投資アドバイザーを自称する大阪市の会社代表の50代の男が、暗号資産(仮想通貨)などへの投資を持ちかけながら配当が滞り、出資者とトラブルとなっていることが明らかになった。コツコツと蓄えた金を失った出資者らが取材に応じ、男への怒りや後悔の念を吐露した。
「残りの人生のためにためていた資金を奪われた。悔しいし、金を返してほしい」。男に金を預けた兵庫県の男性(74)はこう憤る。
男性は平成29年夏、知人に誘われて暗号資産のセミナーに参加した。退職から数年、「これからの生活のために」と1千万円ほどの預金を投資で増やそうと考えていたころだった。
会場には50代ほどの女性が多く、暗号資産で数億円稼いだという講師の話をメモを取りながら熱心に聞いていた。うさん臭さも感じたが、当時は暗号資産などへの投資で1億円以上の資産を稼いだ「億(おく)り人(びと)」と呼ばれる投資家が話題となっており、興味をひかれた。
このセミナーを主催していたのが会社代表の男。知人に紹介されて男に会い、酒席をともにするうちに投資を決めた。
最初は1日5万円の配当があることもあった。「5億~6億円は軽く稼げます」「この調子で投資額を上げていきましょう」。男の言葉に乗せられ、さらに高額を渡し、最終的に投資額は500万円を超えた。そのうち配当はなくなり、返金を求めたが、「今返してもプラスにならない。別の投資で取り返しましょう」などとはぐらかされ、ついには連絡がつかなくなった。
男性は「金に目がくらんだ」と悔やみつつ、「人生を奪われた」と嘆く。
大阪府の女性(55)も男に勧誘された一人。男は、パソコンで右肩上がりのチャートを見せながら、「僕は30万しか入れてないけど、今は1千万になっているよ」などと説明し、投資をすすめてきた。
自身の成功体験に加え、セミナー後の食事会で、かばんからはみ出した札束をみせて羽振りの良さをアピールすることも。「『僕が保証する』『僕を信じて』が口癖だった」と女性は振り返る。
ソフトな口調で語る男を信用し、約1千万円を預けたが、返ってきていない。その後、体調を崩し、今も通院生活を送る女性は、男への怒りをあらわにする。「投資をすれば生活が楽になると思っていた。いろんな人を苦しめている。絶対に許せない」