「辞職ドミノ」が止まらない。2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事で、河井克行元法相=実刑確定=と妻の案里元参院議員=有罪確定=夫妻側から現金を受け取った3広島県議が10日、辞職した。いずれも「起訴相当」とした東京の検察審査会(検審)の議決を「市民の判断で、重い」などと受け止めたもので、広島県の「府中市・神石郡」選挙区では補欠選挙が実施されることになった。議決後の議員辞職は計6人になった。
3県議は、受領額30万円の平本英司氏(三原市・世羅郡)▽同50万円の下原康充氏(東広島市)▽同50万円の岡崎哲夫氏(府中市・神石郡)――で、いずれも最大会派の自民議連に所属する。10日午後、相次いで県議会の中本隆志議長を訪れ、それぞれ辞職願を提出し、許可された。
午後2時前に議長室を訪れた後、議員バッジを外して報道陣の取材に応じた平本氏は、「たくさんの方にご迷惑をおかけした。慎んでおわび申し上げる」と、深く頭を下げた。県議に初当選した19年4月、河井元法相が後援会事務所を訪れ、現金30万円が入った封筒を置いていった、と21年5月の政治倫理審査会などで証言しており、「私が(現金を)返せなかった、ということが全て。自分の優柔不断さ、未熟さが本当に悔しい」と、厳しい表情で述べた。検審の議決については「やはり市民目線は厳しいものがある。市民感覚を大事にしたい。県政の信頼を失墜し、本当に申し訳ない」と繰り返し陳謝した。
6期目の下原氏は「買収事件以後、辞職を考えなかったこともないが、検審を重く受け止めて決意をした。慚愧(ざんき)に堪えない」と、淡々と述べた。受け取った50万円は当時闘病中だった妻のために使ったとしており、「今後は亡き妻の供養をしたい。(政界引退は)まだ考える余裕もない」と話した。
8期目の岡崎氏は、「こういう形で支援者の信頼を裏切ったことが、大変無念。だが、議員生活に悔いはない」と話した。検審の議決後に辞職を決意し、後援会などに相談した上でこの日の辞職願提出に至ったといい、「起訴相当は民意。民意に従うべきだと思う」と説明した。定数1の府中市・神石郡選挙区では、50日以内に補欠選挙が実施される。補選について岡崎氏は「より多くの方がチャレンジし、地元の課題を解決できる人が選出されるよう願う。クリーンな政治が行われるものと思う」と期待した。
2月定例県議会は、定数64のうち欠員4の状態で15日開会する。中本議長は10日、「4人の議員がいないということは、その分県民の声が県政に届かないということ。我々もこの事実を受け止めて乗り切りたい」と述べた。
辞職ドミノを厳しく受け止める市民も。広島市南区の男性会社員(30)は「(辞職の)前例ができてから、次々と辞めている印象だ」と話し、「検審議決が出てから進退を決めるのは遅い。不起訴処分の妥当性を問われた時点で率先して潔く謝り、責任を取るべきだった」と批判した。
補選が行われることになった府中市・神石郡選挙区の神石高原町に住む男性(73)は「残念だが仕方ない」と声を落とし「なぜ金を受け取ったのか直接聞きたかった」と振り返った。補選については「クリーンな人に出馬してほしい」と期待した。【小山美砂、中島昭浩、関東晋慈、根本佳奈】