「より大きい地震」可能性も=調査委員長が注意呼び掛け―青森地震

政府の地震調査委員会は9日、青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震について臨時の会合を開いた。平田直委員長(東京大名誉教授)は、大きな地震が続くことがよくある領域に震源が近いと指摘し、「場合によっては今回よりも大きい地震が起きる可能性もあり、十分注意してほしい」と呼び掛けた。
気象庁や国土地理院によると、青森県東通村にある電子基準点で地震後、東方向に約9センチ移動する地殻変動が観測された。
青森県東方沖では1943年にマグニチュード(M)7.1の地震が起きた2日後に、M6.6の地震が起きたことがある。
調査委によると、今回の地震は地震活動の長期評価の想定では「一回り小さいプレート間地震」に該当し、さらに強い揺れをもたらす「プレート間巨大地震」が発生する可能性もあるという。平田委員長は「津波警報などが解除され、家に戻った人もいると思うが、改めて家具の固定などを確認してほしい」と話した。 [時事通信社]

SNSでは誤情報が拡散 後発情報は「地震予告」、クマが暴れる、過去の津波映像引用も

青森県沖を震源として発生した8日の地震では、過去の巨大地震時と同様、SNS上でデマが広がっている。東北地方を中心に記録的な人的被害が出ているクマと結びつけたものや、東日本大震災の津波映像を引用した海外発とみられる投稿が確認できる。専門家は公的機関で事実を確認するなど冷静な対応を呼びかけている。
クマが地震を予知?
8日深夜の地震発生後、X(旧ツイッター)などでは「冬眠中のクマが揺れで目を覚ましてパニックになり、暴れる」などと指摘する投稿が相次いだ。また、今年のクマの活発な動きを「地震の予兆を感じ取っていた」とする根拠不明の投稿も確認できる。
東京農業大の山崎晃司教授(動物生態学)は、クマが地震を予知していたかのような投稿を「ありえない」と完全に否定。冬眠については、「揺れなどの刺激で、一時的に覚醒することはあるが、またすぐに眠る」と説明する。
今後の避難時にクマと遭遇する不安を抱えている住民もいるとみられるが、山崎氏は、この点も「これまでに出没があった地域は注意が必要だが、この時期は大半が冬眠に入っているので大丈夫だ」との見方を示す。
3・11の「予告」
今回の地震で気象庁は、今後1週間は巨大地震の発生可能性が高まるとして「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表。最悪の場合、東日本大震災級の地震が起きるとするが、発生確率は1%程度だ。ただ、SNSでは、注意情報を巨大地震が到来する「予告のようなもの」とする誤った認識が目立っている。
東日本大震災では、発災2日前の3月9日にM7・3の地震が発生したことを例に「今回も2日後が本番?」などと不安をあおるような内容も。政府が近く、人工的に地震を起こすといった言説も広がっている。
外国からのフェイク
海外発とみられる投稿で、明らかなフェイクも散見される。英語で「マグニチュード7・6(※正式には7・5)の地震が日本を襲った」とする説明文に、日本国内外の過去の地震映像を組み合わせたものだ。東日本大震災の津波の様子を引用したものもあり、この投稿は2万回以上視聴された。いずれも投稿主は海外の人物とみられる。
日本大危機管理学部・福田充教授(危機管理学)は「災害時は、人々があいまいな情報を確かめようと話し合い、結果的に誤情報が拡散するという構造がある」と指摘。今回は後発地震注意情報という目新しい言葉も登場し、「耳慣れない現象はデマにつながりやすい。国民は冷静に政府やメディアなど公的機関の情報を頼るべきだ。公的機関側は今回は特に丁寧に説明を尽くす姿勢が求められる」としている。(内田優作、長谷川毬子)

妙義山、火事鎮圧メドたたず…乾燥した状態続く 住民から不安の声 「登山客も当然いない」観光にも影響が

群馬県富岡市の妙義山で8日に発生した山火事は、今も鎮圧のメドはたっていません。乾燥した状態が続く中、住民からは不安の声が上がっています。
山火事発生から30時間以上たった9日午後5時ごろ。
記者
「群馬県富岡市の山火事現場です。こちらから火の手は見えませんが、発生から30時間以上たった今も鎮火には至っていません」
“日本三大奇景”のひとつとされる標高1104メートルの岩山「妙義山」。住宅地から2キロほどにあるその山から、火の手が上がりました。消防などによると、通報があったのは8日午前9時前。
その2時間半ほど後、映像を撮影した登山客は…。
撮影者
「小さい範囲から煙が出ていた。その後、しばらくしたらだんだん広がっていった。穏やかではあったけど急に強い風が吹く状況」
現場に地上から近づけず、消火活動は難航。火は山の尾根などに燃え広がりました。夜が明けても…。
記者
「一夜明けた妙義山ですが、相変わらず火の勢いは衰えていません」
群馬県によると、9日午前11時時点で30万平方メートル、東京ドーム6個分以上の範囲に延焼したという山火事。火元や原因は分かっていません。
現場周辺は先月末ごろからほとんど雨が降っていないため非常に乾燥した状態で、9日は乾燥注意報が出されています。
9日午前7時すぎから、自衛隊と群馬県などの防災ヘリが消火に当たりましたが、鎮圧のメドはたっていないということです。
ケガ人や民家への被害は確認されていませんが…。
地元に帰省中
「怖いです。乾燥しているし、落ち葉や木がいっぱいある。有名な山だし、毎年初詣で妙義神社にお参りに来るので心配」
地元住民
「心配だよね、広がって」
──民家の多い麓に
「来ればえらいこと」
火事の影響で入山規制が続いている妙義山。観光にも影響が出ています。
山の麓にある道の駅では…。
──客足への影響は?
道の駅みょうぎ 松本正巳店長
「やはり影響はある。(客足は)3割ぐらいは落ちてる。駐車場を見て分かると思う。登山客も当然いない」
今が旬だという群馬の名産品「下仁田ねぎ」も…。
道の駅みょうぎ 松本正巳店長
「(山火事の影響で)きょうは出荷が少ない。普段はテントの下にいっぱい並ぶけど、きょうはない」

懸命な消火活動が続きます。

広陵高校野球部で下級生に暴行容疑の3年生2人、広島家裁に送致…広島地検・認否は明らかにせず

広陵高校(広島市)の硬式野球部で上級生が下級生に暴力を振るった問題で、広島地検は9日、3年生2人を暴行の非行事実で広島家裁に送致した。地検は2人の認否を明らかにしていない。
同高や捜査関係者によると、今年1月、当時2年生だった部員2人は、寮で禁止されている即席麺を食べるなどした当時1年生の部員に暴行を加えたとされる。広島県警は、今月1日付で2人を暴行容疑で書類送検していた。

「解散命令見据えたアピール」=旧統一教会会長辞任で弁護士ら

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長が辞任を表明した9日、教団の問題を追及してきた全国霊感商法対策弁護士連絡会が東京都内で記者会見し、「解散命令への影響を見据えた教団のアピールにすぎない」と強調した。
旧統一教会への解散命令を巡っては、11月に教団側の即時抗告に対する高裁審理が終結。年度内にも判断が示されるとみられている。
辞任表明について阿部克臣弁護士は「教団としては何とか解散命令を免れたいという意図の下で、このタイミングになったのだろう。会長が代わっても組織の本質は何ら変わらない」と指摘。木村壮弁護士は「きちんと事実を解明し、世間に公表して組織を改めるべきだ」と話した。
全国統一教会被害対策弁護団の村越進弁護団長も9日、「公正な司法手続きで早期の解決と全被害者の救済に取り組むことこそが、社会的な信頼回復につながる唯一の道であることを理解すべきだ」とのコメントを出した。 [時事通信社]

神奈川・伊勢原市の日向山で山火事発生少なくとも600平方メートル焼ける 現場は山頂近くの尾根で付近に民家なし現在も延焼中

きょう午後、神奈川県伊勢原市にある日向山で山火事が発生し、現在も延焼中です。
警察などによりますと、きょう午後3時ごろ、伊勢原市にある日向山で「山中に白い煙が見える」と目撃者から通報がありました。
消防によりますと、これまでに少なくとも600平方メートルが焼け、現在も延焼中だということです。
消火活動は日没により中断しているということで、ヘリコプターからの放水もきょうは行わないということです。
現場は標高404メートルの日向山の山頂近くの尾根で、付近に民家などはなく、消防によりますと、けが人はいないということです。
日向山は、ハイキングなどで人気の大山の隣に位置する山です。

スプリンクラー壊れ床水浸し=むつ市の病院、患者転院―青森地震

青森県東方沖を震源とする地震で、むつ総合病院(同県むつ市)では天井のスプリンクラーが壊れて水が漏れ、床が水浸しとなって入院病棟が使えなくなった。入院患者約80人は一時的に外来スペースなどに移ったが、このうち30人以上は市内の別の医療機関などへ転院した。
むつ総合病院は下北地域では唯一の総合病院で、地域医療の中核的な役割を担っている。8日深夜の地震で7階天井に取り付けられたスプリンクラーが故障。水が漏れて入院病棟の5~7階が水浸しになり、ベッドが使えなくなった。7階の床に水が染み込み、6階の天井が一部抜け落ちた。
県は9日午前、海上自衛隊大湊地区総監(むつ市)に、海自の診療所での患者の一時的な受け入れなどに関して災害派遣を要請し、1人が転院した。 [時事通信社]

「無免許で高速道路で事故を起こした」トラックの追突事故で10代男性死亡 無免許過失運転致死の疑いでトルコ国籍の男(22)逮捕 埼玉・戸田市

きのう(8日)夜、埼玉県戸田市の外環道でトラック同士の追突事故があり、10代の男性が死亡しました。警察は無免許でトラックを運転していた男(22)を逮捕しました。
きのう午後9時10分ごろ、戸田市美女木の外環道内回りで「トラックとトラックの事故」と110番通報がありました。
警察によりますと、事故があったのは美女木ジャンクションの手前で、道路工事による渋滞で停止していたトラックに別のトラックが追突したということです。
この事故で、追突したトラックの助手席に乗っていた19歳の男性が病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
また、警察は、このトラックを運転していたトルコ国籍で職業不詳のサグラム・ジャン容疑者(22)を過失運転致死の疑いで逮捕しました。
サグラム容疑者は、免許の有効期限が切れた無免許状態で運転していて、「無免許で高速道路で事故を起こした」と容疑を認めているということです。
警察は、事故の原因を調べています。

神社の鳥居が根元から倒壊 青森・八戸を襲った震度6強、「3・11より速い揺れ」

8日深夜に最大震度6強を観測した青森県八戸市では、真夜中に就寝中の住民を強く速い揺れが襲い、神社の鳥居や家のタンスが倒れるなどの甚大な被害があった。運用開始後初の「北海道・三陸沖後発地震注意報」や、一時は津波警報も発表され、住民らは不安な一夜を過ごした。
八戸市長者にある八坂神社では、大きな揺れにより鳥居が倒壊。脚部分の根元から折れ、倒れた衝撃からか、脚部分と上部のぎ目も割れた。
神社の近くに一人で暮らしている女性(84)は、就寝中に強い揺れに襲われたという。「3・11の地震よりも速い揺れだった。ベッドにつかまるのが精いっぱいで」と、当時の切迫した状況を語った。
タンスが倒れ、皿や仏具も落ち部屋の中は散乱した。玄関に飾っていた絵画は大きく傾いた。
9日、同市内の道路情報板には、最初の地震から1週間以内に再度大規模な地震が発生する可能性に注意を促す「後発地震注意報」の文字が表示された。女性は「本当に怖かった。でも、まだ1週間は来るかもしれないから…」と恐怖をみ締めた。
同じく神社近くにある「ギフトショップKaZu」の店主の女性も就寝中に大きな揺れで目覚めた。店に来てみると、商品の入った箱が足の踏み場もないほどに散乱していたといい、「2~3時間しか眠れず、食欲もない。なんの気持ちもわかない。(これから)どうするのっていうだけ」と肩を落とした。

旧統一教会の田中富広会長「一部の方に深いご心痛を与えた」 元信者らに謝罪、辞任発表

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長(69)が9日、東京都渋谷区の教団本部で記者会見し、辞任を発表した。「私たちの活動が一部の方に深いご心痛を与えたことは決して軽視できない」と、高額献金などの被害を訴える元信者らに向けて謝罪を表明した。
田中氏は辞任の理由について「継続して社会をお騒がせしてきたこと、今なお被害を訴える方々がいることに対する道義的立場からだ。改めておわびする」と述べ、深々と頭を下げた。「おわび」の意味について「刑事責任や民事責任の枠を超えて、被害を訴える方に謝罪の意を込めておわびした」「私個人ではなく教団の認識」と説明した。
田中氏は令和2年に第14代会長に就任。4年の安倍晋三元首相銃撃事件後に教団に批判のほこ先が向いた事態や、翌年の文部科学省による解散命令請求などに対応してきた。
東京地裁が今年3月に解散を命令し、不服として教団側が即時抗告。11月に最終主張書面を提出し、審理が終結した。高裁が本年度内にも判断を示す可能性がある。第三者の弁護士が元信者らへの補償の可否を判断する「補償委員会」も発足した。

田中氏は「高裁決定を待つ段階になり、新しい方向性とビジョンを示す」「教団改革で次世代を迎える環境が整った」とも述べた。後任には堀正一・元副会長(55)が就任した。