理事長を務める社会福祉法人から2500万円を横領したとして、茨城県河内町の前町長、雑賀(さいが)正光容疑者(66)が業務上横領容疑で逮捕された事件で、同容疑者が逮捕容疑の他にも、法人の資産約1億円を外部に流失させた疑いがあることが、捜査関係者への取材で判明した。1億円は知人が経営する会社に不正に貸し付けられたとみられ、県警と警視庁の合同捜査本部が全容解明を進めている。【長屋美乃里】
捜査本部は今月16日、雑賀容疑者が2020年7月に、同町の河内厚生会の預金2500万円を、知人が代表取締役を務める会社名義の口座に振り込み送金し、横領したとして逮捕した。
捜査関係者によると同じ会社に対し、逮捕容疑の前にも、河内厚生会の資産から約1億円が貸し付けられていた。貸し付けは河内厚生会の正規の手続きを経ず、雑賀容疑者の独断で行われた疑いがあるという。捜査本部は、この貸し付けについても、業務上横領容疑での立件を視野に捜査を進めている。
また、逮捕容疑となった2500万円について、雑賀容疑者が全額を送金先の会社から環流させて着服していたことも新たに判明。捜査本部は、クレジットカードの支払いなどに充てていたとみている。
関係者によると、河内厚生会の資産のうち、現金・預金は20年3月末時点で約3億6300万円あったにもかかわらず、21年3月末には約1億7800万円となり、事件のあった20年度の1年間でほぼ半減。一方、立て替え金として前年度の6倍近くに上る約1億6000万円を計上していたという。
県に提出した報告書によると、河内厚生会は21年4月時点で、県南地域を中心に特別養護老人ホームなど12施設を運営。20年度は事業運営に対し、介護報酬や補助金など計約19億3700万円の公費が支出されていた。