北海道職員が“就活セクハラ”か インターン参加学生を食事に誘うなど…不適切な連絡を繰り返す

北海道が主催するインターンシップで、参加した学生に対し、職員が交際を迫るなど、不適切な連絡を繰り返していたことがわかりました。
インターンシップは、道に就職を希望する学生らを対象に開催され、職員は所属する部局で学生の指導などを担当していました。
道によりますと、職員は8月から9月に参加した学生に対し、交際を迫ったり、食事に誘ったりするなど不適切な連絡を繰り返したということです。
インターン期間中に、学生本人から相談があり発覚しました。
道は「事実関係を調査中」としていますが、就職活動中の学生が被害にあう「就活セクハラ」に該当する可能性があるとして、職員の処分を検討しています。

自宅で遺体を放置か 死体遺棄の疑いで91歳の女を逮捕 布団の上で腐敗した女性の遺体が見つかる 遺体は同居の姉とみて調べを進める 愛知・刈谷市

愛知県刈谷市の集合住宅で腐敗した女性の遺体が見つかり、警察はこの部屋に住む91歳の女を死体遺棄の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは無職の森かな子容疑者(91)です。
警察によりますと、森容疑者は、刈谷市大正町の自宅に遺体があることを知りながら、放置した死体遺棄の疑いがもたれています。森容疑者は調べに対し、容疑を認めているということです。
21日正午すぎ「部屋に住む高齢女性と連絡が取れない」などと110番通報があり、警察官が森容疑者の自宅に駆け付けたところ、布団の上で腐敗した女性の遺体が見つかりました。
森容疑者は、この部屋で娘と姉の3人で暮らしていて、警察は見つかった遺体は姉とみて、事件の動機などをくわしく調べています。

22府県警から職員らの氏名・アドレスなど14万件流出か、市民のアドレスも…警視庁に相談1か月で600件

防災メールなどを配信するシステム運営会社が不正アクセスを受けた影響で、22府県警の警察職員を中心に計約14万件の個人情報が流出した可能性があることが、警察庁への取材でわかった。
同庁によると、22府県警は、今月13日に不正アクセス被害を公表した情報サービス会社「アルカディア」(大阪府)が提供する災害時の安否確認メールなどのシステムを利用していた。
流出が疑われる情報のうち約12万5000件は警察職員の氏名やメールアドレスなどの個人情報だった。
一部の警察本部は、同社の提供するサービスで防犯メールを配信していた。このため、受信していた市民のメールアドレス約1万6000件と、法人の電話番号約2600件についても流出した疑いがあるという。
同社は警察以外にも多数の自治体と配信サービスの契約を結んでいるという。
国内の企業・団体がサイバー攻撃を受けて個人情報が大量漏えいしている問題で、警視庁は21日、漏えいによる個人情報の悪用を心配する相談が、今月15日までの約1か月間に約600件寄せられたと明らかにした。
同庁は21日、個人情報の悪用が懸念される特殊詐欺被害などを防ぐ対策例をまとめ、公式サイトで公開を始めた。

26倍、68.9倍! 疑惑の交付金続出…追及第3弾! 高市首相就任後に地元は交付金「激増」ラッシュ

最大6.24倍──20日午前、ヤフー「リアルタイム検索」トレンドランキングで、このワードがトップに。きっかけは日刊ゲンダイDIGITALが20日に公開した記事だ。簗前農相が「予算カット」と放言した国交省の交付金を巡り、高市首相が就任した途端、おひざ元の衆院奈良2区には「最大6.24倍」も増額された実態を報じると、SNSで猛拡散。この問題への関心の高さがうかがえる。
記事で触れたのは、国交省の「社会資本整備総合交付金」だ。今年度は全体の予算額が前年度比約5.7%カットされたにもかかわらず、高市首相の地元への交付額は約25.7%アップ。「箇所付け」を検証した結果、奈良2区に属する各自治体の交付額が倍々ゲームで増え、大票田である大和郡山市内の近鉄郡山駅前の再開発事業への交付額は6.24倍に膨れ上がっていた。
疑惑の交付金はこれにとどまらない。簗前農相と敵対する首長の自治体への交付額が同じく大幅に減った国交省の「防災・安全交付金」。道路の老朽化対策や通学路の安全確保など防災・減災関連のインフラ整備に重点配分される制度だ。
今年度の奈良の各自治体への交付額は計約92億円。前年度比約20億円(約17.5%)減と予算削減が進む中、新規の交付事業も存在する。「大和郡山市公共下水道整備工事(防災・安全)」と「広陵町における普及促進及び改築更新(防災・安全)」で、交付額はそれぞれ1575万円と1500万円。いずれも奈良2区に含まれる。
内閣府の「地域未来交付金」も高市首相の地元には猛奮発だ。従来の地方創生関連の交付金を引き継ぎ、高市政権が名称変更。「地域未来戦略本部」本部長を務める高市首相の肝いりで、今年度の予算は拡大した。奈良のインフラ整備事業への交付額は、約4億1333万円と前年度の6500万円から約6.36倍増。うち奈良2区に属する香芝市「スポーツ公園整備事業」には1億3000万円と、前年度500万円から一気に26倍もの激増だ。
奈良2区への増加率でいえば、国交省の「都市構造再編集中支援事業費補助」が群を抜く。前出の近鉄郡山駅前の再開発事業に、今年度は約1億2403万円を交付。前年度から実に「68.9倍」というケタ外れの伸び率となった。
取り上げた事業はいずれも複数年度にまたがり、すべて高市首相が公式サイトで予算「確保」を堂々とアピールしてきた案件だ。露骨で分かりやす過ぎる「利益誘導」自慢。高市首相が予算配分の公平性を検証する全省庁調査に応じないのも、納得である。
◇ ◇ ◇
第1弾、第2弾は、関連記事【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。

急増する思春期女子の自殺、SNSが密接に関係 「孤独」と「やせたい」がもたらす危険性

世界共通で女性よりも男性に多い自殺。日本でも男性の自殺者数は女性の2倍を超える。しかし今、日本の子供に異変が起きている。近年女子の自殺が急増し、ついには男子を上回ったのだ。なぜなのか。その原因にSNSの〝負の側面〟が影響していることを示唆する論文が9月、権威ある国際学術誌に掲載された。
女子自殺者、16歳からメンタル悪化も
厚生労働省によると、小中高生の自殺者数は男子が女子の2倍前後で推移してきたが、女子中高生の自殺急増を受け、令和6年には女子が290人、男子が239人と初めて逆転。7年も女子が上回った。10代女子の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)はもともと日本が先進7カ国(G7)の中で突出して高かったが、状況はさらに深刻になっている。
自殺につながるのはメンタルヘルス(心の健康)の悪化だ。現代社会の何が特に思春期の女子のメンタルヘルスを悪化させるのか-。精神科医で国立精神・神経医療研究センターの成田瑞室長らのグループは、この要因を特定するため、研究目的で子供を追跡調査する「東京ティーンコホート」に参加する女子1487人、男子1684人の12・14・16歳時点のアンケート回答を分析した。
結果をみると、12歳時点ではメンタルヘルスの男女差は小さかった。だが16歳になると、抑鬱症状が女子の15.9%、男子の8.2%、希死念慮が女子の29.8%、男子の18.1%にみられ、女子の悪化が目立つことがデータ上も確認できた。
言語化…浮かんできた因子
では、この男女差が生まれる理由は何か。それを突き止めるには、候補となる因子を選び、影響を検証する必要がある。 まずグループが行ったのは、当事者の若者とともに、若者らが普段感じている「しんどさ」を言語化していくことだった。
グループから外されるのが怖い▽周囲に合わせ続けるのがしんどい▽本音を話せる友人が少ない▽「女性はやせている方がいい」というプレッシャーがある▽SNSで体形を比較してしまう-。
日英の計約20人が参加したワークショップではこうした指摘が相次ぎ、グループは「孤独感」と「やせ願望」を分析対象の因子に選んだ。
その上で因果媒介分析という統計手法を用いて計算すると、16歳における抑鬱症状の男女差の34.7%、希死念慮の男女差の46.3%を、この2つの因子が関わるメカニズムで説明できることが分かったのだ。
成田さんによると、この統計手法では10~20%ほどの数字でも十分意味があるといい、50%に迫るのは「驚くほどの大きさ。孤独感とやせ願望がもたらす影響の深刻さが分かる」と強調する。
若者らが挙げた「しんどさ」を踏まえれば、孤独感とやせ願望はSNS利用と密接に関係している。女子の自殺にSNS利用は少なくない影響を与えている-。研究結果は、こんな状況を示唆しているともいえる。
成田さんは「若者が研究過程に参加することで、当事者自身が『重要だ』と思っていることに的確に焦点を当てることができた」と話し、国や自治体などは孤独感などを減らすための支援を行ってほしい、と訴える。
論文は9月15日、英学術誌「Nature Human Behaviour」にオンライン掲載された。
「やせたい」の裏にある本心は…
「子供と関わる中で実感していたことに研究の裏付けができた」
フリースクールの運営や子供らの居場所づくりなどに取り組む、NPO法人「スクート」(長崎県大村市)の内海博文・代表理事は、今回の研究結果をこう受け止める。中でも注目したのは、メンタルヘルスと結びつけて理解しにくい「やせ願望」についてだ。
内海さんによると、女子には、友人グループ内で互いのSNS投稿をチェックし、即座に反応することによって、「仲間」であることを確認し合う傾向がある。
「やせ」を含む外見への評価が大きな価値基準となるSNS上では、スタイルの良さや華やかさなどが「いいね」という承認を集める。SNS上の高すぎる承認水準が女子にとっての「普通」になり、むしろ、ついていけなければ「仲間から外される」「自分という存在が認められない」といった最低ラインになっているという。
つまり「やせたい」という言葉は「普通でいたい」という恐怖に近い切迫感の裏返しなのだ。内海さんは子供と接する経験を踏まえ、SNSが女子のやせ願望を膨らませ、メンタルヘルスの悪化を加速させる構図をこのようにとらえている。
メンタルヘルスを守るためにはSNS規制のあり方も議論されるべきだが、大人たちがまずできることは、身近な子供の話を最後まで聞くという実績を積み重ね、子供にとって「相談しやすい存在」になることだという。
「現実の中で『ありのままの自分が認められている』と感じる機会が増えれば、SNS上の承認ばかりを求めなくてもよくなる」。それがSNS社会の〝処方箋〟になり得ると、内海さんは話す。(西山瑞穂)

日中対立「原因を作ったのはこちら」岩屋毅、発言を中国政府にまんまと利用されて日本は世界の笑い者…「異例の厚遇」の実態

9月末に訪中し、「異例の厚遇」と報じられた岩屋毅前外相。だが岩屋氏によると、王毅外相に対話の窓口を開くよう求めると、返ってきたのは駐日大使に任せるという答えだった。首相答弁を「事実上の撤回」として扱う打開案も退けられた。さらに帰国後の「原因を作ったのはこちら」という発言は、中国外務省の会見で高市政権に反省を迫る材料に使われた。作家の小倉健一氏は「成果を誇る元外相の訪中は、中国に利用されただけではなかったのか」と疑問を投げる。
【写真】習近平が激怒…中国側の許可を得ずに高市首相がXに投稿した1枚
「原因を作ったのはこちらなのだから…」
「原因を作ったのはこちらなのだから、こちらから積極的に動くべきだろう」 2026年9月末に中国を訪れた岩屋毅前外相が、帰国後、10月1日に電子メールでロイターの取材に答えた言葉だ。
同じ取材で中国が対話の窓口を閉ざしていることにも触れているのだが、10月12日の中国外務省会見では、中国紙「環球時報」の記者が、岩屋氏の発言を「関係悪化の原因は日本側にある」という趣旨で紹介した。当該質疑では、中国側の窓口閉鎖への言及はなかった。
記者は岩屋氏の発言に続けて、日本国内には歴史の責任から逃れるやり方を批判する声もあると紹介した。毛寧報道官は、それらをまとめて理性と良心の表れとして評価し、関係悪化の責任は全面的に日本側にあると主張した。
会見録には「彼らが言っている通り」と受ける言葉まである。岩屋氏ら日本国内の声を、自分の主張の裏づけに使ったわけだ。
さらに日本の政権担当者に、国内の正義の声を聞き、台湾や歴史、対中認識について反省するよう迫った。中国側の窓口閉鎖を指摘した部分は、当該質疑の質問にも回答にもない。
日本の元外相の「軽すぎる言葉」
中国が日本側へ責任を押しつける際に使ったのは、日本の元外相の言葉だった。私はこの発言の軽さに驚く。
岩屋氏は中国に対話の再開を求めに行った。本人の説明によれば、打開案を拒まれて帰国した後に、相手が自らの対応を正当化する材料まで提供した。首相を批判する言葉の使われ方に、あまりに警戒が薄い。
岩屋氏は民間の経済団体、日本国際貿易促進協会(国貿促)の会長として訪中した。9月28日に王毅外相、翌29日に何立峰副首相と会談し、中国共産党の政治局員2人が連日応じたことが「異例の厚遇」と報じられた。
両国の関係が冷え込んだきっかけは、前年11月の高市早苗首相の国会答弁だ。台湾有事を巡り、武力行使を伴う場合には「存立危機事態」になり得るとの認識を示し、中国が反発した。
岩屋氏が王毅氏に政府間の対話の窓口を開くよう頼むと、王毅氏の返答は「呉江浩駐日大使に任せてある」というものだった。
岩屋氏が王毅外相に伝えたこと
これは、首脳や閣僚の会談を再開するという約束ではない。対話を求めて北京へ出向き、東京にいる大使を示された。首相答弁を巡っては、岩屋氏の方から打開案を出している。
10月7日の時事通信のインタビューによると、首相は追加答弁などで政府方針が変わっていないと説明しており、撤回には政治的に高いハードルがあると王毅氏に伝えた。そこで1972年の日中共同声明の趣旨を両政府で改めて確認し、「事実上の撤回」として扱う案を示した。
岩屋氏によれば、王毅氏は、曖昧な方法はよくない、問題を起こした本人が解決すべきだと退けたという。
国交正常化の際の合意を確認するだけなら、両国の立場を確かめる話だ。そこに、首相の答弁を撤回扱いにする意味を付け加えたのは岩屋氏だ。少なくともこの提案は、中国側の要求に沿って、日本側の引き下がり方を探っているように見える。
岩屋氏が撤回の難しさを政治上の問題として説明すれば、中国には、日本側も撤回の方法を探していると受け取られかねない。王毅氏はその案さえ拒否した。私が批判するのは、中国の要求の妥当性より、日本がどう応じるかという話に踏み込んだ点だ。
経済団体の会長による訪問で、首相の国会答弁の扱いまで代案を提示した点も見過ごせない。
懸案が片づいたという話は出てこない
岩屋氏の公式サイトに掲載された10月2日付の訪中報告には、訪問の主たる目的は経済交流の円滑化と活性化であり、日本政府による関係改善の努力を国貿促として側面から支援していくとの説明がある。
ただし、この報告からは、首相答弁を「事実上の撤回」とする提案について、政府の了解があったかは分からない。首相の答弁を事実上取り消す提案について、政府とどこまで調整したのか。
岩屋氏が説明すべきなのは、政府との連絡の有無にとどまらず、この提案に対する政府の了解の有無と、その範囲だ。
岩屋氏は地元の会見で、外交は政府間で行うものだとも述べている。政府の仕事と民間交流の境目を承知していたわけだ。首相答弁の扱いに関する代案を中国側に示す以上、経済団体として行ったという説明だけでは足りない。
レアアースの対日輸出についても、何立峰氏から返ってきたのは、民生用、つまり軍事用途以外なら問題ないという説明だった。
中国商務省は1月8日の会見で、対日軍民両用品輸出管理について、民生用途に影響はないと述べている。民生用途への基本的な説明は、8カ月以上前と同じだった。
一方、時事通信によると、何氏は管理方法の改善を模索しているとも説明したという。だが、それが実際の輸出円滑化につながるかは見通せない。帰国後の岩屋氏自身がロイターに、現場では輸入がかなり滞っているとの見方を示した。
対話再開は大使に一任、撤回の代案は拒否、輸出の滞りには従来の説明。本人が明らかにした3つのやり取りからは、対話再開や輸出停滞の解消について、具体的な合意が得られたとは確認できない。
中国にとっては帰国後の岩屋氏の発言まで好都合
岩屋氏は10月2日の地元・大分での会見で、政治局員2人との接触が実現したことを、対話が途絶えていた状況からの「一歩前進」と評価した。訪問も、あくまで小さな環境整備や改善のきっかけづくりと位置づけている。
接触そのものに意義を認める考え方は理解できる。だが、それだけで、懸案の解決に向けてどこまで前進したかという疑問への答えにはならない。
待遇も、前年と比べれば印象が変わる。2025年6月3日、同じ団体の会長だった河野洋平氏の訪中団を迎えたのは李強首相だった。翌4日には王毅氏が会っている。前年も2日続けて有力者が対応し、今回は登場しなかった首相まで出てきていた。
今回は高市首相の台湾有事答弁後に関係が悪化した状況での接触であり、単純比較はできないとはいえ、会談相手が2人いたという数だけで、今回を特別扱いと持ち上げるのは無理がある。
訪中の直前、9月24日の米中首脳会談では、トランプ大統領が習近平国家主席に日中対話の必要性を伝えたとロイターが日本政府関係者の話として報じた。訪中日程は9月11日には最終調整中と報道されており、訪問計画自体は米中首脳会談前から存在していた。
私の見立ては、予定されていた訪中が、中国の対米アリバイにも使える接触だったというものだ。もっとも、中国側が実際にそう位置づけたかは確認できない。高市政権への要求を下げず、日本の元外相とは話していると示せる。日本側にも譲る意思を持つ政治家がいると印象づけるには、帰国後の岩屋氏の発言まで好都合だったのではないか。
「日本が譲らないせいで問題が長引く」という中国側の理屈を助ける
中国は民間交流を政府間関係の促進につなげる発想を公言している。前年の河野氏との会談で、王毅氏は「以民促官」を日中関係の成功経験と評価した。民間交流を通じて政府間関係を促進するという意味だ。
今回の会談発表でも、国貿促などに日本を正しい選択へ導くよう求めている。中国政府が望む方向へ日本の政策を動かす役割を、友好団体に期待していると読める。
経済交流の看板を掲げた場で、日本の指導者に台湾を巡る言動の是正を求め、歴史認識や中国への見方まで注文をつける。これが中国側による王毅氏の会談発表の中身だ。
岩屋氏も、日本への「新型軍国主義」という非難を控えるよう求めている。中国の物言いの問題を知っていた人物が、帰国すると日本側に原因があると語る。その発言を、中国政府が高市政権への要求に利用した。
首相の答弁を批判する自由と、中国の責任転嫁を助ける発言への批判は両立する。中国が不満を持ったことを、その後に中国自身が選んだ対応の免罪符にしてはならない。
外交上の対立があっても、対話を続けるか、貿易を制限するかは中国政府の判断だ。岩屋氏が中国側の対応まで正当化したとは確認できないが、原因は日本にあるという言葉は、日本が譲らないせいで問題が長引くという中国側の理屈を助ける材料にされかねない。
自分の発言が相手に与えた利益を直視してほしい
岩屋氏はロイターに、高市氏の外交姿勢について「日本は大国ぶる必要はない」と語った。一方で、自らの訪中への批判には、誰も会わなければ事態は改善しないとの考えを示している。高市氏に大国ぶるなと説く前に、岩屋氏こそ英雄ぶるのをやめるべきだ。
北京へ足を運んだ意義を訴えても、提案や要請の結果を問う批判への答えにはならない。接触の実現と、具体的な成果の有無は、別の問題だからだ。
私が問うているのは、会うか会わないかではない。自分の提案を拒んだ相手に、日本が原因を作ったと認める言葉まで渡した判断だ。中国政府はそれを使って高市政権に反省を迫った。自ら動いたことを評価する前に、自分の発言が相手に与えた利益を直視してほしい。
対話をしたという事実で、その発言への説明責任は消えない。中国側の要求を聞くだけでなく、日本側の立場をどう守り、関係改善につなげたのか。その説明が必要だ。
今回の中国政府の対応を見る限り、日本側が少しでも譲歩を示せば、それを足掛かりに、さらに要求を強めてくるおそれがある。
言いたいことを伝え、認めることは認めたと強調するだけでは、自分の提案や発言が相手にどう受け止められたかという検証にはならない。日本の元外相だからこそ、その点を厳しく問われるべきだ。
文/小倉健一

「納得できるわけがない」議員1人の中道が“政党交付金5.8億”受け取りで批判噴出…求められる制度改正

事実上解体した政党が、所属議員わずか1人を残したまま約6億円もの政党交付金を受け取ったーー。『中道改革連合』をめぐるこの一件に、国民や政界から批判が噴出している。
中道分裂から『民主改革の会』、公明党復党へ
「中道は、2026年1月の衆院選公示直前に立憲民主党と公明党で急きょ結党された政党です。しかし2月の衆院選では118議席を減らす惨敗を喫し、その後の立憲民主党・公明党との3党合流協議も8月31日に断念し、党は分裂へと向かいました」(政治部記者)
立憲系のおよそ18人は新党『民主改革の会』を結成し、公明系のおよそ28人は公明党に復党。ただし政党助成法上、離党した議員は未交付分の交付金を受け取れない。そこで中道は、小川淳也代表のもと、立憲系の渡辺創衆院議員ただ1人を残して党を存続させ、交付金を受け取る形を選んだ。受け取った交付金は衆院選経費の支払いに充てられるという。
そして20日、中道は2026年の政党交付金の第3回分として約5億8000万円を受領。政治活動の実態のない政党が、国民の税金が含まれた公費を受け取る構図に《こんなヤツが与党批判してんだぜ?》《実質解体した政党の借金返済に血税が使われるのを一般国民が納得できるわけがない》《立憲と公明は財源が財源がぬかすなよ》などと批判が殺到した。
公費受け取りについて、かつて中道の幹事長を務め現在は新党・民主改革の会の幹事長を務める階猛氏が20日に会見し「活動の実態がないのに受け取ろうというわけではない。負い目を感じなくてはいけないものではない」との見解を示した。
「階氏は『やましくはない』ということを伝えたかったようですが、この言い回しがかえって火に油を注いだ面もあるでしょう。『FNN』の世論調査によると同党の支持率は0.1%となり、この低支持率は間違いなく交付金受領が影響しているという見方が強いです」(前出・政治部記者)
吉村洋文代表「ほんまか?嘘だと言ってくれ」
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は、中道分裂の方向となった際「生活者ファーストじゃなく、自分たちファースト」「選挙目当ての野合集団だったと自分たちで証明した」と指摘。そして今回の交付金受け取りに関して、自身のXで報道を引用する形で「ほんまか?嘘だと言ってくれ」と驚きを隠せない様子だ。
前大阪府知事・前大阪市長の松井一郎氏も自身のXで「中道を離脱した民主の皆さんも公明党の皆さんも、交付ルール内だから貰って当然って感覚ですね。原資は国民の税金、納税者は交付金詐欺って感覚では?元中道の皆さんは来年度もこの交付金を貰うつもりでしょうから、今国会でこの様な詐欺的税金搾取は出来ない交付金制度改正を維新は提案すべきやね」と批判。
清算のための資金が必要なことは事実だろうが、政治活動実態の乏しい政党が解党を前提に多額の公費を受け取れてしまう。松井氏も言及するように、求められるのは国民が納得する形での交付金の制度改正だろうーー。
週刊女性PRIME

《リベラルは再生できるのか》千葉商科大学教授・常見陽平氏が分析「多くの国民が根っこの価値として“安心”を求めているということを理解するべき」

中道改革連合の解体、沖縄県知事選での玉城デニー氏の敗北など、リベラル勢力の退潮が鮮明となっている。なぜリベラルは支持を失い、対抗軸を示せなくなったのか。そして再生する道はあるのか。作家、千葉商科大学教授の常見陽平氏が分析する。
リベラル政党は国民の実感をどこまで掴んでいたのか
日本のリベラルが大切にしてきたのは、「自由」と「寛容」のはずです。自由は国家や伝統的な規範からの自由であり、寛容は多様性と言い換えてもいい。ただ、中道改革連合とその源流となる立憲民主党、そしてリベラル言論人は大切なこの2つを見失っていたのではないかと考えています。
政策では国民の生活実感からかけ離れていました。選択的夫婦別姓やジェンダー平等を掲げたけれど、いずれも重要な政策である一方で、政治家が上から授けるような語り口になり、人々の切実な生活実感と十分に結びついていなかったのではないか。
賃上げの恩恵に与れない非正規はもちろん、フリーランスやギグワークを掛け持ちするような人たちは、不安定な暮らしを強いられています。正社員を含めた中間層も、必ずしも支援の対象として捉えられず、重い社会保険料負担や転落への不安を抱えているのです。
時間もお金もない若者が求める価値も安心です。とりあえずコンサルに就職する若者は、生活不安をかき消すように競争に勤しみ、給料は安くとも配属ガチャのない企業を選ぶ若者は、東京暮らしを続けて安堵している。どちらも根っこの価値は安心なのです。
リベラル政党は、そうした国民の実感をどこまで掴んでいたでしょうか。
参政党が支持を得たのも、「日本人ファースト」以外の主張――でたらめ交じりでも、桁違いの減税など有権者の不安に働きかけるものであったことは見逃せません。
左派リベラル系の言論にも問題があったと思います。立場を超えた幅広い議論が必要なのに、左派リベラル系のYouTubeチャンネル同士はほとんどコラボしないうえ、ジャーナリストの望月衣塑子氏が日本保守党の百田尚樹氏と対談しただけで、「ヘイト容認か」とSNSは大炎上でした。
思想家の東浩紀氏や私がリベラルをよくしたいと願うからこそ批判を口にすれば、「ネトウヨ」「闇落ち」と批判の嵐。この界隈はタコ壺化し、内ゲバを繰り返して仲間を失っているのです。
再起動させられる政治家は見当たりません。まずは言論界から、右も左も関係なく、自由に議論ができる寛容な空間を作るところから始めてはどうかと考えています。
【プロフィール】 常見陽平(つねみ・ようへい)/会社員やフリーとして勤めた経験を活かし、働き方や就活事情について執筆・講演を行う。著書に『なぜリベラルは嫌われているのか』(星海社新書)。
※週刊ポスト2026年10月30日号

泥酔したキャバ嬢宅に上がり込み介抱の末に性行為した63歳男性、朝帰りの同棲相手と鉢合わせ【裁判傍聴記・前編】

東京地裁に出廷したF被告(犯行当時63歳)は、小柄で髪が薄く眼鏡をかけていた。「同意を得て行為をしたので、犯罪ではありません」と主張した。弁護士も「被害者には判断能力があった。被告人は無罪です」と。2024年5月9日、被害女性Aさん(当時26歳)は勤務先のキャバクラで大量に飲酒して、記憶がなくなった。午前2時頃、Aさんは自宅マンション前でうつぶせになったり、立ち上がっては倒れることを繰り返していた。F被告が声をかけて一緒にコンビニに行くが、Aさんは財布をなくしていて何も購入できなかった。マンションに戻ってエントランスに。Aさんが落とした鍵をF被告が拾って、その後一緒に部屋に入った。着衣を脱がして、性的行為をしたという。朝になって、同棲中の婚約者が帰宅。「知らない男がいる」と110番通報した。取り調べの時、F被告は「これが犯罪になるんだったら、美人局じゃないか。ダマされた」と訴えたという。不同意性交罪で起訴された。左に知らない男性、目の前に彼氏被害者Aさんが別室からビデオリンク方式で証言した。ハキハキとした口調が印象的だった。「勤務先で飲酒して、午前0時前頃から記憶がなくなりました。プライベートでは飲みません。お酒の味が苦手なので。これまで記憶をなくしたことは3、4回。今回泥酔したのは、お酒を飲まない時期が2カ月と長かったからかと。携帯はその日、紛失しました。普通の状態なら知らない男を部屋に入れません。朝、頭に衝撃を受けて目覚めました。左に知らない男性、目の前に彼氏。その前の記憶は一切ありません。気がついたときは、体のあちこちが痛かったです。首の後ろには引っかき傷、ひざにあざと傷が」「泥酔したため、判断能力がなくなっていました」と何度も強調した。「被告人と会ったことや、2人でコンビニに行ったことも覚えていません。彼が警察を呼んで、綿棒で口内、両胸と膣内の異物採取を。(犯人に対しては)泥酔している女性の自宅に上がり込むのはいかがなものかと。事件後、ショックで眠れない日が続きました」F被告の弁護士が被害者Aさんに質問した。――Fさんはあなたの源氏名を知っていました。あなたが教えたからではないですか?「源氏名を知っていることを、今初めて知りました」――あなたが「たこ焼きが食べたい」と言ったから、一緒にコンビニへ行ったのでは?「覚えていません」――意気投合した可能性は? 「泥酔していたので可能性はあるかもしれません。ゼロではないとしか言えません。判断能力がなくなっていました」
東京地裁に出廷したF被告(犯行当時63歳)は、小柄で髪が薄く眼鏡をかけていた。「同意を得て行為をしたので、犯罪ではありません」と主張した。弁護士も「被害者には判断能力があった。被告人は無罪です」と。
2024年5月9日、被害女性Aさん(当時26歳)は勤務先のキャバクラで大量に飲酒して、記憶がなくなった。
午前2時頃、Aさんは自宅マンション前でうつぶせになったり、立ち上がっては倒れることを繰り返していた。F被告が声をかけて一緒にコンビニに行くが、Aさんは財布をなくしていて何も購入できなかった。
マンションに戻ってエントランスに。Aさんが落とした鍵をF被告が拾って、その後一緒に部屋に入った。着衣を脱がして、性的行為をしたという。朝になって、同棲中の婚約者が帰宅。「知らない男がいる」と110番通報した。
取り調べの時、F被告は「これが犯罪になるんだったら、美人局じゃないか。ダマされた」と訴えたという。不同意性交罪で起訴された。
被害者Aさんが別室からビデオリンク方式で証言した。ハキハキとした口調が印象的だった。
「勤務先で飲酒して、午前0時前頃から記憶がなくなりました。プライベートでは飲みません。お酒の味が苦手なので。これまで記憶をなくしたことは3、4回。今回泥酔したのは、お酒を飲まない時期が2カ月と長かったからかと。携帯はその日、紛失しました。
普通の状態なら知らない男を部屋に入れません。朝、頭に衝撃を受けて目覚めました。左に知らない男性、目の前に彼氏。その前の記憶は一切ありません。気がついたときは、体のあちこちが痛かったです。首の後ろには引っかき傷、ひざにあざと傷が」
「泥酔したため、判断能力がなくなっていました」と何度も強調した。
「被告人と会ったことや、2人でコンビニに行ったことも覚えていません。彼が警察を呼んで、綿棒で口内、両胸と膣内の異物採取を。
(犯人に対しては)泥酔している女性の自宅に上がり込むのはいかがなものかと。事件後、ショックで眠れない日が続きました」
F被告の弁護士が被害者Aさんに質問した。
――Fさんはあなたの源氏名を知っていました。あなたが教えたからではないですか?
「源氏名を知っていることを、今初めて知りました」
――あなたが「たこ焼きが食べたい」と言ったから、一緒にコンビニへ行ったのでは?
「覚えていません」
――意気投合した可能性は?
「泥酔していたので可能性はあるかもしれません。ゼロではないとしか言えません。判断能力がなくなっていました」

高市政権発足1年、政策評価は…歴史に残る呼び名は「令和の円安首相」か

高市政権が発足から21日で1年たった。テレビ朝日系列のANN世論調査(19日)では内閣支持率が47.1%で政権発足以来最低だったが、今回の支持率急落は「予算カット」発言などで批判を受けた簗和生氏の農水大臣辞任が影響したものだ。
ただ、内閣支持率はメディアによって大きな差があり、例えば、日本テレビ系列のNNN・読売新聞だと57%になっている。いずれにしても、いまだ高い支持率をキープしているのは間違いない。
さまざまな政策課題がある中で、数字で明確に示すことができる経済指標でこの1年を追ってみる。
積極的な財政出動と市場重視の姿勢が功を奏した面がある一方、金利上昇や円安の進行による副作用も見られ、主要な経済指標では「明暗」が分かれる評価となっている。
まず、昨年10月約4万9000円台だった日経平均株価は6万4000円超と大幅に上昇した。春闘での高水準賃上げ(5%台)により、実質賃金は8カ月連続で前年同期比プラスとなったが、大手と中小には大きな開きがある。
物価上昇率は2%台後半で依然として高水準で推移しているが、欧米先進国に比べれば、ましなインフレだ。賃金が持続的に上昇するようになり、インフレもそこそこだが、高市政権下で暮らしが楽になったという声はあまり聞かない。
昨年10月の長期金利(10年国債)は1%台半ばだったが、現在は3.0%台を突破する水準に達した。約30年ぶりの高水準である。財政拡大路線に伴う国債増発への懸念でマーケットの信任を得られていないことを意味する。「責任ある積極財政」路線で、住宅ローン金利の引き上げや国の利払い費増大といった問題が表面化している。
高市首相は19日の参院予算委員会で、食料品の消費税減税に伴う財源に関し「国債発行を否定するものではない」と表明した。これまで「国債に頼らず確保する」と説明していただけに、マーケットの動きがさらに注目される。
高市政権最大のマイナス評価は円安だ。政権発足前の1ドル=150円前後の推移から、現在では1ドル=160円台後半(一時170円近辺)の展開となっている。変動幅は約15円~18円程度の円安(約10%~12%の下落)となっており、1年でここまで円安を進めた政権はない。
高市政権は「強い日本」を唱えながら、国民の購買力は弱くなっていく。SNSには「歴史に残る呼び名は、案外『令和の円安首相』になるのかもしれない」との書き込みが見られた。
国会では食料品の消費税減税に関する本格審議が始まった。まずは減税の行方に注目したい。
文/横山渉 内外タイムス