「1票の格差」が最大2・08倍だった2021年10月の衆院選は投票価値の平等原則を定めた憲法に反するとして、弁護士グループが東京や神奈川など1都10県の小選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、東京高裁(三角比呂裁判長)は2日、小選挙区の区割りを「合憲」と判断し、請求を棄却した。全国14の高裁・高裁支部に起こされた16件の訴訟で2件目の判決。1日の高松高裁判決は「違憲状態」としており、判断が分かれた。
16件の訴訟は3月9日までに判決が出そろう。弁護士グループは統一判断を求めて上告する方針で、最高裁が年内にも結論を出す。
最大格差が1・98倍だった17年10月の前回衆院選について、最高裁は18年12月の判決で「合憲」と判断した。今回の選挙は前回と同じ区割りで実施されたが、当日有権者数が最少だった鳥取1区を「1」とすると、最多の東京13区は2・08倍となり格差が拡大。最大格差が2倍を超えた点をどう評価するかが焦点だった。
判決は、20年の国勢調査を基に「最大格差が2倍を超える」と速報値が公表されたのが選挙の約4カ月前だったことなどから「投票価値の不均衡は、違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にあったとは言えない」と判断した。人口比をより正確に反映する「アダムズ方式」を今後導入することについて、高松高裁は「考慮すべき要素とは言えない」としたが、東京高裁は「漸進的な是正を図った」と前向きに評価した。
判決後に記者会見した弁護士グループの伊藤真弁護士は「国民の選挙権を軽んじた判決だ」と批判した。【近松仁太郎】