政府が国会に提出した予算関連資料に相次いで誤りが見つかった。入力ミスや点検不足が原因だという。政府は、ミスが頻発する背景をしっかり分析するべきだ。
誤りがあったのは総務、法務、文部科学、国土交通の4省がそれぞれ作成した2022年度予算案の参考資料だ。「各目明細書」と呼ばれる付属資料で、予算の内訳の金額や職員手当の支給対象人数などで間違いがあった。
議決対象の予算書本体には影響がないというが、国会審議の前提となるものだ。岸田首相や各閣僚が陳謝したのは当然である。
総務省は13か所と最も多く、パソコン上でデータを貼り付ける際に入力欄がずれたほか、古い時点の職員数を打ち込んでいた。法務省と国交省も入力ミスで、文科省は表題に記入漏れがあった。
複数の担当者による確認が不十分だったという。緊張感を欠いていると言わざるを得ない。
昨年の通常国会でも、政府提出法案に、条文自体の誤り14件を含む計181件のミスが見つかっていた。これを受け、政府は重層的な点検体制の整備など再発防止策をまとめたはずだ。それが生かされなかったのは残念である。
官僚のミスや
杜撰
(ずさん)な文書の取り扱いは、厳しく非難されねばならないが、背景にある構造的な問題にも目を向ける必要がある。
予算関連資料や法案の作成、国会議員への説明や国会質問の内容確認などで、早朝から深夜までの勤務が常態化している。
20年12月から21年2月に「過労死ライン」とされる月100時間を超えて残業した職員は、延べ約3000人に上っている。
若手職員の退職が増加し、自己都合で職を離れた20歳代の総合職の職員は、19年度に6年前の4倍になったという。学生の「国家公務員離れ」も進み、21年度の総合職試験の申込者数は前年度と比べ10%以上少なくなった。
新型コロナウイルスの感染拡大への対策などで仕事が増えても、それに見合う人員や態勢が整っていない。日本の人口あたりの公務員数は、国、地方ともに欧米の主要国と比べて少ないという。
各省庁の業務量に見合う定員のあり方を検討してもらいたい。
議員が、国会で官僚の不手際を追及するばかりでは問題の解決につながらない。官僚の士気が低下したままだと、国の政策立案にも悪影響が出かねない。政府と与野党は、官僚組織の規律と意欲を高める方策を練ってほしい。