《池袋82歳“パパ活”殺人》「毎日違う娘をとっかえひっかえ連れて来るおじいちゃんも」 マッチングアプリに出会いカフェ、相場は1.5万円から…池袋“ジジ活”のリアル

《池袋82歳“パパ活”殺人》身寄りのない“孤独老人”はなぜ殺されたのか? 24歳の容疑者は元恋人に金を貢いでいたが… 「池袋アンダーグラウンド」のリアル から続く
池袋のラブホテルで1月21日、独居老人の今野勝蔵さん(82)が殺害された事件。警視庁は翌22日、今野さんとラブホテルに入り、西八王子に逃亡していた職業不詳の藤井遥容疑者(24)を殺人容疑で逮捕。逃亡を手助けしたとして、藤井容疑者の元恋人・小林優介容疑者(29)と弟の翔太容疑者(25)も逮捕した。
事件から7日が経ち、徐々にその全貌がわかってきた。
「藤井容疑者はいわゆる『パパ活』を頻繁に行っていたようです。事件当時に設置されていたラブホテルの防犯カメラには会計時に1000円のお釣りを受け取る今野さんの姿が映っていましたが、警察官が駆け付けた際には今野さんの財布は空っぽでした。
当初、藤井容疑者は『当日に路上で声をかけて知り合った』と供述していましたが、その後、マッチングアプリを通して知り合った可能性が浮上しています。今野さんはこれまで風俗の利用歴も多く、『パパ活』をしていたという話もあるようです。
日頃から、小林兄弟は女性に成りすまして客を募り、藤井容疑者にホテルに向かわせ金儲けをしていました。警視庁は藤井容疑者と今野さんの間で金銭トラブルがあり、殺害に至ったとみて調べています」(社会部記者)
近年では定年退職後の老人を狙った“ジジ活”が増加
コロナ禍で仕事を失い、「パパ活」に手を出す女性の姿は度々報じられてきたが、最近では定年退職後の男性老人などを対象とする「高齢パパ活」=“ジジ活”が珍しくなくなっているという。
池袋の飲食店関係者が語る。
「コロナ禍で昼から酒を出す店も珍しくなくなりましたが、妻や同居する息子・娘に隠れて、真っ昼間に女性を連れてくる70歳越えの男性客も増えてきました。ストールにハットをかぶっているような“お洒落なおじいちゃん”だけではなく、ヨレヨレで米粒を付けたような“ダサい”おじいちゃんも普通に来ますよ。『6時が門限だから』なんて言って、それまでに一杯飲んでホテルで買春し、素知らぬ顔で帰宅するおじいちゃんもいますね。
とあるおじいちゃんがガールズバーで『5万円でどう?』とか『1万円あげるからご飯行こう』と店員を誘う姿も見たことがあります。毎日違う娘をとっかえひっかえ連れて来るので、どこで見つけるのだろうと疑問に思っていましたが、本人いわく『主にマッチングアプリ』。そこで見つからなければ、『出会いカフェ』に行って直接交渉しているようです」
首都圏で増える「高齢男性」のマッチングアプリ登録
あるマッチングアプリの運営関係者によると、「最近では主に首都圏で高齢男性の登録が増えている」という。
「身分証の確認は大手のマッチングアプリではAIが自動的に偽物を弾きますが、データの管理が杜撰だったり、海外にアウトソーシングしているような会社だと、半グレが作ったような偽造の身分証を見破れない。そのため、まだまだ資産狙いなどの悪質な詐欺アカウントがマッチングアプリには蔓延っています。時間が有り余って、レスが早い高齢者を標的にする美人局もいるようで、警察から照会を求められることはしょっちゅうですよ。
ただ、CAなど男性にとって“高嶺の花”の方が本当に登録しているケースもあります。そういう女性とマッチングし、おいしい思いをしている高齢パパもいて、一度そういった成功体験があると危険だと思っていても、なかなか抜け出せないのかもしれません」
取材班は、実際に池袋でパパ活をする20代・CAの女性Aさんに話を聞いた。女性の仕事での手取りは20万弱だったが、コロナが流行し始めた2020年3月からは12~13万に激減した。Aさんはとてもこの金額では生活を賄えないと思い、昨秋から「パパ活アプリ」に登録したという。
「50歳以上がほとんど、なかには70歳のおじいちゃんも…」
「私の場合は“オトナ”(※性交渉ありのパパ活)で5万円。お茶、食事、飲みは1万円いただいています。相手の年齢や容姿によって、金額を変えることはないです。今まで相手にした客は30人ぐらいいますが、ほぼ妻帯者でした。50歳以上がほとんどですが、なかには70歳のおじいちゃんもいました。コロナ禍で手取りが減り、1人暮らしをやめて実家に戻ったので終電を逃せません。その点、妻帯者もおじいちゃんも事情は同じなので、スケジュールは合わせやすいですね。

会う場所は実家が近い池袋がメインです。銀座など羽田空港に比較的近い繁華街だと、職場関係者や友達に遭遇するリスクがあります。そっちで『パパ活』をしたこともありますが、誰か知り合いがいないかとキョロキョロして落ち着きませんでした。
周りにも『この薄給でどうやって買ったんだ』と思うようなブランドもののバッグを持っている同僚がいて、『やってるな』と思う場合もありますよ。ただCAは実家が金持ちというケースも多くて、一概には言えないですが…」
池袋の風俗関係者によると、コロナ前まではこうしたマッチングアプリを通さずに、路上で直接「客を引く」女性が多かったという。
「客引き」は消えたが「出会いカフェ」が温床に…
流れが変わったのが、2021年2月にあった東京五輪前の池袋北口の大規模摘発だ。当時は「PSグループ」と呼ばれる詐欺集団が、「AV女優とやれる」などと酔客に声をかけ、高額な料金をとる被害が続出していたのだ。この摘発の後、池袋北口には大量の監視カメラが設置され、悪質な立ちんぼやぼったくりが激減したという。
そこで路上での「客引き」に代わって、マッチングアプリと並び“パパ活の温床”となったのが、冒頭で取り上げた「出会いカフェ」だ。店はあくまで「素人同士の男女の出会いの場」を提供しているだけとしていて、店内には「売春・買春等の交渉」を禁ずる貼り紙もあるという。しかし、「それはあくまで建前で、最近では出会いカフェにいる女性の数も増えている」と男性利用客は話す。
「出会いカフェでは、男性客と女性客のいるフロアが中で分かれているんです。男性客は自分たちのフロア側からしか見えないマジックミラー越しに、女性客のいるフロアを“見学”し、話したい女性を決めたら、店員に声をかける。すると、その女性と2人きりになれる別室のトークルームに移動します。そこで10分間、『交渉』ができるんです。女性と話す前には『希望シート』に自分の要望を書き込みます。シートには目的を記入する欄があって、そこには『パパ活』のほかに、お茶やカラオケなどの項目があるんです。
「パパ活以外、お断り」という子も多い
しかし、実際に女性と話すと『パパ活以外、お断り』という子が多いですね。女性側からすれば、同じ時間を使うなら、効率的にお金を稼ぎたいという気持ちが強いのでしょう。“オトナ”の相場は1.5万円から。可愛い子は自覚しているので『3万じゃなきゃ嫌だ』と言い張る子もいます。なかにはプロの業者も紛れており、ホテルについたら『着きました』と電話する子もいたと聞いたことがあります。
一方最近では、逆に『ホテルだけは嫌だ』という子もいます。『じゃあ、何しに来たの?』と聞くと、『充電器を借りに来た』と。マッチングアプリはやらないのかと聞いてみたら『そんなアプリがあるなんて知らなかった』と言っていて、びっくりしました。何も調べずに来ているのかな、と。
こういう子はいわゆる『地雷系』と呼ばれる子たちで、人形のようなメイクをしていることが多い。『トー横キッズ』らしき子も最近見ますし、他にも友達同士で来ている子もいたりと、以前より気軽に来ている素人が増えたように感じます」

都内有数のホテル街・池袋北口で起きた殺人事件。
摘発を機に路上の客引きは消えたものの、“ジジ活”を巡るトラブルは跡を絶たないという。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))