ワクチン追加接種、日本は先進国で〝最下位クラス〟 OECD加盟国の大半は20~60%台…日本わずか1・88% 供給元に明確なデータ示せず供給遅れか

国内の新型コロナウイルス感染者が過去最多を更新し続けるなか、重症化防止や社会活動継続の切り札となるワクチンの追加接種の遅れが際立っている。先進国の中でも最下位クラスという体たらくだ。欧米では感染が頭打ちになってきたが、日本は接種の遅れによって重症者が増えたり、「第6波」が長期化したりする懸念も残る。

「3回目の接種が本格化するのは、これから1月、2月の時期だと思っている」
岸田文雄首相は25日の衆院予算委員会で、こう答えた。
政府は2月末までに全市区町村の83・6%に当たる1456自治体で高齢者らを対象とした追加接種を完了する見込みだとするが、海外と比べた接種率の差は歴然としている。
別表をみると、先進国といわれるOECD(経済協力開発機構)加盟国の大半が追加接種率は20~60%台だ。OECD非加盟の中国は20%台、ロシアも6%台だ。23日時点で1・88%の日本は桁違いに少ない。
菅義偉前首相は「1日100万回接種」という当初の目標を大きく上回る成果を見せたが、岸田首相は、1日の接種回数の目標を問われると、「できるだけ多くの方に接種してもらう態勢をつくっていきたい」と述べるにとどまった。
追加接種が遅れている背景について、元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は「2回接種後の副反応や効果など明確なデータも国民に伝わっていないなか、ワクチンの供給元もデータを明示する国に供給を優先しているのではないか。追加接種反対の世論に政治の側も及び腰になるという負の循環も懸念される」とみる。
米国では追加接種完了者には濃厚接触者でも隔離不要としたほか、欧州では飲食店の利用などに追加接種の証明書を導入する国もあり、感染対策と経済を両立するうえでもワクチンは重要だ。
また、英国や米国、カナダなどでピークアウトの兆しもある中で、日本の「第6波」の動向も注視されている。
関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「欧米の感染者減少は感染拡大により免疫ができたことが大きいが、追加接種の進展もある程度、影響しているだろう。国内は接種の遅れのため高齢者やハイリスクの人の重症化が増える懸念がある。ピークアウトが早晩来ると考えるのも時期尚早で、第6波がより長引く可能性もゼロではなく、迅速な対応が求められる」と強調した。
各国のワクチン追加接種率
国名 人口100人当たりの接種数
チリ 64.20
アイスランド 61.12
デンマーク 59.38
英国 54.09
イスラエル 53.98
アイルランド 53.12
ベルギー 53.09
イタリア 50.08
ドイツ 49.64
韓国 49.21
オーストリア 47.18
オランダ 46.53
ノルウェー 45.24
フランス 44.96
ギリシャ 44.48
ルクセンブルク 44.30
ポルトガル 43.52
スペイン 40.88
フィンランド 37.50
トルコ 36.62
スイス 36.30
ハンガリー 35.89
カナダ 35.67
スウェーデン 33.34
チェコ 32.96
スロベニア 27.59
オーストラリア 25.39
米国 25.24
ポーランド 25.22
スロバキア 23.89
中国 22.92
ニュージーランド 20.15
ロシア 6.10
日本 1.88
※英サイト「アワー・ワールド・イン・データ」より。25日時点