問題流出「一体どうやって」 手口分からず大学困惑 共通テスト

大学入学共通テストの問題が試験時間中にインターネットを通じて流出した問題が発覚し、共通テストの会場となった各地の大学に衝撃が広がった。各大学は2次試験などの個別試験が控えており、対応検討を口にする担当者もいた。
「どういう状況で起きたのか、理解に苦しむ」。2月に個別入試を控える東京都内にある私立大の入試担当者は戸惑いを口にする。
試験時間に机上に置けるのは筆記具などに限っている。この大学ではスマートフォンは電源を切ってカバンに入れ、椅子の下に置くのがルールだ。不正を見抜くため、試験監督も受験生に目が行き届くだけの人数を各教室に配置している。
担当者は「スマホなどの電子機器を出すなど、ちょっと違う動きがあれば監督者が気付くはずだ。その中で不正をしたとすれば、かなり大胆だ」と困惑。今後の対応は「一人一人をボディーチェックするのは現実的ではない。ルールの周知を徹底し巡視で防ぐしかないのが現状だ」と話す。
共通テストを利用した入試も行う関西大(大阪府吹田市)の広報担当者は「志願する大学の門をくぐるため、多くの受験生が自力で勝負する中、こうした事例が起きたことは残念でならない」と話す。
不正防止については「受験生はナーバスになりがちで、不正を疑われるだけで動揺してしまうこともあり、試験監督が声かけに慎重になってしまうケースがある」と対策の難しさをにじませる。2月に始まる一般入試に向け「『怪しいな』と思ったら別の試験監督や大学本部と情報を共有して複数で対応に当たるなど、もう一度改めて対策を周知する」と気を引き締める。
近畿大(東大阪市)の入学センターの担当者は「共通テストについては大学入試センターのマニュアルがかなりしっかりしているので(不正行為は)びっくりしている」と言う。29日からの一般入試を前に、27日に試験監督者約530人に対する説明会を開き、今回の不正事例についても触れる。試験前にスマートフォンを机の上に出させ、電源を切ってカバンにしまう方法で不正防止を図る予定で担当者は「一層緊張感を持って臨みたい」とした。
共通テストの会場となった九州の各大学にも衝撃が広がる。約1000人が受験した福岡工業大(福岡市)の広報担当者は「なぜこんなことが起きたのか我々も信じられない」と驚いた様子。同大では、試験前に携帯電話など電子機器の電源を切ってかばんにしまうよう口頭で指示。試験中も複数の教職員が会場を巡回し、受験生に不審な動きがないか確認していたという。担当者は「撮影していれば誰かが気づきそうだが……」と首をかしげ「手口が分からなければ対応しようがない」と話した。
約1200人が受験した北九州市立大の入試担当者も「どうしてこういうことが起きたのか。試験中に複数枚も撮影できたのが不思議でしょうがない」と困惑する。2月25日から始まる2次試験で監督者の増員は検討しておらず「これまで以上に目を光らせて臨むしかない」と述べた。
一方、約1400人が受験した福岡大(福岡市城南区)の入試担当者は「大学入試センターが作成したマニュアルに沿って対応しているが、腕時計型の端末などで撮影し、外部に送信された場合は見抜けないかもしれない」と指摘。2月から始まる一般入試については「(今回の問題の)全容が分かれば、対策を検討する」と話した。【千脇康平、松本光樹、城島勇人】