7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島沖の地震で津波警報が発表された際、避難した住民の過半数が車で避難していたことが内閣府の調査でわかった。国は2011年の東日本大震災を教訓に、津波からの避難は「徒歩避難」を原則としているが、浸透していないことが浮かび上がった。
調査は今年10月、津波警報が発表された13都道県のうち北海道、宮城、神奈川、静岡の4道県の住民を対象にインターネットで実施。4300人から回答を得た。
津波に備えて避難した人は1012人(23・5%)。このうち車での避難が560人(55・3%)で最も多く、徒歩が396人(39・1%)、オートバイ・自転車が42人(4・2%)と続いた。車で避難した560人のうち、渋滞に巻き込まれた人は202人(36・1%)いた。
内閣府は、住民が緊急的に避難する「指定緊急避難場所」の自治体向けガイドラインを年内に改定する予定で、今回の調査結果を踏まえ、要配慮者らが車で避難せざるを得ない場合の対策も検討するよう盛り込む方針。
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日中対立、打開策見えず 高市氏答弁1カ月、影響拡大
高市早苗首相が衆院予算委員会で「台湾有事は存立危機事態になり得る」と答弁してから7日で1カ月。反発する中国は訪日自粛要請やイベント中止といった対抗措置を打ち出し、影響が拡大している。首相は台湾に関する従来の政府見解を維持していると説明し、対話継続の姿勢を強調するものの、打開策は見えない。中国の日本批判に対しては客観的証拠を示して反論。第三国に日本の立場を説明する「外交戦」も模索する。
中国の航空各社は5日、日本路線の航空券の取り消しや変更に無料で応じる期限を今月31日から来年3月28日に延長すると発表した。中国外務省が11月に国民へ日本訪問を控えるよう呼びかけ、観光業を中心に影響が出ている。中国の対抗措置は、日本産水産物の輸入手続き停止や日本人歌手らの公演中止に及ぶ。
首相は3日の参院本会議で「台湾に関する政府の基本的立場は、一切の変更はない」と強調した。
ただ、中国外務省は首相の説明に対し「受け入れられない」(林剣副報道局長)と拒否。日本との対話についても首相答弁の撤回が必要との立場を崩していない。
静岡・伊東市長選挙、7日に告示… 失職した田久保真紀・前市長ら9人が立候補へ
田久保真紀・前市長(55)の失職に伴う静岡県伊東市長選が7日、告示される。投開票日は14日。
市長選には同市長選最多の9人が立候補を表明している。内訳は、田久保前市長と、5月の市長選で敗れた小野達也・元市長(62)(自民推薦)、いずれも無所属新人で、スポーツトレーナーの石島明美氏(58)、特定行政書士の杉本憲也氏(43)(国民民主推薦)、薬局経営会社社長室長の黒坪則之氏(64)、地域活性化団体理事の岩渕完二氏(73)、伊東観光協会理事の利岡正基氏(52)、兵庫県伊丹市の元製造会社社員、大野恭弘氏(58)の6人、政治団体「日本大和党」新人で、埼玉県戸田市の漫画家、鈴木奈々子氏(52)の計9人。
12月1日現在の選挙人名簿登録者は5万6887人。
首謀者4人、スマホ使い分けか=実行役への指示と仲間の連絡で―首都圏強盗・合同捜査本部
首都圏で相次いだ強盗事件を巡り、首謀者として逮捕された職業不詳の福地紘人容疑者(26)ら4人が、実行役らへの指示と、首謀者同士の連絡とでスマートフォンを使い分けていたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁などの合同捜査本部は同日、4人を送検。4人が複数の端末を駆使し、互いに連絡を取り合いながら、同時に実行役らに指示を出していたとみて調べている。
捜査関係者によると、4人は指示用のスマホで秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」を使い、それぞれが実行役や回収役に1対1で指示を出していた。千葉県市川市の強盗傷害事件では、実行役と音声通話をつないだ状態にして「腹を蹴れ」「指を折れ」などと指示したほか、襲撃後は奪ったキャッシュカードで現金を下ろさせたり、現金を即座に回収させたりしていた。
一方、4人の間では、状況が変わるたびに別のスマホで通話するなどして、情報共有していた。アカウントも指示用のものとは別だったという。
4人は知人同士で、明確な上下関係は確認されていない。
また、市川市の事件で強奪された金品が、数日後には福地容疑者の自宅に届けられていたことも新たに判明。3人の回収役がリレー形式で運んだことが防犯カメラの捜査などで分かったという。
東京や埼玉、千葉、神奈川の4都県では昨年8~11月、4人が首謀した疑いがある強盗事件が18件発生。横浜市青葉区で住人の後藤寛治さん=当時(75)=が死亡したほか、計21人が重軽傷を負った。金品の被害総額は計約2300万円に上る。 [時事通信社]
小川氏の前橋市長再選出馬が焦点 説明会に7陣営、ラブホ面会辞職
前橋市の小川晶前市長の辞職に伴う市長選(来年1月12日投開票)に関する説明会が6日、市内で開かれた。7陣営が出席した一方、小川氏や陣営関係者の姿は確認できなかった。地元政界では、小川氏が再選を目指すとの見方が広がるものの、本人は対応を明らかにしていない。市長選の構図を左右するだけに、小川氏の動向が焦点となる。
説明会に参加したのは、無所属での出馬を表明した弁護士丸山彬氏の陣営、立候補を検討する元市長山本龍氏の陣営、日本維新の会の群馬県議宮崎岳志氏、共産党系の政治団体の関係者ら。
小川氏は今月3日、自身のXに「このまちをそっと応援したい」と投稿。その後はメッセージを発信していない。
勾留中の男、病院7階から12時間の逃走劇…カーテン越しの監視中に窓から逃げたか
5日未明、静岡県伊豆の国市の「順天堂大学医学部付属静岡病院」から、勾留中に入院していた住居不定、無職の被告(54)(傷害罪などで起訴)が逃走した。県警は約12時間後の午後2時頃、三島市内で被告を確保し、逃走容疑で逮捕した。県警が、監視態勢や当時の対応に問題がなかったか調べている。
県警によると、被告は5日未明、病院7階の個室から逃走した疑い。監視にあたっていた警察官が気づかないうちに逃げ出したとみられる。容疑を認めている。
個室の窓が全開しないようにするストッパーが壊されており、窓から逃げたとみられる。午前2時過ぎには、病院近くの防犯カメラに歩道を歩く様子も映っていた。
被告は三島市内の国道を箱根方面に向かっているところを確保された。被告につけられていた手錠は完全に外され、袋のようなものに入れて所持していた。
被告は9月、富士宮市のスーパーで食料品を盗み、警備員にけがをさせたとして強盗致傷容疑で富士宮署に逮捕され、常習累犯窃盗と傷害の罪で静岡地裁沼津支部に起訴されていた。11月28日、箸で自分の腹を刺してけがをして入院し、5日に退院する予定だった。
被告は、入院していたものの勾留は継続されており、警察官による対面の監視が必要な状態だった。県警留置管理課などによると、5日は富士宮署員2人が病室のカーテン越しに交代しながら監視していた。署員が、午前1時15分頃に被告が個室内のトイレに行って戻ったのを確認した後、午前4時頃にカーテンを開けると不在になっていた。
同課の担当者は「常時最低1人が監視していた」とした一方、逃走を許した理由や状況については「確認中」としている。発生原因などの検証結果を公表するかは「結果を踏まえる」とした。
県警の加藤悟総務部長は「誠に遺憾。医療機関と県民の皆様に多大な迷惑・心配をかけ、組織として深くおわびする」とコメントした。
伊豆の国市では、小中学校全9校を臨時休校としたほか、図書館や体育館など約20か所の公共施設についても休館。隣接する伊豆市でも小中学校全校で、下校時に児童や生徒を保護者に直接引き渡した。
病院に見舞いに来ていた主婦(74)は「娘から気をつけてと連絡をもらった。ひとまず逮捕されて安心した」と話した。
「日本に住み続けたかった」クルーズ船で入国の中国籍男性逮捕 福岡
上陸許可期間を超えて日本に滞在したとして福岡県警臨港署は5日、住所、職業いずれも不詳で中国籍の男性(21)を入管法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。男性はクルーズ船で入国しており「日本に住み続けたかった」と容疑を認めているという。臨港署は詳しい経緯を調べている。
逮捕容疑は3日、上陸許可期限を同日までとする上陸許可証の交付を受けて博多港(福岡市)から入国したが、そのまま在留期間を超えて残留したとしている。
臨港署によると、男性が乗ってきたクルーズ船の代理店から3日、「(男性が)船に戻って来ない」と110番があった。クルーズ船はそのまま出港したが、県警が防犯カメラで男性の顔や服装を確認して捜査していたところ、5日に博多港のクルーズ船乗り場に男性が現れたため、身柄を確保した。
クルーズ船は中国発着で韓国・済州島を経由して博多港に入港。出港後は中国・上海に向かう航路となっていた。【平川昌範】
ホスピス住宅、医師に不適切要求 虚偽の病名や過剰な訪問回数
末期がんや難病患者向けの有料老人ホームなどで、入居者への訪問看護について医師が指示書を発行する際、ホーム側に都合のいい虚偽の病名や過剰な回数を書くよう不適切な要求をされたとの回答が4割に上ることが6日、日本在宅医療連合学会の調査で分かった。
こうしたホームは「ホスピス型住宅」と呼ばれ、近年各地で急増。入居者向けの訪問看護ステーションを併設し、利益を目的とした不正・過剰な診療報酬の請求が横行していると指摘されていた。今回の調査で実態が裏付けられた形だ。現場のケアの質に対する医師の評価も低かった。
調査は同学会が10~11月、会員の医師約3400人を対象に実施。約490人が回答した。
訪問看護の実施には入居者について主治医の指示書が必要。「指示書に記載する病名に手心を加えるよう求められたことがあるか」尋ねると、40%が「ある」と答えた。「頻繁な回数や複数人での訪問が必要」と書くよう求められた経験も、37%が「ある」と回答した。多数回や複数人での訪問をすると、ホーム側に入る診療報酬はその分増える。
元職員の女、法廷で何語る 茨城老健殺人、10日に初公判
茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、男性入所者2人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員赤間恵美被告(39)の裁判員裁判初公判が10日、水戸地裁で開かれる。26年7月の判決を含め計60回の期日を予定。黙秘していたとされる被告が法廷で何を語るのか注目される。直接的な証拠も乏しいとされ、検察側がどう立証するかも焦点だ。
起訴状によると、老健施設「けやきの舎」で20年5月30日、鈴木喜作さん=当時(84)=に、20年7月6日には吉田節次さん=当時(76)=に点滴用チューブにつないだシリンジ(注射筒)で空気を注入し、空気塞栓症による急性循環不全にして殺害したとしている。殺人容疑での逮捕は21年12月だった。
2人の死亡はシリンジで空気を注入されたことに起因するのか―。公判では医学的な客観証拠に加えて、同僚の目撃証言への信用性が評価される見通しだ。検察側は、関係者の証言など状況証拠を積み上げて立証するとみられる。
捜査関係者によると、被告は捜査段階で黙秘。
住吉会会長を逮捕、3年半前に前会長宅から5000万円盗んだ疑い…千葉県警
指定暴力団住吉会の前会長宅に侵入して現金を盗んだとして、千葉県警が6日、同会会長の小川修容疑者(72)を窃盗と邸宅侵入などの疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、小川容疑者は2022年5月、同会の組員らと共謀して、同県柏市内の関功前会長(故人)の自宅に侵入し、室内から現金約5000万円を盗んだ疑い。小川容疑者は関前会長が同月死去したのに伴い、会長に就任していた。