「反省」も終始投げやり=学生や教職員に謝罪なく―日大前理事長田中被告・脱税事件

「理事長じゃないので、考えようがない」。日本大学前理事長の田中英寿被告(75)は、15日の初公判で脱税事件に対する「反省」を口にする一方、投げやりとも取れる態度に終始した。日大の学生や教職員に対する思いを聞かれても正面から答えず、謝罪の言葉もなかった。
長期にわたり大学に君臨し、「日大のドン」と呼ばれた田中被告。黒いスーツに赤いネクタイ、眼鏡を掛け、罪状認否では背筋を伸ばして「争う気はありません」ときっぱりした口調で起訴内容を認めた。
ただ、被告人質問では煮え切らない返答が目立った。検察官が「納税は国民の義務。意識が足りなかったのでは」と問うと、「ずっとまじめにやってきましたよ。今回の件については反省します」とぶっきらぼうに応じた。裁判官から再度尋ねられると、「事件を起こしたことは大変申し訳ない」と謝罪した直後、「反省しておりますが、自分で何でこうなったのかよく理解できない」と言葉を濁した。
元理事による背任事件で日大のガバナンス機能不全が指摘されたことに関しては「理事長として責任は感じておりますけど、それ以上のことは考えていない」と述べるにとどめた。大学の今後については、「発展を心から願っている」と強調した。
公判は約1時間で終了。田中被告は証言台の椅子から立ち上がると、体を揺らすようにゆっくりとした足取りで誰よりも早く法廷を出た。
[時事通信社]