「ウイルス感染した」 PCサポート詐欺急増

パソコンがウイルス感染したように装い、利用者の不安をあおって対応の名目に、金銭を要求する「サポート詐欺」で、警視庁が男女3人を逮捕した。立件は全国初。サポート詐欺の被害は年々増加しており、パソコンに不慣れな高齢者を中心に被害が目立つほか、新型コロナウイルス禍でパソコンの利用機会が増えていることも被害拡大の一因とみられる。警視庁は「指示に従わず、強制終了するように」などと対処方法を呼び掛けている。
《ウイルス感染した》《今すぐ電話を!》。詐欺グループ側は、インターネットのサイトで、ページなどをクリックすると、広告が表示されるようなシステムを悪用。利用者のパソコンにこうした文言の「警告」を表示させ、偽のサポートセンターに電話するように仕向けるという。
電話口では「知らないうちにパソコンに不具合を起こすものが侵入してしまった」「データの漏洩(ろうえい)も考えられ、有償になる」などと片言の日本語で不安をあおるようなケースも確認されている。
国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた、こうしたサポート詐欺の被害は近年急増。平成29年度の被害件数は473件だったが、令和3年度は12月末現在で1002件に達している。
被害額も平成29年度は約1100万円だったが、令和3年度(12月末現在)は約2億2千万円と過去最悪を記録。担当者は「新型コロナの影響で自宅でパソコンを利用する機会が増えたのも増加の一因と考えられる」と分析している。
「警告」の中には大手セキュリティーソフト会社のロゴと似た表示も確認されており、信用してクレジットカード情報を教えたケースもあったという。
また、近年はクレジットカードに加え、プリペイド式の電子マネーで「サポート料」を要求するケースも出ている。さらに、細かく手口を変えるなど詐欺だと気づかせない「工作」も確認されている。
担当者は「クレジットカードよりも抵抗感が少なく、だまされてしまうのではないか」と警戒感を示した上で「慌てて連絡や契約をしないことが重要だ」と訴える。
警視庁もこうした被害の増加に、詐欺グループ側と被害者とのやり取りの実例などを動画サイトで公開。「警告画面が消せない場合はブラウザを強制終了するか、パソコンを再起動させてほしい」などと呼び掛けている。