滋賀県長浜市の市立長浜病院が、新型コロナウイルスに感染して入院していた同市の藤井勇治市長(71)について、コロナ患者の入院先を一括調整する県の決定とは異なる病院に転院させていたことがわかった。関係者によると、藤井市長の希望だったという。非正規ルートで転院しており、県は「特別扱いは不適切」として、長浜病院と転院先の滋賀医大病院(大津市)に再発防止を求めた。
滋賀県では、コロナ病床の効率的な運用と迅速な受け入れ決定のため、県が患者の入転院を一括して調整している。
藤井市長は1月30日に感染が判明。当初は自宅で療養していた。関係者によると、肺炎と診断されて2月3日に長浜病院に入院したが、症状が悪化。同病院から連絡を受けた県が、診療体制がより充実している市内の長浜赤十字病院に転院させることを決めた。
しかし、藤井市長は4日、約70キロ離れた滋賀医大病院に転院。長浜病院が受け入れを要請したという。県に連絡したのは転院後だった。
滋賀医大病院は重症に対応できる病床が11床と県内で最も多い。当時は満床に近かったという。
長浜病院と滋賀医大病院は読売新聞の取材に対し「コメントできない」としている。
藤井市長は入院していることを公表していなかったが、8日、報道各社に「入院して治療している。入院先等は公表を控えたい」などとする文書を出した。