参院選の東京選挙区、自民が鈴木大地氏を擁立へ調整…スポーツ庁の初代長官

自民党は、夏の参院選東京選挙区(改選定数6)に、新人で前スポーツ庁長官の鈴木大地氏(58)を擁立する方向で調整に入った。複数の党幹部が明らかにした。
鈴木氏はソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダリストで、スポーツ庁の初代長官を2015年10月から20年9月まで務めた。
自民は同選挙区で、現職の武見敬三氏の公認を決めている。同選挙区では、非改選の欠員1を補充する「合併選挙」が行われ、7人が当選する。

飲酒で退学勧告は「違法」、高校側に賠償命令…東京地裁「学校の裁量権を乱用」

飲酒を理由に退学を強いられたのは違法だとして、東京都内の私立高校の元女子生徒(18)が、同校を運営する学校法人と当時の校長に慰謝料など約240万円の賠償を求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。中村心裁判長は「飲酒が退学とすべき悪質なものとは言えず、著しく均衡を失している」と述べ、学校側に約66万円の支払いを命じた。
判決によると、元女子生徒は1年生だった2022年8月、友人の家で飲酒し、その様子を撮影した動画をSNSに投稿した。同校は退学を勧告し、元女子生徒は自主退学した。訴訟で同校側は、集団での飲酒は常習化を招いて他の生徒への影響を無視できず、処分は相当だと訴えていた。
判決は、飲酒は非難に値し、SNS投稿が学校秩序に及ぼす影響も低いとは言えないとしつつ、直ちに学外に排除するほど悪質とは言えないと指摘。停学など他の処分を検討しなかったとして、「学校の裁量権を乱用する違法なものだ」と結論付けた。

オンラインカジノ規制強化へ、サイト開設や誘導広告を禁止…今国会での法案提出で与野党が合意

与野党は15日、違法なオンラインカジノの規制強化に向けた実務者協議を国会内で開き、ギャンブル等依存症対策基本法改正案を今国会に提出することで合意した。カジノサイトの開設や運営を禁止することなどが柱だ。月内にも、衆院内閣委員会の委員長提案で法案は提出される見通しで、今国会で成立する公算が大きくなった。
改正案は、カジノサイトの開設・運営のほか、カジノサイトに誘導する広告掲載、SNSなどでのカジノサイトへの誘導行為を禁止する。現在は「抜け穴」とされるこれらの行為を違法化し、警察などから要請を受けた情報通信事業者が広告や投稿を削除しやすくする狙いがある。
政府や地方自治体がオンラインカジノは違法だと周知する広報、啓発に取り組むことも盛り込まれた。ただ、罰則規定はなく、実効性の確保が課題となる。
この日の協議には、自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産、れいわ新選組、有志の会の8党・会派の実務者が出席した。自民、公明、立民の3党がまとめた改正案について、今月末までに各党派内での手続きを済ませ、速やかに委員会に提出することを確認した。
オンラインカジノを巡っては、総務省も抑止策を検討する有識者会議を4月に発足させ、カジノサイトへの接続を強制的に遮断する「ブロッキング」の実施に向けた検討を始めている。
海外では認められているオンラインカジノも、国内から利用すれば、刑法の賭博罪に当たる。警察庁が3月に公表した調査結果では、違法なオンラインカジノの経験者は国内で約337万人、年間の賭け金総額は約1・2兆円に上る。経験者の31%が20歳代、27%が30歳代で、違法と知らずに利用する人も多く、対策が急務となっている。

斎藤知事、立花氏への支援否定 「公務優先で仕事をしていく」

夏の参院選兵庫選挙区への立候補を表明した政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が斎藤元彦兵庫県知事からの支援に期待感を示したことについて、斎藤氏は15日の定例記者会見で「個別の候補者の対応は考えていない」と述べ、支援の可能性を否定した。
立花氏は昨年の県知事選で斎藤氏の支援を目的とした「2馬力」の活動を展開。立花氏は13日、兵庫選挙区への出馬会見で「くすぶり続ける兵庫県政の問題を強く訴えたい」と説明し「斎藤さんが『応援するよ』と言ってくれたらありがたい」「片思いの状態だ」と語っていた。15日にはX(旧ツイッター)で、団体名称を「NHK党」に変更したと表明している。
15日の会見で立花氏への支援の可能性を問われた斎藤氏は、発言内容を把握していないとした上で「考えていない。公務優先で仕事をしていく」と強調した。
また、自身の疑惑を告発した元県幹部の私的情報が漏えいした問題で、県職員が関与した可能性が高いとした第三者委員会の報告書については、改めて「重く受け止める」とした。

離陸1分後に高度失ったか=旋回中、機影消失の数十秒前―救難信号確認されず・空自機墜落

航空自衛隊の練習機「T4」が愛知県犬山市の入鹿池に墜落した事故で、同機が離陸の約1分後、旋回して上昇していく中で高度を失い、その数十秒後に機影がレーダーから消えていたことが15日、分かった。空自トップの内倉浩昭航空幕僚長が定例会見で明らかにした。
内倉幕僚長によると、事故機は新田原基地(宮崎県新富町)に向かうため、14日午後3時6分に小牧基地(愛知県小牧市)から北に向けて離陸。約1分間は空港の管制官と通常通りの交信をしていた。
その後、地上から約5000メートルまで上昇する計画だったが、約1400メートルで高度を失い、その数十秒後の同8分ごろ、基地の北東約13キロの犬山市付近上空でレーダーから機影が消えたという。
パイロットが緊急脱出する際、自動的に発信される救難信号が確認されなかったことも判明。管制官との交信でも異常を知らせるやりとりはなかった。
空自は15日、行方不明となっている隊員はいずれも第5航空団(宮崎県)所属の井岡拓路1等空尉(31)と網谷奨太2等空尉(29)と明らかにした。総飛行時間は井岡1尉が約1170時間のベテランで、網谷2尉は約480時間だった。どちらが操縦していたかは確認中としている。
空自によると、事故機には飛行データを記録するフライトデータレコーダー(FDR)が搭載されていなかった。自衛隊は調査委員会を設置し、事故当時の詳しい状況を調べる方針だが、FDRがないため調査が難航する可能性もある。
自衛隊は同日、ヘリコプター3機や航空機2機などを投入し、約240人態勢で現場周辺を捜索。新たに座席シートや酸素ボトルとみられる物などを発見した。 [時事通信社]

山形の女子高生誘拐、容疑者「身に覚えがある」…警察が自殺ほう助容疑も視野に捜査

山形県の女子高校生をSNSで誘い出して連れ去ったとして、未成年者誘拐容疑で同県警に逮捕された福島市、無職の男(36)が、容疑について「身に覚えがある」と供述していることが15日、捜査関係者への取材でわかった。高校生は昨年9月に遺体で見つかり、近くに使用済みの練炭があった。県警は自殺ほう助容疑も視野に調べている。
発表などによると、男は昨年9月2日、高校生を山形市内で軽乗用車に乗せ、山形県上山市内に連れ去った疑い。
男は、福島県内で昨年5月~今年1月に別の男女4人の練炭自殺を手助けしたなどとして、自殺ほう助や嘱託殺人未遂などの罪で福島地検郡山支部に起訴されている。
山形県警は15日、未成年者誘拐容疑で男を山形地検に送検した。

ホタテ加工場で有毒ガス発生か 2人倒れ、1人死亡 北海道

15日午後2時ごろ、北海道枝幸町新港町のホタテ加工工場で「硫化水素が発生しているところに男性2人が落ちた」と、枝幸署に消防から通報があった。工場内の水産廃棄物処理施設で倒れた40代の男性作業員2人が、ともに意識不明の状態で病院に搬送され、1人の死亡が確認された。
道警によると、現場では3人が午後から、汚水貯蔵用タンクのポンプを交換する作業をしていた。1人がはしごでタンク内に入り、清掃や内部の確認作業をしていたところ倒れたといい、その様子を見て助けようと内部に入った別の1人も倒れたという。道警は、何らかの有毒ガスが発生していたとみて、詳しい状況を調べる。【谷口拓未】

生後1か月の次女が暴行され死亡、胸や足に骨折やあざ…24歳父を容疑で逮捕

生後1か月の次女に暴行を加えて死亡させたとして、群馬県警は15日、埼玉県越谷市東越谷、会社員狩野正輝容疑者(24)を傷害致死容疑で逮捕した。
発表によると、狩野容疑者は2021年10月18日~同年11月28日頃、当時住んでいた前橋市朝日町のアパートで、生後1か月の次女・茉夕(まゆ)ちゃんに暴行を加え、外傷性ショックで死亡させた疑い。容疑を認めている。茉夕ちゃんの胸や足に骨折やあざがあり、県警は繰り返し暴行を加えたとみている。
11月28日に狩野容疑者が「乳児が心肺停止」と119番し、茉夕ちゃんは搬送先の病院で死亡が確認された。狩野容疑者は当時、妻と娘2人と4人暮らし。県警は家族や医療関係者への聴取などで、狩野容疑者の関与を特定した。

20代男性巡査「高校時代から盗撮していた」警察署の女子トイレで盗撮しようとしたか 自宅PCには“下着映る動画”など120件 京都府警

警察署の女子トイレなどで盗撮か。京都府警が男性警察官2人を書類送検です。
撮影処罰法違反の疑いで5月15日に書類送検されたのは、京都府警中京署の20代の男性巡査と下鴨署の40代の男性警部補です。
中京署の20代の男性巡査は今年3月、署の女性用トイレに小型カメラを設置し盗撮しようとしたほか、2月から3月にかけて駅や電車で女性のスカートの中を盗撮した疑いが持たれています。
今年3月、予備のトイレットペーパーに挟まれた小型カメラを清掃員が見つけて事件が発覚。巡査の自宅のパソコンには若い女性の下着が映った動画など約120件が保存されていて、「高校時代から盗撮していた」と話しているということです。
また下鴨署の40代の男性警部補は今年2月と4月、左京区の警察施設のトイレに私物のスマートフォンを仕掛け、女性警察官を盗撮した疑いがもたれています。
被害にあった女性警察官がスマホを発見し、事件が発覚。スマホからは盗撮したとみられる動画が約70件見つかっていて、警部補は「被害女性の尻を見てみたい」と話しているということです。
京都府警は2人を停職3か月の懲戒処分とし、ともに15日付で依願退職したということです。

サイバー防御法案、16日成立=通信監視、無害化で対処

参院内閣委員会は15日、平時からネット空間の通信情報を監視してサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入法案を採決し、与党と立憲民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決された。16日の参院本会議で可決、成立する見通し。
15日の委員会には石破茂首相が出席し、憲法が保障する「通信の秘密」について、「不当に侵害することのないよう、法律の規定を確実に順守していく」と強調。今後の具体的な制度設計については「十分に配慮しながら定める。通信の秘密の尊重を徹底していきたい」と述べた。立民の木戸口英司氏への答弁。
能動的サイバー防御は、政府機関や重要インフラへのサイバー攻撃の脅威が高まっていることを踏まえ、2022年策定の国家安全保障戦略で導入を明記。「欧米主要国と同等以上」の能力確保を掲げた。
政府は、日本を経由する外国同士の通信と、国内・国外間の通信を取得・分析し、重大攻撃の兆候があれば警察と自衛隊が攻撃元サーバーに侵入し無害化する。内閣府外局として創設する独立機関「サイバー通信情報監理委員会」が一連の措置を審査する。攻撃者に関する機微な情報をインフラ事業者と共有するなど、官民連携も強化する。
衆院では、(1)「通信の秘密」尊重条項(2)監理委員会の国会報告事項明示(3)施行後3年目めどの見直し規定―を追加する法案修正が行われた。
15日の参院内閣委では、国会報告について「内容の拡充に努め、政府全体として誠実に対応する」ことなどを求める付帯決議も採択された。 [時事通信社]