高市早苗首相「美しい妹」発言の真相、木原官房長官が会見で明かす インドでの記者発表めぐり

木原稔官房長官は7日午後の記者会見で、高市早苗首相が今月2日に訪問先のインドで行ったモディ首相との記者発表の場で、自身のことを「(モディ氏の)美しい妹」と述べたことに対して「誤訳ではないか」との指摘があることについて、モディ氏の発言と、これを受けた同時通訳の訳の内容が異なっていたことを明らかにした。
高市首相とモディ氏の共同発表の場で、首相はモディ氏から「美しい妹」と伝えられたと発言していた。ただ、モディ氏の発言では、「美しい」との表現はなかったとして、SNSなどで高市首相の発言に対し、疑問の指摘が出ていた。
この日の会見で、記者から「共同会見で、モディ首相が高市首相のことを『美しい妹』と表現されたとされているが、『美しい』の部分は誤訳だったのではないかという指摘がある」として、事実関係を問われた木原氏は「7月2日の日・印共同記者発表において、モディ首相は高市総理に対し、『閣下、私の妹である高市総理』と、呼びかけたと承知しております」と述べた。
その上で、「高市総理はこれを受けて、『美しい妹と呼んでいただいた』と発言したわけですが、この発言は、日本政府が契約した同時通訳が『美しい妹』と訳したことを受けたものであります」と説明。「美しい」は同時通訳が訳した内容で、高市首相はそれに沿って発言したものだと、主張した。

違法な移植手術受け帰国した女性、臓器売買疑われ3医療機関に断られ…4か所目「診察行うが警察に通報」と告げられほっとした表情

カンボジアでの臓器移植をあっせんして違法に金銭を得た疑いで、東京都内の団体が警視庁に摘発された。団体を通じて現地に渡り、移植手術を受けた女性は帰国後、必要な医療を受けられない状態に一時陥った。診察した医師が取材に応じ、違法性が疑われる移植手術に潜むリスクを訴えた。(立原朱音、木村誠)
「やましいことをしたのだから責められるのではないかと、緊張した様子だった」。女性を診察した医師は、昨年初めて病院を訪ねてきたときの女性の様子をそう振り返った。
捜査関係者や医師によると、女性は数年間、腎不全を患っていた。一般社団法人「国際医療相談室」(東京)に相談し、カンボジアで腎臓の生体移植手術を受けた。
7日に臓器移植法違反(有償あっせん)容疑で逮捕された職業不詳の菊池仁達(ひろみち)容疑者(66)(横浜市都筑区)は、2023年2月に同法違反(無許可あっせん)容疑で逮捕されるまで約20年間、運営するNPO法人「難病患者支援の会」(解散)などを通じて移植希望者を海外の病院に案内してきた。警視庁は、保釈後の菊池容疑者が移植希望者を募る窓口として相談室を使っていたとみる。
移植手術を受けた患者は、他人の臓器を拒絶する体内の反応を抑えるため免疫抑制剤の定期的な投与が必要で、通院先の確保は欠かせない。相談室のウェブサイトでは、患者が帰国した後も「私たちが責任を持って診療の場までお繋(つな)ぎします」と記していた。
だが、女性が紹介された病院に移植専門医はおらず、その後、3か所の医療機関で臓器売買を疑われて診療を断られた。4か所目となったこの医師が「診察は行うが、警察に通報する」と語ると、ほっとした表情を見せたという。
女性は手術前、臓器を提供したドナー本人に会う機会もあったとされる。「臓器売買に当たる可能性は考えなかったのか」と医師に問われると、「手数料は団体に払った。ドナーには渡っていないと思った」と釈明した。
医師によると、臓器売買への関与を避けるため、違法性が疑われる海外移植手術を受けた患者の診察を拒む医療機関は多い。診察が受けられたとしても、移植時の診療記録が残っていないケースがほとんどのため、十分な医療を受けられない恐れもある。
あっせんを受けた患者の中には移植後、体調が一時的に悪化した人もいた。海外での違法な移植手術についてこの医師は、「自ら手術を受ける国や病院、医師を選べないリスクもある。健康を取り戻せたとしても、罪悪感を持ち続けるのではないか」と語った。
カンボジア有数の規模
逮捕容疑となった東京都内の70歳代男性への移植手術が行われたとされるカンボジアの「プレアケットメリア病院」は、プノンペン中心部にある。国防省傘下の病院で、20以上の診療科がある地域医療の中核的存在だ。
設立はフランス植民地時代の19世紀後半。病床数は1000床超と国内有数の規模を誇る。心疾患で月に1度通院するという女性(73)は、「施設は年々拡充され、医師も親切で信頼できる」と話す。
だが、AP通信などによると、インドネシアで2023年、腎臓の売却を希望する100人超をカンボジアに送り込んだとして仲介者らが逮捕された事件があり、その際に移植手術の場所とされたのが同院だった。
カンボジアでは16年、商業目的での臓器移植を禁止する法律が成立した。違反した場合は最大20年の禁錮刑が科される。ただ、違法な臓器売買は続いていると指摘される。現地で人身売買問題の対応にあたるNGOの代表は取材に、「臓器売買を行う外国のグループが国内で活動している」と話す。
読売新聞は同院に対し、日本人を含む臓器移植希望者への手術実績などについて5月下旬に質問状を送付したが、今月7日時点で回答はない。(プノンペン 竹内駿平)
「違法と無縁」団体が主張
国際医療相談室はウェブサイトで、「海外の公的・認定病院と連携し、透明性の高い情報提供を行っています」と説明。営利を目的とせず、日本の法制度を尊重して「違法行為とは無縁の支援体制」をとっているとし、不透明な費用は一切ないと主張していた。

森議長「皇室典範を最優先」で狂った戦略、高市首相が「定数削減」先送り…国会正常化へ苦渋の決断

高市首相(自民党総裁)は7日の日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)との会談で衆院議員定数の削減法案の先送りを確認し、強硬路線を転換させた。皇室典範改正案の今国会での成立も危ぶまれる事態に直面し、現実的な打開策を探る必要があると判断したためだ。野党側の出方を見極めるため、合意内容を公表しない慎重さも見せた。(森山雄太、薦田大和)
「国会会期が少なくなる中で残る議員提出法案の取り扱いなど進め方について意見交換した」
首相は国会内で短時間の与党党首会談を終えると、記者団にこう語ったが、内容の説明は避けた。8日に中道改革連合に詳細を伝え、理解を得たい考えだ。与党関係者は「野党側が受け入れなければ国会が正常化しない。公表はその後だ」と説明する。
維新との関係を重視する首相は、皇室典範改正案とあわせ、連立政権合意書に明記された定数削減法案と「副首都構想」関連法案の今国会での成立にこだわってきた。自民は首相の意向を受け、6月26日に2法案の審議入りを委員長職権で決めた。この段階では「野党の反発を受けても2法案を成立させ、残る皇室典範改正案の審議で正常化を狙う」戦略を描いていた。
ところが首相がインドへの外遊に出発する当日の7月1日、森衆院議長が与野党に皇室典範改正案の審議を最優先とするよう呼びかけ、事態が複雑化した。与党関係者によると、首相は議長の「介入」に不快感を示したとされるが、定数削減法案と副首都法案の審議は中断を余儀なくされ、皇室典範改正案の審議入りもできない状況が続いた。
会期末が17日に迫る中で、首相は、維新とのパイプ役である木原官房長官に調整を指示した。木原氏らは首相補佐官でもある維新の遠藤敬国会対策委員長らとの折衝を重ねた。維新に対しては、臨時国会で定数削減法案の成立を期す方針とすることで折り合った。
党首会談に先立ち、自民の松山政司参院議員会長は遠藤氏と国民民主党の榛葉幹事長と国会内で会談した。参院でも、皇室典範改正案について速やかに進めることを申し合わせ、環境を整えた。
維新内でも、吉村氏が最重視する「大阪都構想」に関連する副首都法案が定数削減法案と共倒れになることを懸念する向きがあった。維新幹部は「ゼロか100ではない。副首都法案は死守する」と語っていた。
もっとも副首都法案についても、一定の理解を示す国民民主は修正を求めており、協議の行方は見通せていない。維新が最後は折れる局面が続いており、政府高官は「首相はこれまでも維新に譲歩をお願いしてきただけに苦渋の決断だった」と漏らした。
副首都法案巡り会期延長論が再燃か
自民党と日本維新の会が衆院議員定数削減法案の審議を臨時国会に先送りする方針を固めたことを受け、政府・与党は今国会の会期末(17日)までに政府提出法案などの成立を全力で目指す構えだ。
高市首相は7日の与党党首会談後、記者団に「会期(延長)についての話はなかった」と述べた。これまで維新は、会期延長してでも定数削減法案を成立させるべきだと訴えていた。
これに先立ち、衆参両院の野党国会対策委員長は7日、国会内で会談し「安易で大幅な会期延長は認められない」との考えで一致した。皇室典範改正案を除く16本の政府提出法案などの大半は、すでに会期内成立の見通しが立っている。
ただ、与党が提出した「副首都構想」関連法案を巡り、国民民主党の玉木代表は7日の記者会見で「(審議が)会期の中に収まるのか」と指摘した。同法案などを巡る状況次第では、小幅の延長論が再燃する可能性もある。

被害額は約1750万円 「だまされたことに気づかないのか」「まぬけ」…暴言で詐欺に気づく 札幌市

札幌・手稲警察署は2026年7月7日、手稲区に住む50代の男性が、約1750万円をだまし取られる特殊詐欺が発生したと発表しました。
警察によりますと、男性はSNSのグループチャットを通して知り合った投資家アシスタントを名乗る者の口座に、4月上旬から6月3日までの間に、3回に分けて現金500万円を送金していました。
6月5日に金融機関から情報提供を受けた警察が、男性に詐欺であることを説明し投資をやめるように言いましたが、投資金のうち50万円を引き出せたことから男性は投資を続け、6月25日にさらに約1245万円相当の暗号資産を指定されたアドレスに送信し、だまし取られたということです。
その後、男性が投資家アシスタントを名のる者と何らかの原因でトラブルになり、メッセージアプリ上で「騙されたことに気づかないのか」「くそ」「まぬけ」「通報したら殺す」と暴言を吐かれたことから詐欺に気づき、警察に相談しました。
警察は、「SNSなどで投資名目での高額の振り込みを依頼された場合は詐欺の可能性が高いことから、すぐに振り込まず警察に相談してほしい」と呼びかけています。

土砂降りの中“うずくまる女性”住民目撃も 「4~5人はいた」異様な住宅 唇を縫合か…逮捕の女とは

茨城県古河市で女性の唇を針と糸で縫い合わせてけがをさせたとして、49歳の女が逮捕されました。被害者の女性と同居していたということなのですが、近隣住民はその家の敷地内で、異様な光景を目撃していました。
送検された、櫻井政恵容疑者(49)。警察によりますと、櫻井容疑者は、同居していた42歳の女性の上唇と下唇を糸を通した針で縫い合わせた、傷害の疑いがもたれています。
櫻井容疑者と被害者が同居していたという家で一体、何が起きていたのでしょうか。
現場付近で撮影された防犯カメラの映像があります。撮影されたのは、警察に通報があったおよそ4分前。助けを求めていたのでしょうか。被害者とみられる女性が歩いている様子が残っていました。
櫻井容疑者が、同居していた女性の上下の唇を複数回縫い合わせ、けがをさせたというのは、先月29日でした。その翌日、女性は、櫻井容疑者が外出したすきを見て、部屋を脱出。近くの店に逃げ込んだということです。
助けを求められた店の人によりますと、女性はマスク姿で店に入り、「助けて」と紙に書いた文字で助けを求めたといいます。紙には他にも「警察を呼んでください」「話せません」と書かれていて、女性は一貫して落ち着いた様子だったということです。
被害女性は、警察に対し「容疑者が怖くて逃げられなかった」と話しているといいます。
近所の住民によりますと6日午前7時半ごろ、茨城県警の捜査車両とみられる車が、櫻井容疑者の自宅前にとまっているのを目撃したということです。
櫻井容疑者と被害女性が同居をしていたという家では、ある異様な光景が目撃されていました。
1か月ほど前に撮影された写真。人が足を抱え、うずくまっているようにも見えます。
近所の人
「いまブルーシートがあるそこの前に女の人。夜中から朝までずっと座っていた。雨の中、土砂降りの中、自分が仕事行く時、座っている。ドア開けるとこっち向くんですけど、うずくまっている感じ」
――やらされている感じ?
近所の人
「そうですね」
その光景を見かけたのは、一度ではなかったといいます。
近所の人
「最初は(女性が)土砂降りの中、寝ていた、外で。それが1週間ぐらい続いた。いつも(朝の)5時ごろ仕事出るんだけど、雨の時でもそこに座っているし、夜も帰ってくればそこにいるし」
この異様な光景は、1週間ほど続いたということです。
この家に住んでいたのは、2人だけではなかったということもわかってきました。
――何人ぐらい住んでいる?
近所の人
「4~5人はいたんで。男が2人とか、女が3人とか。複雑な関係なのかなとみんなが言ってた。なんだか変な人が来たねと」
さらに、櫻井容疑者について…
近所の人
「(櫻井容疑者が)引っ越しした時から近所との付き合いがないから、どういう人が入ってきて、なんの仕事をやっているのか(わからない)」
――近所トラブルは
近所の人
「ないよ。付き合いがないから近所トラブルもない」
別の近所の人
「全然、近所付き合いない人で、挨拶も全然ないので、顔も車乗ってるの見て、この人こういう人なんだくらいしかわかってない」
近所付き合いがほとんどなかったという櫻井容疑者とは、どんな人物なのか、以前、一緒に働いていたという人に話を聞きました。
櫻井容疑者を知る人
「SNSにお客様のことを勝手に載せたり、本人に注意するけど1回では済まなかった。いろんなトラブル起こして、最終的にやめていただきました。あることないことウソばかりつく感じでしたね。怖いものを秘めているかな、という印象は受けたことはある」
櫻井容疑者と被害女性はどのような関係だったのか。元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之さんは…
鳴海達之さん
「助けを求めにいって怖くて逃げられなかったと言うんですから、怖いというのが何かということ。暴力的に支配されているのか、あるいは精神的に支配されているのか。精神的な支配の中には、脅迫が入ったりもするんでしょうから、それのどれかになってくると思う」
警察は、櫻井容疑者の認否を明らかにしていません。被害女性が「櫻井容疑者のことが怖くて逃げられなかった」と話していることから、監禁事件の可能性もあるとみて捜査しています。
鳴海達之さん
「被害者からいろんな話を、1年前の話からずっと聞いていけば、同居してる時に監禁の状態がどうだったのかという感じ。何によって支配されていたのかっていうことも、おそらくわかると思いますから、再逮捕になるかどうかは別として、やっぱり監禁で持っていく可能性は高いんだろうとは思います」
(7月7日放送『news zero』より)

《鹿児島5歳男児行方不明から約2週間》「ご両親はまだ毎日探している」近隣住民が明かした“地元の諦めムード”と両親の必死の捜索「もうどのように声をかけていいか…」

「地元では諦めムードになっていますね……。捜索は続いていますが、現地はなんというか、閑散という言葉がピッタリかな」──こう明かすのは、温泉施設「かれい川の湯」の近くで商売を営む男性だ。
6月21日から鹿児島県霧島市の温泉施設「かれい川の湯」で、家族旅行で訪れていた5歳の男の子が行方不明になっている事案。関係者による必死の捜索が続いている事案の概要について、地元紙記者が明かす。【前後編の前編】
「行方不明となっているのは、家族旅行で鹿児島を訪れていた熊本県八代市の保育園児・田中嶺臣(れお)ちゃん(5)です。21日、同施設で入浴中、両親が先に脱衣所へ向かった間に姿が見えなくなったといいます。
警察などによると、同日午後3時半ごろ、母親から『子どもがいなくなった。(天降)川に落ちた可能性がある』と消防に通報がありました。家族が利用した浴室には、湯船とほぼ同じ高さの川側に窓があり、警察の到着時には開いた状態だったということです」
NEWSポストセブン取材班は、行方不明になった直後から取材を続け、必死に探し続ける両親の様子や、近隣施設の悲痛な胸の内を報じてきた。近隣の施設関係者はこう語っている。
「この地区は昔から湯治の場所として有名で、坂本龍馬が新婚旅行で訪れたと言われているぐらい良質の温泉が多いんです。(中略)『かれい川の湯』さんは、この辺りでは三大施設の湯と言われるくらい有名で素晴らしい温泉施設です。過去に事故などは一切なかったと聞いています。オーナーさんは少し動揺しているものの、店側に落ち度などはないので、毅然とした対応をされているようです」
男児が行方不明になってから早くも2週間が経過した。最新の状況はどうなっているのだろうか。現場からは、地元住民の”思わぬ本音”が見えてきた。
「もうお手上げの状況」
冒頭の近隣で商売を営む男性は、現在の現地の様子についてこう本音を明かす。
「なんというか、閑散という言葉がピッタリかなと……。消防は6月30日に捜索を打ち切りました。警察はまだ捜索していますが、昨日は20人程で、今日はもう少し少ない感じ。川には入らず、主に地上から捜索しているようですね。
行方不明から数日後の6月24日、天降川は線状降水帯の影響で水深6メートルまでの濁流になりましたが、今は水深1メートルの穏やかな川に戻っています。それでもどこを探しても見つからずに、もうお手上げの状況です。ただ、現場から10キロ先まで川は続いていますし、湾岸辺りまでは捜索するようです」

リニア静岡知事容認で「最難関区」着工へ前進…早期開業に技術的課題、最短でも2036年以降となる見込み

静岡県がリニア中央新幹線の静岡工区の着工の容認を表明したことで、10年近く遅れていた工事が大きく前進することになった。JR東海は年内にも着工する考えだが、静岡工区は技術的に「最難関」(同社関係者)の工事となる。早期開業の実現には、技術的課題のクリアがカギとなる。
静岡県の鈴木康友知事は7日、記者団に対し、「最も信頼性が置けて頼りになるのは国だ。国の関与を引き出しておくということは大変重要なことであった」と説明。JR東海との水資源を巡る補償の確認書締結やモニタリング体制の構築にあたり、国の関与を取り付けたことが着工の容認につながったことを明らかにした。
静岡県は長年にわたり、工事が大井川の水資源や南アルプスの生態系に与える影響を懸念し、工事の着工を認めなかった。JR東海が建設から運営までを行うリニア事業に国が関与したことについて、鈴木氏はこれまで「将来の担保」と強調し、静岡県が懸念する点は今後も守られることになるとの認識を示していた。
静岡県の着工の容認を受け、JR東海は年内にも静岡工区の工事を始める方向だ。
ただ、静岡工区を含む「南アルプストンネル」(全長約25キロ・メートル)は、標高3000メートル級の南アルプスの山々の地上から深さ1000メートル以上を掘り進めることになり、リニアの全工事の中でも最難関とされる。地下トンネルは深い場所ほど土の重みが増し、壁面などへの圧力が高まるためだ。
JR東海は、静岡工区の工事に少なくとも10年程度かかるとし、仮に今すぐ着工したとしても開業は最短で2036年以降となる見込みだ。国土交通省の幹部は、「明日にでも着工すれば遅れは最小限にできるが、JR東海は、県や地元自治体とようやく築いた関係を壊さないよう慎重だ」と指摘。工事開始を急がない可能性も示唆する。
7日に名古屋市で取材に応じたJR東海の丹羽俊介社長も、「南アルプストンネル」の工事状況を念頭に、「当初に見込んでいたよりも難しい工事になるのでは」と話した。JR東海は、現在まで新たな開業時期を示しておらず、静岡工区の着工後に開業時期を明らかにする方針だ。
リニアの工事を巡っては、すでに着工した場所でも問題が起きている。
岐阜県瑞浪市では地下トンネル工事現場周辺で、地下水の水位低下や地盤沈下が発生し、掘削工事を中断した。JR東海は住民説明会を実施するなどの対応を取っている。また、東京都品川区でも地下トンネル工事の直上で、地面の隆起が確認された。品川―名古屋間の長距離にわたる工事で、「予期せぬ問題」が相次いで発生すれば、工期の延長は避けられない。
また、JR東海にとっては、近年の資材費や人件費などの上昇への対応も必要となる。工事費は現在、当初計画から倍増の約11兆円に膨らんでいるが、さらに増加する可能性も指摘されている。

18年前に暴力団幹部殺した疑い、名古屋の45歳元組員を逮捕…三重の田んぼに白骨遺体

18年前に山口組系暴力団幹部を殺害したとして、三重県警組織犯罪対策課は7日、同じ組に所属していた、名古屋市天白区植田南、会社員黒木広幸容疑者(45)を殺人容疑で逮捕した。
発表によると、黒木容疑者は2008年9月頃、当時組事務所があった同市内のビルの一室で、山口組系暴力団幹部の武藤友也さん(当時34歳)(愛知県津島市)を、何らかの方法で殺害した疑い。県警は認否を明らかにしていない。
県警によると、黒木容疑者と武藤さんは事件当時、同じ組に所属しており、殺害に至った経緯を調べる。
武藤さんの家族が09年1月頃、愛知県警に行方不明者届を提出。25年11月、津市内の田んぼで、地中から白骨化した武藤さんの遺体が見つかり、三重県警が今年4月、津署に特別捜査本部を設置して捜査を進めていた。

銃撃4年、安倍元首相に祈り=「事件語り継ぐ」「悲しみ消えない」―現場で1000人献花・奈良

安倍晋三元首相が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件は、8日で4年を迎えた。現場の近鉄大和西大寺駅前に設けられた献花台には朝から約1000人が訪れ、安倍氏の遺影に手を合わせ冥福を祈った。
献花に訪れた自民党奈良県議の荻田義雄さん(78)は当時、県連幹事長として安倍氏の数メートル隣にいた。「2発目の銃撃音の後、地面に倒れ込む安倍元首相の姿は今でも鮮明に覚えている。残された者の使命として事件を語り継いでいかねば」と述べた。
今年で3回目という奈良市の保育士山田瑠美さん(60)は「安倍さんには演説で握手してもらったことがある。亡くなったのは無念で、悲しみが消えることはない」と話した。
献花台は保守系団体「日本会議奈良県本部」メンバーら有志の会が設け、県警が周辺を警備し、手荷物検査も行われた。発生時刻の午前11時半には主催者の合図で参列者が1分間黙とうした。足を止め、現場に向けて手を合わせる通行人の姿も見られた。
事件は2022年7月8日、参院選の応援演説中に起きた。安倍氏は約300人の聴衆が集まる中、至近距離の背後から首と胸付近を手製銃で撃たれ、搬送先の病院で亡くなった。 [時事通信社]

維新また猿芝居…国会空転トップ会談で定数削減法案に“白旗”も「今時点で取り下げない」と強がるワケ

国会空転の戦犯である自民党総裁の高市早苗首相と日本維新の会の吉村洋文代表が7日、会談した。党幹部を双方ぞろぞろと引き連れて総勢16人で臨んだ協議は、8分足らず。維新肝いりの衆院議員定数削減法案は取り下げ、大阪都構想につながる「副首都」創設法案は生かすことで着地したようだが、吉村代表の往生際の悪いことといったらない。
一連の疑惑を巡る高市首相のデタラメ答弁を国会軽視と見た野党は、先月末から審議拒否。自民が今国会での成立を期す皇室典範改正案の審議入りの条件として、問題2法案の断念を要求してきた。与党トップ会談を経て下馬評通り、野党に譲歩する展開となった。
それぞれぶら下がりに応じた高市首相と吉村代表は「会談の詳細は控える」と口をつぐんだものの、定数削減法案は先送りし、副首都法案を今国会で確実に成立させる方針を共有。典範改正案の成立を最優先に動くという。
「ぶら下がりで、高市総理は沈黙を守りましたが、吉村代表は『定数削減を取り下げないのか』と質問され『今時点で取り下げるもんではない』と回答。断りを入れることで『遠からず断念』を示唆した格好です。秋の臨時国会で継続審議に持ち込むことで、矛を収める戦略だとみられています」(官邸事情通)
■「抵抗勢力のせいで」がシナリオ
だとしたら、一刻も早い国会正常化のため、「今国会での成立は諦める」とスパッと言えばいい話だ。なぜ、ゴニョゴニョと濁したのか。「野党のせいにしたいようです」と言うのは、ある永田町関係者だ。
「トップ会談終了後、維新幹部は報道陣に『取り下げるか否かは、8日からの野党との交渉次第だ』と言っていた。断念は決まっているのに、あえてそう強調したのは、抵抗勢力の野党との協議の上で取り下げに至った方が見栄えがいいからでしょう」
とんだ猿芝居というわけだ。もっとも、定数削減法案の成立は無理筋である。少数与党の参院で審議がままならない。「60日ルール」を使って衆院で再可決しようにも、さらなる大荒れは必至。多くの自民議員も本音では反対だからだ。自民の党三役経験者はこう言う。
「現法案は、法施行から1年以内に衆院選挙制度協議会で結論が出なければ比例代表45議席を自動的に削減するとしていて、乱暴すぎます。国民の声が反映されづらくなることに加え、少数政党の存続にも関わる。こんな重大な法改正を、衆院再可決ルールで強引に成立させるなどあってはならない。見送りは当然の話です」
茶番にもほどがある。
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