新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京都の病床使用率が31日、49・2%に達した。小池百合子知事が政府に緊急事態宣言発令の要請を検討する水準としていた50%が迫っている。変異株オミクロン株の特性を見極めるのは難しく、都は重症者の発生状況や蔓延(まんえん)防止等重点措置の効果なども判断材料とする方針。政府には変異株の特徴を踏まえた宣言発令の考え方を明示するよう求めている。
都内でオミクロン株の感染者は増加の一途をたどるが、重症化しにくいとの報告もある。感染状況を分析する1月27日の都のモニタリング会議では、入院患者のうち中等症以上の割合が15%にとどまるとのデータが示された。流行「第5波」の最中だった昨年8月には中等症以上が70%に達しており、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「現場感覚としては第5波とは入院患者の状況が全く違う」と述べた。
自宅療養者でも同様の傾向がみられる。1月31日現在、自宅療養者は7万1960人で、第5波のピーク時の3倍近い。だが、自宅療養中に症状が悪化した場合に使用する酸素濃縮器の提供状況は、第5波では用意した500台が底をついたのに対し、直近の貸し出しは数十台という。都の担当者は現場の声として「せきや熱が4~5日でおさまり、風邪の症状に近い」と語る。
ただ、感染者全体の増加に比例し、重症化リスクのある65歳以上の感染も増えている。1月24日までの1週間では3567人に上り、前週(1184人)の3倍に達した。専門家はワクチンの3回目接種を早期に進める必要があると指摘する。
小池氏は社会経済活動への配慮にもたびたび言及しており、宣言の発令を避けるため政府に「ワクチンや経口薬などの武器を確保してほしい」と求めている。