トヨタ販売店で車検不正か 前副店長ら書類送検 5200台で違反

トヨタ自動車の販売会社、ネッツトヨタ愛知の店舗「プラザ豊橋」(愛知県豊橋市)で車検の不正があったとして、愛知県警交通捜査課は8日、法人としての同社と、同店の前副店長や元検査員の計10人を道路運送車両法違反などの容疑で名古屋地検豊橋支部に書類送検した。前副店長らは「検査に要する時間を短縮するため」と容疑を認めているという。
送検容疑は2018年12月~21年1月ごろの間、同店が請け負う乗用車11台の車検で点検項目の一部を省略し、同法で定めた保安基準を満たさないにもかかわらず保安基準適合証を作成し、交付していたなどとしている。
県警によると、省略されたのはヘッドライトや速度計に関する検査。前副店長らは省略したことについて「これまで不備を指摘されたことがなかった」「先輩のまねをしていた」「売り上げのノルマがあった」などと説明しているという。不正に伴う不具合は確認されていないという。
同店での車検不正は20年12月、中部運輸局愛知運輸支局の監査で判明。県警は実態解明のため21年8月に同法違反容疑で同店を家宅捜索。18年から21年にかけ約5200台の車検で法令違反があったことを確認し、関係者から任意で事情を聴くなど捜査を進めてきた。中部運輸局は21年3月、同店の指定自動車整備事業を取り消したと発表した。書類送検された10人のうち検査員7人は不正発覚後に解任されている。
同店での車検不正発覚後も別の販売店などで不正が発覚したため、トヨタは全国の4852拠点を対象に調査を実施。21年9月、直営や系列の販売会社15社16店舗で車検の時間を短縮するため、検査省略などの不正があったとする調査結果を発表した。
ネッツトヨタ愛知(名古屋市昭和区)などは8日、同社のウェブサイトで書類送検について「地域の皆さまの信頼を裏切ることになり心から深くおわび申し上げます」と陳謝。車検の不正については「現場が高負荷であるにもかかわらず、成果を重視するあまり、結果的に時間を優先し、正しい作業・検査を省くことになってしまった」と説明した。【森田采花】