「償って、前向いて」 大津園児死傷事故 重傷女児の母親、胸中語る

大津市の滋賀県道交差点で今年5月、右折車と直進車の衝突に巻き込まれた保育園児ら16人が死傷した事故で、重傷だった女児(2)の母親が報道各社のインタビューに応じた。右折車を運転し、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で公判中の同市、無職、新立(しんたて)文子被告(53)の被告人質問が来月8日、大津地裁で予定される。母親は「全て許せるわけではないが、前に進まないといけない。しっかり償って、前を向いてもらいたい」と胸の内を語った。
右脚を骨折するなどした女児は事故直後、体を毎晩ガタガタ震わせたり、ベッドの柵にしがみつきながら泣き叫んだりしていた。約3カ月後に退院し、現在は保育園に通えるまで回復したが、今でも自分に向かってくる車やバックをしてくる車を見ると「怖い」と言って体をこわ張らせることもあるという。
母親は事故当時は仕事中だったが、今でも仕事に行くと「また保育園から電話がかかってくるのではと不安だ」と明かす。亡くなった園児2人については「時間がたったら笑顔で戻って来てくれるのではと思ってしまう。まだ信じられない」と声を震わせる。
事故現場は現在、歩道沿いに防護柵が設置され、車の減速を促す区画線が引かれた。母親は「交差点や危ない場所を前もって整備してくれたら、軽い事故で済んだのではないか」と無念さをにじませる。幼い命が犠牲になる事故が後を絶たないが、一般のドライバーに対し「譲り合いの気持ちや、ちょっとした意識の違いで変わると思うので、余裕を持って運転してほしい」と願った。【諸隈美紗稀】