なぜ「女性宮家」の可能性を閉ざすのか? 皇位継承のあり方を考えてきた野田佳彦元首相が、高市政権下の議論に“違和感”を覚えるワケ

立憲民主党時代、党の「安定的な皇位継承に関する検討委員会」の委員長を務め、独自の論点整理を行った野田佳彦元首相(69)は語る。
「皇室制度については、国論を二分するテーマにしてはならない。にわかに政争の具とせず、『国民の総意』を探るべきです」
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皇室の問題を政争の具にしてはいけない
もともと、今回の議論のスタートは、2016年8月に上皇陛下が出されたビデオメッセージでした。その思いは、単に皇統を途絶えないようにするのではなく、国民に寄り添い、被災地や激戦地に足を運んで行動される象徴としてのお務めを途切れなく続けていくためにはどうしたらいいか、という切実な投げかけだったはずです。
その要請に応えるべく、我々は生前退位を特例法としてまとめ上げました。その際、安定的な皇位継承を確保するための諸課題と女性宮家の創設等について、政府が検討し速やかに国会に報告するよう求める附帯決議を採択しました。
ところが、その後に実施された政府有識者会議の2021年末の報告書は「機が熟しておらず」として、あえて結論から逃げており、加えて「女性宮家」という言葉すら出てこなかった。
にもかかわらず、いま政府・与党が唐突に、男系男子による皇位継承を声高に主張し始めて、皇室典範を改正しようとしています。さらに有識者会議では女性皇族がご結婚されたあとも皇室に残る案、旧宮家から養子縁組する案が並立していましたが、現在与党は養子縁組案を第一優先にしています。これまで培ってきた熟議を逸脱して、皇室の問題を政争の具にするつもりかと疑わざるを得ません。
与党が推し進めたい養子縁組案には、様々な問題が潜んでいます。
養子縁組案に潜む「三つの問題」
まず、当事者の意思です。養子になるご本人にその意思があるかどうかが最も大事なはずです。女性皇族にしても、結婚後は民間人になる前提で生きてこられたわけですから、皇族に留まりたいと思わない可能性もあります。ご本人が選択できるようにすべきなのです。
次に、男系男子にこだわるあまり、遠縁すぎる方が即位する場合、国民がどう見るか。1947年に皇籍離脱した旧11宮家は、男系を遡れば1300年代、600年以上前の崇光天皇に行き着く。男系男子の流れとしては実に20代前まで遡り、計算上、20代前の祖先は100万人にのぼります。直近の天皇本人から“100万分の1”を継ぐ血縁に過ぎません。果たして、その血をもって男系男子を引き継ぐというやり方が国民の理解を得られるでしょうか。
憲法第1条で規定されている「国民の総意」に基づくかどうか、衆議院法制局でさえ違憲か合憲か両論あると認めているのに、そのような案に踏み込んでしまってはいけない。天皇の問題についてこそ、立憲主義に立たなければなりません。
そして、次の世代の問題もあります。例えば養子縁組で入った方が結婚して男の子が生まれたら、皇位継承順位に入る。一方で愛子さまが民間の方と結婚されて皇籍を離脱し、お子様が生まれたとします。すると世間は間違いなく、「どちらが天皇にふさわしいか」という見方をするでしょう。それで果たして象徴天皇制が持つのか疑問です。
このように養子縁組案には懸念も多いのです。
やはり、議論の出発点に立ち返るべきです。まずは女性宮家を創設し、皇族として活動できる環境を整備すべきではないでしょうか。
女性宮家は「女系天皇につながる」のか?
私の内閣時代に行った女性宮家の論点整理では、配偶者と子供も皇族になる「A案」と、配偶者らは民間人のままである「B案」の2つを提示していました。ところが、有識者会議の報告書やそれ以降の政府・与党の議論がおかしいのは、A案を完全に除外していることです。配偶者らが民間人のままとなるB案のみが俎上に載っているのです。
B案について考えましょう。女性皇族だけが皇籍に残ると、その家庭は矛盾の塊となります。皇族はあらゆる自由が制約されますが、民間人の配偶者やその子供はそうではない。例えば政治的メッセージをSNSで発信することや、立候補すること、政党を作ることも可能です。政治的中立性をどう担保するのでしょうか。お子さんがスカウトされて芸能人になることだってあり得ます。制約された皇族と自由な民間人が同居する家庭で、ファミリーとしての一体感を保つことは極めて難しいかもしれません。
こうした複雑な議論を無視すべきではない。したがって、B案だけに絞る性急な議論には異を唱えたい。
女性宮家創設への反対派は、女系天皇につながる「恐れ」があると言いますが、皇室典範第1条(「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」)を変えない限り、女系天皇は生まれません。「恐れ」だけで女性宮家の可能性を閉ざしてはいけませんよ。
高市首相のやり方は非常に危うい
女性宮家が創設されれば、愛子さまもご結婚後、皇室に残る可能性が出てきます。国民の要望として女性天皇、愛子天皇があってしかるべきだし、男系女子が天皇に即位した例は過去にもあります。もちろん、皇位継承を人気投票で決めるべきではありません。ただ、昨年の園遊会などで愛子さまとお会いした際には、やはりご覚悟をされているようなオーラを感じました。国民もそれを感じ取っているからこそ、愛子天皇待望論が生まれるのでしょう。
ひょっとしたら、女性初の宰相である高市首相の政権ならば、待望の愛子天皇につながる、というイメージすらあるんじゃないでしょうか。実際には高市首相は、皇室については女系を頑なに排除するどころか、女性天皇にすら、否定的な発言をしているわけです。
かつて上皇陛下の生前退位を実現した際、当時の安倍政権は我々の意見も聞き、立法府の総意を探る姿勢があった。翻って、結論ありきで国論を二分してでも決めてしまおうとする現政権のやり方は、非常に危ういと言わざるを得ません。
「 週刊文春 電子版 」では、 旧宮家の生活実態や本人たちを連続直撃した【「愛子天皇」大論争に新展開】旧宮家・男系男子の衝撃告白「女系天皇でいい」 など続報を配信中。 女性・女系天皇の賛否についての25000人アンケートの結果 や 「愛子天皇」をなぜ高市首相は拒絶するのか《宮内庁長官を直撃》 など「愛子天皇」論争について詳しく報じている。
〈 「なぜ愛子さまが天皇になれないのか。率直に疑問です」男系男子縛りはもはや“ムリゲー”。時代に即した皇室のアップデートを 〉へ続く
(野田 佳彦/週刊文春 2026年5月7日・14日号)

中傷動画に「週刊誌の記事が証拠でございますか」と反論…「サナエトークン」問題と「ネガキャン動画」疑惑で露呈した、高市首相の致命的な弱さ

最近、高市早苗首相をめぐって2つの問題が報じられている。ひとつは、高市首相の名前を冠した暗号資産「サナエトークン」問題。もうひとつは、総裁選や衆院選でライバル候補や野党を中傷したという「ネガキャン動画」疑惑だ。
さらには「玉木トークン」構想まで
一見すると別の話に見える。片方は仮想通貨をめぐる金融トラブル、もう片方は選挙戦のSNS工作である。実は、この2つを別々の話として片づけるのは難しい。
時系列をおさらいしよう。
「サナエトークン」問題は週刊現代が詳細に報じ始めた。「これは何なのか」と記事を読むうちに、焦点はしだいに“トークンそのもの”から、“それを仕掛けた松井健という人物”へも移っていった。
週刊現代でレポートしているジャーナリストの河野嘉誠氏は、松井氏の過去の投資トラブルや別の仮想通貨案件、さらには「玉木トークン」構想まで掘り下げていく。そこから浮かぶのは、高市支持の純粋な政治活動というより、「話題性のある」政治家に目を付け、ビジネスにしようとする松井氏のスタイルだ。そんな人物が高市陣営の周辺に入り込んでいたことになる。
そこへ週刊文春が登場する。最初の切り口はやはりサナエトークンだった。しかも松井健氏本人の“独占告白”という形である。
松井健氏の主張はシンプルだ。「サナエトークンは高市側に無断で勝手にやった話ではない」ということである。松井氏は高市事務所の木下剛志秘書らに暗号資産であることを説明していた、という主張だ。
いま読み返すと面白いのは、その初回インタビューの中に、後の展開の“前フリ”がすでにしれっと書き込まれていることだ。高市陣営との出会いである。
松井氏はこう語っていた。昨秋の自民党総裁選直前、「高市陣営が苦戦しているので手伝ってほしい」と声がかかり、高市事務所の木下秘書らとリモート会議をした。そこでSNS戦術のアドバイスをし、実際に無償で手伝った、と。
この部分を読んだとき「え、SNS戦術って何?」とザワザワしたが、この号ではあくまでサナエトークン問題への弁明だった。
すると、松井氏の“独占告白”を載せた週刊文春は、4週間後、そのインタビューでさらりと触れられていた「SNS戦」を本格的に報じる。
高市陣営が総裁選や衆院選で、ライバル候補や野党を中傷する動画をSNSで大量拡散していたというスクープだ。小泉進次郎氏を「無能」「売国」と攻撃し、野党を「クレーマー」と批判する内容まであった。しかも、その作戦に松井氏が関与し、高市陣営の側近秘書と連携していたというのだ。
高市陣営のために中傷動画を作成したという具体的な証言は…
つまり、サナエトークンの仕掛け人とされる人物は、単なる“仮想通貨の人”ではなく、高市陣営の情報戦にも関わっていた人物だったのである。
ある意味、松井氏のインタビューは、高市陣営から「知らない」と言われ始めた状況に“くぎを刺す”ようにも見えた。高市陣営のために中傷動画を作成したという具体的な証言は、高市側へのけん制にも読めた。
では、サナエトークン問題を追ってきたジャーナリスト・河野嘉誠氏は、この一連の流れをどう見ているのだろうか。筆者がパーソナリティーを務める『プチ鹿島 赤坂タイムス』(TBSラジオ)の5月23日放送回で直接聞いてみた。
河野氏が特に問題視していたのは、サナエトークン設計者の松井健氏の「説明の食い違い」だ。松井氏は文春で「自分たちはトークンを直接売っていない」と語った。ところが松井氏の会社が仮想通貨の違法な「事前販売」をしていた疑いがある。
現在では、契約者から数千万円~数億円規模の返金要求が相次いでいる実態もあるという。もはや単なるネット騒動ではない。
そのうえで中傷動画問題を尋ねると、確かに問題だが「松井健という人物が高市陣営のネット戦略をすべて作った」と単純化するのも違うようだ。河野氏によれば、高市陣営はもともとネット戦略にかなり力を入れていた。24年と25年の総裁選でも政治団体だけでも動画関連に多額の資金を投じていたという。しかも陣営側の説明では、本当に大きかったのは支持者向けの全国行脚だったという。
ただ、「怪しい人物にたまたま利用された」とだけ見るのも違う。河野氏によれば、松井氏は「木下別働隊」的な感じではないかという。つまり、高市陣営がネット戦略に力を入れていた流れの中に、松井氏が入り込んでいった構図だ。松井氏の目的は、誹謗中傷動画作戦の共犯になることで信用させ、サナエトークンをやることだったのではないか、という。
「週刊誌の記事が証拠でございますか」と反論
だとすれば高市首相は中傷動画問題について説明する責任がある。「私は秘書を信じる」という話だけでは済まないだろう。首相は国会で「週刊誌の記事が証拠でございますか」と反論した。だが問題は、週刊誌を信じるか秘書を信じるかという話ではない。報じられた内容に対し、どこまで確認し、何が確認できていないのか。その説明責任が問われているのである。少なくとも報道側は、メールやメッセージなど具体的な資料を示している。
今回の件は首相側の「インテリジェンス(情報収集・分析)機能」の致命的な弱さを象徴していないだろうか。松井氏のような人物がなぜ首相の周辺に入り込めたのか。
高市首相は「国家情報局」の設置やスパイ防止法制定を強く訴えている。だが、その足元ではどうだったのか。近づいてくる人物を見極めることすらできていなかった。
その結果どうなるか。河野氏は最新記事で、金融庁が調査を続けている一方、警察による本格捜査には進展が乏しい背景として、総理事務所案件のため忖度が働いている面は否めないとし、「令和の森友問題」との指摘もあると報じている。
もし首相が本気で「情報」を重視するなら、まず検証されるべきは「最高権力者」の周辺で起きた今回の情報案件ではないか。その検証を置き去りにしたまま、国家情報局などのルールづくりだけが先行するのは妙だ。
今回の騒動は、「情報を扱う側」の危うさを示した事件でもある。近づいてきた人物を見極められず、結果として情報を握られ、振り回される。国家の情報力強化を訴える政治家自身が、その危うさを露呈しているのである。これほど皮肉な状況もない。今問われているのは情報をどう集めるかではない。自分にとって都合の悪い情報とどう向き合うのか、だろう。
(プチ鹿島)

東京・渋谷区がゴミのポイ捨てに2000円の過料 元アイドル区議が指摘する〝課題〟

東京・渋谷区では、1日からゴミのポイ捨てをした人に過料2000円を徴収する新たな取り組みがスタートした。
コロナ禍以降、渋谷を訪れる人が増えたことに加え、日本有数の観光地とあって外国人訪日客が増加。それに伴い、ゴミのポイ捨てによる景観の悪化が問題となっていた。
禁止エリアは私有地を含む渋谷区内全域。ポイ捨てした人には、その場で過料を徴収することになっており、キャッシュレス決済にも対応する。
渋谷区ではすでに路上喫煙に対する過料2000円を導入しており、巡回指導員ら最大約50人が毎日24時間、区内の見回りを行っている。また禁止エリアにある飲食店などに対してゴミ箱の設置が義務付けられ、設置しない場合は5万円の過料が科される。飲食店に対する罰則は都内で初だという。
ポイ捨てが増えた原因の一つが、街中にゴミ箱が少ないこと。そこで飲食店へのゴミ箱設置が義務付けられた。しかし、店側にすればゴミの分別の問題、家庭ゴミを捨てるなどの迷惑行為もあり、大きな負担になる。
アイドルグループ「仮面女子」元メンバーで渋谷区議の橋本ゆき氏はそうした状況を踏まえ「3日の議会で、ゴミ箱を行政としても設置できないかと質問する予定です。議会でも行政として設置するゴミ箱も必要だという声は、私以外からも上がっています」と明かした。
しかし、課題は多い。ゴミ箱設置に加え、家庭ゴミを捨てる人への対策も必要になるかもしれない。「渋谷区民の税金が原資ですし、過料で徴収する額よりもパトロールをする人件費が超えてしまう。そのコストも難しい。また、歩けないぐらい人がいる場所のどこにゴミ箱を置くのかというスペースの問題もあります」と述べた。
一人ひとりの意識の改革が重要だ。

「すべて死因にかかわる」最大1.2リットルの血液を失った2時間の暴行【大学生集団暴行死】裁判で解剖医が証言「救命処置があれば高い確率で助かった」

2024年、北海道江別市で集団暴行を受けて大学生が死亡した強盗致死事件の裁判員裁判で、遺体を司法解剖した医師が「腎臓の一部が裂けるような状態」「心臓にも出血があった」と証言しました。
強盗致死などの罪に問われているのは、大学生だった川村葉音(21)被告ら3人です。
1日の公判では、被害者の長谷知哉さん(当時20)の遺体を司法解剖した医師が検察側、弁護側、裁判官などからの証人尋問で証言しました。
最大約1.2リットルの血液を失血
【検察側の解剖医への証人尋問】
Q:2024年10月27日に長谷さんの司法解剖を? A:はい。
Q:死因は「外傷性ショック」と判断? A:はい。
Q:外傷性ショックとは? A:外傷によって出血が多量に生じ、ショック状態になる。全身に血液を送れなくなったり、全身の細胞や臓器が酸素などを使えなくなったりして亡くなる状態。
Q:健康な成人男性では、どの程度の失血で外傷性ショックに至る? A:全身の血液の20%~30%程度かと。
Q:今回の被害者の体重などから、全身の血液量はどの程度と考えられますか? A:体重のおよそ13分の1が血液量とされているため、今回はおよそ4リットル前後かと。
Q:その20%から30%、つまり800cc~1200cc程度の血液が、暴行によって血管外に出たという理解でよいですか? A:そうです。
Q:被害者の遺体で、最も出血が多かった部位はどこ? A:頭部と顔面です。
Q:頭皮下の損傷は、どのような状態でしたか。 A:皮膚の下で出血していて、血が非常に厚みを持っている状態でした。血腫、つまり血が固まった状態も見られました。
Q:頭部には急性硬膜下血腫やくも膜下出血が見られましたね。急性硬膜下血腫は、どのような力で生じたと考えられますか。 A:頭部や顔面に強い力が加わり、頭部が強く揺さぶられるような力がかかって、中の血管が切れて発生したと考えます。
Q:くも膜下出血は、どのような力で生じたと考えられる? A:同様に、頭部や顔面に対する強い打撃によって、脳の表面の血管が損傷し、頭部が激しく揺さぶられることで生じたと考えます。
「数十回以上は頭部を打撃されている」
Q:急性硬膜下血腫やくも膜下出血は、それ自体で死因となる程度のものでしたか。 A:それ自体では、まだ死に至るものではありませんでした。
Q:なぜそう言える? A:出血量は多かったものの、脳ヘルニアのように、出血で脳が強く圧迫され、本来ある場所から違う場所に飛び出すような状態がなかったためです。
Q:急性硬膜下血腫やくも膜下出血は、脳の機能に影響を与える程度? A:はい。出血量も多かったため、意識障害を起こす程度だったと。
Q:頭部や顔面には、何回くらいの暴行があったと考えられますか。 A:頭部全体にかなり多量の出血があったため、数十回以上は頭部を打撃されているかと。
Q:頭部・顔面の次に出血が多かった部位はどこですか。 A:背部、背中です。
Q:背中の出血の程度はどのようなものでしたか。 A:頭部ほどではありませんが、ほぼ背部全体にわたって、皮下組織や筋肉に出血している状態。
Q:背中の皮下出血や筋肉内出血は、どのような暴行で生じたと考えられますか。 A:背中を殴る、蹴る、踏みつけるといったことで生じたかと。
Q:前面を殴られたり蹴られたりして転倒したことで、背中にこのような出血が生じた可能性はありますか。 A:転倒でも背中に出血することはありますが出血量は非常に少ないものですので、今回は背中を直接暴行されたと考えられます。
「腎臓の一部が裂けるような状態」
Q:背中側の臓器に損傷はありましたか。 A:右腎臓と、その近くにある腰椎に損傷がありました。
Q:右腎臓はどのような状態でしたか。 A:腎臓の一部が損傷し、裂けるような状態になっていて、腎臓の周りに血液が溜まっていました。
Q:右腎臓の損傷は、どのような暴行から生じたと? A:腰の右側を強く蹴られる、あるいは踏まれる。
Q:腰椎の横突起の骨折は、体のどのあたりにある部分ですか。 A:体のかなり深い位置です。背骨なので、体の奥。
Q:その腰椎横突起の骨折は、どのような暴行から? A:腰の部分を強烈に蹴られる、踏まれるといったことかと。
Q:背中の損傷は、それ自体で死因となる程度のものでしたか。 A:かなり重症ではありますが、それ単独では死因にはなっていないと考えます。
Q:胃粘膜に黒色の点状出血がありましたが、これは何が原因と? A:暴行によって体にかなりの出血やけがが生じており、その体へのストレスの結果として、胃粘膜から出血が生じたと考えます。
Q:腕や足にも出血や損傷はありましたか。 A:特に腕を中心に、暴行を受けた際に防御したと考えられる傷が。腕には広範囲に皮下出血が。
心臓からも出血「すべて死因にかかわる」
Q:被害者の心臓はどのような状態でしたか。 A:左心室の内側に出血が見られました。
Q:心臓の内側の出血は、何が原因と考えられますか。 A:体からどんどん血液が失われても、心臓は最後まで動き続けます。血液を絞り出すように心臓が動くとき、心臓の内側どうしがぶつかり合うような形になり、心臓の内側の膜に出血が生じたのかと。
Q:今回、頭部、背中、胸腹部、手足など全身から出血していましたが、死因である外傷性ショックに関係のない出血はありますか。 A:いいえ。出血という時点ですべて死因にかかわります。
Q:なぜ、すべての出血が死因にかかわると言えるのですか。 A:今回の外傷性ショックの主な原因は、体の中の血液が血管の外に出てしまったこと。出血している場所は、すべて死因に関与するということ。
根性焼きの傷「あった」
Q:解剖時の被害者の顔の形や輪郭は、健康な男性と比べて変形していましたか? A:非常に腫れ上がっていて、顔面から頭部が膨らんでいる印象がありました。
Q:それは、頭部や顔面の皮下組織内に多量の出血によって顔の形が変わった? A:はい。出血によって皮膚が表面に押され、膨らんでいる状態。
Q:被害者の額には皮下出血や表皮剥脱がありましたね。場所は? A:額の真ん中より少し上、髪の生え際で赤くなっている部分が。
Q:その額の傷は、どのような原因で生じたと考えられますか。 A:少し表面に凹凸のある場所に頭が叩きつけられて生じたと。
Q:被告の1人が「ライダーキック」と言いながら被害者の背中に飛び蹴りをする動画を見ていますね。その際、被害者が転倒して額を地面にぶつけたことで、この額の傷が生じた可能性は? A:十分考えられます。
Q:被害者の体に、火のついたタバコを押し付ける、いわゆる「根性焼き」の跡と判断できるものはありましたか。 A:はい。
Q:どこに? A:右脇の下、左肩、左胸の横から後ろ側、左太ももの後ろなどに、円形のやけどと思われる部分がありました。
Q:タバコではなく、火であぶられたような痕跡はありましたか。 A:はい。髪の毛の一部が焼けているように見えた部分と、背の一部にも毛が焼けた部分があり、太ももの内側にはライターによるやけどと思われる部分も。
強盗前の暴行で死亡した可能性「低い」
Q:第1暴行、その後の午後11時47分までを第2暴行、そこから翌日午前1時22分ごろまで第3暴行と呼んでいます。被害者の顔面の写真を見ると、午後11時24分ごろの写真、午前1時すぎの写真にかけて、顔の形が膨張しているように見えます。これはなぜですか。 A:頭部や顔面にかなり多量の出血をしたことによって、腫れ上がった状態になっているためです。
Q:第1暴行の動画や音声から、第1暴行の時点で被害者の脳機能に障害が生じていたか判断できますか。 A:会話の内容や声の大きさから、正常に会話できていると考えられ、大きな脳機能障害はなかったと思う。
Q:第2暴行の音声では、被害者がお金を要求されている場面が。その話し方などから、脳機能に障害が生じていると感じられる部分は? A:特にはありません。
Q:第2暴行を受けている時点で、脳機能に障害を及ぼすほどの顔面や頭部の出血はなかったと考えられますか。 A:そう思います。
Q:第3暴行で、被害者が土下座していた動画の時点では、脳機能に何らかの障害があったと考えられますか? A:はい。姿勢を維持できなくなっているように見えましたし、話し方もやっと話している様子でした。意識障害が生じていてもおかしくないと考えます。
Q:第3暴行時、被害者は髪の毛などに火をつけられたりしましたが、大きく動いたり抵抗したりする様子はありませんでした。理由として考えられることはありますか。 A:頭部や顔面、その他の出血もあり、かなり弱っていて反応が鈍くなっていたと考えられます。
Q:第1暴行は約6分間で、その間、顔面や胸部に暴行を受けていました。この第1暴行だけで被害者が死亡した可能性はありますか。 A:低いと思います。
Q:なぜそう言えるのですか。 A:第1暴行の時点で死亡するような外傷を受けていたとすれば、第2暴行や第3暴行の時には、ほとんど意識を失っているような状態になっていたと考えられます。しかし、その後も普通に会話できているため、第1暴行の時点で死ぬような外傷を受けたとは考えにくいです。
18歳高校生男の“ライダーキック”腎臓を損傷させた可能性
【裁判員の証人尋問】
Q:頭や顔が腫れ上がるほどの出血があったということですが、頭部だけで全体の出血量のどの程度があったと考えられますか。 A:全体の出血量の6割から7割ぐらいだったと。
Q:背中の右腎臓の損傷についてです。(当時18歳の高校生の男)の「ライダーキック」の動画を見たということですが、このライダーキックによって損傷した可能性はありますか。 A:はい。背中への強い打撃によって生じたと考えられるから。
Q:第3暴行が終わった後、すぐに救急車を呼んで病院に運び、処置をしていれば、被害者が助かっていた可能性はありますか? A:可能性はあると思います。
【裁判官の証人尋問】
Q:被告人の話の中で、被害者の歯が折れていたという話題も出ていましたが、その点は? A:今すぐには思い当たりません。ただ、口がかなり腫れて切れたりしていたので、歯が折れている可能性も十分あると思います。
裁判長からも質問 助かった可能性
【高杉昌希裁判長の証人尋問】
Q:第3暴行が終わった後に救命措置が行われていれば命が助かった可能性があるという話でしたが、どの程度の可能性だったと? A:速やかに救急の専門的な病院に運ばれて、輸血などが行われていれば、十中八九、高い確率で助かっていたかと。ただし、脳機能には障害が残った可能性はあります。
Q:生命が助かるかどうかという意味であり、健康な状態に戻るかどうかとは別の話ですね? A:はい。
Q:右腰椎横突起の骨折は、例えば路上で普通に転んだようなことで生じるものですか。 A:転倒して少しぶつけた程度ではならず、その部分に集中的に強い打撃が加わり、背中側から組織がのめり込むような力がかかってできるようなものです。
Q:第1暴行だけで死亡につながる外傷が生じたわけではないという根拠をまとめると? A:被害者の顔などの損傷の状況や動画などから。第1暴行や第2暴行の時点では、被害者は普通に会話できていました。その時点で撮られた画像では、外傷もほとんどない状態でした。また、その時点では被害者も防御できていたと考えられ、意思疎通も問題なくできていました。 そのため、第1暴行や第2暴行で死亡するような外傷を負っていたとは考えられません。一方で、第3暴行では、途中途中の画像などから、急速に顔などの出血が広がり、弱っていく様子が見てとれる。ゆえに第3暴行が非常に重要だと考えられます。
Q:とはいえ第1暴行、第2暴行からの蓄積もあったという理解でよいですか? A:はい。出血していることが死亡につながっているわけですから、第1暴行、第2暴行でも、当然、出血は生じていて、蓄積がありました。

買い取り手数料、実は90% 電子ギフトで注意喚起

インターネット通販などで使える「電子ギフト」の買い取りサイトを巡り多くの被害情報が寄せられているとして、特定適格消費者団体「消費者機構日本(COJ)」が注意を促している。買い取り金額の「90%を手数料として差し引く」といった消費者が大幅に不利になる条項を分かりにくく表示する二つの事業者とサイト名を公表した。
ネクスト(福岡市)が運営する「買取ヤマト」と、ネクストワールド(東京都渋谷区)の「信和ギフト」で、代表取締役は同じ人物とみられる。無関係の別の買い取りサイトと似た名称を使っており、COJは混同しないよう呼びかける。
2社のサイトは、利用規約に「お急ぎ依頼をした場合、90%を手数料として差し引く」と記載し、買い取りを申し込むと「お急ぎ依頼」の項目があらかじめチェックされる仕組み。チェックを外した場合も、お急ぎ依頼でない申し込みは、代金の振り込み時期を「通常2年前後、最大10年以内」としており、長期間受け取れない恐れがある。
共同通信は2社に取材を申し込んだが、1日までに回答はなかった。

浅間山にハイカーの列 登山規制、3年2カ月ぶり緩和で

長野・群馬県境の浅間山(2568メートル)の登山規制が3年2カ月ぶりに緩和され、待ちかねた多くのハイカーが訪れている。狭かったり急坂だったりする登山道では渋滞も。山中のうち、入山が認められている最高点の前掛山(2524メートル)では、記念写真を撮る人の行列ができている。
気象庁は5月22日、浅間山の火山性地震が減るなど火山活動が低下しているとし、噴火警戒レベルを2から最低の1に引き下げ、山頂火口から500メートルを超えて被害が及ぶ可能性は低くなったと発表した。
これを受け、地元の長野県小諸市などは23日、登山禁止範囲について火口から2キロとしていたのを500メートルに緩和。火口の南西にあるピーク・前掛山への登山を可能とした。ただ、気象庁がごく小規模の噴火の可能性はあるとしているため、浅間山山頂への登山は引き続き禁止している。
小諸市の登山口にある「浅間山荘」によると、レベル2の間は黒斑山(くろふやま)(2404メートル)など外輪山しか行けず、登山者は少なかったが、30日は駐車場に280台が入った。
実際は場内にスペースがあっても、ネット情報などで駐車できないと見込んだのか、登山口の3キロ手前から各所に路上駐車も発生。道路両側に駐車された場所では通行車のすれ違いもできなくなり、路肩に止めないよう呼びかけたという。【去石信一】

【台風6号】九州南部・奄美で線状降水帯のおそれ あすにかけ西~東日本で警戒

台風6号は、3日にかけて西日本や東日本に接近するおそれがあり、厳重な警戒が必要です。
台風6号は現在、奄美大島の西を北上していて、奄美大島や徳之島が暴風域に入っています。台風は、奄美地方を通過したあと、進路を東よりに変えて本州の南岸を進む見込みで、西日本や東日本の広い範囲に暴風や大雨をもたらすおそれがあります。
3日朝にかけて予想される雨の量は、近畿で350ミリ、九州南部や奄美、四国、東海で300ミリなどとなっています。特に、九州南部や奄美では、活発な雨雲が連なる線状降水帯が発生して大雨による災害発生の危険度が急激に高まるおそれがあります。
また、風の強さは、九州南部と奄美、四国で40メートルとなっていて、走行中のトラックが横転するような猛烈な風が吹くおそれがあります。
最新の台風情報を確認して、大雨や暴風による災害に厳重に警戒してください。

靖国参拝、消費税、自衛隊の呼称変更…保守層を落胆させる高市首相の“ちょっとだけ改革”

日本国民は令和8年2月8日に行われた総選挙で、高市早苗氏率いる自民党に圧倒的な勝利を与えた。多くの国民が高市早苗という政治家に、国の将来を託したのだ。国家の運営は複雑で多岐にわたる。国内情勢はもちろん、世界情勢、技術革新、自然の変化等など、多くの変化要因を踏まえ、「解」を導き出す極めて難しい作業である。自民党が長年にわたって運営してきたわが国は、確実に世界における地位を落としてきた。これは、多くの国民が感じている現実だ。不幸にしてわが国は自民党以外に政権を担える政党が育ってこなかった。政党の離合集散、数々の変革などのたびに、国民は期待してきたが、凋落(ちょうらく)傾向が上向くことはなかった。少子化問題、教育問題をはじめとするロングレンジの施策は、ほとんど功を奏しているとは言えない。国家戦略の根本は「憲法」であるが、憲法問題となると、第9条に議論が集中し、「平和か戦争か」のいわゆる神学論争が繰り返されてきた。一方で、すぐにでも実行できる政策もある。高市総理が「やる!」と決断し、組織を動かそうとするか、動かすことができるかだ。ここでは国民から見た、わかりやすい点と、防衛問題に関しての施策実行現状について考える。“ちょっとだけよ”で終わらないことを願う。国民目線から見る高市政権への期待と現状簡単に言えば国民の望んでいることは「安心できる生活と明るい未来」であろう。高市氏が多くの国民に支持を得たのは、日頃の言動、自民党総裁選と、総選挙に際しての公約等に期待したからに他ならない。「物価の安定」が総選挙の各党の目指すところであったと思うが、米国・イスラエルとイランの戦争、これに伴ったホルムズ海峡の封鎖など、予期しなかった事態に際して、物価は上昇を続けている。安全保障、経済問題など、複雑な要素の絡む問題は、施策実行に時間がかかるとともに、すぐに結果が出るものでもない。ここでは、国民から見た、わかりやすい点と、防衛関連事項についてチェックしてみる。1.靖国神社参拝問題高市氏は、前回、石破茂氏と自民党総裁選を争った時、総裁になっても、総理になっても、これまで通り靖国神社に参拝すると明言していた。総務大臣就任時にも参拝されていることから、総裁選後すぐに秋の例大祭があった際、保守層のかなりの人が参拝するのではないかと、ひそかに期待していた感がある。今回の総裁選、総選挙では靖国参拝は公言されなかった。はたして、総選挙後の総理大臣就任以降の春季例大祭には参拝しなかった。保守層はがっかりした感がある。なぜなら、総理大臣が靖国神社に参拝し、今後も継続的に参拝することを明言する以外に、この問題に関する、他国の不当な内政干渉を断ち切ることはできないからだ。高市総理はその機会を逸したといえる。
日本国民は令和8年2月8日に行われた総選挙で、高市早苗氏率いる自民党に圧倒的な勝利を与えた。多くの国民が高市早苗という政治家に、国の将来を託したのだ。
国家の運営は複雑で多岐にわたる。国内情勢はもちろん、世界情勢、技術革新、自然の変化等など、多くの変化要因を踏まえ、「解」を導き出す極めて難しい作業である。自民党が長年にわたって運営してきたわが国は、確実に世界における地位を落としてきた。これは、多くの国民が感じている現実だ。
不幸にしてわが国は自民党以外に政権を担える政党が育ってこなかった。政党の離合集散、数々の変革などのたびに、国民は期待してきたが、凋落(ちょうらく)傾向が上向くことはなかった。少子化問題、教育問題をはじめとするロングレンジの施策は、ほとんど功を奏しているとは言えない。
国家戦略の根本は「憲法」であるが、憲法問題となると、第9条に議論が集中し、「平和か戦争か」のいわゆる神学論争が繰り返されてきた。
一方で、すぐにでも実行できる政策もある。高市総理が「やる!」と決断し、組織を動かそうとするか、動かすことができるかだ。ここでは国民から見た、わかりやすい点と、防衛問題に関しての施策実行現状について考える。“ちょっとだけよ”で終わらないことを願う。
簡単に言えば国民の望んでいることは「安心できる生活と明るい未来」であろう。高市氏が多くの国民に支持を得たのは、日頃の言動、自民党総裁選と、総選挙に際しての公約等に期待したからに他ならない。
「物価の安定」が総選挙の各党の目指すところであったと思うが、米国・イスラエルとイランの戦争、これに伴ったホルムズ海峡の封鎖など、予期しなかった事態に際して、物価は上昇を続けている。
安全保障、経済問題など、複雑な要素の絡む問題は、施策実行に時間がかかるとともに、すぐに結果が出るものでもない。ここでは、国民から見た、わかりやすい点と、防衛関連事項についてチェックしてみる。
1.靖国神社参拝問題
高市氏は、前回、石破茂氏と自民党総裁選を争った時、総裁になっても、総理になっても、これまで通り靖国神社に参拝すると明言していた。総務大臣就任時にも参拝されていることから、総裁選後すぐに秋の例大祭があった際、保守層のかなりの人が参拝するのではないかと、ひそかに期待していた感がある。
今回の総裁選、総選挙では靖国参拝は公言されなかった。はたして、総選挙後の総理大臣就任以降の春季例大祭には参拝しなかった。保守層はがっかりした感がある。なぜなら、総理大臣が靖国神社に参拝し、今後も継続的に参拝することを明言する以外に、この問題に関する、他国の不当な内政干渉を断ち切ることはできないからだ。高市総理はその機会を逸したといえる。

道内ことし初の真夏日相次ぐ 熱中症疑いで少なくとも8人病院搬送 32.8℃の帯広では重症者も

北見や帯広など内陸部を中心に真夏日を観測した道内ではきのう、熱中症の疑いでの病院搬送が相次ぎました。
道内ではきのう、熱中症の疑いで少なくとも8人が病院に搬送されました。
消防によりますと、このうち、32.1℃まで気温が上がった遠軽町では、屋外にいた90代男性が病院に搬送されました。
また、最高気温32.8℃を観測した帯広市では、10代、60代、70代の男性3人が熱中症の疑いで病院に搬送されていて、このうち屋外にいた60代の男性が重症だということです。

住宅で“切り傷”…60代男女死亡 「ケアマネージャーの首切った」男性が女性を切りつけたか 埼玉・川口市

埼玉県川口市の住宅で1日、60代の男女2人が首に切り傷がある状態で発見され、その後、死亡が確認されました。警察は、男性が女性を切りつけたとみて調べています。
警察や消防によりますと、1日午後、川口市の住宅で男性の声で「ケアマネージャーの女性の首を包丁で切りました。これから自分のことも刺す」などと110番通報がありました。
警察官が現場にかけつけたところ、ケアマネージャーとしてこの住宅を訪れていた鈴木希代子さん(63)が首に切り傷がある状態で発見されました。また、この住宅の住人の男性(60)が、自らの首を刃物で切りつけていたということです。
2人は病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
近隣住民によりますと、この男性は母親と2人暮らしで、母親を介護する状態が続いていたということです。
現場からは血のついた刃物が見つかっていて、警察は男性が鈴木さんを切りつけたとみて当時の詳しい状況を調べています。