小泉進次郎防衛相(衆院神奈川11区)は7日、来日したオーストラリアのマールズ副首相兼国防相と防衛省で会談した。中国軍戦闘機が6日に航空自衛隊の戦闘機にレーダーを照射した事案を受け、安全保障面での連携強化の方針を確認した。また閣僚をトップとする「戦略的防衛調整枠組み」の設置に合意。当局間で防衛政策やサイバー、ミサイル防衛など幅広い分野を協議する。 会談の冒頭、小泉氏はレーダー照射について「安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為だ。毅然(きぜん)かつ冷静に、地域の平和と安定に向けた対応を進めていく」と強調。中国に対しては強く抗議し再発防止を厳重に申し入れたと説明した。マールズ氏は「大変憂慮すべき事態。強い決意を持って日本と力を合わせて行動していく」と応じた。
台湾についても議論し、小泉氏は会談後の共同記者会見で「東・南シナ海の情勢に関する深刻な懸念を改めて表明し、力による一方的な現状変更の試みに対する強い反対を再確認した」と述べた。マールズ氏は「台湾海峡を巡る現状の変更は望んでいない」とした。
オーストラリア海軍の新型艦導入計画で海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)の能力向上型が共同開発のベースに採用されていることを巡っては、本年度内の契約締結に向けて協議を続けていくことを確認したという。
共同会見後に両氏は防衛省の敷地内を一緒にランニング。小泉氏は会見で「日豪防衛協力をさらに進める決意を胸に、肩を並べて疾走する姿を世界に発信したい」と狙いを説明していた。
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中国大使を呼び出し強く抗議 中国も外務次官に「強烈な抗議」
防衛省は7日、沖縄本島南東の公海上空で6日、中国海軍の空母から発艦したJ15戦闘機が航空自衛隊のF15戦闘機に対し、2回にわたってレーダー照射したと発表した。戦闘機のレーダーはミサイル発射に向けた準備段階となる火器管制や、周囲の捜索の目的で使用する。高市早苗首相は石川県輪島市で記者団に「極めて残念だ。中国側に強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れた。冷静かつ毅然と対応する」と述べ、中国軍への警戒監視活動に万全を期す考えを示した。
日中関係は台湾有事に関する高市氏の発言で急速に悪化しており、安全保障面を含め、緊張が一層高まる恐れがある。船越健裕外務事務次官は中国の呉江浩駐日大使を外務省に呼び、危険な行為であり「強く抗議する」と伝えた。中国側は呉氏が強烈な抗議をしたと発表。中国海軍も「自衛隊機が海軍の訓練海空域に複数回接近して妨害し、中国側の飛行の安全を重大に脅かした」と反発する談話を出した。
中国軍機から自衛隊機への照射が防衛省発表で公になるのは初。
中国軍機が自衛隊機にレーダー照射、双方は目視できない距離を飛行…首相「冷静かつ毅然と対応」
防衛省は7日、沖縄本島南東の公海上空で6日午後に中国海軍の空母「遼寧」を発艦したJ15戦闘機から、対領空侵犯措置を実施中の航空自衛隊のF15戦闘機が、2回にわたってレーダー照射を受けたと発表した。中国軍機から自衛隊機がレーダー照射された問題を防衛省が公表するのは初めて。不測の事態を招きかねない危険な行為だとして、日本政府は外交ルートを通じて中国側に抗議した。
高市首相の国会答弁を巡って日中間の緊張が高まる中、中国が日本に圧力をかける狙いがあった可能性がある。高市首相は7日午後、石川県で能登半島地震などの被災地を視察した後、取材に応じ、「このような事案が発生したことは極めて残念だ。冷静かつ毅然(きぜん)と対応していく」と述べた。船越健裕外務次官は7日、中国の呉江浩(ウージャンハオ)駐日大使を外務省に呼んで抗議し、再発防止を厳重に求めた。
防衛省によると、1回目の照射は6日午後4時32分頃から同35分頃にかけて、2回目は午後6時37分頃から午後7時8分頃にかけて行われた。1回目と2回目で照射を受けたF15は別の機体で、いずれもF15側で照射を探知した。日中双方の機体は目視できない距離を飛行していた。F15や搭乗員に被害はなかった。
遼寧は5日午後2時頃、沖縄・久場島の北約420キロを航行しているのが確認され、6日午前7時頃、駆逐艦3隻とともに沖縄本島・宮古島間を抜けて太平洋に進出した。その後、沖大東島の西約270キロの海域でJ15などが発着艦したため、領空侵犯の恐れがあるとしてF15が緊急発進していた。発着艦は6、7日で約100回に上った。
戦闘機のレーダーは、射撃の準備段階として目標を捕捉・追尾する火器管制のほか、周辺の捜索などにも用いられる。今回、一定時間断続的に照射されたことなどから、防衛省は捜索の用途でなく、F15を狙った行為と判断した。7日未明に防衛省で緊急記者会見した小泉防衛相は「航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為であり、極めて遺憾だ」と述べた。
中国軍を巡っては、尖閣諸島(沖縄県)の国有化を巡って日中関係が緊迫していた2013年1月にも、フリゲート艦が海自の護衛艦に火器管制レーダーを照射した問題が起きている。
中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射に関する高市首相と小泉防衛相の発言要旨は次の通り。
立憲民主の野田代表、中国軍機のレーダー照射を批判「挑発が過ぎる」…首相答弁との関係は「わからない」
航空自衛隊の戦闘機が中国軍の戦闘機からレーダー照射を受けた事案を巡り、立憲民主党の野田代表は7日、「極めて危険な行為で挑発が過ぎる」と述べ、中国軍の行動を批判した。
訪問先の滋賀県米原市で記者団の質問に答えた。野田氏は、台湾有事を日本の「存立危機事態」に認定しうるとした高市首相の国会答弁との関係は「わからない」とし、「どんな理由でもやってはいけない行為だ」と強調した。
公明党の斉藤代表は大分市で「より大きな摩擦にならないよう冷静な対応が必要だ」と記者団に語った。
乳児バラバラ遺体の冷蔵庫、日常的に使用 設置室内に風俗店関係者20人以上出入りか
東京都墨田区江東橋の風俗店で6日夜、冷蔵庫から乳児の切断遺体が見つかった事件で、冷蔵庫の置かれていた室内には関係者20人以上が出入りしていたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は死体損壊・遺棄事件とみて詳しい状況を調べている。
警視庁によると、乳児の切断遺体は、派遣型風俗店の待機場と事務所を兼ねた室内に置かれた冷蔵庫上段の冷凍庫部分から発見された。両手足は食品保存容器に入れられ、ポリ袋に包まれていたという。その上に、ポリ袋に直接入れられた頭部が置かれていた。
6日午後に出勤してきた男性従業員が午後8時ごろから店内の掃除を始め、冷蔵庫内も清掃しようとして遺体を見つけた。午後9時ごろ、その男性従業員が「店の冷蔵庫を清掃していたら子供の頭のようなものを見つけた」と110番通報した。
冷蔵庫内には、飲料や食品なども保存されており、日常的に使用されていたとみられる。発見当時は、冷蔵庫の置かれていた室内には男性従業員しかいなかったが、ここには、店の関係者ら20人以上が出入りしていたという。
乳児は、生後数カ月から1年以内とみられ、性別不明だという。胴体は見つかっていない。遺体は刃物のようなもので切断されたとみられ、警視庁は司法解剖を行い死因などを調べる方針だとしている。
立憲民主党の岡田克也衆議院議員が恵庭市で講演 高市総理には台湾有事めぐり「慎重な発言を求めた」
高市総理の台湾有事をめぐる発言を引き出した立憲民主党の岡田克也衆議院議員が恵庭市で講演し「慎重な発言を求めた」と話しました。
立憲民主党岡田克也衆院議員「台湾有事は日本有事だと、そうゆうことはよろしくないと考えて、総理としていままでの発言ではない慎重な発言を求めた」
先月7日衆議院予算委員会で高市総理が台湾有事に関して「存立危機事態になりうる」と発言したことは立憲民主党の岡田克也衆議院議員の質問に対してのものでした。
7日、恵庭市で講演した岡田衆議院議員は「高市総理の発言は大変驚いたし、非常に問題があった」と話しました。
立憲民主党岡田克也衆院議員「明らかに踏み込んだことは間違いないこれをどうゆうふうにして事実上修正していくのかはぼくらが言う話ではない」
【高市早苗首相に4000万円寄附】謎の神殿、さなえまんじゅう、右翼の影…この宗教団体は何者なのか
時の首相を巨額の金銭で支える宗教法人が、地元の奈良に存在した。
4000万円におよぶ献金、住宅街に突如姿をあらわす神殿。売りさばかれる「さなえまんじゅう」に「サナ活ランチ」、ちらつく右翼団体の影。
謎に包まれる宗教団体の実体に迫った――。
「ここには教祖も信者もおらんのです」
神殿の「見守り」役だと自称する女性は、記者にそう話した。
奈良市内の住宅街の一角。外観は一見民家だが、玄関にはしめ縄が設えられている。一歩足を踏み入れると、そこは赤、緑、ピンク、水色と極彩色の世界だ。左右に大きな太鼓が配置され、中央奥に祭壇があった。
「見守り」女性に尋ねた。
――ここは?
「ここは天照大神様を祀ってますねん」
――高市首相との関係は?
「何も知らへんのです」
この謎の神殿が、実は高市早苗首相(64)の重要な資金源なのである。
◇
高市氏の首相就任から1カ月半が過ぎた。今年11月下旬に、昨年分の政治資金収支報告書が公開され、高市氏を支えるスポンサーの存在が明らかになった。
収入の2割以上を占める金銭
高市首相が代表を務める「自由民主党奈良県第二選挙区支部」。2024年通算の収入額は約1億8000万円(前年からの繰り越し除く)となっているが、寄附者の欄に一際目立つ記載があった。
「(宗)神奈我良」なる団体が24年12月に、3000万円もの巨額を寄附している。更に、この宗教法人の代表者川井徳子氏(67)なる女性も同年7月、個人で1000万円を寄附しており、団体と個人合計4000万円もの金銭を高市氏に投じている。この政党支部の収入のうち2割以上が、いち宗教団体とその代表者によって占められている計算だ。
この「神奈我良」の所在地が、前述の奈良市内の住宅街である。記者は「見守り」の女性にさらに尋ねた。
――高市首相に莫大な寄附を?
「そうなんですか? 私は管理を任されているだけで」
――高市首相もお参りに来る?
「そんなことはないですね。オーナー(宗教法人代表の川井氏)も年に2回ほど来るくらい」
信者がいないという宗教団体代表でありながら計4000万円を捻出しているが、一体何者なのか。
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この宗教団体の詳しい成り立ち、代表者による「サナ活」ビジネス、そして直撃取材などを含めた記事を「 週刊文春 電子版 」で配信している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)
「強盗する」と自ら110番、コンビニで23万円奪う 容疑で32歳男を逮捕
コンビニ店員を脅して現金約23万円を奪ったとして、兵庫県警兵庫署は7日、強盗の疑いで、神戸市長田区長尾町の職業不詳、高野宏樹容疑者(32)を逮捕した。「人の現金をとって捕まった。何も言いたくない」などと話している。
逮捕容疑は7日午前2時15分ごろ、神戸市兵庫区御崎本町のコンビニで、商品を陳列していた女性店員(28)に「110番したらアカン、お金ちょうだい」などと脅し、現金約23万円が入った袋を奪ったとしている。
同署によると、店員が脅迫された後に警報器を鳴らすと、容疑者はその場から一時逃走。その後、容疑者が「強盗する」と自ら110番し、再び店内に押し入って現金を奪い逃げたという。店員にけがはなかった。現場近くで署員がタクシーに乗っていた容疑者を発見し、緊急逮捕した。
高市総理就任後初の石川県入り 奥能登で住民との意見交換も
高市総理が、就任後初めて県内入りし、能登半島地震と奥能登豪雨の被災地を視察しました。
午前10時頃、総理就任後初めて、県内入りした高市総理大臣。
空港内に設けられた献花台で、能登半島地震・奥能登豪雨の犠牲者に黙とうを捧げたあと、能登の被災地の復興状況を視察しました。
珠洲市大谷町の土砂崩れ現場や応急仮設住宅を訪れたほか、輪島朝市通りなどで、市長らから復興状況の説明や要望を受けました。
また、穴水町のスマイルマルシェでは、住民との意見交換も行われました。
■高市首相:
「インフラ復旧、生活となりわい再建など、被災地の一日も早い復旧復興に向けて、県市町、関係省庁と緊密に連携を図りながら課題の解決に取り組んでまいります」
馳知事から復興に対する要望書が手渡され、高市総理は、さきほど東京に戻りました。
「私は決して犯人ではありません」工藤会ヒットマン被告(59)は全面否認…「餃子の王将」社長射殺事件の解決を阻んでいる“2つの謎”
「私は決して犯人ではありません。決してが付きます」
11月26日、京都地方裁判所は物々しい雰囲気に包まれた。傍聴人は入念なボディーチェックを受け、廷内には防弾の仕切り板が設置された。
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長、大東隆行さん(当時72)が2013年に京都市内で射殺された事件で、殺人などの罪に問われている田中幸雄被告(59)の初公判が開かれたのだ。
「いずれも間接証拠で直接証拠がない」
「福岡に拠点がある特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部で、発生から9年後に逮捕された。当時、服役中だった別の銃撃事件では工藤会のヒットマンと認定されているが、本件では否認を続けている」(司法担当記者)
逮捕・立件の決め手は残された多くの物証だった。
「現場付近にはたばこの吸い殻2本が遺留され、唾液のDNA型が被告と完全に一致。犯行に使われたバイクの一台からは射撃残渣が検出され、もう一台の盗難現場周辺の防犯カメラには被告の幼馴染が所有する久留米ナンバーの軽自動車が映っていた。ただ、いずれも間接証拠で直接証拠がない」(社会部記者)
事件解明に欠かせない動機も依然として不明だ。
「王将の創業家一族は九州の某経営者との間に250億円以上の『不適切取引』があり、大東さんが取引解消に向けて動いていたことも分かっているが、事件との関連は不明。銃撃の指示役についても解明されていない」(捜査関係者)
検察側の立証ハードルは相当高い
実は、発生2年後にDNA鑑定結果が出てから逮捕までに7年を要している。
「京都府警はすぐにでも着手したかったが、事件の背景や動機、それに指示役が不明のままでは公判維持が難しいとして、検察がなかなか首を縦に振らなかった。最終的には最高検や警察庁を含めて協議し、ようやくGOサインが出たのが22年だった」(捜査幹部)
工藤会を長年捜査してきた福岡県警との連携不足も捜査を難航させたという。
「京都府警は現場の鑑識など地道な捜査で田中に辿り着いたが、工藤会に話を聞けるルートは脆弱で組織的関与を裏付けられなかった。最終的には合同捜査本部が設置されたが、福岡県警の捜査員からは『情報が共有されない。京都が勝手にやっているだけだ』との声が出るなどギクシャクしていた」(別の捜査関係者)
近年は「疑わしきは被告人の利益に」の原則が徹底され、被告がたとえ暴力団員であっても無罪判決が出るケースが少なくない。19年の銃撃事件で殺人未遂の罪に問われた山健組組長にも昨年、神戸地裁で無罪が言い渡され、関係者を驚かせた。
「何が無罪や、工藤会が何やねん。うちの大切なお父ちゃんを殺したんや!」
罪状認否の後、遺族女性の悲痛な叫びが廷内に響き渡った。検察側の立証ハードルは相当高いとされ、来年10月の判決が注目される。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年12月11日号)