高齢男性を刺殺した女は、一緒に逃走した兄弟のために「パパ活」をしていた。
東京都豊島区池袋のラブホテルの客室で21日、さいたま市南区の職業不詳、今野勝蔵さん(82)がカッターナイフで殺害された事件。警視庁は翌22日、住所・職業不詳の藤井遥容疑者(24)を殺人容疑で逮捕。逃走を手助けしたとして、いずれも職業不詳の小林優介(29)と弟の小林翔太(25)両容疑者を犯人隠避容疑で逮捕した。
藤井容疑者は事件当日、今野さんと落ち合い、午後8時10分ごろ、2人で一緒にラブホに入った。約1時間後、1人でチェックアウトした藤井容疑者は公衆電話から他人を装い、ホテル10階の部屋番号を伝え、「『ヤバいから来て』と友達からLINEがあった」と110番した。警察官が駆け付けると、今野さんは胸と太ももから血を流し、椅子にのけぞった状態で死亡していた。死因は大腿動脈切断による出血性ショックだった。今野さんの財布からは現金がなくなっていた。
調べに対し、藤井容疑者は「池袋の路上で(男性に)声を掛けてホテルに行った」と供述しているというが、2人は事前にスマホでやりとりしていたとみられる。
「防犯カメラに写っていた映像は、見ず知らずの人に声を掛けた雰囲気ではなかった。藤井容疑者はこれまでも『パパ活をしていた』と話していて、今野さんとも待ち合わせをしていたようだ。今野さんの携帯は現場から持ち去られ、まだ見つかっていない。今野さんがシャワーを浴びていた時なのか、目を離したスキに藤井容疑者が財布から現金を抜き取り、それをとがめられてカッとなったのではないかとみている」(捜査事情通)
■「パパ活」で生活費を稼ぐ
事件後、藤井容疑者は池袋駅で小林兄弟と合流。いったん新宿区歌舞伎町に行き、再びタクシーで現場に戻り、警察が捜査している様子を確認してから新宿に引き返し、ネットカフェに宿泊した。翌朝、JR西八王子駅に向かい、駅を出たところで身柄を確保された。
「小林兄弟は、2人とも働いておらず、弟は生活保護を受給し、母親と八王子の集合住宅で生活をしていた。そこへ1年ほど前、オンラインゲームで知り合った兄と藤井が転がり込んできた。兄弟2人は、藤井容疑者がパパ活で稼ぐ金をあてにしていた。藤井容疑者は2人に頼られることで自分が価値ある人間だと認められ、満足していたようですが、実際は兄弟にいいように利用されていた。兄は藤井容疑者を元カノと言っているが、逃走を手助けした理由はそれではない。藤井容疑者が逮捕されて警察にベラベラしゃべられるとマズいと判断し、兄弟は藤井容疑者を連れて逃走した」(前出の捜査事情通)
ヒモよりタチが悪い。