「被害者」、1300万円だまし取った「受け子」だったか…現金は見つからず

投資会社の担当者をかたって女性から1300万円をだまし取ったとして、広島県警安佐南署は18日、大阪市西成区、職業不詳の男(69)を詐欺容疑で逮捕した。男は「受け取ったが、だまし取ったつもりはない」と容疑を否認しているという。
発表では、男は14~16日に何者かと共謀し、SNSで50歳代女性に「IPO(新規株式公開)に当選おめでとうございます」「支払いを円滑に完了するには現金の入金が必要」といったうそのメッセージを送り、広島市安佐南区の飲食店で1300万円をだまし取った疑い。
同署は、男が特殊詐欺の「受け子」だったとみている。
同署と広島市消防局によると、男は16日、同区の路上で何者かから液体をかけられ、病院へ搬送されていた。同署が傷害事件の被害者として男に話を聞いたところ、詐欺事件への関与がわかった。
男が液体をかけられたのは女性から現金を受け取った直後だったとみられるが、1300万円は見つかっていない。同署が二つの事件の関連を調べている。

「なんであんなしょーもない男と結婚した…」親族から第一印象も悪かった養父は捜索時はオドオドしていて他人ゴト…警察が今になって封鎖した公衆トイレの謎【京都小6遺棄】

〈〈カッとなり首を絞めて殺害と供述〉「お母さんはずっと旦那のことを信じていたのに…」捜索時からオドオドしていた養父は中学時代は優等生→高校ではサッカー部補欠で“フツウ”に【京都小6遺棄】〉から続く
京都府南丹市の安達結希君=失踪当時(11)=の遺体が見つかった事件で、京都府警は18日午前、結希君の自宅から小学校へ向かう途中にある公衆トイレと周辺を現場検証した。死体遺棄容疑で逮捕された養父の安達優季(ゆうき)容疑者(37)は殺害を認める供述をしており、結希君が行方不明になった日に車に乗せて学校へ向かう途中に、このトイレに立ち寄った可能性があるとみている模様だ。
【画像】「一言でいうとフツウ」友人たちと塀に腰掛ける安達容疑者の青春写真と、メガネをかけ大人しそうな安達容疑者の近影画像
今になって現場検証が始まった公衆トイレ
結希君は3月23日朝、自宅で朝食をとっている姿をほかの家族が目撃している。その後、優季容疑者が、普段はしないのに約10キロ離れた小学校に送り届けるとして結希君を黒い車に乗せて家を出たとみられている。
だが、学校のそばの防犯カメラには黒い車が映っていたのに、結希君は登校しなかった。さらに同日午前中、家にとんぼ返りした優季容疑者は、結希君の実母である妻を乗せて再び学校へ行く。
そして正午前、学校側から妻の携帯電話に「結希君が登校していない」旨の連絡が来た。その直後に自分で110番している。
結局、結希君は黒い車で学校へ向かったところから行方不明になっている。その道すがらにある公衆トイレがこのたび検証場所になった。近くの住民が18日の騒ぎを話す。
「朝8時30分ごろに警察車両が何台もやってきて規制線を張り始めて、マスコミも集まってくる中で警察の人が何か調べてたわ。あのトイレは地元の人はあんまり使わず、観光の人が使うほうが多い。昼間は車の行き来はあるけど夜はほとんど人目につかんと思うわ」
府警は結希君の遺体が4月13日に南丹市内の藪の中で見つかる前に数か所転々と移されたとみており、トイレはそのうちの一か所とみているようだ。
だが失踪当日の午前、学校から結希君を乗せずに車で帰ってきた容疑者は、それから妻と行動を共にし、警察を呼んだりしている。供述通り結希君を殺害したのが事実なら、結希君を乗せて学校へ向かった時か、家に戻って来る途中に車内かトイレで殺害した可能性が浮上する。
「このトイレは実は現場で取材をした多数のメディア関係者がしょっちゅう使っていたところで、これまで現場保存なんか全くされていませんでした。
府警はスマホの電波解析から容疑者の行動を追跡していましたが、今になって現場検証をしたところを見ると、スマホの解析ではトイレに寄ったことがつかめておらず、17日夕から本格化した取り調べでの供述からトイレが捜査対象に上がった可能性があります」(取材記者)
捜索も他人事にみえた養父
スマホの解析により、結希君が行方不明になったころに優季容疑者が「遺体を遺棄する方法」を検索した履歴があったとも報じられた。殺害が事実で、この検索がそれより前にされていれば計画的な犯行の疑いが強まるが、検索の方が後なら場当たり的な凶行の線が濃くなる。
遺体の司法解剖では「3月下旬」としかわかっていない死亡時期の絞り込みは、捜査の重要ポイントになりそうだ。
その優季容疑者は自ら110番したほかにも、結希君の捜索を呼びかけるビラを配って“心配する家族”をアピールし捜査の目が向くのを避けようとした。だがその工作には身が入っていなかったようだ。3月31日に容疑者がビラを持ち込んだ地元洋菓子店の店主の男性がその様子を話す。
「妻が対応して、僕はモニターで見て声も聞いてました。その時、違和感というか変な印象を受けたんですよね。ビラを前に突きだすような感じで『みんな知ってはると思うけど貼っといてもらえますか』みたいに言っただけで、ビラを置いて帰ろうとしたんです。
自分が誰なのかも言わないし、私の妻も様子が変で何か言わなきゃと思って『ビラを貼るのは中がいいですか? 外がいいですか?』って声をかけて引き留めたんです。そしたら『どこでもいいです』って。
お父さんだったらもっと感情的になってもおかしくないですし、その渡し方はないんじゃないって思いました。淡々として表情もボーっとして、とにかく早く店から出たいと思っていることを感じましたね」(店主の男性)
「なんであんなしょーもない男と結婚した…」
今から考えれば“演技”もうまくできなかった優季容疑者は、それ以前から立ち居振る舞いを上手にできなかったことをうかがわせる証言もある。旧姓が「山本」だった優季容疑者は結希君の実母と結婚して安達姓となり、この妻の実家で妻の母たちと暮らしていた。安達家を知る住民が話す。
「結希君のお母さんが再婚するっていう時に、ごくごく近い親戚には優季容疑者を紹介しとったみたいや。その親戚から聞いたけど、優季容疑者はろくにあいさつもせず、とにかく第一印象が最悪やったらしい。
『なんであんなしょーもない男と結婚したいんや』って当時親戚が漏らしとったわ。第一印象でそんな風に思うんやからよっぽど変な雰囲気だったんやろうな…」
妻の親戚にあいさつもまともにできないと思われた優季容疑者は、妻の連れ子だった結希君とのどのような関係になっていたのか。これから動機の解明が本格化する。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter) @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班