差別的コラムで謝罪掲載=週刊新潮、「長期連載で慢心」

「週刊新潮」が掲載したコラムで、韓国にルーツのある作家らが名指しで差別を受けた問題で、同誌が謝罪文を掲載することが24日、分かった。「20年を超える長期連載で、慢心が編集部にあった」として、担当執行役員らを処分。25日発売の1月1・8日号に研修体制強化などの再発防止策を掲載する。
コラムは、ジャーナリスト高山正之さん執筆の「変見自在」で、7月31日号に掲載された。「創氏改名2.0」との題で、韓国にルーツのある深沢潮さんらを名指しして「日本名を使うな」と非難した。
謝罪文によると、校閲部員から事前に指摘は出たが、コラムは1100回を超す長期連載で、編集部は注意深く検討しないまま掲載した。塩見洋編集長は「(高山さんの)独特の歴史観や知見は多くの読者から支持されてきた」としつつ、「その意向を過度に尊重するあまり、人権への配慮やチェック意識を十分に働かせることができなかった」とした。今後は校閲作業を重層化し、社内の相談窓口を明確にするという。 [時事通信社]

来年3月初訪米、高市首相検討=トランプ氏と会談、米中前に

高市早苗首相は来年3月にも就任後では初めて米国を訪問し、トランプ大統領と会談を行う方向で検討に入った。同4月にはトランプ氏が中国を訪れ、習近平国家主席との会談が予定されている。中国の対日圧力が続く中、首相は米中首脳会談の前に対中政策について擦り合わせる狙いとみられる。複数の関係者が24日、明らかにした。
実現すれば、トランプ氏との会談は10月に東京で行われたのに続き2回目。
首相は国会で台湾有事について、「存立危機事態」に該当し得ると答弁。台湾を「核心的利益の中の核心」と位置付ける中国は強く反発した。トランプ氏は中国との経済関係も重視しており、日中対立への深入りを避けている。首相としては、日本の立場を説明しつつ、日米同盟の結束をアピールしたい考えだ。 [時事通信社]

バリ島研修旅行で万引きの大谷高生徒 被害店舗に弁済し謝罪

学校法人「真宗大谷学園」が運営する大谷中学・高校(京都市東山区)の研修旅行に参加していた高校2年の生徒が、インドネシア・バリ島の店舗で商品を盗んだ問題を巡り、同校は24日、生徒側が被害店舗に謝罪し、被害を弁済したことを明らかにした。
同校は同日、ホームページで生徒側が現地警察や被害店舗と協議し「一定の整理が図られたとの報告を受けている」と公表。北畑賢一郎副校長は取材に「教育機関としての責任を自覚し、学校運営に適切に反映させていく」と答えた。
問題を巡っては、同校が実施したバリ島での研修旅行中の今月4日、複数の生徒が衣料品店で窃盗行為に及んだことを生徒への聞き取りなどで確認。SNSでは日本語を話す複数の若い男が店内の衣類をカバンに入れる動画が拡散された。

元船長「事故起きると思った」=知床観光船事故公判―釧路地裁

北海道・知床半島沖で観光船が沈没し、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社「知床遊覧船」社長、桂田精一被告(62)の公判が24日、釧路地裁(水越壮夫裁判長)であった。元船長の男性が証人出廷し、「経験が浅い人しかおらず、大なり小なり事故は起きると思った」と述べた。
証言によると、男性は2013年から20年まで同社で船長として勤務。当時は他の従業員と天気予報を確認するなどして出港するかを協議していたが、桂田被告や死亡した船長が話し合いに参加したことはなかった。事故発生前年の21年までに、男性を含め勤務歴の長い従業員らが雇い止めになったという。
男性と共に雇い止めになった別の元船長も証人出廷。「被告が運航管理をできると思ったか」との検察側の質問に、「できないと思う。船や海のことを何も分からない状態だった」と話した。 [時事通信社]

「娘の過労死、忘れないで」=高橋まつりさん母、風化防止訴え―東京

広告大手電通の新入社員だった高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺してから10年となるのを前に、母幸美さん(62)が24日、東京都内で記者会見し、「過労死の問題を決して風化させず、娘のことも忘れないでほしい」と訴えた。
幸美さんは10年間を振り返り、「娘に対する気持ちは何も変わらない」と涙を拭った。これまで講演を80回以上重ねたといい、「娘の過労死も、日本の過労死の問題も風化したのではないか。本当にどうしようという思いで過労死防止に努めてきた」と声を詰まらせた。
2018年6月に「働き方改革」関連法が成立し、残業時間に上限規制が設けられたが、今年10月に就任した高市早苗首相は労働時間の規制緩和検討を指示し、政府で議論されている。
幸美さんは「遺族が同じような人を生まないでほしいと活動してきたが、過労死は減っていない。本当に悲しく、言葉では表現できない」と現状を憂慮。「働き方改革を後退させるとしたら、私たち遺族は絶対に認めることができない。健康に働ける社会をつくる努力は、永遠にしていかないといけない」と力を込めた。
代理人の川人博弁護士は「過重労働の実態が広く共有されるようになった」としつつ、長時間労働やハラスメントなど課題は多いと述べた。規制緩和の動きには、「社会的な議論を行わなければならない」とくぎを刺した。 [時事通信社]

自民党埼玉県連が前幹事長・小谷野五雄県議を背任の疑いで埼玉県警へ刑事告訴 約2800万円の政治資金を私的流用か

自民党埼玉県連の前幹事長が県連の政治資金を私的に流用した疑いがもたれている問題で、県連がきょう、前幹事長を背任の疑いで刑事告訴しました。
自民党埼玉県連の調査委員会は、前幹事長・小谷野五雄県議(69)が県連の政治資金総額およそ2800万円を私的に流用したと10月に認定しています。
これを受け県連は先月、小谷野県議を除名処分としましたが、きょう午後、会見を開き、小谷野県議に対し背任の疑いがあるとして刑事告訴し、埼玉県警に受理されたと明らかにしました。
小谷野県議はこれまでの取材に対し、「一部に日用品が混入したことは事実だが、故意の私的流用は一切ない」などと主張しています。
県連の調査委員会に私的流用と認定された支出の中には、▼チャイルドシートなどの乳幼児用品や、▼ペットフード、日用品などの購入費も含まれていたということで、県連はさらに、年明けにも損害賠償を求める民事訴訟を提起する予定だということです。

国民会議、年明け設置意向 自民、野党に共同開催提案

自民、日本維新の会、立憲民主、公明4党は24日、低所得者に税控除と給付を実施する「給付付き税額控除」を巡る実務者協議を国会内で開いた。自民は政府が年明け早期に「国民会議」を設置し、給付付き税額控除を含む社会保障と税の一体改革について議論したい意向だと説明し、政府と与野党の共同開催を提案した。立民と公明は来年1月の次回協議で回答するとして持ち帰った。
協議に出席した立民の重徳和彦税調会長によると、自民の提案に対し野党側から「政府が国民会議の事務局や議論の進め方など全てを仕切る形になってはならない」との声が出た。国民民主党にも参加を打診すべきだとの意見もあった。

佐賀・有田町長が辞意撤回 出張先で酩酊しセクハラ

出張先の名古屋市での宴席で酩酊し、接客した女性にセクハラをしたとして辞意を表明していた、佐賀県有田町の松尾佳昭町長(52)が24日、記者会見を開き、辞意の撤回を表明した。来年4月に町長、町議の同日選が控えており、町民から「2回選挙をしてくれるな」との声があったと説明。町長選再出馬について「揺れている」と否定しなかった。
町議会は24日、来年1月1日~4月15日の任期満了まで松尾氏の給料をゼロにする議案を可決。松尾氏は24日、任期の全うを明言した。町によると、松尾氏が辞職した場合、町長選と町議選が分離されて約1500万円の負担増になる。
松尾氏は2018年の町長選で初当選し、現在2期目。

プレサンス巡る威圧的な取り調べ、元主任検事を不起訴処分 大阪高検

大阪地検特捜部が捜査し、不動産会社元社長の無罪が確定した事件を巡り、捜査での取り調べに関して特別公務員暴行陵虐などの疑いで刑事告発されていた特捜部の元主任検事について、大阪高検は24日、不起訴処分(容疑なし)にした。
「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の社長だった山岸忍氏が告発していた。山岸氏は事件で2019年に逮捕され、21年に1審の無罪判決が確定していた。
事件では捜査に関わった田渕大輔検事が、山岸氏の元部下への取り調べで、机をたたいたり、「検察なめんなよ」と怒鳴りつけたりしたとされる。
田渕検事は元部下を精神的に追い込んだとして、特別公務員暴行陵虐の罪で刑事裁判を受けることが決まっている。
山岸氏は田渕検事の威圧的な取り調べについて、捜査を指揮していた元主任検事も容認して共謀したと主張していた。
大阪高検は不起訴の理由について「元主任検事と田渕検事が共謀した事実は認められなかった」と説明した。【飯塚りりん】

西東京・母子4人死亡「帰宅いつ?」「早く来て」母親から父親に複数回メッセージ 知人男性も遺体で発見…事件の関連は?

東京・西東京市の住宅で、36歳の母親と息子3人が死亡した事件。さらに、母親名義で借りていた練馬区のマンションからは母親の知人が死亡しているのが見つかりました。
親子4人が見つかったのが、19日の午後5時半ごろ。仕事から帰宅した父親からの通報がきっかけでした。
父親 「誰もいるはずのない玄関にチェーン錠がかかっている。室内から物音も聞こえる」
駆けつけた警察官がチェーンを外し家の中に入ったところ、2階の寝室で次男(11)と三男(9)が、その隣の部屋で母親と長男(16)が倒れていたということです。次男と三男は首を絞められたことによる窒息死、母親と長男は首や腹に複数の傷があり、死因は出血性ショックとみられています。
事件当日、母親は複数回、父親にメッセージを送っていました。
母親 「帰宅時間いつ?仕事が終わったら教えて」
帰宅している際も…
母親 「どこにいるの?早く来て」 父親 「もう家の前」
自宅のドアにチェーンがかかっていたため、父親が110番通報。外から侵入された形跡はなく、警視庁は無理心中の可能性があるとみています。
その後、練馬区のマンションの契約書が見つかったため、おととい(22日)、部屋を家宅捜索したところ、クローゼットの中で腹などを十数か所刺されたり切られたりした男性が死亡しているのが見つかりました。
男性は、母親の知人で会社員の中窪新太郎さん(27)。死後数日が経過しているとみられ、リビングのソファには牛刀のような刃物が置かれていたということです。
さらに、西東京市の住宅からは、母親が中窪さんとやりとりしていたとみられる手紙が。
また、母親の車の中からは中窪さんの携帯電話が発見されました。その携帯電話からは親子が死亡する3日前、「体調不良で会社を休む」というメッセージが送られていたということです。
警視庁は中窪さんが死亡したいきさつや事件の関連を調べています。