改正ストーカー規制法 きょうから施行 紛失防止タグの悪用規制など

ストーカー行為が凶悪な事件に発展するケースが後を絶たないなか、臨時国会で成立した改正ストーカー規制法が30日から施行されます。(※探偵などに、ストーカー行為をするおそれがある者に対して情報提供しないよう求めることができる規定は2026年3月10日施行)
警察庁によりますと、今年1月から11月までに紛失防止タグを悪用したストーカー事案の相談は592件で、去年1年間の370件から大幅に増加しています。30日に施行される改正ストーカー規制法では、紛失防止タグを無断で取り付ける行為や、紛失防止タグで位置情報を無断で取得する行為が禁止されます。これに違反し、さらに繰り返すおそれがあれば、ストーカー規制法に基づく警告や禁止命令の対象となります。
また、今年、神奈川県川崎市でストーカー被害を訴えていた岡崎彩咲陽さんが殺害された事件で、岡崎さんの申し出の有無が確認できず、元交際相手の白井秀征被告に対する警告が行われていなかったことを受け、これまで被害者の申し出を受けて行われていた加害者への警告が申し出がなくても行えるようになりました。

コード決済詐欺、相談過去最多に 5千件、利用者に注意呼びかけ

通販サイトの欠品を理由にコード決済アプリで返金すると持ちかけ、送金に誘導する詐欺の相談が全国の消費生活センターに2025年度に5107件寄せられ、過去最多を更新したことが29日、国民生活センターへの取材で分かった。アプリの操作を指示されて被害に遭う利用者が多い。センターは手軽に送金できる利便性の高さが悪用につながっているとして注意を呼びかけている。
センターによると、相談件数は統計を取り始めた23年度が2231件、24年度は約2倍の4643件、25年度は11月末までの8カ月間で5107件となった。
相談内容では商品購入後にサイト側から欠品のため、「〇〇ペイ」などと呼ばれるコード決済アプリを使って返金すると連絡があり、送られてきたQRコードを読み込むなどアプリ操作の指示に従った結果、意図せず送金してしまったという事例が多い。「注文コード」や「確認コード」と称して数字を何度も入力させられ、結果的に総額約100万円を詐取されたケースもあった。

参政、独自法案でアピール 廃案続きで政策実現に課題

参院選で躍進した参政党は、臨時国会で4本の独自法案を参院に単独提出し、支持者に存在感をアピールした。参院選で掲げた「日本人ファースト」を反映した日本国旗損壊行為を処罰する刑法改正案や「スパイ防止」に関する2法案に加え、新型コロナウイルス感染症対策の検証を求める法案だ。ただ4法案とも審議入りもできず廃案となり、政策実現に向け課題が残った。
参政が法案を単独提出するのは2020年の結成以来初めて。7月の参院選で非改選と合わせ計15議席に伸ばし、予算を伴わない法案の提出が可能となる11議席を上回ったためだ。
今は与党が衆院で多数を握るが、参院で過半数まで6議席足らない「ねじれ国会」だ。刑法改正案やスパイ防止の関連法案を巡っては自民党と日本維新の会が連立政権合意書で同様の主張をしており、3党が連携する余地もあった。
刑法改正案では維新の吉村洋文代表は「一声かけてくれれば良かった」と振り返るが、神谷宗幣代表は「準備していたので先に提出した」と述べ、独自色発揮を優先した格好だ。

高市首相、就任2か月で首相公邸に引っ越し…官邸まで徒歩1分で危機管理に万全期す

高市首相は29日、東京・赤坂の衆院議員宿舎から首相公邸に引っ越した。同じ敷地内にある首相官邸に徒歩1分で通うことができ、危機管理に万全を期す狙いがある。
これまで暮らしていた議員宿舎から官邸までは約400メートル離れており、車で移動する必要があった。29日は午後に首相が転居し、2台のトラックが荷物を宿舎から公邸に運んでいた。
一緒に暮らす夫の山本拓・元衆院議員は車いすを使用している。11月の下見でバリアフリーの状況などを確認し、就任から2か月を経ての入居となった。

エッセイスト・海老名香葉子さんが24日に死去 92歳…初代・林家三平さんの妻、林家正蔵、三平兄弟の母

落語家の初代林家三平さんの妻で、エッセイストの海老名香葉子(えびな・かよこ)さんが24日午後8時38分、老衰のため死去していたことが分かった。92歳だった。「ねぎし三平堂」の公式サイトで発表された。発表によると、29日に家族葬が執り行われたという。
初代・三平一門を隆盛に導いた「おかみさん」であると同時に、東京大空襲で家族を失い、戦災孤児になった経験から著書や講演で平和を訴え続けてきた香葉子さんが天国に旅立った。香葉子さんは毎年、東京大空襲の戦没者を供養する「時 忘れじの集い」をライフワークとしており25年3月の集いにも車いすで出席。高齢のため、代表あいさつは長男の9代目林家正蔵、次男の2代目林家三平に引き継いでいた。
東京都生まれ。本所(現・墨田区)で代々続いた釣りざおの名匠「竿忠(さおちゅう)」の長女として生まれた。両親と祖母、3人の兄と4歳の弟がいたが、東京大空襲で家族6人が犠牲に。静岡・沼津に疎開していた11歳の香葉子さんは戦火を逃れたが、生き残った3番目の兄と2人きりの戦災孤児になった。
帰京後は親戚の家を転々としていたが、ある日、焼け出された母の実家を訪ねた帰りに、竿忠の常連客だった3代目の三遊亭金馬と偶然再会し「うちの子になりなさい」と養女に。金馬が縁となり、1952年に初代三平さんと結婚。元女優の海老名美どりさん、シンガー・ソングライターの泰葉、9代目正蔵、2代目三平の4人の子どもをもうけた。内助の功で夫を支えたが、80年には三平さんが肝臓がんのため死去。一門解散の危機を惣領弟子だった林家こん平さんとともに支え、数十人の弟子や見習いを抱える大所帯を切り盛りした。
おかみさん業の傍ら、文筆家としても活躍。夫の晩年の様子をつづった「ことしの牡丹はよい牡丹」、自らの戦争体験を記した絵本「うしろの正面だあれ」はベストセラーとなった。「二度と私のような子を出したくない」と、平和への思いは誰よりも強く、私財を投じて東京・上野公園に「時 忘れじの塔」を建立。毎年慰霊の集いを行ってきた。
増位山太志郎さんの1974年のヒット曲「そんな夕子にほれました」の作詞を手がけるなど、作詞家としても才能を発揮。23年には反戦歌「ババちゃまたちは伝えます」を作詞。絶対に戦禍を繰り返してはならないという強い思いを込めていた。
◆海老名 香葉子(えびな・かよこ)1933年10月6日、東京・本所(現・墨田区)生まれ。52年に落語家の初代・林家三平と結婚し2男2女をもうける。夫の死去後(80年)も一門を支え、作家としても活躍。主な著書に「ことしの牡丹はよい牡丹」、「うしろの正面だあれ」など。3番目の兄は竿忠4代目で名誉都民の中根喜三郎さん。

スキー場で5歳死亡 総支配人「申し訳ない。安全対策見直す」

北海道小樽市の朝里川温泉スキー場で28日に5歳男児がエスカレーターに右腕を挟まれ死亡した事故。現場に監視員を配置していなかったことや過去に骨折事故があったことを明らかにしたスキー場の総支配人は29日、取材に「遺族には本当に申し訳ない。できる限りの対応をしたい。安全対策も万全の体制になるよう見直す」と話した。
スキー場によると、エスカレーターはベルトコンベヤー式で、駐車場とセンターハウスを結ぶ斜面とゲレンデに同型のものを2基ずつ設置。一部を除き2019年に導入した。
事故があったエスカレーターでは、以前は終点で直進して降りる運用としていたが、「(ベルトの巻き込み口の)カバーが開いて危ない」などの声があり、右側に降りるよう変更したという。
スキー場は事故後も通常営業を続けているが、エスカレーターの利用は休止した。スキー場には29日、多くの客が訪れていた。事故現場には花束や飲み物などが供えられ、手を合わせる客の姿も。エスカレーターが使えず、客は併設された階段や雪の斜面を慎重に歩いていた。
小樽署は29日朝に事故現場を捜査。業務上過失致死容疑も視野に捜査を進める。【片野裕之】

国道16号で車9台からむ事故 6人ケガ…うち1人意識不明の重体 千葉市

29日正午前、千葉市稲毛区の国道16号で車9台がからむ事故があり、6人がケガをしました。うち1人が意識不明の重体です。
警察によりますと、29日午前11時50分ごろ、千葉市稲毛区の国道16号で車9台が絡む事故がありました。現場は片側3車線の道路で、交差点の赤信号で複数の車が停止しているところに、女性が運転する車が車線の間に突っ込み、複数の車の側面や後ろに衝突したということです。さらに、ほかの車が押し出されるような形で3車線にまたがる玉突き事故となりました。
この事故で、6人がケガをして病院に搬送され、うち1人は意識不明の重体だということです。
警察は詳しい事故の原因を調べています。

<独自>「ない」とされていた玉音放送「内閣告諭」の音源見つかる 収集家が発見・所蔵

昭和20年8月15日、昭和天皇による「終戦の詔書」に続いてラジオで放送された「内閣告諭」を録音したレコードが、埼玉県の個人宅に保管されていることが分かった。当時、日本放送協会は放送内容を録音したが、米軍の進駐に備えて録音盤を破棄した。そのため音源はないとされており、専門家は「大変貴重、かつ画期的な発見だ」と話している。
一般に玉音放送といえば、昭和天皇による「大東亜戦争終結に関する詔書(終戦の詔書)」の4分半を指すが、放送全体は37分半に及ぶ。内閣告諭は鈴木貫太郎首相による国民に対するメッセージで、苦難に耐えて戦争を終わらせることや軽挙妄動を避けるよう呼びかける内容だ。終戦の詔書の後、日本放送協会の和田信賢アナウンサーが読み上げた。
埼玉の古物店で販売
当時を知る関係者らの証言によると、終戦の詔書を含めた玉音放送全体は録音班の女子挺身隊員によって録音されたが、翌16日、敗戦に伴う米軍の進駐を恐れて破棄された。終戦の詔書のみ、宮内庁が平成27年に公開したものなど音源はあり、今でも聞ける。それ以外の部分はこれまで音源はないとされ、原稿のみがNHK放送博物館に保存されていた。
今回確認された録音盤は、さいたま市のレコード収集家、高氏貴博氏(47)が所有しており、15年ほど前に埼玉県和光市内の古物店で購入した。古いレコードが30枚ほどまとめて販売された状態だったといい、その中の1枚に「内閣告諭 和田放送員」と手書きのラベルが貼ってあった。高氏氏は「ないはずの音源だとすぐに気づいた」と語る。
レコードの状態から冒頭部分は再生できなかったが、内閣告諭のほぼ全文が録音されていた。残されていた原稿には「『ソ』連邦」となっているが、実際には「ソビエット連邦」と読み上げていたり、原稿上の「先達トナラム」の部分を「先達ならむ」と「ト」を読み飛ばしていたりなど、新発見もあった。
「JOAK」と刻印入り
内閣告諭のほかは、昭和16年12月のフィリピン攻撃のニュースや、昭和15年の紀元2600年記念式典の詔書などで、いずれもラジオ放送を録音したものだった。東京放送局のコールサインだった「JOAK」と刻印入りのラベルが貼られたレコードもあり、放送関係者が重大ニュースなどの節目に録音した可能性がある。
古物店には遺品としてまとめて持ち込まれたらしく、元の持ち主の詳細は不明だ。ただ、レコードは当時流通していたアルマイト盤なうえ、高氏氏によれば、仮に用意できても機材の問題から上書き録音するのが難しく偽造は考えられないという。(大森貴弘)
日本ラジオ博物館の岡部匡伸館長の話
電波の受信状態が変わるフェーディングによる音量の変化も聞き取れ、ラジオからの録音で間違いないだろう。日本のラジオ放送は音源が残っていないことが研究者にとって悩みの種だ。内容そのものは文字にしたものがあるが、実際の放送に流れた音声を聞けるのは大変貴重で、この音声を基に研究が進むことも期待できる。

工場15人負傷事件 複数の被害者「容疑者知らない」 無差別襲撃か

静岡県三島市の横浜ゴム三島工場で従業員15人が刃物で刺されるなどした事件で、殺人未遂容疑で逮捕された元従業員の小山(おやま)雅貴容疑者(38)について、複数の被害者が「知らない」と話していることが29日、捜査関係者への取材で判明した。入院中でまだ県警が事情聴取できていない被害者もいるが、現時点では面識がある人は確認できていないという。県警は、小山容疑者が一方的に恨みを募らせ、無差別に従業員を襲った可能性があるとみて、動機を慎重に調べている。
捜査関係者によると、小山容疑者は工場勤務時に「いじめを受けていた」と供述。内容について「暴力を振るわれた」「労働組合や上司に相談しても相手にされなかった」などと話しているという。
小山容疑者は26日の事件当日、サバイバルナイフと漂白剤のような液体を準備したうえで、ガスマスクのようなものを装着していたとみられる。県警によると、車で工場の正門から侵入し、液体をまきながら敷地内を移動して次々に刃物で襲ったとされる。被害に遭ったのは20~50代の男性従業員15人。うち8人は刃物、7人は液体で負傷したとみられる。
県警は現場に残された刃物1本と車を押収したほか、27日に容疑者の自宅を家宅捜索した際、漂白剤の商品名が記載された段ボール箱を押収した。段ボール箱は1500ミリリットルの漂白剤8本入りと記されたもので、家宅捜索前に容疑者の自宅玄関前に置かれていた。県警は、事件が周到に計画されていた可能性を視野に捜査を進めている。【藤渕志保、石川宏、三浦研吾】

6300羽の殺処分が完了 空知の由仁町の養鶏場 高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いで

死んだニワトリが高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いがある空知の由仁町の養鶏場で、29日午後3時におよそ6300羽のニワトリの殺処分が完了しました。
採卵用のニワトリおよそ6300羽が飼育されていた由仁町の養鶏場では、死んだニワトリが高病原性鳥インフルエンザ感染の疑いがあります。
道によりますと、29日午前9時すぎから職員40人態勢で行われていたすべての殺処分は午後3時に終了したということです。
引き続き鶏舎の消毒作業などを行い31日に完了させるとしています。