千葉県印西市の会社員、小野理奈さん(当時32歳)を刺殺したなどとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた夫で無職、小野陽被告(48)=茨城県つくば市=の裁判員裁判の初公判が18日、千葉地裁(中尾佳久裁判長)で開かれた。小野被告は死体遺棄を認める一方で、「妻は事故死しました。私は殺していません」と起訴内容を一部否認した。理奈さんの遺体は発見されておらず、公判では殺害の実行行為の有無などが争点となる。【山本佳孝】
遺体、いまだ発見されず
検察側の冒頭陳述によると、2017年ごろから夫婦関係が悪化し、翌年から別居が始まった。2人は長男の養育を巡り、監護者の権利を争っていたが、家庭裁判所は理奈さんを監護者とした。小野被告は監護権を奪われたと考え、理奈さんを殺害しようと考えた。理奈さんの車にGPS(全地球測位システム)を装着するなどして監視。20年3月に成田市の駐車場で理奈さんを待ち伏せし、車両内で刃物で刺殺した。その後、県内または茨城県の海岸に遺体を捨てたとした。検察側は車内に残された血痕の付着状況などから「相当の力で突き刺した」などと主張した。
一方、弁護側は理奈さんが長男を妊娠中、精神的に不安定となり、通院するようになったと主張。小野被告は長男の監護権を得るために有利な証拠を得ようと、理奈さんの素行調査を行うようになったとした。しかし、弁護士や裁判所を通すよりも理奈さんと直接話し合いをしようと考え、理奈さんと会ったという。その際に理奈さんが小野被告に対しカッターナイフを示したと主張。小野被告が取り上げようとしてもみあいになり、理奈さんに刺さってしまったと説明。殺意を持った実行行為を否認した。小野被告は群馬県警の元警察官。