小学館「マンガワン」に連載を持っていた漫画家の男(50代)が、講師をしていた高校の元生徒の女性(以下「原告女性」)に対し苛烈な性加害に及んでいた、と認定した裁判が注目を集めている。男の筆名は山本章一。マンガ『堕天作戦』(小学館)の作者として知られる。北海道芸術高校札幌サテライトキャンパス(以下「北芸」)では、本名で講師をしていた。
実は、山本からの被害を訴えているのはこの原告女性だけではない。ジャーナリストの秋山千佳氏が、もう一人の被害女性である元生徒の堀彩花さん(仮名)の告発を受け、その悪質な性加害の手口について 「文藝春秋」5月号 に寄稿した。
「山本がとうとう逮捕され…」
秋山氏は2019年、堀さんに話を聞き、彼女の名前など個人を特定できる要素を伏せて 記事にしている 。匿名にせざるを得なかったのは、山本の卑劣な”口止め”が存在したからだ。だが、今年2月、堀さんから秋山氏にメールが届いた。
「山本がとうとう逮捕され、素性も世に出回りました。実はこの裁判に私も協力していました」
同月に出た裁判の一審判決後の報道により、原告女性が警察に被害を届けて山本が逮捕されたことや、高校在学時の原告女性に「おしおき」と称して性行為を求めたことなどの事実が世間に衝撃をもって受け止められた。
加えて、小学館の担当編集者が山本逮捕後の和解協議に加わるなど関与し、山本を漫画原作者として別名義で起用し続けていたことに批判が集まった。
なぜ声を上げる覚悟を決めたのか?
堀さんが今回、声を上げる覚悟を決めたのは、なぜ北芸で山本の性加害が繰り返されたかを周知するためだという。
「小学館の漫画家というインパクトが強すぎてそちらばかり取り沙汰されているのですが、講師が性的目的で生徒に近付いていたことを知りながら対策をとらず、ここまで大きな被害を生んだ高校にも責任があると思うので、そこも世の中に知ってほしいと思っています」
堀さんは北芸在学中の2年時から3年時にかけて、デッサンの授業の担当講師だった山本から性被害を受け続けた。
記事では、山本の悪質なグルーミングの手口や、堀さんをさらに苦しめた成人後の深刻な被害、北芸の不誠実な対応についても報じている。
秋山千佳氏の記事「 マンガワン事件 もう一人の被害女性の怒り 」は、月刊文藝春秋のウェブメディア「 文藝春秋PLUS 」で先行配信中。4月10日発売の月刊文藝春秋5月号に掲載する。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年5月号)
「news」カテゴリーアーカイブ
軽乗用車がトラックを「あおり運転」ドライブレコーダーに記録された運転の一部始終…運転手は何度も急ブレーキを踏みドアを開け威嚇【岡山】
去年(2025年)9月に、岡山県真庭市で、あおり運転を行った疑いで、軽乗用車のドライバーが書類送検されています。あおり運転は数キロにわたって行われ、その様子が、被害にあったトラックのドライブレコーダーに記録されていました。
「危険な運転を繰り返す軽乗用車」ドライバーはドアを開け威嚇
真庭市を走るトラック。突然、前方に軽乗用車が割り込んできます。
その後も急ブレーキをかけ、危険な運転を繰り返す軽乗用車。しばらくすると、車を停止させてドアを開け、威嚇しました。
ドライブレコーダーに記録されていたのは、去年9月、真庭市の県道で軽乗用車がトラックに対して行った「あおり運転」の様子です。
約3キロにわたる「あおり行為」
トラックのドライバーは、2日後、警察に相談。捜査の結果、真庭署は妨害運転の疑いで、軽乗用車の55歳の会社員の男性を勝山区検察庁に書類送検しました。警察によりますと、男性は、真庭市鹿田の県道で対向するトラックが自分の車より先に交差点を曲がったことに腹を立て、約3キロにわたりトラックの後ろをあおったり前に出て急ブレーキをかけたりと危険な行為を繰り返した疑いが持たれています。
「トラックの運転に苛立ち停めてやろうと…」
調べに対して、男性は「トラックの運転に苛立ち停めてやろうと思って急ブレーキを踏んだ」などと話し、容疑を認めているということです。被害にあったトラックのドライバーは、RSKの取材に対し、「とても怖く、手が震えてしばらくその場から動けなかった」と話しています。
「LUUPの取り締まりが先だろ」4月から適用の自転車“違反113項目”、専用レーン整備を求める声
4月から反則金制度(青切符)が導入される自転車の交通違反。歩道走行禁止が話題となることが多いが、実は違反項目は113項目にものぼるとのことで、ネット上では批判の声が噴出している。
専用レーン整備とLUUP取り締まりを求める声
具体的な違反行為と反則金の一例を見ると、「ながらスマホ」が12000円(最高額)。並列走行や2人乗りは3000円で、逆走は6000円となっている。傘差し運転やハンドルに買い物袋をかける行為、イヤホン使用は5000円だ。イヤホンに関しては、周囲の音を聞き取れるオープンイヤー型イヤホンや骨伝導イヤホンなら即違反とはならない。ただし、イヤホンの音量が大きくて周囲の音が聞き取れないようならNG。
「子どもの送迎に自転車を使っている人が気になるのが、2人乗りについてでしょう。これに関しては、16歳以上の運転者が『幼児用座席がついた普通自転車』に未就学児を1人乗せるのは違反になりません。また警視庁は、幼児1名を子守バンドで背負っての運転も可能としています」(全国紙社会部記者)
自転車だけでなく、自動車のルールも変更される。自動車が自転車を追い抜くときに十分な間隔がない場合、「間隔に応じた安全な速度」で進行しなければならない。十分な間隔や安全な速度を守らなかった場合、3か月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金、反則金(普通車7000円)、違反点数2点が科される。
「警察庁は十分な間隔の目安を“少なくとも1m程度”としており、間隔が確保できない場合、自動車は時速20~30km程度まで速度を落とすことが推奨されています。ちなみに、道路標識などにより、追い越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場所では追い越しはできません」(前出・社会部記者)
これを受けて、歌舞伎俳優の市川團十郎白猿は3月21日にXで《私は自転車は基本やめようかなと思ってます》とコメント。《車も自転車を追い抜く際に十分な距離を設けずに一気に抜くと摘発の対象に、道路の幅とかLUUPとかも考え直さないと と感じますね》《道路も今のままでは自転車との距離をとるの難しい所が多いから 自転車専用道路とかないと難しいなぁと》とルールの問題点を指摘した。
3月22日には、芸人のほんこんも自身のXで《四月から自転車屋さんが心配?なんか気になります》《わい自転車の引退を考える 大丈夫かな子供達》と團十郎に同調。
日本保守党代表の百田尚樹氏も、3月23日にXにて《これマジか。わしの大学生の時にこの法律を作られていたら、毎日、罰金数万円払わされていたやろうな…》と呟いていた。
いよいよ始まる自転車ルールにネット上では、「一体誰が望んだの?」「まず自転車レーンを作ってからだろ」「専用レーンの整備や周知もろくに進めてないのに罰則強化だけ急ぐ理由はなに?」「LUUPを取り締まるほうが先だろ?」「取り締まる側の判断に差が出たり、警察の匙加減での取り締まりは勘弁して」といった批判の声が続出している。
4月に入った瞬間に、各地で新ルールによる混乱が起きなければいいのだが……。
池袋ポケセン殺害事件 広川容疑者は被害者の「写真削除」拒否していた…ストーカー規制法が残す課題
東京・池袋のサンシャインシティ内にあるポケモンセンターの女性店員が殺害された事件で30日、警視庁は殺人容疑で広川大起容疑者の自宅を家宅捜索した。広川容疑者は被害者の元交際相手。過去にストーカー規制法違反の疑いで逮捕された際に、被害者の写真削除を拒んでいたという。
警視庁は神奈川県内にある容疑者宅の家宅捜索でパソコンなどを押収した。容疑者と被害者は交際関係にあったが別れることになり、容疑者がストーカーと化していた。被害者は昨年12月に付きまとわれていると警察に相談。容疑者はストーカー規制法違反の疑いで逮捕され、今年1月に同法に基づく禁止命令が出ていた。
しかし、今月26日に事件が発生。容疑者は犯行の約30分前にサンシャインシティにいたことが防犯カメラで判明し、約15分前には被害者が働くポケモンセンター周辺に来ていたという。そして、カウンターに入り事件を起こし、自らも死んだ。
殺害状況から被害者への強い執着が見て取れるが、同法違反容疑で逮捕された時もスマホの中にある被害者の写真の削除をかたくなに拒んだという。盗撮による画像なら検察官の判断で消去できる仕組みがあるが、今回のケースは当てはまらなかったようだ。
警察とはいえ、できることには限界がある。警察事情に詳しいジャーナリストは「過去のストーカー規制法事案でも、加害者の男性がスマホにある被害者女性の写真を削除することを拒否したケースがありました。警察としては要請するしかない。半日かけて要請したものの、すべては消してくれなかった。今回も警察は粘り強く削除を迫ったはずです」と指摘した。
今回の事件で警察はできることはしたとの評価もあるが、容疑者は写真削除どころかカウンセリングを拒否したというだけに、ストーカー規制法の見直しが必要かもしれない。
日仏首脳会談で供給網強化確認へ…共同声明原案、中東情勢や中国念頭に
来月1日に予定する高市首相とフランスのマクロン大統領の会談に合わせて発表される首脳共同声明の原案が判明した。緊迫化する中東情勢や、中国を念頭に、エネルギーや重要物資のサプライチェーン(供給網)強化を確認するほか、レアアース(希土類)など重要鉱物の安定供給に関するロードマップ(工程表)を策定する。
共同声明の原案では、協力強化に向け重視する分野として、〈1〉インド太平洋における協力〈2〉2国間協力〈3〉地球規模課題〈4〉地域情勢――を掲げた。
2国間協力では、経済安全保障分野での協力を盛り込む。中東・ホルムズ海峡の封鎖や、中国が経済的威圧を強めていることなどを踏まえ、国際的な供給網に重大な悪影響を及ぼす可能性のある措置に対し、「深刻な懸念」を表明する。重要鉱物に関する工程表に基づいて、供給網の多様化や安全性に貢献することも確認する。
AI(人工知能)分野の協力強化に関する共同声明も発表する。日本側が審議官級、仏側が次官級が出席するハイレベル対話を設立し、協力を具体化していく。民生と軍事の双方で活用できる「デュアルユース(両用)」技術やスタートアップ(新興企業)支援などに取り組む。
AI分野での協力を巡っては、首脳会談に合わせ、新興企業「サカナAI」(東京)と仏の非営利組織「Current AI」が覚書を交わす。
高市首相の農業政策は間違っている…「食料自給率100%」のために日本の農家を破壊し大企業を肥やす「本末転倒」
昨年10月に行われた総裁選において、高市首相は食料安全保障の強化を掲げ、「食料自給率を限りなく100%に近づける」ことを政権公約として掲げていた。
高市首相自身が運営していると思われるYouTube「高市早苗チャンネル」では、首相自身が「食料自給率100%」を訴える動画が配信されている。
「食料自給率100%」は首相が以前から主張していたもので、非常に高い目標のためすぐに達成できるかと言えば実現性の乏しい目標と言わざるを得ないが、その方向性と意欲は賛同できる。
しかし、問題は具体的にどうやっていくかだ。
食料安全保障として、円安を活用し輸出を増やすことも提言されているが、これは国内供給の確保による自給率向上には直接はつながらない話だ。
具体的に食料自給率を上げていく方法として真っ先に挙げられているのは「植物工場の推進」だが、これを見て筆者はすっかり失望してしまった。
2月20日に行われた第219回臨時国会で行った所信表明演説でも、高市首相は「食料安全保障」について触れている。具体的な中身はこうだ。
「地域を活性化させ、食料安全保障を確保する観点から、農林水産業の振興が重要です。農業については、5年間の『農業構造転換集中対策期間』において別枠予算を確保します。世界トップレベルの植物工場、陸上養殖、衛星情報、AI解析、センサーなどの先端技術も活用し、輸出を促進し、稼げる農林水産業を創り出します」
また高市首相は年頭記者会見でもこう述べている。「フードテックもアグリテックも重要です。日本が誇る『完全閉鎖型植物工場』や『陸上養殖施設』などへの投資を促進します」
3月11日付の日本農業新聞によると、3月10日に行われた日本成長戦略会議(議長は高市早苗首相)において、植物工場で生産された農産物や工場設備などを合わせた国内外のシェアで、2040年までに世界の3割を目指す方針案が示されたという。
植物工場などの「フードテック」をはじめとする17分野で重点的に官民投資を促す方針で、目標や具体策などを盛り込んだ工程表を5月までにまとめるとされる。
ただ、「食料自給率100%」のための具体策な政策として、真っ先に「フードテック」が出てくるようでは、高市首相が農業政策の現場の実態を把握されているとは言い難いとも思ってしまう。
なぜそう思ったのか。その理由を具体的に解説していこう。
「フードテック」の代表例は、図表1に示されるような、人工肉、培養肉、昆虫食、陸上養殖、植物工場、無人農場(AIが搭載された機械で無人でできる農場経営)などだ。
「フードテック」の代表例といえる「植物工場」は、初期投資もランニングコスト(特にエネルギーコスト)も高い。そのため、採算ベースに乗っているものはベビーリーフ(葉丈10~15cm程度で収穫した幼葉の総称)などのかなり少ない事例に限られている。
植物工場で生産された野菜が果たして体にいいのかという問題もある。通常の野菜は土壌から微量栄養素を吸い上げて成長するが、植物工場ではそうした微量栄養素を得られないため、育った野菜の栄養面は期待できないという指摘だ。
この問題はさておき、現状で採算ベースに乗っていない「植物工場」の推進で、食料自給率100%が実現できるとは到底思えない。
フードテック推進派が掲げている主たる論理の1つは次のようなものである。
「今の農業・食料産業は温室効果ガスの最大の排出源(全体の31%)になっているから、農業の生産方法を遺伝子操作技術なども駆使した『代替的食料生産』に置き換えていく必要がある」
「温室効果ガス排出の多さから各たんぱく質を評価すると、最も多い牛に比べて豚は約3分の1、鶏は約5分の1、昆虫食では鶏よりもさらに少量だ」との解説もある。畜産をやめて昆虫を食べるほうが環境にいいということだ。
2024年の初めに開催された「世界経済フォーラムの年次総会」(通称「ダボス会議」)でも、耳を疑うような発言が飛び出していた。
「アジアのほとんどの地域では未だに水田に水を張る稲作が行われている。水田稲作は温室効果ガス、メタンの発生源だ。メタンはCO2の何倍も有害だ」(ヘルスケア・農薬のグローバル企業B社CEO)
「農業や漁業は『エコサイド』(生態系や環境を破壊する重大犯罪)とみなすべきだ」(ストップ・エコサイド・インターナショナル代表)
実は今、我が国では伝統的な水田の代わりに、「乾田直播」すなわち乾燥した畑に稲(種もみ)をまく農法を推奨している。代かきや苗作り、田植えが不要で作業時間が短縮できるため低コスト化が可能とされているからだ。メタン抑制にもつながるとあって、グローバル種子農薬企業のM社を買収したB社のCEOも推奨している農法だ。
ただ、この「乾田直播」には様々な問題が指摘されている。
まず、雑草対策として、種もみをまいた後に除草剤を大量に散布する必要があり、農薬使用量が大幅に増える。また、水田による連作障害の抑制、生物多様性、洪水防止・水質浄化機能、伝統文化なども失われる。
乾田直播を採用する大規模農家では、気象データを活用した栽培管理システムを取り入れていることがあるが、その栽培管理システムはB社の関連企業などが提供しているものだ。
つまり「乾田直播」の普及は、グローバル企業の利益につながるということだ。
そもそもこうした農法が本当に必要なのか、一体誰のために推奨しているのか、もっときちんと検証される必要があるのではないか。
さらに、ほかにも問題だと思われるのが「デジタル農業」「スマート農業」とされるものだ。
日本政府もこうした分野を推進すると言っているが、農業にITを導入することで農家が楽になればいいが、一方でグローバル企業や外資系企業への利益供与になっていないかを監視する必要がある。
今海外ではグローバル種子農薬企業やIT大手がタッグを組んで、AIやドローン技術を駆使した「無人農場」の実現を目指している。
2021年の世界食料サミットの場を、IT大手企業が、こういう無人のデジタル農業を広めていくためのキックオフにしようとしたという話も聞いた。
ただ、農業の無人化とは、やはり既存の農家にとっては脅威となる。AIの進歩と普及によってホワイトカラー労働者が失業するという懸念が現実化しつつあるが、同じように、無人農場の実現によって、既存の農家は廃業するしかなくなる。
「フードテック」や「スマート農業」とは、聞こえはいいが、農家を破滅させ、一部の大資本が農業を独占する方向に進みかねない。少なくとも筆者はそうした懸念を強く持っている。
高市首相が「食料自給率100%」のために進めている政策とは「グローバル企業を助け、農家をいじめる」政策にほかならないということだ。
このように、まともな農業の代わりに、人工肉、培養肉、昆虫食、陸上養殖、植物工場、無人農場を推進していけば、離農が急増し、多くの農漁村地域が原野に戻り、地域社会と文化も消えてしまう。結果的に食料自給率はさらに低下することが懸念される。
しかも遺伝子操作技術の多用や農薬使用量の増加で食の安全のリスクも高まる。
不測の事態には、超過密化した東京などの拠点都市で、餓死者が出て、疫病が蔓延するような歪(いびつ)な国になることは必定である。
今の政府に農と食と国民の命を守るつもりはあるのだろうか。農家と消費者を救う政策はやらずにフードテックを進めるという方向性は、端的に言うと、今頑張っている農家を廃業に追い込み、日本の地域社会を崩壊させ、国民の飢餓のリスクを高めてでも、一部のオトモダチ企業が儲かるようにしていこうとしていると疑わざるを得ないのである。
ホルムズ海峡の封鎖によって、燃料や肥料をはじめ、あらゆる生産資材が高騰している。この影響で、すでに生産コストに苦しんでいた農家が追い込まれつつある。
ただ農家が生産コスト増加を小売価格に転嫁すると、今度は、一般の消費者が苦しむことになってしまう。消費者は消費者で、長年にわたる所得減少に苦しんでいるからだ。
とはいえ、農家が生産コスト上昇分を農作物価格に転嫁できなければ、日本の農業は一層苦しくなる。平均年齢が69歳を超えてしまっている日本の農家は、もう一段のコスト高に見舞われれば、これが文字通りの「とどめの一撃」となって、離農が急増し加速度的に消えていくであろう。
そうなれば日本の農業が崩壊するだけでなく、農業によって成り立っている日本の地域コミュニティの崩壊にもつながる。
もちろん国内農業の崩壊により、食料自給率のさらなる低下が起これば、日本国民が飢餓に苦しむリスクも一気に高まるであろう。
日本の食料自給率は約38%に過ぎず、その上、化学肥料の原料はほとんど輸入に頼っている。種子も海外依存で、特に野菜の種子の約9割は輸入している。
昨年はついに「コメ不足」が発生したが、その結果、主食のコメについても外国産に依存するようになり、小売店の店先にはアメリカ・カリフォルニア産のカルローズ米が並んでいる。
今後もこのように食料供給を外国に依存する状況が続くなら、日本の食料自給率は一層の低下が懸念される。
筆者が試算した最悪のケースでは、日本の食料自給率が9.2%程度に落ち込む可能性もある。
ただ、この試算にはエネルギーの影響は算入していなかった。
農業は化石燃料と切っても切れない関係にある。農機具を動かすにも、農産物を運搬する上でもガソリンや軽油は欠かせない。そのため、原油価格の高騰は食料品の価格にも跳ね返ってくる。
日本のエネルギー自給率は11%に過ぎない。原油・天然ガスの輸入が止まった場合、その影響を加味すると、日本の食料自給率は9.2%からさらに下がり、数%程度まで落ち込むだろう。
ホルムズ海峡の封鎖によって、この最悪のシナリオが実現してしまうかもしれない。
食料品価格が上がったら所得減で苦しむ消費者が追い込まれるが、コスト増を価格転嫁できないと農家が追い込まれる。
このジレンマを解決することが日本の農業政策の課題といえるだろう。
そのために有効な手段として農家への所得補償政策がある。
政府が農家の最低限の所得を保証するなら、農家は生産コスト増の影響を無理に価格に上乗せしなくても良くなる。そのため、消費者は農産物を安く買えて、農家も助かるわけだ。
この政策は世界の農政の常識と言ってもいいものだが、なぜか日本はやらないと断言している。
その代わりに政府が主張しているのは、以下のような政策だ。
①農家がもっとコスト高に耐えられる経営になればよい、②コメ生産は抑制、③コメの国家備蓄は減らす、④食料自給率向上には予算をつけず、代わりに輸入を増やす、といった政策を進めているのだ。
激しい競争に耐えられる農家だけ残ればいいという、スパルタ式の農業政策ばかりだ。
ただ、これらを実行すれば、当然ながら食料自給率は下がる。ホルムズ海峡の封鎖によって世界の食料供給の不安定化が叫ばれている中、一番やってはいけない愚かな政策と言える。まるで、「セルフ兵糧攻め」だ。
しかし、このように国内農家を追い詰めていく方向性は、「地球温暖化の主因である既存の農業を代替的食料生産に置き換えていく」ことを大義名分とする「フードテック」の方向性とは見事に整合しているところが恐ろしいのである。
———-
———-
(東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授・名誉教授 鈴木 宣弘)
はしか 沖縄県が注意喚起 神奈川県20代男性が感染 羽田空港から石垣市に滞在歴
沖縄県は30日、石垣市内を訪れた神奈川県の20代男性が麻しん(はしか)に感染したとして、市内の大型スーパーなどを利用した人で発熱の症状がある場合は医療機関の受診を呼びかけた。
県によると、男性は23日に羽田空港から石垣空港へ到着。島内をレンタカーで移動し、飲食店や大型スーパーに立ち寄ったと見られている。25日に同空港から石垣島を離れた。県内で感染したかは不明。
はしかは感染力が強く、飛沫(ひまつ)や接触感染に加え、空気感染もする。手洗いやマスクのみでは予防できず、重症化すれば死亡する場合もある。
県地域保健課は「麻しんが疑われる症状が出た場合は速やかに受診し、周囲の人に感染を広げないよう公共機関の利用は控えてほしい」と呼びかけた。はしかの感染リスクはワクチン接種で低くなる。(社会部・下里潤)
「いまから殺しに行く」などのメッセージを妻に送信 離婚話が原因か 脅迫容疑で57歳夫を逮捕 北海道小樽市
北海道小樽市で、妻に対し、スマートフォンで脅迫するメッセージを送ったとして、57歳の男が逮捕されました。
脅迫の疑いで逮捕されたのは、小樽市に住む会社員の男(57)です。
男は、29日未明から朝にかけて、50代の妻に対し、スマートフォンのメッセージアプリで「いまから殺しに行く」「家族も皆殺しにするから」などと送り、脅した疑いが持たれています。
妻が、29日午後1時半すぎ、「夫から脅迫されています」と警察に被害を届け出て、
調べに対し、会社員の男(57)は「事実に間違いない」と容疑を認めているということです。
警察によりますと、2人は離婚を前提に話し合いをしていたということです。
2人を巡ってはこれまでに警察への相談歴はなく、警察が詳しい経緯を調べています。
行方不明の小5男児 電車やバスに乗った記録は確認されず リュックは学校から3キロ離れた山中で発見
京都府南丹市で、3月23日から行方不明となっている小学5年生の男子児童について、電車やバスに乗った記録が確認されていないことがわかりました。
23日、京都府南丹市園部町で、市立園部小学校5年生の安達結希くん(11)が、父親が車で学校のすぐ近くまで送り届けたのを最後に、行方が分からなくなっています。
29日には、小学校から約3キロほど離れた山中で、行方不明当時結希くんが背負っていた黄色の通学用鞄が発見され、警察が周囲を重点的に捜索しています。
また、警察によりますと、行方が分からなくなって以降、結希くんが、電車やバスに乗った記録が確認されていないことも新たに分かりました。
結希くんは、身長約135センチのやせ型で、黄色の帽子をかぶり、胸に「84」と書かれた灰色のトレーナーなどを着ていたということです。
横浜の中1、いじめで不登校 第三者委「学校側の対応に遅れ」
横浜市立中学校で2022年度、いじめを受けた1年生の男子生徒が不登校になる事案があり、第三者委員会の調査報告書が30日公表された。学校側に認知や対応の遅れがあったと指摘した。
同級生から「汚物」と言われ
報告書によると、生徒は22年10月~23年1月、ほぼ毎日、複数の同級生から「汚物」「臭い」「シラミだ」と言われた。23年1月ごろから欠席しがちになった。7月に不登校になった後、転校した。
学校は22年9月と12月の定期アンケートでいじめを事実上把握。だが適切な聞き取りをせず、いじめの認知や対応に遅れを生じさせた。報告書は市教育委員会について「機動性の悪さで数カ月は(第三者)調査の始動が遅れた」と批判した。
保護者は「迅速な確認や加害生徒への別室対応などを行っていたら、息子は登校できていたはず」と所見を示している。市教委は30日の記者会見で「大変申し訳ない」と謝罪した。【岡正勝】