和歌山南漁協(本所・和歌山県田辺市)の元職員の男性(50)が、補助金不正受給問題を内部告発した後、組合幹部から脅しやパワーハラスメントを受け退職を余儀なくされたとして、組合と幹部3人に対し1100万円の損害賠償を求める訴訟を和歌山地裁に起こした。
漁協を巡っては2018年、イセエビなどの放流事業で放流量を水増しするなどし、田辺市や白浜町から補助金を不正受給していた疑いが発覚。不正は約20年にわたり、計約8000万円を過大に受け取っていたことが明らかになった。
訴状によると、男性はテレビ局のインタビューに応じた姿が放送されたことで、告発者の一人として特定された。三栖敏一組合長ら理事3人に何度も役員室に呼び出され、他の告発者との関係を断たなければ懲戒免職にするなどと脅されたのに加え、業務で難癖をつけられたり嫌がらせをされたりした。男性はうつ病を患い、21年4月に退職した。
男性は脅しやパワハラは内部告発への報復で、告発者を保護する公益通報者保護法に違反するとともに、自主退職に追い込まれ精神的苦痛を受けたと主張している。
一方、三栖組合長は毎日新聞の取材に対し、「訴状を見ていないし、裁判になっているので話さないように言われている」と回答し、パワハラや脅しについては「それはない」と否定した。【山口智、竹内之浩】