新潟県見附市で昨年12月24日、自宅を出て行方が分からなくなった80代男性を、車で通りかかった同市の会社員、坂橋美佑さん(29)が発見し無事に保護した。行方不明者を市民に知らせて捜索の協力を呼び掛ける「緊急情報メール」を見て特徴が似ている男性に気付き、メール配信の約30分後という早期発見につながった。見附市と見附署は「適切な判断で重大事故を未然に防いだ」として、坂橋さんに感謝状を贈った。
見附署などによると、男性は同日午後に自宅からいなくなり、家族が捜しても見つからず、午後4時16分、同署へ通報。警察からの要請で見附市は同4時54分、男性の特徴などを伝える緊急情報メールを市民に配信した。
坂橋さんは勤務を終え、会社を出る時に不明者を知らせるメールを見た。車で帰宅途中の同5時半ごろ、交差点の近くで「目的があって歩いているような感じではない」男性を発見。いったん通り過ぎたが、メールの不明者情報と服装などが似ていたためUターンして車を降り、声を掛けた。「どちらへ行きますか」などと尋ねても話がかみ合わず、同署へ連絡した。
当時は夕方で暗くなる時間帯。男性は長袖のTシャツ姿で、寒そうに見えたという。発見が遅れれば、事故やトラブルにつながりかねなかった。同署は「男性に気付き、その後、声を掛けた勇気も素晴らしかった」とたたえた。
坂橋さんは以前、実家で祖父母と住んでいたといい、「お年寄りを放っておけないと思った。クリスマスイブだったし家族が心配しているのではと。緊急情報メールに登録していたことが役立った」と話した。
見附市によると、緊急情報メールは市民の約4分の1に当たる約1万人が登録し、行方不明者や防災、避難などの情報配信を受けている。市の高齢者見守りの取り組みにはこのほか、警察など関係機関と情報を共有するネットワーク▽衣服や靴に貼るワッペンの交付▽住民が参加して不明者を捜す模擬訓練――などがある。担当者は「地域の見守り態勢を作り、不明者の早期発見につなげたい」と話している。【新井敦】