〈〈福岡県議会のドン、突然の辞職〉「本人が望んで辞めるはずがない」…豪華海外視察、金銭授受疑惑で炎上、自民党本部が“退場”迫ったか〉から続く
正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑などに揺れる自民党福岡県連。“県議会のドン”といわれた蔵内勇夫議長が議員辞職したものの、騒動は一向に収まる気配がない。こうしたなか、自民党本部が県連幹部に「このままでは、次の県議選での自民党公認は出せない」と通告。背景にあるのが、高市早苗総理の“激怒”だという。さらに、その裏で県連の主導権をめぐる新たな「バトル」も勃発していた。
【写真】“ドン”退場で福岡政界の勢力図が激変? 次の主導権を握ると目される人物
党本部が突きつけた警告、次期県連会長を巡る主導権争いも
騒動の発端は、今年7月。吉松源昭県議が2020年の議長就任前、自民県議団幹部などから合計約2000万円を求められ支払ったとして、蔵内氏らを告発したことだった。
“県議会のドン”と呼ばれる蔵内氏は、福岡では麻生太郎副総裁(85)や武田良太元総務相(58)と並ぶ実力者とされてきた。
その蔵内氏らは疑惑を否定していたが、県議会が金銭授受疑惑の第三者委員会の設置を決めるなか、議長職の辞任と県議の辞職に追い込まれた。
「もはや蔵内氏の言うことを、誰も信じない状況です。今も『カネはどこにあるんだ』『旅館に隠してあるという説もある』など噂話が飛び交っている。これだけの大騒動です。第三者委員会で全容が明らかにされる必要があります」(自民党関係者)
そんな一連の騒動に激怒しているというのが、高市総理である。
朝日新聞の報道によると、自民党福岡県連会長の松本国寛県議が8月28日に自民党本部を訪れた際に、「高市総裁は今の状況について極めて心配し、お怒りだ」との話があったと報じられている。
さらに、鈴木俊一幹事長からは「今のような事態では、(来春の統一地方選で福岡)県会議員に公認証を出せる状況ではない」との通告もあったという。
自民党本部の「公認を出せる状況ではない」との警告の背景には、一体何があるのだろうか。
「高市総理や党本部は、福岡のネガティブイメージが全国に波及し、統一地方選をはじめ、他の選挙に影響するのを恐れている。ただ、『公認見送り』発言の狙いとしては、金銭授受疑惑の当事者として名指しされている松本氏が会長のままでは、県連の立て直しができないということを伝えたかったのでしょう」(麻生派関係者)
実際、8月30日に開催された自民党県議団の臨時総会において、松本氏が県連会長の辞任に言及する事態となった。
「9月5日にも開催される自民党県連の執行部会において、体制の刷新が行われる見込みです」(県連関係者)
自民党福岡県連では、蔵内氏が2015年に県連会長に就任して以降、国会議員ではなく、県議が会長職に就くことが常態化していた。
「県議会の問題がこれだけ深刻化するなか、新会長がまた県議というわけにはいかないでしょう。麻生さん周辺が新会長に推すのは、麻生側近として知られ、総理補佐官を務めている井上貴博衆院議員です。
それが実現できれば、先のことはわからないが、しばらくは福岡県内のことは麻生さんが仕切る体制が続くだろうという計算です」(前出・麻生派関係者)
しかし、こうした見通しは、“皮算用”という指摘もある。
「福岡県連における麻生派所属の国会議員は麻生氏も含めて5人と、数で圧倒できるわけではない。高市総理としても、自民党福岡県連の体制の刷新は不可欠という考えだと思いますが、麻生派にすべて仕切って欲しいという意向があるわけでもないでしょう」(県連関係者)
“県議会のドン”退場で勢力図に異変…「麻生vs武田」新たなバトルへ
蔵内氏が表舞台から去った今、注目されるのが、自民党福岡県連において、麻生氏と並ぶ実力者とされる武田良太元総務相の動向である。武田氏は今年4月に政策グループ「総合安全保障研究会」を立ち上げた。旧二階派のメンバーが中心となっており、「事実上の武田グループ」と言われている。
「武田氏は、麻生氏とは長年にわたり犬猿の仲と言われてきた。蔵内氏とも、2016年の衆院福岡6区補選において、武田氏らが支援する鳩山二郎氏と、自民党福岡県連が推した蔵内氏の長男・謙氏が争った保守分裂選挙をきっかけに天敵となっていました。時には、闘いをいとわない“政界の暴れん坊将軍”として知られます。
ただ、今回の福岡県議会をめぐる一連の騒動の背景には、蔵内氏と、吉松氏や中村明彦県議といった麻生氏に近しいグループの因縁や対立があるとも指摘されている。麻生、蔵内両氏と距離のある武田氏は、『何をやっているんだ』と激怒しているのです。
福岡県連はまさに刷新が必要な状況。新体制を巡っても武田氏が“台風の目”となる可能性は十分あります」(同前)
麻生氏は、昨年の自民党総裁選で高市総理を支援し、後見人的存在だ。武田氏は、その麻生氏とは天敵関係にある。ところが、意外にも、高市総理とは相性がいいのだという。
「武田氏は昨年末、高市氏に中華おせちや豚まんを贈っていました。感激した総理は今年の衆院選で選挙戦序盤に応援にいち早く駆けつけた。
麻生氏の反発も想定されましたが、総理と武田氏はお互いヤンチャな一面があり、ノリが合うのでしょう。頼みごとをしてこないところも気に入っているらしい。
福岡県議会の状況についても、どうも2人はやり取りをしている節がある。実は、安倍晋三元総理は、2019年に、武田氏を国家公安委員長に起用した時に、『麻生さんへの牽制だよ』と周囲に語っていた。高市総理としても同様の発想で、内閣改造において、武田派から閣僚を起用し、取り込んでいく可能性はあるのです」(総理周辺)
蔵内を含めて三つ巴の権力争いから、麻生vs武田の「最終戦争」へ――。福岡の新しい勢力図は一体どうなるのか。自民党福岡県連を巡る動乱はまだまだ続きそうだ。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班
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誤算だった立民の変心、「急ごしらえの合流」限界露呈…与党「選挙互助会だったことを自ら証明」
中道改革連合は結党からわずか7か月で分裂が決定的となり、急ごしらえの合流の限界が露呈した。立憲民主、公明両党は重要政策での隔たりを埋められないままに相互不信を募らせ、3党合流構想は瓦解し、中道改革結党の正当性が揺らぐ事態を招いた。(三歩一真希)
「立民合流は1月の結党時の公党間の約束で、それを信じて我々も約半年間、交渉にあたってきた」
公明の竹谷代表は31日の3党党首会談で向き合った立民の水岡代表に対し、恨み節をぶつけた。
公明は、党の理念である「中道」を冠した政党への合流を一貫して強く訴えてきた。当初は衆院議員のみの結集で始め、衆院選後には参院側も含めた全面合流が実現することを既定路線とみなし、立民も同様の立場だと捉えていた。
公明の誤算は、立民側の変心だった。参院議員や地方議員が所属する立民は、2月の衆院選での中道改革の惨敗を目の当たりにすると、安全保障法制への見解を含む安保政策などでの距離を強調し、合流要求をかわすようになった。公明は、中道改革の結成時に一定の政策調整ができていたと考えていただけに、相違点に固執して譲らない立民に失望する声が広がった。
立民は、多くの所属議員や地方組織が「合流のメリットがない」とみなすようになった中道改革への合流回避を優先する姿勢に終始した。来年春に迫る統一地方選の共通政策策定を求める公明の提案に難色を示した。8月に開いた地方組織との意見交換会では執行部側から目指すべき方向性を示さず、合流への反対意見が出るのに任せた。
そもそも、1月に中道改革結党を呼びかけたのは当時の立民だった。公明の支持母体・創価学会の組織票と政権交代を求める浮動票の相乗効果を当て込んだためだ。だが、衆院選で見込みが外れると、立民内では「宗教色が強い党と組むと支援者が嫌がる」といった否定的な見方が目立つようになった。立民執行部の一人は「結党は失敗というのが衆院選での国民の審判だ」と語る。
立民の水岡代表は党首会談後の記者会見で「(3党に)大きな違いがあることは誰もが認めるところだ。『一つの皿の中』にならなかったのは事実だ」と淡々と語った。
公明と立民に挟まれ、中道改革の小川代表ら立民系執行部は最後まで主導権を発揮できなかった。小川氏は「分裂すれば野党勢力が霧散する」と周辺に危機感を吐露してきたが、両党をつなぎ留める方策を打ち出すことはなかった。党首会談後の記者会見で、かたくなに「分裂」の表現を避けるのが精いっぱいの抵抗だった。
与党は冷ややかだ。日本維新の会の吉村代表は記者団に「(中道改革は)選挙目的だった。政策や理念の一致なしに選挙で有利だろうとくっつき、選挙が終われば離れた」と突き放した。自民党ベテランは「単なる選挙互助会だったことを自ら証明した」と指摘した。
沖縄自民に“下地ショック”の余波…注目の県知事選で古謝陣営が「進次郎の奇跡」待望も不発は必至
政界の注目を集める沖縄県知事選(9月13日投開票)は、高市自民党が初っぱなからやらかし大騒動だ。自民本部が県連の頭越しで、下地幹郎元衆院議員と交渉し、下地氏は不出馬。保守一本化に成功し、選挙戦は古謝玄太・前那覇市副市長(自民、維新、国民民主、参政、保守、公明県本部推薦)と玉城デニー知事による事実上の一騎打ちとなった。だが、自民本部の強引なやり方に「裏取引だ」などと批判が集中。県連も怒り心頭で、古謝陣営は困惑しきりだ。
「6党から推薦を得ている古謝陣営は、あらゆる勢力と等距離で偏りのない政策を打ち出す選挙戦を心がけている。ところが、今回の裏取引で『自民本部』の色が前面に出過ぎてしまった。自民の大物議員に自然な形で応援に入ってもらおうと考えていたが、そんな空気ではなくなってしまったようだ」(地元記者)
とはいえ、現状、地元選出の自民国会議員が街宣に立っているが、いかにもインパクト不足。現職・玉城氏に追いつくために、陣営は本音では知名度の高い議員の来沖を切望。今後、9月2日に予定される総決起大会など、いずれかのタイミングでの大物応援弁士を検討している。その筆頭は、小泉進次郎防衛相だという。
「沖縄自民の進次郎さんへの期待は非常に大きい。彼には、国政自民が下野した直後の2010年に実施された石垣市長選で“実績”があるからです。市長選では、5選を目指した現職に対し、自公推薦の新人が大勝。当時、1期生だった進次郎さんは熱心に応援に入り、陣営は彼と共に『若さ』『刷新』を徹底アピール。自民に逆風が吹く中で当選を果たした。地元では“進次郎の奇跡”と呼ばれているのです」(県政関係者)
■災害対応が忙しい?
ある古謝陣営の関係者は「進次郎さん待望論はある」と言った。ただ、防衛相として北陸地方の豪雨被害の対応に当たらなければならない、との理由で、現状は「応援入りは難しそうだ」(前出の関係者)。災害対応が重要なのは理解できる。ただ、沖縄に来ない理由はそれだけなのか。
「“下地ショック”も相まって、古謝陣営は厳しい。現地入りしたのに負けたとなれば、『次の総理』を目指す進次郎さんにとってダメージになります。だから、現状は様子見ではないか。今後、情勢が好転すれば、判断を変えることもあるでしょう」(官邸事情通)
“客寄せパンダ”を呼んでテコ入れして当選を目指す──、いつもの「自民党らしい」選挙である。
◇ ◇ ◇
「天王山」の沖縄県知事選。自民党はどう戦うのか。【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
【歴代最強の“影の総理”】政治のプロが選ぶ「自民党幹事長ランキング」1位は佐藤内閣で2回4年務めた田中角栄氏、2位は歴代最長5年務めた二階俊博氏 野中広務氏や小沢一郎氏もランクイン
自民党における総裁に次ぐナンバー2にあたる「幹事長」は、時に”影の総理”と呼ばれる。高市政権は9月に内閣改造・党役員人事に踏み切るとされるが、幹事長ポストの人選は最も注目されるポイントのひとつとなっている。党務を仕切り、政策調整や党内人事、資金配分から国会運営、選挙の指揮まで大きな権限を握る幹事長には、どのような能力が求められるのか。そして結党70年を超える自民党の歴史のなかでそれを最も体現した政治家は誰だったのか。本誌・週刊ポストは政治記者や政界OB、学者、官僚OBら29人に、幹事長に求められる能力と「歴代最強の自民党幹事長」は誰かについてのアンケート調査を実施し、「歴代最強の幹事長ランキング」を作成した。そこから見えてきたものとは――。【前後編の後編】
【※別掲表の右欄は投票した識者の寸評の一部。アンケートは5位まで選ぶ形式で、1位5点、2位4点、3位3点、4位2点、5位1点として集計した(敬称略)
識者は青山和弘氏、安積明子氏、天木直人氏、有馬晴海氏、伊藤惇夫氏、岩井奉信氏、岩田明子氏、岩田温氏、潮匡人氏、大谷昭宏氏、木下厚氏、倉山満氏、小林吉弥氏、今野忍氏、佐藤千矢子氏、塩田潮氏、篠原常一郎氏、鈴木哲夫氏、田原総一朗氏、田村重信氏、寺脇研氏、野上忠興氏、長谷川幸洋氏、藤本順一氏、古谷経衡氏、的場順三氏、宮崎謙介氏、宮崎信行氏、山口敏夫氏の29人(五十音順)。同点の政治家は五十音順で記載した。】
泥をかぶりながら佐藤長期政権を支えた能力
政治のプロたちがそれぞれの視点から評価した最強の幹事長で圧倒的1位だったのが田中角栄氏だ。佐藤内閣で2回、のべ4年も幹事長を務めた。
「佐藤内閣の与野党対決の政治状況の中で、日韓基本条約や大学立法による大学紛争の解決など困難な法案をことごとく成立させ、泥をかぶりながら佐藤長期政権を支えた能力は頭抜けていた」(政治評論家・小林吉弥氏)
「特定の政策分野に詳しい族議員を育て、自民党政務調査会の各部会で政策づくりや法案審査を行なう政策決定プロセスをつくって政調を機能させるようにした。当選回数順にポストを配分する現在の自民党の組織運営のシステムは田中が幹事長時代に作ったもの」(岩井奉信・日本大学名誉教授)
2位は安倍内閣で歴代最長の5年にわたって幹事長を務めた二階俊博氏。
「面倒見が良くて泥をかぶれる」(ジャーナリスト・田原総一朗氏)
「剛腕と懐柔を併せ持つのが名幹事長。安倍政権は政高党低と言われたが、実は二階幹事長がブレーキ役や公明との連携などに動いていたからより安定した」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
天皇陛下が求めた「国民の理解」が揺らぐ 皇室典範改正、側近「強引に急ぎ過ぎた」
皇室にとって皇位継承の安定と皇族数確保は20年来、「喫緊の課題」であり続けた。宮内庁は歴代政権に危機感を伝えてきた。
2019年の上皇さまの退位を機に、止まっていた制度改革の議論が動き出す。だが主題はすり替えられ、世論を二分したまま、皇室典範が改正された。象徴天皇制の根幹である「国民の理解」は揺らぐ。天皇陛下や皇室の思いを複数の側近らの証言から探る。(共同通信=黒木和磨、浜田直毅、志津光宏)
▽割れる民意
「強引に急ぎ過ぎたのは間違いない」。改正典範成立直前の7月中旬、宮内庁の執務室で側近は苦り切っていた。
政府の閣議決定から10日後、改正案はわずか3時間半の審議で衆院を通過した。旧宮家出身の養子皇族の子孫に皇位継承資格を与える内容に、野党は「だまし討ち」と批判したが、政府、与党は数の力で押し切った。
改正案の前提となる21年の政府有識者会議報告書と、衆参両院の「立法府の総意」は皇位継承策を切り離し、皇族数確保策に限って提言したはずだった。その確保策も、養子受け入れ案に対して世論の賛否は真っ二つに割れていた。
立法府の総意が決まった翌日の6月11日、天皇陛下は外国訪問前記者会見で「皇族数の確保の在り方についての議論においても、国民の理解が得られるものとなることを望んでいる」と述べられた。
制度への言及を一貫して自重してきた陛下があえて踏み込んだ真意は、養子案への懸念か。側近に問うと「いろんな受け止めがあっていい」と否定せず「拙速な議論への警鐘だ」と続けた。
▽象徴の在り方
そもそも養子案の原型となる旧宮家の皇族復帰は、小泉政権下の05年の有識者会議が「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用は極めて困難だ」と全否定している。
元宮内庁幹部は「終わった話との認識だったが、21年の報告書で突然よみがえった」と違和感を覚えた。政府は整合性を明確に説明していない。「あのとき、もう決まっていたのだろう。政府はずるいですから」。側近ははばからずに言う。
国民に女性天皇を認める意識が広がる中、男系男子による皇統維持に固執した今回の典範改正に対し、元幹部は「象徴天皇の在り方をどう考えるかという視点が抜け落ちている」と指摘する。
先の大戦を経て、天皇は「象徴」となり、平成の時代、上皇さまは「国民と共にある皇室」を掲げ、国民に寄り添うことによって体現した。その在り方は天皇陛下が継承している。「国民の理解があってこその象徴天皇。お考えに一片のぶれもない」と側近は語る。
改正典範は付則で30年ごとの見直しを検討するとしている。「制度が固まったわけではない。国民の理解を望むという陛下の言葉は生き続ける。これで終わりではない」
海の男がカキ5000個を窃盗 不漁にあえぐ業界を意に介さない身勝手な犯行の一部始終【裁判傍聴記】
証言台のイスにどしっと座る30代の被告人男性。日焼けした肌に、がっちりした肩幅などの体型から、後に職業を聞いてすぐに納得できた。被告人は水産会社での勤務や、フリーで漁を行う”海の男”だった(裁判時は無職)。しかし、起こした事件そのものは、その職業を冒とくするような悪質なものだった。広島地裁は8月21日、広島県内の海上にて昨年12月に、養殖用のカキ5000個が入ったカゴ約200個(被害総額約52万円)を窃取したとして、30代被告人への初公判を開き、検察官は拘禁刑1年6月を求刑して即日結審した。広島県の養殖カキは昨年、海水温の上昇などにより深刻な不漁に陥り、特に被害が大きいところで9割が死滅する事態にもなったという。そんな中、行われた今回の犯行。被告人の口から語られたのは、そんな業界の苦悩を意に介さないような身勝手な言葉の連続だった。大胆な犯行を助ける意外な共犯者検察官が取り調べ請求した証拠によると、被告人は水産会社でカキ漁に携わるなどした後、個人事業主として海に関わる仕事を続けていた。ただ、収入は安定しておらず、離婚した家族への養育費や自身の生活費に窮していた。事件において被告人には共犯者Aがいた。Aは水産会社勤務時の後輩であり、退職後も付き合いが続いていた。Aも金銭に悩んでいたことから犯行の誘いにも応じたという。そして、驚くことに犯行に及んだ養殖場というのが、事件当時Aが勤務していた会社のもので、そこをA自らが案内したのだという。なお、このAが案内したという点をAは否認しており、別日で裁判が並行して行われている。船で現場に向かいカキ5000個が入ったカゴを盗むという大胆な犯行を行い、その日のうちに、知人に5000個のカキを約20万円で売却した。なお事件が発覚したのは、犯行の翌朝にAが自ら被害会社に対し「カゴがなくなっている」などと報告したことによる。前述の通り、広島県の養殖カキは不漁で苦しんでいた。それも被害会社も同様であったといい、厳しい処罰を捜査機関に求めていた。消費者金融からも借金傍聴席には、報道記者や一般の傍聴人とは異なる、水産会社の関係者と思われる人物も数名傍聴していた。そんなことを知ってか知らずか、被告人はそれら人物の前で供述を展開していく。まずは弁護人からの質問に答える形で、被害会社への謝罪を行い、今後正規雇用の予定があることから働きながら弁償を行う意向を示した被告人。しかし、養育費のほかに、消費者金融からの借金もあり、返済計画は明確に立てられていない。1万個狙うも「船に積めないんで止めました」
証言台のイスにどしっと座る30代の被告人男性。日焼けした肌に、がっちりした肩幅などの体型から、後に職業を聞いてすぐに納得できた。
被告人は水産会社での勤務や、フリーで漁を行う”海の男”だった(裁判時は無職)。しかし、起こした事件そのものは、その職業を冒とくするような悪質なものだった。
広島地裁は8月21日、広島県内の海上にて昨年12月に、養殖用のカキ5000個が入ったカゴ約200個(被害総額約52万円)を窃取したとして、30代被告人への初公判を開き、検察官は拘禁刑1年6月を求刑して即日結審した。
広島県の養殖カキは昨年、海水温の上昇などにより深刻な不漁に陥り、特に被害が大きいところで9割が死滅する事態にもなったという。そんな中、行われた今回の犯行。被告人の口から語られたのは、そんな業界の苦悩を意に介さないような身勝手な言葉の連続だった。
検察官が取り調べ請求した証拠によると、被告人は水産会社でカキ漁に携わるなどした後、個人事業主として海に関わる仕事を続けていた。ただ、収入は安定しておらず、離婚した家族への養育費や自身の生活費に窮していた。
事件において被告人には共犯者Aがいた。Aは水産会社勤務時の後輩であり、退職後も付き合いが続いていた。Aも金銭に悩んでいたことから犯行の誘いにも応じたという。
そして、驚くことに犯行に及んだ養殖場というのが、事件当時Aが勤務していた会社のもので、そこをA自らが案内したのだという。なお、このAが案内したという点をAは否認しており、別日で裁判が並行して行われている。
船で現場に向かいカキ5000個が入ったカゴを盗むという大胆な犯行を行い、その日のうちに、知人に5000個のカキを約20万円で売却した。なお事件が発覚したのは、犯行の翌朝にAが自ら被害会社に対し「カゴがなくなっている」などと報告したことによる。
前述の通り、広島県の養殖カキは不漁で苦しんでいた。それも被害会社も同様であったといい、厳しい処罰を捜査機関に求めていた。
傍聴席には、報道記者や一般の傍聴人とは異なる、水産会社の関係者と思われる人物も数名傍聴していた。そんなことを知ってか知らずか、被告人はそれら人物の前で供述を展開していく。
まずは弁護人からの質問に答える形で、被害会社への謝罪を行い、今後正規雇用の予定があることから働きながら弁償を行う意向を示した被告人。しかし、養育費のほかに、消費者金融からの借金もあり、返済計画は明確に立てられていない。
生活道路で速度取り締まり きょうから上限30キロ
歩行者らが巻き込まれる事故を抑止するため、住宅街などの道幅が狭い「生活道路」の法定速度が1日、時速60キロから30キロに引き下げられた。各地の警察も取り締まりに乗り出し、警視庁は東京都江戸川区の道路で実施した。同日、速度引き下げを盛り込んだ改正道交法施行令が施行された。
生活道路に明確な定義はない。施行令では中央線や中央分離帯がない一般道路などを対象とし、警察庁はこのうち、主に幅員5.5メートル未満の道路を想定する。
標識などで最高速度が指定されている道路は、今後もその速度が適用される。郊外の農道のように中央線がなく幅が広い道路には、実情に応じて新たに速度標識を設置するなどの対応を取る見通し。
改正道交法施行令は、2024年7月に閣議決定された。
「知らん」と否認…無免許運転の車で立て続けに事故起こし2人にケガさせ逃走か 住居・職業不詳の37歳男を逮捕
先月1日、名古屋市中区で2つの事故を起こして2人にケガをさせ、逃走していた男が逮捕されました。男は「知らん」と容疑を否認しています。 無免許危険運転致傷などの疑いで逮捕されたのは、住居・職業不詳の玉井誉浩容疑者(37)です。 警察によりますと、玉井容疑者は先月1日、無免許で乗用車を運転し、中区金山1丁目の国道19号で車線変更をしようとした際に、男性(58)が運転する乗用車に衝突。乗用車はその弾みで、女性(36)が運転する別の乗用車に衝突しました。 さらにこの事故の後、玉井容疑者は約900m先の金山橋交差点に進入すると、矢印信号の右折できないタイミングで右折し、直進してきた対向車線のタクシーと衝突しました。 1つ目の事故で乗用車を運転手していた女性と、2つ目の事故でタクシーを運転していた女性(30)がそれぞれ軽いケガをしました。 警察は、ドライブレコーダーの映像などから玉井容疑者の車を特定し、先月31日に逮捕に至りましたが、調べに対して「知らん」と容疑を否認しています。 また、玉井容疑者が運転していた車は他人名義のもので、現在も発見されていないということで、警察は引き続き捜索するとともに、事故当時の状況を詳しく調べています。
マッハ3で400km飛ぶ! 空母もAWACSも叩ける国産ミサイル「ASM-3改」が40年かけ到達した驚異の性能
防衛省の2027年度概算要求に盛り込まれた国産超音速ミサイル「ASM-3改」。マッハ3以上の速度を誇るだけでなく、空対艦・空対空の“兼用”へと進化を遂げた新装備の全貌と、戦闘機への搭載計画の実態を解説します。
ついに調達開始! 国産超音速ミサイルの最新型
防衛省の令和9(2027)年度概算要求の概要では、「新しい戦い方への対応」「持続的な対応能力」「防衛力の基盤」という3つの柱を重視しているのが特徴です。そして、この3つの柱の一つ「持続的な対応能力」では、自衛隊の運用を円滑にするため、弾薬・燃料の確保、可動数の向上、施設の強靭化、運用基盤の強化などが盛り込まれています。
今回は、そのなかで2027年度概算要求に新たに計上されたASM-3改について見てみましょう。
ASM-3改は国産初の超音速ミサイルASM-3の射程延伸型として2020年度から2025年度末までの計画で、三菱重工業を主契約会社として開発が進められてきました。その最大の特長は、ASM-3と同じIRR(インテグラル・ロケット・ラムジェット)により超音速飛しょうが可能な点であり、最大速度はマッハ3(約3680km/h)以上といわれています。
ちなみに、IRRはその名前のとおりラムジェットの派生型で、固体ロケットモーターでラムジェットの作動域まで加速させるものですが、小型軽量化が難しく、西側諸国でIRRをミサイル搭載までに漕ぎつけたのは日本のみです。
このASM-3改の原型となったASM-3ですが、その構想は1980年代末にさかのぼります。そこから、IRRの要素技術の研究試作などを経て、2010年度に開発を開始し、2017年度に開発を完了しました。しかし、開発を完了した頃には、従来の国産空対艦ミサイルASM-2と同等の射程(推定約150km前後)では、敵戦闘艦艇の脅威圏外から有効な攻撃は困難として、ASM-3の装備化は行われず、ASM-3改の開発が始まりました。
ASM-3改の開発にあたっては、開発期間と経費を縮減するため弾体規模は変更せず、主として軽量化を通じて長射程化を進めることになりました。目標とする射程は400kmといわれています。また、開発と並行して、その成果を反映させた暫定型のASM-3Aが、2021年度予算で調達を開始しており、すでに2025年度から配備されている模様です。
空対艦専用から空対空兼用へ変身!
こうしてついに、空対艦ミサイルASM-3シリーズの完成型ともいうべきASM-3改の量産調達が2027年度概算要求に計上されたわけですが、防衛省の資料には「空対艦/空対空ミサイル(ASM-3改)」と記載されています。
この意味するところについて、防衛省の担当者は、ASM-3改が空対艦と空対空の兼用型になることを明らかにしました。ASM-3シリーズの誘導方式は、中間段階が慣性/GPS誘導、終末段階がアクティブ・レーダー/パッシブ・レーダー複合誘導ですが、プログラムを改修するだけで、空対空ミサイルとしても使えるようになるとのことです。
ASM-3改は全長6mとAIM-120(全長3.65m)やAAM-4(全長3.66m)に比べ大柄であり、射程も長いことから、アメリカ軍のAIM-174B「ガンスリンガー」のように後方に位置する敵方の早期警戒管制機や空中給油機など高価値な目標の攻撃に使われるものと思われます。
ASM-3改は、他国に例を見ないIRRによる超音速飛行性能に、空対空と空対艦兼用という運用の柔軟性が加わることになります。では、唯一の発射母機となるF-2戦闘機の能力向上型の状況はどうなっているのでしょうか。
「F-2改」と「F-15改」各々の配備先は?
F-2の能力向上改修事業は順調に進んでおり、契約機数も2020年度から2026年度予算計上分まで含めると40機に達しています。このうち、2026年度に9機、2027年度に7機が航空自衛隊に引き渡され、茨城県の百里基地に所在する第3飛行隊が最初の配備先になる予定です。
一方で、運用の柔軟性の観点からは、ASM-3A/-3改をはじめ12式地対艦誘導弾能力向上型(空発型)など、国産新型ミサイルの搭載・運用が可能な戦闘機は、F-2の能力向上型だけにとどまらず、複数機種あった方が望ましいことは言うまでもありません。
そのためなのか、航空自衛隊は2025年3月に「F-15能力向上改修機への国産弾搭載に伴う母機適合性検討」を三菱重工業と契約しています。
そこで気になるのが、事業経費の高騰などで当初計画より遅れが生じているF-15の能力向上改修機の状況です。
F-15の能力向上改修機は、2022年度に2機と2023年度に18機の計20機が契約されていますが、防衛省によると、このうち2027年度に2機、2028年度に8機、2029年度に10機が航空自衛隊に引き渡される計画です。防衛省では、この20機を千歳基地に集約して配備することにしています。
F-15能力向上改修機にASM-3改が積まれるかどうかは、いまだ不明ですが、このスケジュールを鑑みると、それほど遅くない時期にハッキリするのではないでしょうか。(小林春彦(月刊『軍事研究』記者))
駐輪場から自転車盗んだ疑い…男を逮捕 「生活費の足しに…」少なくとも50台窃盗繰り返したか
駐輪場からおよそ50台の自転車を盗んだとみられる男が逮捕されました。
警視庁によりますと鈴木正幸容疑者は先月30日、東京・江戸川区の駐輪場から無施錠の自転車1台、時価2万5000円相当を盗んだ疑いがもたれています。
付近では自転車窃盗が相次いでいたため、警戒していた警察官が、リサイクル店に自転車を持ち込もうとした鈴木容疑者を発見し、逮捕したということです。
調べに対し鈴木容疑者は「生活費の足しにしたかった」と容疑を認めているということで、警視庁は鈴木容疑者が少なくとも50台の自転車窃盗を繰り返していたとみて調べています。