近鉄奈良線の人身事故で54歳男性死亡、自殺か 一時運転見合わせ約4万人に影響

22日午後5時10分ごろ、大阪府東大阪市山手町の近鉄奈良線の踏切で、近鉄奈良発尼崎行きの普通電車(6両編成)と同市の男性(54)が接触した。男性は病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。
大阪府警枚岡署によると、運転士が踏切内に男性がいるのを発見し、ブレーキをかけたが間に合わなかった。運転士は「警笛を鳴らすと(男性が)しゃがみこむのが見えた」と説明しているという。同署は自殺の可能性があるとみて調べている。
近鉄によると、事故の影響で同線瓢箪山-石切間の上下線で約1時間15分間運転を見合わせた。帰宅ラッシュの時間帯と重なり、計41本が運休や部分運休したほか、計8本が遅れ、約4万人に影響した。

柏崎刈羽原発の“再稼働” 事実上決まる 県議会が知事を「信任」《新潟》

県議会は12月22日、東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働を容認した花角知事を信任する決議案を賛成多数で可決しました。これにより事実上決まった柏崎刈羽原発の再稼働。花角知事は23日、経済産業相に再稼働の容認を伝え、原発をめぐる「地元同意」の手続きは完了します。
12月22日、迎えた県議会最終日。
(リポート)
「花角知事が議場に入ります。再稼働を容認した知事を信任するかまもなく決着がつきます」
一方、県庁前には市民団体など約300人が集まり、抗議の声を上げました。
「県民の意思を聞いてから再稼働を決めてもらいたい」
「手続き的におかしい」
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発。知事が就任から7年をかけて出した結論は再稼働への「同意」でした。
〈花角知事〉
「新潟県としては(再稼働に)了解するとしたい。「信任できない」「知事の職務を続けるべきでない」と県議会が判断されるのであれば辞めたい」
傍聴席は満席となり、立ち見も出る中、県議会に問われた「信任」のゆくえが見守られました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「「信を問う」なら県民に直接問うのが筋です。自ら表明してきた「信を問う」このことについて公約違反です」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「国と自民党、そして知事らが水面下でシナリオを描き県民投票、知事選、議会議決という選択肢の中から最も確実に通る議会決着へと誘導してきた構図があきらかになっている。県民の意思をくみ取らない政治的決着にほかなりません」
県議会は知事を支持する自民党が県議会の過半数を占めます。このことから野党会派は、知事の「信任」は問われる前から確実になっていると反発しました。
その自民党…
〈自民党 高橋直揮県議〉
「県知事の職務を続けていく是非については「是」すなわち県知事の職務を続け、今後のかじ取りをになっていくべきという意味で「是」という意思を表明するものであります」
〈議長〉
「傍聴人は静粛に願います」
ヤジも飛び交う中、自民党と公明党は原発の安全対策の広報費に関する3142万円の補正予算案に付帯して、知事を信任する決議案を提出。そして…
〈議長〉
「本案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。起立多数よって本案は可決いたしました」
再稼働を容認した花角知事への信任は自民党や公明党などの賛成多数で可決。東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働が事実上決まりました。
東日本大震災発生の翌年、2012年から全号機が停止する柏崎刈羽原発。東京電力が運転する原発として福島第一原発の事故後、初めて再稼働することになります。
〈花角知事〉
「私は信任をいただいたと思っています。一つの区切りではありますけれどもこれが終わりではない。県民の安全安心を確保していくという意味では終わりがないきりがない話です」
閉会後、自民党の県議団からは来年行われる知事選挙を意識した声も上がりました。
〈自民党県連 岩村良一幹事長〉
「長い期間この問題に取り組んできて熟議議論が尽くされた結果だと考えている。早めとも言われている知事選にも対応していかなければならない」
野党系会派はこの結果に大きく反発しました。
〈未来にいがた 大渕健県議〉
「(知事は)あたかも自分の存在が議会によって支えられていると納得できるものではないですし、これで通ってしまうんだということに唖然としてしまう」
〈リベラル新潟 小泉勝県議〉
「春の県知事選挙に向けて首長の候補を立てられるように、原発は止められないんだけれども我々と意を同じくして県民目線で県民のための県政を確立しなきゃいけない」
柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の桜井市長は…
〈柏崎市 桜井雅浩市長〉
「ようやくここまで来たのかなとまず感想です。あと1月ある訳ですのでその間、何もなく再稼働に進んでもらいたいと思っています」
知事は23日、赤沢亮正経済産業大臣に再稼働の容認を報告。関係者によると、東京電力は来年1月20日を軸に再稼働する方向で調整しているということです。
柏崎刈羽原発の全号機停止から13年あまり…県が出した「再稼働容認」の結論は日本のエネルギー政策の大きな転換点となりそうです。

ヒグマ駆除で発砲し猟銃所持の許可取り消し処分、最高裁が弁論へ…ハンターの敗訴見直しの可能性

北海道砂川市の要請でヒグマを猟銃で駆除した際に民家付近で発砲したとして、道公安委員会から猟銃所持の許可を取り消す処分を受けた猟友会の男性(76)が、道に処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は22日、原告側と被告側の双方から意見を聞く弁論を来年2月27日に開くことを決めた。男性の敗訴とした2審判決が見直される可能性がある。
処分を巡っては、ハンターの責任が重すぎると猟友会関係者らが反発し、自治体の駆除要請を拒否できるとの方針が道内の猟友会で示される契機になった。市街地に出没したクマによる被害が多発する中、最高裁の判断が注目される。
昨年10月の2審・札幌高裁判決によると、道猟友会砂川支部長の男性は2018年8月、市の要請を受けてライフル銃でヒグマを駆除した。道公安委員会は19年4月、クマの後方に土手を挟んで民家があったことから、発砲した行為が銃刀法違反にあたるとして、銃の所持許可を取り消した。
21年12月の1審・札幌地裁判決は、男性が市の要請で出動したことなどを踏まえ、「所持許可の取り消しは、社会通念に照らして著しく妥当性を欠く」と処分を取り消すよう命じた。これに対し、2審判決は「弾丸が周辺の建物に到達するおそれがあった」と指摘。市の要請などの事情を考慮しても処分は妥当だとし、男性側の逆転敗訴とした。

痛恨の失敗、基幹ロケット全滅 持続的成長のため、萎縮せず検証、挑戦を

日本の宇宙開発に暗い影を落とす、痛恨の失敗だ。今回の主力大型ロケット「H3」8号機の打ち上げ失敗について、原因究明や対策完了にはかなりの時間がかかるとみられる。それまでは当然、新たなH3の打ち上げは見送られるはずだ。
先代の主力大型ロケット「H2A」が6月に引退し、日本はH3を代替できる機体はなく、当分は大型ロケットを失う。H3が目指す、民間企業の衛星打ち上げなどで急拡大中の宇宙輸送需要の獲得も遠のきそうだ。
H3は、来年度に予定されている火星衛星探査計画「MMX」の打ち上げにも使われる予定だが、探査計画に影響が出る可能性はゼロではない。
一方、日本には現在、利用できる小型ロケットもない。小型の固体燃料ロケット「イプシロンS」を開発中だが、新開発の第2段エンジンが、令和5年7月と6年11月の燃焼試験で2回連続で爆発。打ち上げの見通しが全く立っていない。
H3とイプシロンSはともに、情報収集衛星や気象衛星など、国の重要な衛星の打ち上げに使用する「基幹ロケット」で、安全保障上も重要な位置付けだ。だが今回のH3の失敗で、日本の基幹ロケットは全滅状態だ。
なぜ今回の失敗が起きたのか検証し、今後はどうするべきかを学び、萎縮せず挑戦を続けていくことが重要だ。(伊藤壽一郎)

被爆者団体「80年を台無しに」 官邸関係者の核保有発言に抗議

安全保障を担当する首相官邸関係者が「日本は核保有すべきだ」と発言したことに対し、被爆者団体などから抗議の声が上がっている。
広島県内の被爆者7団体が22日、広島市内で開いた記者会見で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中聡司代表理事(81)は「『平和国家』と言って進んできたこの80年を台無しにするような発言だ。日本の立ち位置を再確認する必要がある」と憤った。県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(81)は「日本が核を容認しているように捉えられてしまうと危惧する。非核三原則を日本は守るべきだ」と訴えた。
また、もう一つの県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は22日、「非核三原則を否定し、NPT(核拡散防止条約)体制における橋渡しをも否定するもので断じて許すことはできず、厳しく抗議する」との声明を出した。
声明は、「核兵器の危機から免れることができるのは、核兵器を無くすことによってのみである」と強調。非核三原則の堅持と法制化を求めた。
市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」は「核被害者たちの声を真摯(しんし)に聴いていれば人間として絶対に言えない発言だ」などと声明で非難した。原水爆禁止広島県協議会(県原水協)も撤回と関係者の更迭を求める抗議文を政府に送付した。【井村陸】

杉田和博元官房副長官が死去 歴代最長の8年9カ月在職

安倍、菅両政権で歴代最長となる約8年9カ月(3205日)にわたり事務方トップの内閣官房副長官を務めた杉田和博(すぎた・かずひろ)さんが22日までに死去した。84歳。関係者が明らかにした。
1966年に警察庁に入庁し、主に警備畑を歩んだ。内閣情報調査室長などを経て2004年、内閣危機管理監を最後にいったん退官。12年12月に安倍晋三氏が首相に再登板すると、首相官邸と各省庁をつなぐ要職の官房副長官に起用された。
20年9月に発足した菅義偉内閣でも続投し、官邸主導政治の一翼を担った。21年7月に古川貞二郎氏の在任期間を超えて歴代最長となり、21年10月の岸田内閣発足に伴い退任した。
首相官邸では主に危機管理を担当。日本人10人が犠牲になった13年のアルジェリア人質事件や、15年の過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件などの対応に当たった。官僚の幹部人事を掌握する内閣人事局長も兼務した。
天皇陛下(現上皇さま)の退位特例法整備に向けた政府内の調整役も担った。

野田氏、核発言で更迭要求 「任命権者に責任」

立憲民主党の野田佳彦代表は22日、核兵器を保有すべきだと発言した安全保障政策担当の官邸筋について、速やかに更迭するよう高市早苗首相に重ねて要求した。広島県呉市で記者団に「核保有を語る人物を置いていること自体に問題がある。任命権者の責任であり、早く対応してほしい」と述べた。
高市政権が検討している非核三原則の見直しに関しては「核に対する問題意識が、根底からずれていると心配している」と指摘。「戦後80年の大きな節目の年だ。日本は核廃絶の先頭に立たなければいけない」と強調した。
公明党の斉藤鉄夫代表や共産党の田村智子委員長らも罷免を求めている。

なぜ?函館の海岸にイワシ大量漂着!露天風呂も入浴禁止に 道南で相次ぐ深刻な漁業被害 その原因とは?

函館市の海岸に大量のイワシの死骸が打ち上がり、海岸沿いの露天風呂が入浴禁止となっています。道南では今月に入ってイワシの大群による漁業被害も相次いでいます。一体なぜなのでしょうか。
20日、函館市内の海岸。至るところにイワシの死骸が打ち上げられていました。函館市によりますと、イワシの死骸が見つかったのは今月15日。職員らが翌日、およそ600キロのイワシを回収しましたが、岩場に付着したイワシの脂が浴槽に入り込むおそれがあるため、17日から海岸沿いにある露天風呂の入浴を禁止しています。
函館市民)
「不思議ですよね。あんまりないですよね。珍しいというか」。
温泉を訪れた人)
「ほんま残念。これしか楽しみなかったのに」。
坂詰怜記者)
「イワシが打ちあがっているのが見つかって5日目です。依然として海岸には死んだイワシで埋め尽くされています」。
近年たびたび打ち上げられる大量のイワシ。今月に入り、道南ではイワシの大群による漁業被害が相次いでいます。
せたな町と上ノ国町の漁港では養殖していたトラウトサーモンが…せたな町では21日、養殖のウニも死んでいるのが見つかりました。死んでいたのは75キロで全体のおよそ3割に当たります。また、松前町では養殖していたホッケが全滅。いずれもイワシの大群が漁港内に入り、海中の酸素濃度が低下したことが原因とみられています。
いったいなぜ大量のイワシが漁港や海岸に押し寄せたのでしょうか?専門家は…
北海道大学大学院 水産科学研究院 山村織生准教授)
「津軽海峡や日本海沿岸だとクロマグロやイルカの類ですね。狩りをされて、(イワシの群れの)密度が上がってしまって、港みたいなところに逃げ込んだところ、密度が上がりすぎたということなんじゃないかなと」。
専門家によりますと、捕食者から逃げて海岸に追いやられ、群れの密度が急激に上がった結果、イワシも酸欠状態になり死んだ可能性が高いということです。
北海道大学大学院 水産科学研究院 山村織生准教授)
「(イワシの資源量は)急激に減るということはなさそうなので、まだしばらくはこういったことは続くのかなという気はします」。

JAXA「全力で原因究明を」 H3ロケット8号機、打ち上げ失敗

22日午前、H3ロケット8号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、準天頂衛星を軌道に投入できず打ち上げは失敗しました。
22日午前10時51分すぎ、H3ロケット8号機は種子島宇宙センターから打ち上げられました。
しかし、その後第2段エンジンが正常に燃焼せず予定より早く停止。搭載していた準天頂衛星「みちびき5号機」を所定の軌道に投入できず、打ち上げは失敗しました。
JAXA打ち上げ実施責任者・岡田匡史理事
「我々がやるべきことは全力での原因究明。これに尽きる。まずは全力でそこに取り組んだうえで今後、信頼性の高いロケットとして役目を果たせるように全力で取り組みたい」
8号機は当初、今月7日に打ち上げ予定でしたが、搭載している機器の不具合で17日に延期。さらに17日は地上設備の異常により、発射およそ17秒前で緊急停止していました。

【速報】広末涼子さん 過失運転傷害の罪で略式起訴 傷害容疑は不起訴処分に(静岡地検)

4月、俳優の広末涼子さん(45)が静岡・掛川市内の新東名高速で起こした事故を巡り、静岡地検は22日、過失運転傷害の罪で広末さんを略式起訴したと公表しました。一方、逮捕・送検されていた傷害容疑については不起訴処分としています。
俳優の広末涼子さんは、4月、掛川市の新東名で乗用車を運転中、大型トレーラーに追突する事故を起こし病院に搬送されました。
その後、搬送された島田市内の病院で看護師にけがをさせたとして傷害容疑で逮捕・送検されました。その後、処分保留で釈放され在宅で捜査が進んでいました。
また、この事故で、車に同乗していたマネージャーを名乗る男性に、骨折のけがをさせたとして、広末さんは11月、過失運転傷害の疑いで書類送検されました。
静岡地検は22日、この2つの事件について処分結果を公表。掛川区検は過失運転傷害の罪で、広末さんを掛川簡易裁判所に略式起訴しました。一方、傷害容疑について、地検浜松支部は不起訴処分としました。
静岡地検の小長光健史次席検事は、過失運転傷害の罪で略式起訴した理由ついて「現場付近の道路状況などのほか、過失の内容、被害者の意向、同種再犯の防止に向けた被告人の対応など、様々な事情を考慮して略式命令をするのが相当と判断した」と説明。
一方、傷害容疑が不起訴の理由について、「軽重や犯行後の情況を含めた関係証拠の内容を踏まえた」と説明しています。
捜査関係者によりますと、広末さんは事故を起こす直前、新東名高速を時速185キロに近い速度で走行していたとみられ、警察は広末さん立ち合いのもと事故現場などで実況見分を実施。
また、広末さんは釈放された後、都内の病院に入院。公式サイトで「双極性感情障害」および「甲状腺機能亢進症」と診断されたことを公表していました。