兵庫県三田市の人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」(小山進代表)で、過労死ラインを超える違法な長時間労働が続いていたとして、伊丹労働基準監督署は21日、店の運営会社と幹部社員2人を労働基準法違反容疑で書類送検した。労基署から過去に2回、是正勧告を受けたが改善されず、悪質と判断された。
送検容疑は、2021年1月16日から1カ月間、人気のロールケーキなどを製造する部門の社員11人に労使協定の上限を大きく超える時間外労働をさせたとされる。過労死ラインは月80時間だが、労基署によると最長で月341時間58分の時間外労働と休日労働をさせたケースもあったという。記者会見した平野逸郎署長は「是正勧告を繰り返したが、改善されず、悪質と判断した」と述べた。
同社によると、18年1月15日と21年1月14日に、労基署から是正勧告を受けていた。書類送検を受け、担当者は「当時の労務担当者が是正勧告の重さを認識しておらず、放置してしまっていた。労働環境の改善に向けて、全力で取り組みたい」としている。【山本真也、中村清雅】