東京都渋谷区などで活動する生活困窮者の支援団体「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(通称・のじれん)」は24日、聞き取り調査に応じた路上生活者55人のうち7割超の42人が新型コロナウイルスワクチンの接種を一度も受けていなかったとの調査結果を公表した。
調査は1月22日~2月5日、渋谷区の公園で炊き出しを利用した人に実施し、路上生活者を含む83人が回答した。接種しない理由は「副反応が心配」「接種する機会がない」を選んだ人が多かった。渋谷区は住まいがない人でも接種を受けられるが、正しい情報が届いていない可能性があるという。
83人のうち、2020年に国民1人当たり10万円が支給された「特別定額給付金」を受け取ったのは48人だった。63人は生活保護を利用していなかった。理由は「働けるうちは利用したくない」とした人が最多だった。35人は日雇い労働などの収入のある仕事に就いていた。
調査を監修した東洋大の木村正人教授(社会学)は「困った人に支援が届いていない。各種の支援制度は住民登録を前提にしている。行政は住所を失った人への対応策を最初から制度に盛り込むべきだ。民間の支援団体と一緒に炊き出しの現場などで制度の周知をすることも必要だ」と指摘している。【黒川晋史】