「突然激昂してカッターを取り出し大振りで…」埼玉の中3男子が同級生から受けた大怪我を親にも3年間言えなかった“恐怖の理由”

2022年6月27日、埼玉県立の中高一貫校の中学3年生だったダイキさん(仮名)は、教室で昼休み明けの5時間目の準備をしていた。同級生のAにカッターで切りつけられ、右膝の内側を大きく切る重傷を負った。
昼休みが終わり、教室で5時間目の移動教室の準備をしていたダイキさんに、隣のクラスの同級生であるAが近づいてきた。 ダイキさんは当時の状況を、今も鮮明に記憶している。
カッターの刃をダイキさんの顔面めがけて振り下ろし
「最初は『次の授業は移動教室だね』という、ごく普通の挨拶から始まりました。翌日からプールの授業が始まる予定だったので、そんなたわいもない話をしていたのですが、Aが次第にじゃれついてくるような感じで、腕時計の革ベルトを外して僕の腕をパチパチと叩き始めたんです。
最初は軽く受け流していましたが、だんだんしつこくなってきて……。嫌だったので『やめろ』と言って彼の手を払い除けました。すると彼は、自分が逆らわれたと感じたのか、突然、激昂しました。そしてカッターを取り出し、僕に向かって大振りで切りつけてきたんです」
Aは、カッターの刃をダイキさんの顔面めがけて振り下ろした。ダイキさんは咄嗟の判断で身をかわしたものの、その拍子に机をなぎ倒して背中から転倒してしまう。
「後ろに飛び退きましたが、足をもつれさせて背中から倒れ込みました。その際、転倒した反動で僕の足がAの方に向いてしまった。それで振り下ろされたカッターが僕の右膝の内側にグサッと刺さったんです。最初は背中を打った痛みの方が強く切られたことに気づきませんでしたが、2~3秒して起き上がろうとしたら膝に激痛が走りました。見ると、制服のズボンが半分近くバッサリと切れ、膝のあたりが血だらけで真っ赤になっていました」
血がしたたる右足を引きずりながら、ダイキさんは自力で保健室にたどりついた。しかしダイキさんは、教師に怪我の原因を伝えることができなかった。
「保健室に行くと、先生が傷口を見てすごくびっくりして『どうしたの?』と聞かれました。その瞬間に『もし本当のことを言ったら、後で仕返しをされるんじゃないか?』という強い恐怖が頭をよぎったんです。Aは普段から教師の言うことも聞かない、いわゆる“やんちゃ”な生徒として知られていました。過去には女子生徒の手にシャーペンを突き刺したり、暴力を振るったという物騒な噂も聞いていた。
その恐怖心から、僕はとっさに『転んで教室の机の金具に引っ掛けた』という嘘をついてしまいました。先生はダバダバと溢れ出る血を止めることに必死で、僕の嘘がそのまま通ってしまったんです」
ダイキさんが保健室で治療を受けていた13時30分頃、ダイキさんの母親は職場で学校からの電話を受けた。
「息子さんが怪我をしてしまったので、すぐに来てください」
電話口では詳細な説明は一切なく、母親は「休み時間に遊んでいて転びでもしたのかな、大きな怪我でなければいいけれど」と不安を抱えながら、職場を早退して車を走らせた。
学校側は救急車を呼ぶなどの対応を一切取っていなかった
学校に到着し、保健室のドアを開けた瞬間、母親は自分の目を疑った。
「怪我をした膝の部分を見ると、制服のズボンが20センチ近くも切り裂かれていて、その下に傷口が露出していました。膝の傷跡は6~7センチに及び、深さも1センチほどあって、中の肉が見えている状態でした。ダイキは教室から自分で足を引きずって保健室へ向かったようで、保健室の前の廊下まで血みどろになっていました。しかしこの時点で息子は『他人にやられた』とは言わず、私もまさか同級生にカッターで切られたなんて、夢にも思っていませんでした」
保健室では教師が包帯を巻いて止血を試みていたが、「血が止まらない」と処置が難航していた。これほどの重傷でありながら、学校側は救急車を呼ぶなどの対応を一切取っていなかったのである。
「とにかく一刻も早く病院へ連れて行かなければと思い、私の肩を貸して、ダイキにケンケンをさせるようにして近くのクリニックに担ぎ込みました。結局、傷口は5~6針ほど縫うことになりました」
帰宅後、母親が改めて理由を尋ねると、ダイキさんは「転んで教室の机の金具に引っ掛けた」と同じ説明を繰り返した。母親は「次は気をつけなさいよ」と諭すしかなかった。
その日の17時頃、担任の女性教師から状況確認の電話があった。「明日、学校はどうしますか?」という事務的な確認と共に、学校の管理下での負傷時に適用される「災害共済給付金」についての説明を受けた。
「その後、学校から渡された書類には、ダイキの説明通りに『転倒して怪我をした』といった必要事項を記入しました。ただ今になって思えば、学校側は事件直後の聞き取り調査ですでに『Aのカッターによるもの』という事実を把握していたはずです。にもかかわらず、学校がどのような名目で共済金を申請し、事務処理を行ったのかは私たちには分かりません」
「毎日が強いストレスと心労の連続でした」
それでもダイキさんが自分で転んで怪我をしたと思っていた両親は、学校側の対応を「親身で心配してくれている」と感じていたという。
ダイキさんの父親も、「刃物で切りつけられるなんていう発想自体がありませんから、息子には『次から気をつけろよ』とだけ言いました」というものだった。
事件後、ダイキさんは真相を誰にも言えないまま中学校を卒業し、同じキャンパス内にある高校へと進学した。その日々は、常に恐怖と隣り合わせだったという。
「毎日が強いストレスと心労の連続でした。Aは隣のクラスにいる状態だったので、学校に行けば常に彼とすれ違う可能性がありました。そんな環境で、勉強や部活に安心して打ち込めるわけがありません。もし変にAを避けるような態度を取れば、『なんだお前、避けてんのか』と八つ当たりの対象にされるかもしれない。それが何よりも怖かった。だから僕は『卒業までとにかく逃げ切るんだ』と自分に言い聞かせ、Aに対しては当たり障りのないように接し1人で耐え続けていました」
ダイキさんは、自分が黙っていても「いつか学校側が適切に調査し、事実を明らかにしてくれるだろう」という淡い期待も抱いていた。しかし、学校が動く兆しは一向になかった。
「あの怪我、転んだって思ってるだろうけど…」
沈黙が破られたのは、事件から3年が経過した2025年6月11日。高校3年生になったダイキさんの進路に関する三者面談の場だった。面談が終わりかけたその時、ダイキさんは母親に全てを告白する決意をした。
「三者面談の時、これが『ラストチャンス』だと思いました。このまま卒業してしまえば二度と話す機会はなくなる。もうすぐ夏休みが始まり、学校に行くこともなくなるタイミングだったので、今なら安全に逃げ切れるかもしれないという思いもありました」
進路の話が一通り終わった後、ダイキさんは「ちょっと待ってくれ。話があるんだ」と声を震わせながら切り出した。
「お母さんは、あの怪我、転んだって思ってるだろうけど……本当は隣のクラスのAにやられたんだ!」
それを聞いた母親は、椅子から転げ落ちるほどの衝撃を受けた。3年前に起きた出来事が不慮の事故ではなく、極めて悪質な「傷害事件」であったことを初めて知ったのである。
「びっくりして、言葉が出ませんでした。『どうしてこれまで黙っていたの?』と聞くのが精一杯でした。ダイキは涙ながらに 『仕返しが怖かった。もし話したらまた襲われるかもしれないし、同級生のみんなも事件を見ていたけど、みんなに迷惑をかけるのも嫌だった』と話してくれました」
この告白は三者面談を担当した担任教師もその場で淡々と聞いていたという。
ダイキさんは3年越しに事件の真相を話したことで、「高校の担任が学校に伝えて正式な調査をしてくれて、警察へも届けてくれるはず」と期待していた。しかし、その期待もまた、無情に崩れ去ることになる。
現在のダイキさんは、当時の絶望をこう振り返る。
「被害を告白した後の7月に学校側は『守ります』と言いましたが、実際には具体的な調査も加害者への処分も行われませんでした。両親が何度電話をしても『警察が捜査中なので無理です』の一点張りで、結局、学校自らが動いてくれることはありませんでした。学校に対する信頼感は、完全に失われました」
〈 「同級生をカッターナイフで切りつけた生徒に卒業証書を渡すのか?」一生消えない傷跡が残ってしまった中3男子が“2カ月後の卒業式”に望むこと 〉へ続く
(渋井 哲也)

【衆院選】「高市首相の発言に愕然としている」舛添要一氏が指摘「日本は不幸である」

前東京都知事で参院議員時代に厚労相などの要職を歴任した国際政治学者の舛添要一氏が1日夜、自身のX(旧ツイッター)を更新。高市早苗首相の発言に対し、厳しい私見を述べた。
舛添氏は「外交も経済もよく分かっていない指導者を戴く日本は不幸である。選挙期間中の高市首相の発言に愕然としている」と書き出した。
その上で「それでも、選挙で自民党が単独過半数を獲得するそうだ」と各メディアが出した序盤選挙情勢の調査結果にふれ、「この民にして、この内閣総理大臣!」と言い切った。
高市首相は1日、生出演予定だったNHK「日曜討論」をドタキャン欠席.Xで「ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました。急遽医務官の方に来ていただき、お薬を塗っていただき、しっかりテーピングもしていただきました」などと説明したが、その日の岐阜、愛知における遊説は通常通りこなした。ネット上などでは体調を気遣う声の一方、野党側などからは大事な党首討論をドタキャン欠席した上で、当日に遠方での遊説をこなした姿勢などに、厳しい批判も相次いでいる。
また1月31日には川崎市で行われた衆院選(8日投開票)の演説会で、円安が進んでいることをめぐり「『外為特会』の運用が(円安で)今、ホクホクの状態だ」と発言し、物議をかもした。

特殊詐欺「ニセ警察」被害急増、25年に約22億円 北海道

北海道内で2025年に発生した特殊詐欺の被害額は、約27億6200万円に上り、前年から約20億円増えた。警察官などをかたり捜査名目で金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害額が約21億9400万円(前年比約17億7300万円増)と全体の約8割を占め、道警は注意を呼びかけている。
道警組織犯罪対策企画課によると、特殊詐欺の認知件数は442件(同245件増)だった。ニセ警察詐欺は178件(同138件増)で認知件数、被害額とも25年から急増している。
ニセ警察詐欺は詐欺グループが警察官や検察官を名乗り、捜査の一環と称して金銭を要求するのが特徴だ。
例えば、「あなたの口座が犯罪に使われている」や「携帯電話が不正に契約された」と電話をかけ、「口座内の現金を確認する」と理由をつけて金の振り込みを求める。
「取り調べたいので、LINE(ライン)でやりとりをしましょう」と持ちかけ、ビデオ通話で偽造の警察手帳や逮捕状を見せ、「あなたは逮捕される」と不安をあおるケースもある。
パニック状態に陥れるのが常とう手段で、年代を問わず被害を受けている。
年明けも被害が続いている。旭川中央署によると、50代女性は京都府警の警察官を名乗る男に「口座がマネーロンダリングに使われている」「口座のお金を確認する必要がある」などと言われ、昨年末~1月5日、3回にわたって指定口座に6244万円を振り込み、だまし取られた。
道警組織犯罪対策企画課の担当者は「幅広い年代で被害が出ている。警察官が捜査名目で金銭の振り込みを要求することはない。不審な連絡は、すぐに最寄りの警察署に相談を」と呼びかけた。警察は相談専用電話「#9110」も設けている。【和田幸栞】

《頬がこけているようにも見える》高市早苗首相、働きぶりに心配の声「“休むのは甘え”のような感覚が拭えないのでは」【「働いて働いて」のルーツは元警察官の母親】

「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」との宣言通り、公務に心血を注ぐ高市早苗首相(64)。
ここ1か月でも韓国の李在明大統領との会談、イタリアのメローニ首相との会談などが続き、さらに1月23日には衆議院を解散。2月8日の投開票日までわずか16日間という”史上最短の選挙戦”に突入し、応援演説で各地を飛び回っている。
その働きぶりも評価されてか、高市内閣の支持率は高水準をキープしているが、さすがに永田町でも心配の声が相次いでいるようだ。全国紙の政治部記者が語る。
「どんどん痩せて、最近は頬がこけているようにも見えます。首相になってまだ3か月程度ですし、さすがに心配です。
与党はもちろん、野党の政治家からも”大丈夫なのか”と気遣う声があります。中道改革連合の野田佳彦共同代表も以前、記者会見で、『休むときは休む。セルフコントロールが大事』と首相経験者として助言していました」
「働いて」のルーツは母親か
高市氏の「働いて、働いて……」精神のルーツは、奈良県警で働いていた母親の教えにあるようだ。前出の政治記者が続ける。
「高市氏の母親は、”臨月で大きなお腹を抱えながら、容疑者を全力疾走で追いかけた”という武勇伝を持つ警察官でした。現場でバリバリ働きながら、家事も完璧にこなしていたといいます。高市氏は、そんな母親から『汗水垂らして働くことは尊い』と言い聞かされて育ちました。
“働く女性”としての理想像は、母親にあるようです。『女であることを捨てず、女であることに甘えず、凛とした真っ赤なバラのような人になりなさい』という教えをモットーにしていると聞きました」
高市氏の夫である山本拓元衆院議員(73)は脳梗塞で倒れ、車椅子が必要な状態だ。高市氏は激務をこなしながら、家庭内では、夫の生活のサポートもしている。過去には母親の介護も経験したという。
「夫に先立たれ、ひとり遺された高市氏の母親は、『施設は嫌だ』と言い張ったそうです。そのため高市氏は、総務大臣などの重職を務めながら、東京と奈良の実家を行き来して、要介護となった母親の面倒を見ていました。
母親は厳しい性格で、叱責されることも珍しくありませんでしたが、高市氏は立派に看取った。そういった経験から”休むのは甘え”のような感覚が拭えないのかもしれませんが、周囲を頼ることも覚えたほうが良い結果につながるのでは」(前出・政治部記者)
高市氏自身は、母親をこのように回想している。
〈育児や祖父の看病で大変な時期でも、重大事件が発生した時には夜遅くまで働き、深夜に家事を完璧に片付け、早朝から家族の弁当を作ってくれた。~(中略)~それが、「女性職業人」としての母の拘りでありプライドだった〉(『文藝春秋』2018年12月号)
休むのも仕事のうち。”母の教え”をアップデートする時期かもしれない。

「殺さねえからな」「金はどこにある」千葉・君津市の78歳男性宅に男3人が押し入り現金200万円などが入った金庫を奪う 犯人逃走中

きょう未明、千葉県君津市の住宅で現金200万円などが入った金庫が奪われました。犯人は現在も逃走中です。
午前2時半ごろ、千葉県君津市の農業の男性(78)の自宅に男3人が押し入り、1人で寝ていた男性の口をテープのようなものでふさぐとともに、手を縛って、スタンガンのようなものを顔に押しつけ、「殺さねえからな」「金はどこにある」と脅しました。
3人は、現金200万円と古い硬貨や記念硬貨が入った30センチ四方ほどの金庫を奪って逃走しました。3人は逃走前に男性を縛っていたテープを外し、男性が警察に通報。男性にけがはありませんでした。
警察によりますと、3人はいずれも、▼30代から40代くらいで、▼上下作業着のような服を着用、上は黒だったということで、▼黒い目出し帽をかぶっていたということです。
また、うち1人は、▼身長180センチくらいのがっちりした体格だったということで、警察が行方を追っています。

4.8兆円の税収を捨てて6000億円の効果しかない…現役世代にツケが回る「消費税ゼロ」政策の正体

1月23日、高市首相は衆議院解散に踏みきった。その背景には、高市政権の支持率が高いうちに選挙で議席を増やして、独自の政策運営を行いやすくするとの読みがあるのだろう。各党の政策を見ると、注目は消費税率の引き下げだ。
そもそも、国民の社会保障(医療、年金、介護、失業保険)の財源を確保するため、消費税率を導入し、徐々に税率を引き上げてきた。特に、2019年10月、消費税率10%への引き上げと同時に、食料品などに適用される軽減税率を導入したことは重要だ。
各人の所得、ライフスタイルに合わせて、税負担を部分的に軽減するため、主に飲食料品の税率を8%にした。
ところが、今回の各党の総選挙公約を見ると、基本的に、どの政党も軽減税率のゼロや廃止を訴えている。軽減税率の引き下げで、一時的に消費は上振れるだろう。ただ、その財源が確保できなければ、財政の悪化は免れない。
それにもかかわらず、各政党がポピュリズム的な政策を主張することは、今回の選挙が人気獲得の投票になりつつあることを意味する。
また、軽減税率を一度にゼロにすると、消費者にとっては大きなメリットはあるものの、元々、軽減税率の対象にならない飲食業などでは顧客が減少することも懸念される。また、長い目で見ると、財政状況が悪化して社会保障の内容が下がる可能性もある。
食料などの消費税がゼロになるからと言って、すべての人たちにメリットが行きわたるわけではない。有権者は、そうした現実をしっかり注視することが必要だ。
もともと、わが国が消費税率を導入してきたのは、国民から幅広く社会保障の財源を集めるためだ。1989年、政府は3%の消費税を導入した。1997年には5%、2014年に8%、そして2019年10月に10%へ税率は上昇した。
少子高齢化の加速により、わが国の医療、年金、介護関連の財政支出は増加した。かつて、その財源になったのは、主に公債(国債など)の発行だった。借金に頼った社会保障制度は基本的に脆弱だ。
国債に頼った社会保障制度運営が続く一方、国民への給付水準の引き下げは難しい。結果として、わが国の社会保障制度は、低負担・中福祉と呼ばれる状況が続いている。
負担と給付のバランスを改善するため、わが国は消費税を導入し、段階的に引き上げた。海外の主要先進国も同様の考えから、段階的に消費税(海外では付加価値税と呼ばれる)を引き上げた。10%というわが国の消費税率の水準は主要先進国と比較して相対的に低い。
欧州の主要国では、高い消費税率を課す一方、生活に欠かせない品目に軽減税率を早くから導入した。英国の消費税率は20%だ。一方、家庭用燃料・電力、高齢者や低所得層向けには5%の軽減税率を適用している。食品には消費税がかからない。
ゆとりがあって外食などを楽しみたい人には、高い税率をかける。節約したい人からの消費税の徴収は少なくなるよう、制度を工夫した。個人の税金を負担できる経済的な力に配慮した消費税の制度、それが軽減税率である。
わが国でも軽減税率の導入に関する議論はあった。なかなか実現しなかったのは、「富裕層に有利な措置になる」「小売店のレジなどのシステム対応の負担が高い」などの反対意見が多かったからだ。
2019年10月、消費税率10%引き上げと同時に、政府は軽減税率を導入した。テイクアウトや宅配を含む飲食料品(酒類・外食を除く)、新聞(定期購読契約され週2回以上発行される)の消費税率は8%とした。それにより家計の負担軽減が図られた。
軽減税率の導入は人々の負担に配慮しつつ、財政健全化と社会保障制度の持続性を高めるために必要な措置だ。しかし、2月8日投開票の総選挙への各党の公約を見ると、多くの政党は軽減税率をゼロにすることを主張している。
自民党は、食料品の消費税を2年間ゼロにすることを検討する。ゼロにした後の税率を、本当に戻せるかは定かではない。当初、自民党は給付付き税額控除の議論を進める意向を示した。
日本維新の会は、自民党と同様に2年間、食料品の消費税をゼロにすると掲げる。中道改革連合(立憲民主党と公明党が結成、中道)はさらに踏み込んだ。食料品の恒久的な消費税ゼロが目玉公約だ。そのために新たな政府系のファンドを設定し、その運用益を財源とする案も示した。
国民民主党は、賃金上昇率が物価を安定的に上回るまでという条件を付け、消費税を一律5%にすべきと訴えた。日本共産党、れいわ新選組、参政党は将来的な消費税の廃止を掲げた。
1年間、食料品の消費税をゼロにすると4兆8000万円の税収減になる。それによる消費押し上げ効果は年間5000億~6000億円程度にとどまるとの試算もある。現在の財源もはっきりしていない。
本来であれば、“社会保障と税の一体改革”の考えに基づき、消費税率の将来的な引き上げや、軽減税率の引き上げ、対象品目の追加が必要だ。それこそが、財政に責任を持つ姿勢というべきだろう。
消費税以外の公約を確認すると、人気取り(ポピュリズム)の要素が強く見える。維新が主張する現役世代の社会保険料引き下げ、中道の公約にある若者向けの住宅補助など、与野党の公約は財源を示さないまま分配一色だ。
消費税減税などで分配を増やせば、一時的に国民の生活負担は減る。有権者にとって耳あたりのよい公約を掲げ、支持獲得を目指す。それが今回の衆議院解散、総選挙の主眼になっている。
高市首相が衆議院解散を表明した1月19日、わが国の金融市場では財政悪化への警戒感が急速に高まった。長期金利は2.3%近くまで急上昇した。国債の債務不履行(デフォルト)に備えて取引される金融派生商品(クレジット・デフォルト・スワップ、CDS)の保証料率はここ1年の最高値を更新した。
人気取りのための消費税減税論争が激化したことで、わが国の財政悪化、さらに破綻への懸念は一段上昇した。
軽減税率を一度ゼロにする。さらには消費税をなくすことは、経済にとって相当な劇薬だと危惧する投資家は多い。
リーマンショックやコロナショックの対応に、ドイツや英国は一時的に消費税を引き下げた。両国に共通する主な評価として、消費税の引き下げの一部は企業の手元に残ったといわれている。ただ、消費税率の引き下げが、生活負担の軽減になったと実感した世帯は期待したほど多くはなかったようだ。
英国の場合、減税の効果は2カ月程度しか持たなかったとの研究結果もある。最終的に、減税による消費の一時的増加、効果一巡後の反動減で景気の変動性は拡大した。さらに、2022年、英トラス政権(当時)は物価対策、景気刺激のために財源を欠いた大型減税案を打ち上げた。結果として、ポンド急落、英国債(ギルツ)急落(金利急騰)、英国株急落のトラスショックが起きた。
軽減税率が導入された意義を考慮しない。さらには財源を欠いたまま消費税率を引き下げる。それは、一時的かつ部分的な景気刺激を簡単に消し去るほどのショックを経済に与えるだろう。これが、消費税の引き下げが「劇薬」と呼ばれるゆえんだ。
本当に、わが国の中長期的な経済と社会の安定、成長に消費税率の引き下げが必要か疑問は残る。物価対策を徹底するのであれば、金融政策の正常化と供給制約の解消に向けた構造改革が必要だ。与野党が総選挙公約に掲げた政策で、わが国の経済の実力が本当に上向くか、有権者一人一人が真剣に考える必要がある。
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(多摩大学特別招聘教授 真壁 昭夫)

【衆院選】共産議員が苦言「討論避けたいの?」高市氏「ドタキャン→遊説」は「まさに前代未聞」

共産党の山添拓参院議員が1日昼、自身のX(旧ツイッター)を更新。同日生出演予定だったNHK「日曜討論」をドタキャン欠席した高市早苗首相を批判した。
「日曜討論」にはこの日、与野党11党の党首が生出演し、衆院選(8日投開票)で訴える党の政策などについて主張し、議論をかわすことになっていたが直前で出演をキャンセル。高市首相自身も「日曜討論」放送後、自身のXを更新し「実は、ここ数日の遊説会場で、熱烈に支援してくださる方々と握手した際、手を強く引っ張られて痛めてしまいました。関節リウマチの持病がありまして、手が腫れてしまいました。急遽医務官の方に来ていただき、お薬を塗っていただき、しっかりテーピングもしていただきました」と説明したが、ドタキャン欠席した同日に岐阜、愛知における遊説はこなした。
山添氏は「高市首相がNHK #日曜討論をドタキャン。昨日、選挙中の握手で腕を痛めたというが、ならばなぜ連絡が今朝になってなのか。解散後初めて、かつ唯一の機会となる党首出席の日曜討論なのだが」と苦言を呈した。
続けて「握手で腕を痛めたので朝になって治療、そのためNHK日曜討論を直前ドタキャン、しかしこの後の岐阜・愛知の遊説は予定通りーーまさに前代未聞。年明けの日曜討論も高市氏のみ事前収録、読売が報じた解散について一人だけ話題としなかった。よほど討論を避けたいのだろうか」と投げかけた。

水戸駅前で男女4人が殴られた事件、うち1人への傷害容疑で45歳男を逮捕…「自転車に乗りながら殴った」

水戸市のJR水戸駅北口で1月30日、通行人4人が男に殴られるなどしてけがをした傷害事件で、茨城県警は1日、うち1人に対する傷害容疑で同県つくば市、無職男(45)を逮捕した。
発表によると、男は1月30日午後6時10分頃、水戸駅北口ロータリーで水戸市のパート従業員女性(44)の顔面を右手で殴るなどし、口を切る全治不詳のけがを負わせた疑い。男は「自転車に乗りながら殴ったことは間違いありません」と容疑を認めている。
男は自転車で逃走しており、県警が防犯カメラの画像を公開したところ、複数の情報提供があった。事件では、17~59歳の男女4人が殴られるなどして重軽傷を負っており、県警は他の3人についても男による犯行とみて調べている。

京都市南区のビジネスホテルで男性作業員が意識なしの状態で見つかる 点検作業中に感電したか

2月1日昼過ぎ、京都市南区にあるビジネスホテルの電気室で作業員の男性が倒れているのが見つかり、その後死亡が確認されました。警察は男性が感電したとみて詳しく調べています。

2月1日午後1時半すぎ、京都市南区にあるビジネスホテルで、「配線作業をしていた50代の男性作業員が感電してぐったりしている」と、ホテルの従業員から119番通報がありました。

警察などによりますと、ホテルの1階にある電気室で大阪府堺市西区に住む作業員の男性(53)が、意識がない状態で倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。

当時、男性はほか2人の作業員と法定点検に訪れていて、うち1人は警察の聞き取りに対し、「大きな音が鳴った直後に男性の方を見ると、男性が倒れていた」などと話しているということです。

男性の身体にはやけどした痕があり、警察は男性が感電したとみて事故原因などを調べています。

【続報】南魚沼市のスキー場コース外でスノボ滑走中 カナダ国籍の39歳女性が滝つぼに転落し搬送されるも死亡確認《新潟》

新潟県南魚沼市で2月1日午後、スキー場のコース外をスノーボードで滑走していたカナダ国籍の女性(39)が滝つぼに転落し、病院へ搬送されましたが、その後死亡が確認されました。
警察によりますと2月1日午後午後3時すぎ、女性が転落したのを見た他のスキーヤーからスキー場を介して消防に通報がありました。
女性は同伴者と2人でスキー場に来ていてスノーボードで滑走していましたが、女性の姿が見えなくなったことから同伴者が捜していました。
消防などの救助隊が午後6前、女性を発見し、午後9時40分に救助。その後、女性は市内の病院へ搬送されましたが、外傷性気胸により死亡が確認されました。
女性はカナダ国籍の政府機関職員で、同伴者と旅行で日本に滞在中でした。