コロナ治療法で県が独自指針、全国初の取り組みか…薬の使用例など病院間で共有

石川県や専門家が新型コロナウイルス感染症の治療法に関する県独自の指針をまとめたことが27日、わかった。県内各地の病院に配布し、新型コロナの感染急拡大時の治療に備えたい考えだ。関係者によると、都道府県単位でこうした独自指針を作るのは、全国初の取り組みとみられるという。
指針を策定したのは、県や専門家が昨夏までに県内25病院が実施した治療を検証したところ、病院の規模や専門性によって、使用した薬の種類や量、タイミングにばらつきがあるとわかったためだ。国も治療の手引を作成したが、「薬の紹介にとどまる」(関係者)との指摘もあり、実際の運用は各病院の判断に委ねられているのが現状だ。
このため、指針では、新型コロナ治療に使う抗ウイルス薬・中和抗体薬やステロイド薬、免疫抑制薬、抗凝固薬といった薬の種類ごとに、県内病院での各種の薬の使用例や傾向を整理。これまでの経験を踏まえた投与のあり方をまとめ、一定のノウハウを各病院で共有することにした。
たとえば、中和抗体薬は軽症であっても重症化リスクがあれば速やかに投与することや、免疫抑制薬は酸素吸入が必要な「中等症2」以上の患者に推奨することなどを盛り込んだ。
ステロイド薬については、酸素吸入を必要としない患者には原則投与せず、呼吸困難や重い炎症がある場合は投与も検討するとした。ステロイド薬は単独では使用せず、抗ウイルス薬を先行投与か同時投与して治療することを求めた。
県内では1月に入り、新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大で、若い世代を中心に新規感染者数が急増し、病床使用率も上昇している。関係者は「今後、高齢者に感染が広がれば、重症患者が増えることも懸念される。県独自の指針を活用し、どの病院でも安全・安心な治療を受けられるようにしたい」と話した。