統合中学の校名案「桜花」 特攻機名と重なり波紋 福岡・大牟田

2027年4月を予定する福岡県大牟田市立中2校の統合校名案が、桜の咲く土地柄にちなみ「桜花(おうか)」と決まった。しかし、市民団体などから「桜花は太平洋戦争中の特攻機名」として校名案に疑問の声が上がっている。
白光中(同市椿黒町)と甘木中(同市甘木)が統合される。両校長やPTAらでつくる学校再編協議会が9月に生徒や住民らから案を募り、寄せられた340件について議論と投票を重ねて決めた。当該校の生徒2人による案と言い、「桜のように生徒が個性を輝かせ、充実した学校生活を送ってほしい」と思いを込めた。現校名や地名と関連はない。12月22日の市教育委で審議され、2026年2月市議会で採決される予定。
兵器の桜花は太平洋戦争の戦局が悪化する中で考案された。爆弾に操縦席とロケットを付け、敵艦に近付くと母機から切り離し、体当たりを狙う生還を想定していない「人間爆弾」だ。出撃地だった鹿児島県鹿屋市の鹿屋航空基地史料館によると、戦争末期に55機が出撃し、母機などを含め450人が犠牲になった。敵艦に「命中」したのは1機だった。
校名案が報告された12月17日の大牟田市議会委員会では「生徒が純真に考えた」と賛成意見も出たが、「校名としてふさわしいか」と反対もあった。市民団体「大牟田の空襲を記録する会」など12団体も19日、「多くの若者が命を落とした兵器の名称」として市教委に再考を申し入れる。
学校再編協議会長を務める当該校の校長(57)は「選考過程で特攻機名と重なるという議論は出なかった。申し訳ないが、私も知らなかった。分かっていれば検討できたかもしれない」と話した。【降旗英峰】

《手当は1回1000円未満》「警告音が甲高く変わる」「撃たれたら、やられる」…空自幹部が告白する対中国“緊急発進”の知られざる実情

小泉進次郎防衛相は12月7日未明の記者会見で、中国軍の戦闘機が自衛隊機にレーダー照射を行ったと明らかにした。事件が起きたのは6日午後、沖縄本島南東の公海上空。那覇基地から緊急発進(スクランブル)した航空自衛隊のF15に対し、中国軍の戦闘機J15が2回にわたって断続的にレーダー照射を行ったという。
那覇基地でF15に搭乗してスクランブルの任務に就いた経験がある空自幹部A氏は「中国側の行動には明らかな意図を感じます」と語る。
F15に対する断続的なレーダー照射
防衛省によれば、6日午後4時32分ごろから同35分ごろまでの約3分間、沖縄本島南東の公海上空で、中国海軍空母「遼寧」から発艦したJ15が、対領空侵犯措置を実施していたF15に対し、レーダー照射を断続的に行った。
さらに同日午後6時37分ごろから同7時8分ごろまでの約30分間、対領空侵犯措置を行っていた別のF15に対してレーダー照射を断続的に行った。遼寧は沖大東島(沖縄県)の西約270キロの西太平洋上を航行していた。複数の元空自幹部らは日本側の対応からみて、中国軍機が使ったレーダーは捜索用ではなく、火器管制用レーダーだとの見方を示す。
元幹部の一人B氏は「火器管制用レーダーはミサイルを電波で誘導する装置。照射はロックオンを意味し、拳銃の引き金に指をかける行為だ」と話す。
那覇基地でスクランブルの任務
A氏が那覇基地でスクランブルの任務にあたっていたのは、今から10年ほど前。急増するスクランブルに対応するため、1個飛行隊編成だった第83航空隊を2個飛行隊編成(約40機)に増強して第9航空団に再編した2016年前後のことだった。
同年度はスクランブルの発進回数が過去最多の1168回を記録した時期だった。中国軍機が対象のケースが851回と全体の7割を占め、地域別でも南西方面が最も多い803回だった。南西方面では、単純計算で1日に2回以上スクランブルをかけていた計算になる。
警戒待機と呼ばれるスクランブル任務にあたると24時間、滑走路脇の警戒待機所に詰める。当番にあたる隊員は4人。スクランブルは2機体制で行う。
スクランブルがかかると5分以内に飛び立つ2人は、脳血流低下によって視覚障害が起きるグレイアウトを防ぐための耐Gスーツを着用する。最初の2人にスクランブルが命じられると、残る2人が次のスクランブルに備えて耐Gスーツを着用する。1番手グループと2番手グループは約6時間おきに入れ替えられる。
A氏は「Gスーツは圧迫感があるので、装着しているだけでストレスになります」と話す。
「中国軍機が相手の時は心に余裕がありません」
警戒待機所では何をしているのか。A氏は「若いパイロットならフライトの勉強をしています。次のステップに進むための訓練のイメージアップです。中堅以上はパソコンで日常業務をこなしたり、テレビや漫画を見てリラックスしたりしています」と語る。
「でも、私の時代でも、待機に当たった日の7~8割は飛んでいました。だから、リラックスする暇もありませんでした。特に初めて待機の任務に就いた時は、食事も味がわからないくらい緊張した記憶があります」と話す。食事は待機所まで運んでもらえるが、食べている途中でスクランブルがかかり、箸やフォークを放りだして発進したことも何度もあるという。
那覇基地の場合、待機所を真ん中に挟んで、左右に格納庫が各2基配置してある。スクランブルになると電話とスピーカーで合図が来る。その瞬間、待機所のドアを開けて外に飛び出し、格納庫に走る。手前の格納庫まで15秒、奥の格納庫まで30秒とかからない。すぐに発進する。
A氏は「それでも、中国軍機が相手の時は心に余裕がありません」と話す。ロシア軍機の場合、日本列島を一周して沖縄方面に近づくといったパターンが多い。
「だから、あと何時間したら発進だという心の準備ができます。でも、中国軍機は大陸から上がった(発進した)としても、日本のADIZ(防空識別圏)にすぐ入って来ます」(A氏)
領空は日本の領土から12海里(約22.2キロ)の範囲までしかない。戦闘機ならわずか1分余で通過する距離だ。そのため、飛行プランが出されていない国籍不明機(アンノウン)がADIZに入った場合、空自は対領空侵犯措置を取る。
空母の航行位置は「日本の領空まで10分から15分で到達する距離」
今回、空母「遼寧」が航行していた位置は日本のADIZにあたる。A氏は「日本の領空まで10分から15分で到達する距離です。空母から中国軍機が発進した瞬間にスクランブルをかけたと思います」と語る。
速度も機動性も高い戦闘機であれば、すぐに対応しなければ手遅れになる。中国は事前に訓練を通告していたと主張するが、日本側は詳しい位置や高度を示すノータム(航空情報)はなかったとしている。ただ、中国の主張通りのノータムが出ていたとしても、空自がスクランブルをしない理由にはならない。
徳島文理大学教授を務める高橋孝途元海将補は「『ノータムがあれば、スクランブルをかけなくてもいい』ということになれば、相手が演習を偽装して突然、領空侵犯や武力攻撃に至るケースを防げない」と説明する。
スクランブルした2機のうち、1番機(リーダー機)に搭乗するのが編隊長。2番機がウイングマンで基本的にサポートに回る。A氏の場合、目視で数百メートルの距離まで接近した経験が何度もある。
「領空侵犯の恐れがあれば、国際緊急周波数を使って針路変更などを要請します。1番機が英語、2番機が対象国の言語で呼びかけます」(A氏)
A氏の経験から、ロシア機はほとんど事前に計画したとおり、まっすぐ飛ぶが、中国機は現場の判断も踏まえて飛行する傾向があるという。
警告音が甲高くなる火器管制用レーダー照射
レーダーが照射されるとF15のコックピットはどうなるのか。
A氏によれば、捜索用レーダーが照射された場合はピピピというそれほど高くない音で知らせてくるが、火器管制用レーダー、敵機によるミサイル発射の順に、警告音も甲高く、うるさくなる。A氏の場合、捜索用レーダーを照射された経験も何度もあるという。
「捜索用レーダーを当てられても、特段の驚きはないですね。日常茶飯事といった感覚です」(A氏)
そのうえで、A氏は「火器管制用レーダーが当てられると、いつもと音が違うので、まずは間違いじゃないかと思うでしょう。でも、それが30分も続くことはまずありえません。明らかに相手に意図があります」と語る。「相手機から距離を取りたいと思うでしょうが、これで撃たれたら、やられるという感覚になるでしょうね」。
A氏によれば、新しい戦闘機のレーダーは捜索用と火器管制用のモードの切り替えが複雑になっている。F15がロックオンを伝える警報音を出しても、相手機がロックオンをしていないケースもあり得る。防衛省が明確に「火器管制用レーダー」と断言しないのも、こうした技術的な背景が考えられるという。
ただ、A氏は「たとえ、ロックオンではなかったとしても、30分も続けること自体は嫌がらせ、圧力だと言えます。最初と2回目の照射に時間差があり、しかも、1回目は5分で2回目は30分です。少なくとも2回目の照射では、上級司令部からプレゼンスを示せといった指示があったのではないでしょうか」と語る。
A氏によれば、安全保障環境が緊迫している東シナ海で対領空侵犯措置を取る場合、天候が悪くない限り、レーダーをなるべく使わないようにする。使っても相手に当たらないよう、なるべく機首を相手機に向けない対応をするという。
暗黙のルール
空自には「同じパイロットのスクランブル発進は1日3回まで」という暗黙のルールがあるという。A氏も1日3回飛んだ経験がある。
「その日は結構きつかったです。1回のフライトが2時間半くらいですから、3回だと7時間半。コックピットにいること自体がストレスですし、そこにスクランブルの緊張が加わりますから」(A氏)。
それでも警戒待機の任務中は集中していたが、翌朝になって待機所を離れると疲れがどっと襲って来たという。
日本近海での中国軍空母の活動活発化…さらに緊張を強いられるスクランブルの質
防衛省によれば、2024年度のスクランブル発進回数は704回だった。最多だった2016年度よりも400回以上減った計算になる。
A氏は「スクランブルが減っただけで、来ている相手機の数は減っていないのが実情です。むしろ、ドローン(無人機)も加わり、数は増えているでしょう」と語る。
空自の戦力だけでは対応しきれないので、スクランブルする条件を厳しくして、なるべく絞って対応した結果なのだという。さらに、中国軍空母が日本近海での活動を活発化させているため、スクランブルの質がさらに緊張を強いられるものになっている。
防衛省によれば、遼寧は6日から12日にかけて、戦闘機やヘリによる発着艦をのべ260回繰り返したという。
A氏は「最初の4機がスクランブルで出た後、さらに必要になれば、他の戦闘機を振り向けます。今回も相当大変だったのではないでしょうか」と話す。A氏によれば、警戒待機をしても、通常の1000円にも満たない夜間勤務手当が出るだけだという。
A氏は「パイロットが毎月もらう航空手当に含まれているということなんでしょう」と語るが、一歩間違えれば武力行使に至る可能性もある任務としては安すぎる感が否めない。
(牧野 愛博)

〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「夫婦には小さな子どもがいた…」電源が切れていた非常ボタン、夫は妻を覆うように倒れ火傷も…店の“関係先”には11月に業務停止命令も

〈〈赤坂・超高級サウナ2人死亡〉「非常ボタンを押した形跡もあった」外れたドアノブ…タレントが広告塔、月額39万コースも「シェフがつくる食事も飲み物も全て無料でした」〉から続く
東京・赤坂の高級個室サウナで12月15日、サウナ室内に閉じ込められた男女2人が死亡する火災事故が起きた。警視庁は店の管理に問題がなかったか、詳しく調べを進めている。出火原因はタオルがサウナストーンに触れたことで発火したとしてみられており、亡くなった夫婦には幼い子どもがいたという。サウナ店の経営者たちの横顔にも迫った。
〈画像〉地元も高校も同じ、やさしい仲の良い夫婦として知られていた亡くなった松田さん夫婦
タオルがサウナストーンに触れたことで発火
「サウナ歴が25年ということもあり、長い間プライベートサウナを作りたいという思いがありました」(サウナタイガー・運営会社前社長のA氏)
15日午後0時25分ごろ、プライベートサウナを提供する「サウナタイガー」の3階にある個室サウナで、「非常ベルが鳴っている」と119番通報があった。
駆けつけた消防隊員が個室サウナの入り口付近で、男女2人が倒れているのを発見した。女性が下になり、男性が覆いかぶさるように重なっていたという。死亡が確認されたのは、松田政也さん(36)と、妻でネイリストの陽子さん(37)の2人だった。
「亡くなった2人はサウナ室に閉じ込められた可能性が高く、ドアを開けるための木製の取手が内側と外側のいずれも外れていました。火元のサウナ室に設置された非常ボタンには押された形跡がありました。長時間閉じ込められたことからか、直接の死因とは関係ないのですが、二人の背中や肩などには火傷の痕もあったようです。
警視庁が16日、現場検証を行なうと、事務室に設置された非常ボタンの受信機の電源が入っていなかったことも判明しました。火災当時も電源ボタンが機能していなかったとみて捜査を進めています。また出火原因ですが、タオルがサウナストーンに触れたことで発火したとみられています」(社会部記者)
ずさんな管理状況がみえてきた「サウナタイガー」だが、経営者はどのような人物なのか。
「サウナタイガーは2022年8月にオープンし、月額で最大39万円のプランを用意し、食べ飲み放題のオールインクルーシブの店舗でした。開店当時はA社長のもとで、タレントを監修役に起用して運営されていました。ただ、2024年12月にAさんは代表を辞任。新たな社長としてBさんが就任しています」(サウナ業界関係者)
関係者によると、このA氏とB氏は現在もビジネスパートナーだという。
A氏が代表取締役社長を務め、B氏が社長室長を務める別会社のC社も存在している。C社は宝石などの訪問買い取り業者であるが、今年11月、強引な買い取りをしたとして消費者庁から9カ月の業務停止命令を受けていた。
クーリング・オフ期間などの告知をしなかったことも…
発表資料によると、消費者庁は11月27日、特定商取引法違反(訪問購入)の疑いで、C社に対し、9カ月間の業務停止命令を出している。
特定商取引法は、消費者が契約締結の意思がないことを示した後の再勧誘を禁じている。しかし、同社の従業員は、消費者宅を訪問した際に、消費者から「売るものはない」「売却するつもりはない」と明確に拒絶の意思表示を受けたにもかかわらず、勧誘を継続したという。
資料によれば、従業員は消費者に対し、
「イミテーションのアクセサリーとか、切れているネックレスとか、片方だけのピアスとかないですか」
「ネクタイピン1個でも、カフスボタン1個でもいいです」
などとしつこく勧誘し、売却を迫ったという事実が認定されていた。
そのほか、クーリング・オフ期間などの告知をしなかったことや、別の事例では同社の社員が「これだけお願いします。お願いします。お願いします」としつこく勧誘していたことも明らかになっている。
C社は集英社オンラインの取材に対して、B氏が社長室長であることを認めたものの、A氏については「Aは不在でいつもここにいるわけではございませんので。いつこちらにくるかは分かりませんし、取材はお断りしています」と回答を控えた。
地元も高校も専門学校も一緒で、生まれた病院も一緒だった夫婦
被害者の2人を知る関係者は突然の事故に肩を落とす。
「亡くなった2人とも優しく、夫婦の間には小さなお子さんもいらっしゃいます。旦那さんの松田政也さんは九州から東京に上京してきました。最初は渋谷で美容師をしており、そのときに奥さんと出会ったそうです。地元も高校も専門学校も一緒で、生まれた病院も一緒だったとか。
その後、フリーランスとして独立し、2022年に会社を設立した。白髪染めに定評のあるお店で、国内で数店舗を持つまで成長させました。サウナー(サウナ愛好家)でもあり、全国各地のサウナに行って“ととのって”いたと聞いています。実際に本人もサウナは仕事をするうえで欠かせない場所と話していました。知り合いの店が開業したら祝花は必ず送るなど、優しい人でした」
松田さんのSNSには夫婦の仲むつまじい様子や小さな我が子を抱く写真などが多数投稿されていた。警視庁は施設の従業員体制など詳しく調べを進めている。
※「集英社オンライン」では、今回の事件に関する情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter) @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

【実態】「ゾンビたばこ」FBS記者が業者を直撃 福岡で検挙者 依存しやすく死に至ることも【ケンミン特捜班】

皆さんの身近な驚きや疑問、不満や怒りをFBSが取材する「ケンミン特捜班」です。今回のテーマは「ゾンビたばこって何?」です。
最近、ニュースで耳にした人もいると思います。
「ゾンビたばこ」は、指定薬物が含まれる違法な危険ドラッグです。福岡でも「ゾンビたばこ」を所持したとして検挙者が出るなど、主に若者の間で広がりを見せつつあります。
一体なぜ「ゾンビたばこ」と呼ばれるのでしょうか。そして、福岡での広がりの現状を取材しました。
こちらは、中国のSNSに投稿された映像です。
小刻みに震え、歩いたり立ったりすることすらままならない人たち。「ゾンビたばこ」と呼ばれる危険ドラッグを摂取したとみられています。
「ゾンビたばこ」に含まれるのは「エトミデート」と呼ばれる成分です。「エトミデート」を過剰に摂取すると、けいれんや錯乱状態に陥るとされています。
海外では麻酔薬などとして使われていますが、日本国内では未承認です。ことし5月には指定薬物となり、所持や使用が禁止されました。
「ゾンビたばこ」は福岡でも広がっているのでしょうか。記者は街の若者たちに聞きました。
■大学生
Q.ゾンビたばこ、聞いたことはありますか?
「聞いたことはないです。興味本位では吸ったらどんな感じになるか気になる。気にはなるけれど、法に反するなら買いません。」
「聞いたことはあります。海外で、はやっていて、それが沖縄で流行しているみたいな感じで聞きました。自分の周りではないですね。」
警察庁によりますと、ことし10月までに「エトミデート」を所持・使用したとして検挙されたのは全国で18人、いずれも10代から30代の若者です。
多くが沖縄で検挙されていますが、福岡でも1人、「エトミデート」を所持したとして、すでに検挙されています。
11月13日には、沖縄県警が「ゾンビたばこ」の密売組織「69」のトップである21歳の男を逮捕しました。
男は逮捕直前、福岡市博多区に住んでいて、福岡でもSNSを通じて危険ドラッグを密売していた疑いがあるといいます。
今、福岡で「ゾンビたばこ」の売買は行われているのでしょうか。記者がSNSを調べました。
■山木康聖記者
「ありましたね。ここですが、#エトミデート。さらに#福岡も入っています。」
この投稿をしたアカウントには、秘匿性の高い別のメッセージアプリのアドレスが記されていました。
実態を探るため、記者であることを明かさずにアクセスしました。
■山木記者
「グループチャットにメニューの画像が入っていて、一番下、笑気麻酔と書かれています。」
1ミリリットル2万円で売られていた「笑気麻酔」とは一体、何なのか。
■業者からのメッセージ
『エトミデートが主成分のものになります』
福岡でも売れているのかについては。
■業者からのメッセージ
『結構売れてます!リピーターも多く、数的にも結構出てますね!』
この業者は、SNSのやりとりで「笑気麻酔」と称して、「エトミデート」つまり「ゾンビたばこ」を販売していると明かしました。
実は沖縄でも「笑気麻酔」の呼び名で使用が広がっていたといいます。
摘発された沖縄の組織と関わりがあるのでしょうか。秘匿性の高いアプリの通話機能を使って直撃しました。
『もしもし』
聞こえたのは男性の声です。
■山木康聖記者
「FBS福岡放送というテレビ局の者でして。」
『私たちそういうの受け付けていないので、お断りでお願いします』
■山木記者
「一つだけ聞いていいですか。」
『はい』
沖縄の密売組織「69」との関わりについて聞きました。
■山木記者
「そことの関わりはないのですか。」
『全く関わりはないですね』
■山木記者
「いつから福岡で売り始めたのですか。」
『全然まだまだ(最近)ですね』
しかし、「逮捕される恐怖はないのか」など、その後の質問には「答えられない」の一点張りで通話は切られました。
福岡でも存在が濃く疑われる密売ルート。
「ゾンビたばこ」は危険ドラッグの中でも依存に陥りやすいとして、専門家は警鐘を鳴らしています。
■湘南医療大学 薬学部・舩田正彦 教授
「エトミデートは作用する時間が短いので、繰り返し乱用してしまうことが懸念され、使用が止まらない依存に陥るケースがあり得ます。吸引で乱用されているので、高濃度を誤って吸ってしまうことも懸念される。大量に摂取した場合には、死に至るケースも報告されています。」
「ゾンビたばこ」について、福岡県警や九州厚生局麻薬取締部は「九州でも蔓延(まんえん)する恐れがある」として警戒を強めています。
所持や使用が禁止されているにもかかわらず、各地で密売の疑いが明らかになっている「ゾンビたばこ」。そもそも、業者側はどうやって入手しているのでしょうか。
ことし10月に大分県警などが検挙した事件では、インドからでした。12月10日に警視庁が発表した事件では、タイから「エトミデート」が密輸されたことが明らかになりました。
警視庁はさらに、密輸に暴力団が関与している疑いもあるとみて調べているということです。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年12月11日午後5時すぎ放送
FBSでは皆さんの驚きや疑問、不満や怒りを募集しています。「ケンミン特捜班」で検索してください。QRコードからも投稿できます。情報をお待ちしています。

《超有名“ホス狂い詐欺師風俗嬢”の素顔》「白血病が再発して余命1か月」と60代男性から総額約4000万円を詐取か……高橋麻美香容疑者の悪質な“口説き文句”「客の子どもを中絶したい」

12月1日、風俗店従業員・高橋麻美香容疑者(32)が詐欺容疑で再逮捕された。女はもともと勤務していた風俗店の客だった60代男性を騙し、計1001万円を騙し取った疑いがかけられている。
多額の金をせしめた高橋容疑者。なんとこの女性、数々の男性を騙してきた”ホス狂い詐欺師風俗嬢”として界隈では知られた存在だったという。NEWSポストセブンは、同様の手口に遭ったという別の人物に取材。この被害者が容疑者の”口説き”の手口などについて赤裸々に明かしてくれた。【前後編の前編】
大手紙社会部記者が語る。
「警視庁によると、高橋容疑者は都内の風俗店で働いていた2021年に、客だった60代男性と出会った。同年8月から2022年6月にかけて『白血病と診断された』などと男性からおよそ2900万円を騙しとったとして、11月10日にすでに逮捕されていたました。
再逮捕の容疑は2022年7月から8月、およそ20回にわたり同様の手口でウソをつき、金を騙しとったとされている。容疑者は実際には白血病ではなく、調べに対して『余命が3か月しかないなどと言った。病院の請求書を偽造した』とおおむね容疑を認めています。警視庁は余罪も含め、慎重に捜査を進めている」
インターネットで検索すると、詐欺被害の情報共有掲示板などで高橋容疑者の名前がいくつかヒットする。そこには〈超有名な”ホス狂い詐欺師風俗嬢”〉〈被害者は少なくとも10人以上〉〈何の後ろめたさも感じずに嘘をつきます〉など、真偽は定かではないが、数々の”悪評”が書かれていた。
高橋容疑者はなぜ詐欺に手を染めるまで金に困っていたのか──。「事件の男性よりは少額ですが、私もお金を払わされた」という人物が明かす。
「転々としてソープの出稼ぎをしていた」
「私は単なる知人で、全額回収にも成功しました。ほかにも何人もの人から同じような被害の連絡を受けていますが、回収できたのは私だけだと思われます。容疑者はかつて吉原の店で働いていたのですが、あまり出勤しなかったためすぐにクビになっています。ろくに働いてもいないのに”高級店在籍”という経歴を使って、福島や茨城、福岡など各地を転々としてソープの出稼ぎをしていた」
容疑者は1993年4月、群馬県前橋市に生まれた。県内の私立高校を卒業後、保育系の短大に進学。幼稚園教諭になるが、およそ1年で退職し、2014年の春ころからアパレル店員に転職している。風俗嬢になったのは2015年以降のことだ。

帰国のノーベル賞・坂口志文さん、「サンドイッチの代金を受け取ってくれなかった」受賞を実感

今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した坂口志文(しもん)・大阪大特任教授(74)が17日、授賞式などスウェーデンでの一連の行事を終え、羽田空港に到着した。空港で報道陣の取材に応じた坂口さんは、「充実した1~2週間だった」と、満足そうに振り返った。
報道陣から「受賞の実感が湧いた瞬間は?」と問われると、「市場でサンドイッチの代金を受け取ってくれなかったり、飛行機で乗客から祝福されたりした。(受賞を感じる)いろんなことが重なってうれしくなった」と、笑顔で語った。今後の予定については「早く研究室に戻りたい。学生の論文を見てあげたい」と話し、後進の指導にさっそく意欲を見せていた。

“つり目”騒動で駐日フィンランド大使館が首相の謝罪伝えるも「国内で発表した?」ツッコミ殺到

駐日フィンランド大使館が18日までに公式Xを更新。同国の国会議員らがSNSでアジア人を揶揄(やゆ)するポーズとされる、両手の指で目尻を引き上げる“つり目”写真をアップした騒動をめぐって、同国の首相のおわびの言葉を伝えた。
一連の騒動は、ミスコンテスト「ミス・フィンランド」でグランプリとなった女性が、SNSでアジア人を揶揄(やゆ)するポーズとされる、両手の指で目尻を引き上げる“つり目”写真をアップし騒動化。女性が「ミス」の資格を剥奪された。すると、フィン人党の国会議員が、女性に連帯を示す形で自身の“つり目”写真をアップしていた。
同アカウントはペッテリ・オルポ首相の言葉を紹介。「個々の国会議員による最近の侮辱的なソーシャルメディアの投稿に対して、心からお詫び申し上げます。こうした投稿は、平等とインクルージョンを大切にするフィンランドの価値観を反映していません」と謝罪。
続けて「人種差別、あらゆる差別は、フィンランド社会にあってはならないものです。フィンランド国内、そして国外にいるすべての友人に向けて、フィンランド政府は人種差別を真剣に受け止め、この問題と闘う決意をお伝えします。フィンランドは常に、改善に向かって尽力します。この点において、政治家には模範となる責任があります」とつづった。
このポストに対し「で、その議員に何をするって?表向きかっこよく非難して終わりですか?」「これと同じ内容の文書をフィンランド語でフィンランド国内向けに発表されているのでしょうか?」「でも吊り目ポーズが侮辱的だって言ってないなコレ」などの声が寄せられている。
これまでにも欧米では同様の騒動が繰り返されており、今年8月にはスイスの時計大手、スウォッチ・グループはアジア系の男性モデルが両方の目尻を指で引き上げるようなポーズをした画像を使用した広告を掲載したが、その後、取り下げて削除し、謝罪する騒動があった。
◇ ◇ ◇
以下、投稿全文。
私は一年前、日本を訪問する機会に恵まれました。日本、そして日本の皆様に対して深い尊敬を抱いています。フィンランドと日本は、長年の良好な関係を築いています。
個々の国会議員による最近の侮辱的なソーシャルメディアの投稿に対して、心からお詫び申し上げます。こうした投稿は、平等とインクルージョンを大切にするフィンランドの価値観を反映していません。
人種差別、あらゆる差別は、フィンランド社会にあってはならないものです。フィンランド国内、そして国外にいるすべての友人に向けて、フィンランド政府は人種差別を真剣に受け止め、この問題と闘う決意をお伝えします。フィンランドは常に、改善に向かって尽力します。この点において、政治家には模範となる責任があります。
連立政権を組む政党の会派代表は、個々の議員による行為について議論しました。会派代表は共同で、侮辱的で不適切な行為を非難しています。
フィンランド共和国首相
ペッテリ・オルポ

地滑りの引き金は「顕微鏡レベルの古傷」 四国山地でメカニズム解明

日本列島の形成過程での強い地殻変動による岩石の「古傷」が、現在の地滑りに大きく影響している――。そのメカニズムを、国内有数の地滑り多発地帯である四国山地中央部(徳島・高知県境の大歩危<おおぼけ>地域)での顕微鏡観察などで解明したと、京都大防災研究所斜面未災学研究センター(徳島地すべり観測所)の山崎新太郎准教授(応用地質学)のグループが発表した。
大歩危地域は台風や豪雨の際に地滑りを起こしやすい「結晶片岩」で形成されているが、同じ岩石の分布でも地滑りが多発する場所と、多発しない場所がある。過去のプレート沈み込みにより、地下深部での高圧と高熱で変成された結晶片岩の地帯では、一般に岩石の剥がれやすい面(片理面)が斜面と平行に傾く場所で地滑りが起きやすいとされる。ただこの地域では片理面が水平な構造や、斜面に刺さるような逆傾斜の構造でも地滑りが多発し、その理由が未解明だった。
これに疑問を持って注目した山崎准教授は4年ほど前から研究を開始。大歩危峡谷の南部一帯の100平方キロのエリアを対象に約3年間かけ、航空レーザー測量で作成された高解像度の地形図、防災科学技術研究所による地滑り分布図の分析に加え、詳細な野外地質調査とドローンによる空撮や岩石の顕微鏡観察を組み合わせ、地滑り発生の主要因を徹底分析した。
その結果、地滑り多発地では岩石中に数ミリから数メートル規模の微細な褶曲(しゅうきょく)(地層が波状に曲がる構造)が著しく発達し、この褶曲に伴って岩石に「へき開」と呼ばれる微細な縦方向の割れ目が無数に形成されていることが分かった。この微細な割れ目が地下深部への水の通り道となり、豪雨時などに斜面を不安定化させると考えられる。①微細な褶曲によって薄い板状に剥がれやすい岩石の層が傾く②同時に形成された「へき開」が斜面の奥深くまで続く鉛直方向の割れ目となる③傾いた層と鉛直方向の割れ目が階段状につながって雨水が地下深部へ浸透しやすくなり、大規模な地滑り面を形成する――というメカニズムだ。
調査エリアでは地滑りの発生密度と褶曲の発生地域が一致し、へき開の発達方向と地滑りの発生方向も一致。江戸初期から近年までに発生した3カ所(高知県大豊町の豊永と岩原、徳島県三好市の有瀬)では常に褶曲が認められ、へき開面の開口が深部透水経路となっていたことを確認したという。
へき開は、かつて岩石が地下深くで変形した際に刻まれた「古傷」といえる。既存の地質図や通常の露頭観察では捉えきれない微細な構造だが、山体全体の強度を低下させ、地滑りを誘発する決定的要因となっていることが示された形だ。研究成果は14日に国際学術誌「ジオモルフォロジー」にオンライン掲載された。
山崎准教授は「四国の急峻(きゅうしゅん)な山々を歩き回り、ハンマーで岩を割って観察を続ける中で、巨大な地滑りの原因が顕微鏡サイズの小さな『岩石の古傷』にあることに気づいた。過去の地殻変動が現代の災害につながっていることは地質学の面白さであり恐ろしさでもある。この『古傷』を見逃さないことが将来の災害予測に重要だ」と話す。
地形や地質分布に頼った従来のハザードマップの精度を大きく向上させる可能性があり、予測が難しかった地滑り危険箇所の特定精度向上につながることが期待される。今後はこの「古傷」が水圧によってどのように破壊に至るかを定量的に評価し、より具体的な防災対策やリスク評価手法の構築を目指すという。
山崎准教授によると、四国山地の南部全域や和歌山県、長野県にも同様の状況が部分的に確認され、未調査ながら関東や九州まで広がる可能性がある。同様の地域は世界中にあり、国際的な地滑り研究への波及効果も期待されるとしている。【太田裕之】

別室でもドアノブがたつく=男性の手に皮下出血、ガラスたたいたか―サウナ死亡火災・警視庁

東京・赤坂の個室サウナ店「サウナタイガー」で美容室経営、松田政也さん(36)と、妻でネイリストの陽子さん(37)が死亡した火災で、店内の別のサウナ室でも出入り口のドアノブにがたつきが確認されたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。
現場のサウナ室は出入り口のドアノブが外れており、2人は閉じ込められたとみられている。警視庁捜査1課は業務上過失致死容疑で、店の管理態勢に問題がなかったか調べている。
捜査関係者や店のホームページによると、店内には2~4人用の個室が5部屋あり、それぞれにサウナ室があった。サウナ室は木製のL字型のドアノブを回して開閉する構造で、2人が発見された現場のドアノブは外れて室内外にそれぞれ落ちており、開けられない状態だった。同課が調べたところ、店内のほかのサウナ室のドアノブにもがたつきが確認されたという。
また、ドアにはめ込まれたガラスには、こすられたような跡があり、松田さんの手には皮下出血があったことも判明。同課は松田さんが拳で繰り返したたいたとみている。 [時事通信社]

車5台が絡む事故 40代女性が意識不明の重体 子ども含む2人もけが 東進の車が対向車線にはみ出し多重事故か 京都市右京区・丸太町通り

17日午後、京都市右京区の市道で5台の車が絡む事故があり、40歳の女性が意識不明の重体で、女性の車に同乗していた1歳の子どもと、別の車の男性がケガをしました。

事故があったのは京都市右京区の丸太町通りです。

警察によりますと、東に向かっていた普通乗用車が対向車線にはみ出して、信号待ちをしていた軽乗用車にぶつかり、そのはずみでさらに3台の車が絡む多重事故になったということです。

最初に衝突した乗用車に乗っていた40歳の女性が意識不明の重体で、この車に同乗していた1歳の女性の子どもと、衝突された軽乗用車の男性が軽傷だということです。

警察が事故の状況を詳しく調べています。