千葉県内で昨年12月以降、ガードレールやその一部が盗まれる被害が相次いでいる。印西、佐倉市の県道や国道をはじめ、各地の市道などで少なくとも200枚以上が盗まれ、被害額は約150万円に上る。新型コロナウイルスなどの影響で鉄スクラップの価格が高騰していることが背景にあるとみられる。県警は、売却目的の窃盗とみて捜査している。(貝塚麟太郎、森礼加)
佐倉市や酒々井町の県道では今月17日、ガードレール端の湾曲した「袖」と呼ばれる部分(縦約35センチ、横66センチ)5枚が盗まれているのが見つかった。佐倉市ではボルトが4か所で外され、袖がなくなっていた。10日に付近で行った県印旛土木事務所の道路パトロールでは異常はなかったという。
県が管理する道路では、我孫子市で1月25日に盗難が確認されてから、印西、佐倉市で同様の被害が次々と判明した。県はパトロールを強化したが、盗難は今月10日にも見つかった。
印西、白井、柏市の市道でも、袖の部分やガードレールが盗まれる被害が後を絶たない。柏市では盗まれた場所の修復が追いついておらず、「一部はそのままの状態になっている」(市の担当者)という。
背景には、金属価格の高騰があるとみられる。業界団体「日本鉄リサイクル工業会」(東京都)によると、鉄スクラップの価格は、リーマン・ショック直前の2008年7月以来の高値となっている。
3大都市圏での鉄スクラップの平均価格は、1トンあたり1万9100円だった20年4月から、昨年12月時点で5万4200円と3倍近くに上がった。新型コロナの影響で、解体工事が遅れるなどして鉄の廃材量が減っていることが原因だ。同会の担当者は「5万円付近で取引価格が高止まりするのは見たことがない」と話している。
県道路環境課によると、20、21年は県管理の道路でガードレールの盗難被害はなかった。県はボルトを取り外しにくいものに交換するなどして対策を講じる方針だ。