鳥取県の公用車1台 約1年前に車検切れ 車両管理を怠り 車検の手続きを失念

鳥取県は12月4日、企業局の公用車1台が車検と自賠責保険の有効期間を満了したまま運転していたと発表しました。
鳥取県によりますと車検と自賠責保険の有効期間満了日が経過していたのは企業局が出張に使用する普通乗用車の公用車1台です。
任意保険の更新手続きをしようと資料を確認中に職員が気づいたということです。
2025年1月22日が有効期限の満了日でしたが車両管理を怠り、車検の手続きも失念していたとうことです。
この車両は有効期間満了日から発覚までに13人が63回運転し5627キロメートルを走行していました。
鳥取県は12月3日に鳥取県警に報告しています。
再発防止について、車両管理や運行前点検の状況運転管理の実態などを把握し今後、同じことが発生しないよう対策を図るとしています。

2歳の娘を襲った「レット症候群」 今は会話や食事も難しく… 手が傷ついてもやめられない“特徴的な仕草” いつかまた「パパ、ママ」と呼んでくれる日を信じて 主に女の子に発症する難病

異変に気付いたのは、愛娘が2歳を過ぎた頃。根本的な治療法が見つかっていない「レット症候群」だった。私は、この難病と向き合う一家を取材した。
若い夫婦と、娘と息子の4人家族。愛知県内に住む一家に出会ったのは、5年前に新築で購入したという一軒家だった。こだわりが詰まったデザイン住宅で、日当たりがよい「2階リビング」が特に気に入ったという。唯一の欠点は、自分たちが年老いて、足腰が弱った時「果たして階段を上がれるだろうか…」ということ。
しかし、その不安が、こんなにも早く訪れるとは。しかも、最愛の娘のことで。
手をもんだり、たたいたりする“特徴的な仕草”
結婚して4年目に待望の第一子を授かった。名前は香乃(かの)。
順調にすくすくと育ち、2歳になる頃には、元気な声で「パパ、ママ」と言い、食事も1人でできるようになっていた。
しかし、ほどなくして香乃ちゃんに異変が現れ始めた。手をもんだり、手をたたいたりするような仕草がみられるようになったのだ。
最初は気にもとめなかったが、それが頻繁に見られるようになり、ネットで検索してみると、すぐに「レット症候群」という聞き慣れない病名が目に飛び込んできた。
主に女の子に発症する難病“レット症候群”
そこには想像を絶する、信じ難い説明ばかりが羅列されていた。そのほとんどが女児を襲う進行性の神経発達症で、遺伝子に異常が起こる約一万人に1人の難病だったのだ。日本には20歳以下だけで約1000人の患者がいるが、根本的な治療法はまだない。徐々に歩けなくなったり、物を掴むこともできなくなったり、話せなくなったりする“退行”が大きな特徴という。
つまり、これまで成長に合わせてできていたことが、成長するにつれてできなくなってしまう、身体的かつ知的障がいなのだ。お腹にいるときも、出産後も異常が見つからず、乳幼児になってから気づくことが多いという「レット症候群」。それまでは健常な子どもと行動も変わらないようで、最終的には遺伝子検査をして診断は確定するという。
以前はできていた「食事」も徐々に難しく…
香乃ちゃんはいま、小学1年生。私と出会ったとき「何歳?」「名前は?」という簡単な問いに答えることはなかった。ひたすら私を見つめ、手をたたいていた。
その手には絆創膏が貼ってあったが、手が傷ついても、手をたたく行為は止められないのだ。痛さよりも優先される不随意運動。
両親に聞くと、2歳を過ぎた頃から徐々に「レット症候群」特有の行動が現れ始め、程なくして食事も一人ではできなくなった。
一番悲しいのは「パパ、ママ」と呼んでくれなくなったこと。ただ、それでも「パパとママを認識してくれていると信じています」と話してくれた。
日本では未承認の“治療薬”
小学1年生になった香乃ちゃんは、愛知県内の支援学校に通い、日々自立のために授業を受けているという。
将来はどうなってしまうのか。未来への不安がつきまとう中、両親は治療薬に期待している。
レット症候群ならではの症状を緩和させる治療薬が、日本でも治験段階に入っている。しかし、この薬はアメリカではすでに承認されていて、販売されているのだ。
また、遺伝子薬もアメリカでは治験が進んでいて期待されているという。アメリカで進む治療薬の浸透と開発、一方で遅れる日本。自身の娘もレット症候群を患う患者の支援団体の代表・谷岡哲次さんは「日本だけ取り残されるのがこわい」と、危機感を募らせる。
いつかまた「パパ、ママ」と呼んでくれる日を信じて
以前は歩くことができた香乃ちゃん。いまも自力でなんとか歩くことはできる。しかし、階段などの段差は苦手で、1人では上ることができなくなった。
「いまは2階リビングを後悔しています」父親はそう語るが、前を向いている。いつか、きっと治療薬ができて、娘が笑顔で「パパ、ママ」と呼んでくれて、一人でご飯を食べてくれて、階段を一人で上れると信じているという。
今回の取材は、父親から是非とも取材してほしいと依頼を受けて実現した。
「『レット症候群』という難病を知ってもらい、社会全体にも理解してほしい」との思いからだった。理解が進めば、治療薬の開発なども加速するのではないか、そんな期待もあるという。
いつの日か、陽射しがさんさんと降り注ぐ2階にあるリビングのように、この家族を明るい光が照らしてくれることを願わずにはいられなかった。
【CBCテレビ論説室長 大石邦彦】

〈連続強盗団・指示役タトゥー男〉「人に迷惑をかけるなら死んでしまえ」祖父母と母の慟哭130分…16歳で傷害致死で逮捕され少年刑務所へ「もう悪いことはやらないと言ったのに」

〈〈闇バイト連続強盗団・指示役〉「16歳の頃にスーパーで高3少年を暴行死させた」逮捕され少年刑務所へ…出所後も事件を繰り返した福地容疑者(26)の“悪(ワル)の履歴書”〉から続く
2024年に首都圏で相次いだ18件の強盗事件をめぐって、強盗致傷と住居侵入の疑いで逮捕された職業不詳の20代の男4人のうち、リーダー格とされる福地紘人容疑者(26)の家族が延べ130分にわたり胸中を語った。
【画像】かつては“イケメン高校生”として美男美女コンテストにも出た、ともに逮捕された“指示役”村上容疑者のハート写真
「本当に死んでくれてたら他の人に迷惑かからなかったかな」
「人に迷惑をかけるなら死んでしまえ」(祖父)
茨城県東北部にある常陸太田市の閑静な住宅街。築年数が30年以上の一軒家で、闇バイトのリーダー格とされる福地容疑者の家族と親族らが重い口を開いた。12月5日の午前10時に各社が「【速報】首都圏闇バイト強盗事件 指示役4人逮捕」と一斉に報じたあとのことだった。
福地容疑者の家族らによると、1999年に茨城県内で4人きょうだいの次男として生まれた。小学校に入学すると同時に福地容疑者は、この一軒家に引っ越してきたという。長男も剣道をやっていたことから、「僕もやりたい」と両親に自ら申し出て、放課後に学校の施設内で開かれる剣道教室に通うようになった。
祖母は福地容疑者について、「優しい子だったんです。小さい頃から体調などに気を遣ってくれて。昔から粗暴な子ではなかったんです」と同じ言葉を何度も重ねた。目に涙を浮かべながらこう話した。
「闇バイトの指示役として逮捕されたことを知って、足がブルブル震えています。記者の皆さんから今回の事件について聞きました。その話を聞いて、死にたいと思った。もし孫(=福地容疑者)と話せるなら、『どうしてそんなことをやったんだ』と問いかけたい。被害者の方に対しては、ただただ申し訳ないと思うばかりです。なんであんなことをしてしまったの……」
福地容疑者を剣道教室まで送り迎えしたり、小さいころから面倒を見て家族の中でもっとも多くの時間を過ごしてきたという母は、10月に警察から福地容疑者の生い立ちを聞かれ、胸騒ぎがずっと止まらなかった。
「本当に申し訳なく思っています。ケガをされた方もいるとお伺いしていて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。まずはちゃんと本当のことを話すところから反省の態度を示してほしい。さっき車に乗って停車中にLINEニュースを見て、この事件を知りました。自分でも何を考えていいのかわからなく、これ以上運転したら危ないなと思って、帰ってきました」
民生委員を経験したこともある祖父は、前出のように「死んでしまえ」と話すが、母の本心は異なるようだ。
「そうですね。『死んでしまえ』とまでは、もちろん自分の息子ですからそうは思えないですけど、でも、それぐらいの気持ちではあります。『本当に死んでくれてたら、他の人に迷惑かからなかったかな』と思ってしまう自分もいる。常にその葛藤の中にいます」
「逮捕されてから留置所や鑑別所で面会を重ねました」
福地容疑者は市内の小学校を卒業後、近隣の中学校へ入学。小学校から取り組んでいた剣道も中学では部活として続け、剣道部に入部した。中学2年生の途中からは部長を務め、部員をまとめ上げていたという。
「息子は慕われていたというか、常にみんなが集まってくるような子どもでした。リーダーシップもあり、目立ちはするけど学校で問題を起こすような子ではありませんでした」(母)
「中学ではタバコを吸ったりとか、飲酒をしたりとか、だれかをいじめたりとかそういう素行不良はありませんでした」(祖母)
中学を卒業後、福地容疑者は水戸市内にある県立の農業高校へ進学する。母は「このときに変わってしまった」と明かす。
「実は単位が足りなくて、1年生で学校を辞めているんです。アルバイトとかに明け暮れていたとかではなく、高校に入ってから交友関係が広まり遊んでしまった。帰ってこないことも多くあり、友だちのところにいるんだろうと考え、私も何度も捜して無理やり迎えに行ったこともありました。そこにはガラの悪いいわゆる不良みたいな子もいました。
でも2年生には進級できず、高校を辞めてしまい、本人と相談をしました。すると“とび職”として働きながら通信制の高校へ行きたいと言うので、本人の意思を尊重しました」
ところが、通信制の高校へ転入した数カ月後に福地容疑者は、当時3年生の高校生を集団で暴行し死亡させたとして、傷害致死の容疑で逮捕されることになる。警察が福地容疑者の身柄を押さえにきたとき、福地容疑者は涙を流しながら署へ連行されたという。
「まさかあんな事件を起こすとは思わず、人を死なせてしまったことについて、いまでも申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、逮捕されてから留置所や鑑別所で面会を重ねましたが、『ごめん』と言う言葉は何度かあるものの、涙を見せることはありませんでした」(母)
福地容疑者が起こした少年事件は、罪の重さから成人と同じ扱いで裁判が進む「検察官送致(逆送)」が家庭裁判所の判断となった。逆送となった場合、刑事処分が相当と判断され、成人と同じように刑事裁判を受けることになる。
水戸地裁は2016年2月、福地容疑者に懲役3~5年(懲役3年以上5年以下) の不定期刑を言い渡している。その後、福地容疑者は少年刑務所へ入所した。
「手紙では月に一度やりとりをして、資格試験を受けたいと言うから、本を差し入れした。月に2~3冊だよ。手紙には本の感想が書かれていて、次はこの本で勉強したいとよく言いよったわ」(祖父)
「私(=祖母)と祖父2人で行った面会では『まじめにやるよ』と言ってくれて。刑務所内では高卒認定試験を取るほか、国家資格まで取って頑張っていたそうです。態度も真面目で、刑務所内のルールを破ることなく、模範囚として3年半で出所しました」(祖母)
「刑務所にいたから成人式は出れなかったけれど、出てきてから自分で仕事を探して頑張っていました。県内の不動産企業へ就職し営業を担当してました。ただ、犯罪歴があることから宅建が取りにくいこともあり、近所の目もあったので、出所から1年後に保護観察が外れたタイミングで、東京の渋谷へ行きました。最初は雇われのバーの店長をすると言っていました」(母)
「悪いことはやらないで」と言ってきた
東京へ上京した福地容疑者。そこで家族との連絡が次第になくなっていった。母や祖母は「悪いことはしてないよね」と何度も福地容疑者に尋ねたものの、「元気にやっているよ」としか返事はなかった。ただ、年に2~3回は実家に顔を見せていたという。
母と祖母の期待を裏切るように福地容疑者は、2023年に逮捕される。2021年、仲間と共謀し「保険に入った方がいい」とうその電話をかけ、山梨県在住の60代女性から現金240万円を騙し取る事件を起こしたのだ。
去年の11月のこと、福地容疑者が実家に日帰りでふと戻ってくる。ただ、足や手にタトゥーが入っており、祖母と母が「消しなさい」と伝えた。
「これまでタトゥーが入ってたことはなく、自分で東京で入れたんだなと思いました。足の甲には筆記体の英語のタトゥーが入っていた。今回のニュースで準暴力団と関わりがあったと報道されており、東京に行ったタイミングでガラの悪い人たちと付き合ったんだなと感じました」(母)
「タトゥーを見たときに驚きました。『やめろ』『消しな』と強く言ってしまい、孫(=福地容疑者)は『うん』とのみ答えました。その後、両親から2個消したと聞き、素直で言うことを聞く孫はまだいたと安心しました」(祖母)
ただ、同じ月に福地容疑者は一連の強盗事件とは関係ない傷害事件で逮捕されることになる。福地容疑者らは24年9月に、知人男性を複数人で暴行し、顔の骨などを折るケガを負わせた疑いが持たれていた。福地容疑者らが成田空港から韓国へ出国しようとしていたところを、千葉県警によって身柄を押さえられた。
この事件で押収したスマホから、一連の強盗事件を指示した痕跡が見つかり、今回の逮捕に至った。
福地容疑者らは、「手の指を思いっきり逆に曲げろ」「住所は知ってる。家族をさらうぞ」などと脅し、実行役に強盗を指示した疑いがある。福地容疑者らが起こしたとされる18件の広域強盗事件は、被害総額は2000万円以上に上り、24年10月に横浜市青葉区で起きた事件では、住人の70代男性が暴行を受け死亡している。
母は最後にこう語った。
「言葉……もう何も言葉にならないです。大人になって、常日頃から『そういうことは、悪いことはやらないで』と言ってきたので。裏切られたかって言ったら、何て言っていいかちょっとわかんないですけど。信じていたので。裏切られたっていうのもありますけど、信じたいという気持ちもありますし。本当に申し訳ございません」
警察は福地容疑者の余罪は他にも多くあると見て、捜査を続けている。
※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter) @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

「人生はそんな簡単なものじゃない」「『嫌なら国へ帰れ』というのは……」前外相・岩屋毅氏が語った“共生社会”への課題とは《イスラム土葬問題》

「人生は、そんな簡単なものじゃないでしょう。この国で頑張ろうと思って、何十年間も日本で働いて死んでいった人に『火葬が嫌なら元の国に帰りなさい』というのは……」──こう語るのは、大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)だ。
岩屋氏は先月、地元の大分県議らが内閣府などに「ムスリム墓地に関する国の対応を求める要望書」を提出した際に、現場に同行。議員らの要望を受けての対応だというが、知名度も相まってSNS上などではもっぱらこの議題の”中心人物”とされている。
矢面に立ったことで、誹謗中傷も相次いでいるようだ。
X(旧Twitter)では同氏について、〈どこの国のために働いてるんだよ…〉〈岩屋を土葬しろ〉などと、強い言葉で非難する投稿がいくつも確認できる。
そんな中で異文化間の”橋渡し役”を買って出た岩屋氏本人が、前回に続いて土葬問題に関する課題や具体案を明かしてくれた。【前後編の後編。前編から読む】
「土葬墓地問題は国も積極的に関与すべき」
──なぜ”国レベル”の対応が必要と考えるのでしょうか。
「『外国人との共生』は日本の重要なテーマです。私の地元でも建設や福祉、サービス業、農林水産業など、外国人がいなければ回らない社会になりつつあります。そして、ほとんどの人が真面目で一生懸命働いて、日本を支えてくれているのが実像ですよ。
もちろん中には、犯罪に手を染めたりルールを守らなかったりする人もいるから、それには厳格に対応する必要がある。しかし、少子高齢化が進む日本の現状を考えると、外国人も含めて共生できる国づくりを進めることが必要です」
──多種多様な宗教的背景をもつ人は今後も増えると見込まれています。
「在留外国人の増加に伴い、国内の外国人イスラム教徒の方々も増えています。これを考慮すると、土葬墓地問題は大分だけじゃなく、全国どこでも起こりうる問題です。
そして日本は国策として『外国人と秩序ある共生をしていこう』と言っているわけだから、この問題も地方自治体だけに判断を委ねるんじゃなく、国がもっと積極的に関与すべきではないかと。それで今回各省や党本部に要望をしたところです」
「ブロックごとに土葬墓地を用意するのが望ましいのでは」
──宗教的多様性と地域住民の不安の調整について、岩屋氏が考える”落としどころ”は。
「これはなかなか難しく、私もまだ”解”は持っていません。しかし、イスラム教徒の土葬を認めている墓地は国内にごくわずかなので、そこだけに埋葬希望が集中するのは問題だし、遠くに住んでいる人にとってはご遺体の輸送や、のちのちのケアが大きな負担になってしまう。

児童生徒らの個人情報漏えいか 写真販売業者に不正アクセス 156の学校など対象 道教委

東京の写真販売業者に不正アクセスがあったとして、北海道教育委員会は道内の156の学校などの児童生徒らの個人情報が漏えいしたおそれがあると発表しました。
漏えいした個人情報は生徒や保護者の氏名や住所・電話番号などで、何人分かはわかっていません。
道内の公立校と私立校を含め、あわせて156の学校などに所属する児童生徒らが被害にあった可能性があるということです。
不正アクセスを受けた東京の写真販売業者は、学校行事のスナップ写真の撮影をしている業者から販売委託を受けています。
道教委によりますと、この写真を購入した保護者に2025年7月、販売業者から「不正アクセスを受け、個人情報が漏えいした可能性がある」と連絡があったことから発覚しました。

「中選挙区制」に与野党の支持広がる…衆院選挙制度の「抜本的見直し」目指す超党派議連で「連記制」などの案

衆院選挙制度改革を巡り、「中選挙区制」に与野党の支持が広がっている。選挙制度の抜本的な見直しを目指す超党派の議員連盟が5日に開いた会合では、自民党や日本維新の会を含む各党の参加者の多くが中選挙区連記制を軸とする案を示した。定数削減議論にあわせて選挙制度の変更が実現するのか注目される。(薦田大和、田村直広)
「合意形成が可能な範囲で各党案が収まっている」
議連幹事長を務める有志の会の福島伸享衆院議員は5日の国会内での会合後、記者団に議論加速への期待を示した。8党派が意見表明した会合では、国民民主、共産両党と衆院会派「減税保守こども」が党派としての案を、ほかは参加者の私案を提示した。自民、維新、立憲民主、国民民主、減税保守こどもの5党派が中選挙区制を掲げた。
現行の衆院小選挙区比例代表並立制は、2大政党制の実現や「政治とカネ」の問題の解消を目的に1994年に移行が決まり、96年衆院選から導入された。選挙区で1人しか議席を得られず、議席に反映されない「死に票」が多いとの課題が指摘されてきた。
中選挙区制は1選挙区で3~5人ほどが当選するため中小政党も議席を得やすい。複数政党の候補が当選でき、連立構想が描きやすくなると見る向きもある。会合で立民の津村啓介衆院議員は「連立政権の枠組みを選択できる」と訴えた。
公明とれいわ新選組は都道府県や政令指定都市などを選挙区の単位とする比例代表制を唱えた。公明の岡本政調会長は「政党名でも投票できる区割りのいらない中選挙区制とも言える」と説明した。
現行制度に移行前の中選挙区制は、1人の名前を書く「単記制」だったが、超党派議連では「連記制」派が目立つ。中選挙区時代は政党内で争うため、自民は派閥間の対決が主流だった。利益誘導を競い合う傾向が強まり、「金権政治の温床」との批判も浴びた。国民民主の玉木代表は連記制により「(同一政党の候補が)協力する戦術もとれる。派閥の弊害を最小にできる」と語る。
もっとも、立民の野田代表が「中選挙区は明らかにお金がかかった」と指摘するなど、慎重な意見も少なくない。議論の活性化に向け、議連は来週にも、衆院議長の下に設置された与野党の「衆院選挙制度に関する協議会」で各党の正式案を議論するよう求める提言を額賀議長らに提出予定だ。

“1人焼き肉”中にカセットコンロが爆発 51歳男性が負傷 自宅キッチンのIHクッキングヒーターの上でガスコンロを使用

5日午後、北海道小樽市の住宅で、使用中のカセットガスボンベが突然破裂し、51歳の男性がけがをしました。
警察によりますと、男性は5日午後5時半すぎ、自宅のキッチンで、IHクッキングヒーターの上にカセットガスコンロを乗せた状態で、1人で焼き肉をしていたということです。
すると、カセットガスボンベが突然、破裂し、男性は額と左唇に切り傷などのけがをしました。
当時、自宅には妻と子どもがいましたが、2階にいて、けがはなかったということです。
警察は、何らかの理由でIHヒーターに電源が入り、その熱がカセットコンロやガスボンベに伝わって破裂した可能性があるとみて、詳しい原因を調べています。
警察は、これから冬の時期はカセットコンロ使用機会が多くなるとして、正しく使用するよう注意を呼びかけています。

広がる年内入試、私立大の8割が導入 河合塾「来年以降さらに増加」

大学入試で12月までに合否が決まる「年内入試」の導入が全国で広がっている。文部科学省はこれまで学力試験を2月1日以降に実施するよう求めてきたが、2026年春入学の入試からそのルールを条件付きで緩和。大手予備校の河合塾によると、解禁元年となる今回、年内に学力試験を課す大学は8割に上るという。
年内入試は、早い時期に合格を決めたい受験生と入学者を確保したい大学側の思惑が一致。23~25年春入学の私立大入試では入学者の約6割を「学校推薦型選抜」や「総合型選抜(旧AO入試)」の年内入試が占め、主流になりつつある。ただ、高校側は「授業の進度が追いつかない」などの理由で否定的な声が根強い。
河合塾の調査は、志願者数などを基準に全国の主要約220大学を対象に実施。年内入試の実施状況について調べたところ、9月末時点で少なくとも1学科または1方式以上で学力試験を課すとした大学は前年比3ポイント増の80%に上る。ただ、入試方式別に集計すると32%で、全体から見れば3分の1程度という。
年内入試を巡っては、近畿地方の複数の大学が事実上、学力試験のみでの合否判定を長年実施しており、「2月1日ルール」が形骸化していた。24年12月には東洋大も学力試験のみで合否を決める学校推薦型選抜を実施し1万9000人以上が志願。これらを契機に文科省や高校関係者が「ルール違反」と指摘し物議を醸した。
文科省は大学や高校関係者らと協議し6月、大学入試の実施要項に年内入試での学力試験実施について、小論文や面接などの評価方法と組み合わせる場合は可能とする見解を新たに示した。
年内入試の広がりについて、河合塾教育研究開発本部の近藤治主席研究員は「6月のルール変更を受けてすぐに対応できなかった大学も多くあるとみられる。来年以降は実施校がさらに増える可能性がある」と指摘する。【木原真希】

《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中

最初の事件発生から465日──ついに首謀者が逮捕された。2024年8月から同年末にかけて発生した、一連の「闇バイト強盗事件」。
「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による犯行とされ、これまでに実行役・回収役など51人が逮捕されていたが、ついに首謀者と見られる「指示役」4人を逮捕した。4容疑者は1都3県で相次いだ強盗のうち、18件への関与が疑われている。また、横浜市青葉区で75歳の男性が死亡した強盗致死事件にも関与したとみられている。
警視庁などによる合同捜査本部が、12月4日~5日にかけて強盗致傷と住居侵入容疑で逮捕したのは福地紘人(26)、斉藤拓哉(26)、村上迦楼羅(27)、渡辺翔太(26)の4容疑者。全国紙社会部記者はこう語る。
「昨年10月17日に千葉県市川市の住宅で起きた強盗事件を首謀した容疑です。事件直後に逮捕された実行犯の20代の男3人は闇バイトに応募し、就寝中だった50代の女性に容赦なく暴行を加えました。秘匿性の高い通信アプリ『シグナル』経由で指示役から指示を受け、犯行に及んだといいます。実行役の男にはすでに懲役16年の実刑判決がでています」
指示役だった福地容疑者ら4人の一部は、指定暴力団・住吉会や準暴力団「打越スペクター」と関係があると報じられているが、同組織を知る関係者はこう明かす。
「福地は詐欺や傷害で複数回逮捕され、なかには実刑判決を受けたものもある。4人とも年齢が近く、この事件よりも前から関係があった。
4人は特殊詐欺事件で使われていた被害金の回収スキームを流用することを思いつき、”金持ち老人から金をとってやろう”というノリで始めたと聞いている」
村上容疑者は”推し活”に夢中
村上容疑者を知る人物は、「”闇バイト”に加担するような人には見えなかった」と驚きを隠せない。
「高級ブランドを身につけ、羽振りも良かったが、本人は『不動産でうまく儲かったので』と語っていた。この不動産価格高騰の世の中ですから、特に疑わなかった。
湾岸エリアにあるタワマンに住んでいて、毎日のように一人数万円する高級飲食店で食事をしていました」
「闇バイト」で奪ったお金は、意外なところにも流れていた。芸能関係者が語る。
「村上容疑者はタレントの卵や地下アイドルの”推し活”にハマっていて、彼女たちの配信に高額の投げ銭を行なっていた。リアルなイベントに参加するだけでなく、彼女たちが”副業”で働くバーやキャバクラにも顔を出し、一度に数十万円の支払いをするなど”太客”として有名でした。
一番の推しは、金髪巻き髪の派手目なギャルの子で、数百万円を貢いだと聞く。彼女たちにも『不動産で儲かった』と話していましたが……、ショックを受けている子もいると聞く」
同じ「闇バイト」で世間を騒がせた「ルフィ強盗団」はすでに公判が始まり、複数の実行犯に無期懲役の判決が下っている。今回、逮捕容疑となっている強盗致傷罪の最高刑は無期懲役だ。
世間を震撼させた凶悪事件の捜査の展開が待たれる。
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山口の大規模ガス漏れ、7日までに1.2万件復旧へ 戸別訪問で点検

山口県宇部市で発生した大規模ガス漏れ事故の復旧に向け、山口合同ガス(下関市)は5日、今後の復旧計画を明らかにした。ガスの供給を停止している約1万2200件の復旧作業を7日までに完了する計画だが「戸別訪問して安全確保のための保安点検作業とガス開栓業務をするため、相手が不在の場合は復旧がずれ込む恐れがある」としている。【山本泰久】
山口合同ガスの計画では、5日に約3200件▽6日に約4500件▽7日に約4500件――の復旧を目指す。希望者に調理用のカセットコンロを配布する他、火災による被災者や負傷者への補償もする。「火災によって失われた財産があれば、対応する」としている。
復旧計画は4日に山口合同ガス宇部支店を訪れた経済産業省中国四国産業保安監督部の職員2人にも報告。同監督部は事故発生状況の把握の他、再発防止対策、早期のガス供給再開を求めた。
山口合同ガスは5日、中四国のガス事業者から約50人の応援を受け、自社の社員約110人と合わせて計約160人態勢で戸別訪問し、保安点検作業、ガス開栓業務を継続。同社は「対応人数が足りないため、更に応援を求める」とし、計画通りに7日の全面復旧を目指す。
復旧状況については山口合同ガスのホームページで逐次更新している。
火災23件と3人が負傷
4日発生した宇部市の大規模ガス漏れ事故では、5日正午までに23件の火災と3人の負傷が確認された。事故から一夜明けた5日もガス供給停止の影響は続いた。
宇部市松山町の佐々木明美さん(79)は4日午前6時半ごろ、「ガスが漏れています」というアラーム音で目を覚ました。台所へ行くとガスの元栓から炎が上がっていた。「爆発するんじゃないか」。ガス会社に何度も電話をしたが通話中でつながらず、消防に出動を要請して消火できたもののガス台の壁は大きく焼損した。
午後には訪れたガス会社社員から謝罪を受けた。「使わない時は必ず閉める元栓が燃えた。どうして?」。火の元に注意し、着火もしていないガスの元栓からの出火にショックを受けた。
宇部市琴芝町の神原保育園(108人)では、ガスの供給停止に伴い、給食の提供や暖房の使用ができなくなったため、自宅待機を要請した。しかし、保育が必要な園児が約50人いたため、防寒対策と弁当持参の上で受け入れた。6日も園児を受け入れる予定で、カセットコンロを使って給食を提供する。徳田宏子園長は「保護者には負担をかけて申し訳ない。一刻も早く復旧してほしい」と語った。【脇山隆俊、綿貫洋】