今月15日の大学入学共通テストの試験時間中に「世界史B」の設問を撮影した画像が外部に流出した問題で、27日に香川県警に出頭して関与を認めた受験生の女子大学生(19)が「動画で設問を撮影し、静止画にして送った。データは消した」と話していることが捜査関係者への取材で判明した。警視庁は、シャッター音で周囲に気付かれることを警戒して動画で撮影したとみて、スマートフォンの解析などを進めている。
捜査関係者によると、大阪府内の会場で受験した女子大学生は出頭後に「上着の袖に隠したスマホで撮影した」と説明。撮影した動画は静止画に編集し、家庭教師の仲介サイトを通じて知り合った複数の東京大生にインターネット通話アプリ「スカイプ」で送信したことを認めた。設問を解いてもらった大学生に不審に思われたと感じてカンニングの続行を断念したとみられ、「世界史B以外の科目は怖くなってやめた」と話しているという。
家庭教師の仲介サイトでは2021年12月以降、複数の東京大生や京都大生らに、「体験授業」としてオンラインで送る問題を共通テスト当日に解くよう求めるメッセージが相次いで送られていた。
女子大学生は大阪府在住の1年生で、東京都内にある別の有名私立大を目指しており、「不得意科目があって成績が振るわず追い詰められていた。何とか今年は受かりたいと思い、カンニングの手口を思いついてサイトに登録した」と説明。「今通っている大学は滑り止めで、納得できる大学に行きたいと思った」とも話している。サイトに登録した家庭教師の指導は受けていなかったという。
また、香川県警丸亀署に出頭した理由については「知らない土地の警察に行けば、うわさが広まらないと思った」と語り、現在は深く反省する態度を示しているという。
警視庁は、女子大学生から任意で事情を聴き、共通テストを実施した大学入試センターに対する偽計業務妨害容疑が適用できるか慎重に検討している。【最上和喜、鈴木拓也、木原真希】