極悪夫婦に売春を強要され1100万円しゃぶり尽くされた生活困窮シングルマザーの悲哀

「カネがなければ風俗で働け!」
生活に苦しみ、育児に悩んでいたシングルマザーは、極悪夫婦に洗脳され、3年近くにわたって売春などで稼いだ売上金1100万円を巻き上げられていた。
自宅に女性(26)を住まわせ、売春させたとして、東京都板橋区の無職、嵩原ゆき乃(33)と防水工で夫の優力(29)両容疑者が先月28日、売春防止法違反の疑いで警視庁保安課に逮捕された。
ゆき乃容疑者が被害女性と知り合ったのは、2018年2月。動画投稿サイトを通じて、女性から育児の悩みや、困窮する生活面での相談を聞くうちに、「行くところがないなら、うちに来なよ。子どもを預かるから。その間に充実した生活を送れるようにしなよ」と声を掛けた。
■都営住宅かの4畳半一間で家賃40万円のボッタクリ
女性は11月から嵩原容疑者夫婦と子どもが住む築約30年の都営アパートに転がり込み、2家族5人の共同生活が始まった。
「女性はゆき乃容疑者からアパートの1室、4畳半一間をあてがわれ、母子で生活していた。女性は当初、キャバクラ店で働いていたが、家賃数万円のアパートなのに、家賃として月に12万円を請求された。その後、家賃17万円に値上げされたため、女性はデリヘルで働いて何とか支払ったが、ゆき乃容疑者の請求はエスカレートし、家賃は40万円まで跳ね上がった。ゆき乃容疑者は19年5月、『売春したら』と持ち掛け、女性は仕方なくデリヘルの客と外で会って金をもらう、いわゆる『裏引き』をしたり、JR池袋駅周辺の路上で『立ちんぼ』をしたり、出会い系喫茶で客を見つけた。スマホに記録されているだけで598回分、861万7000円、すべて合わせると1100万円以上を稼いだが、そのほとんどをふんだくられた。夫婦はその金で高級ブランド品を買いまくり、高級国産車の維持費やローンの返済、本人たちの結婚披露宴の費用に充てていた」(捜査事情通)
女性は日中、ラブホテル街のある鴬谷や池袋に出掛けて売春をし、その間、ゆき乃容疑者が子どもの面倒を見ていた。
「料金は客によってバラバラで、1万2000円のこともあれば3万円を支払った客もいた。100万円以上稼いだ月もあったが、札びらはすべて夫婦に取り上げられ、残った小銭だけ渡されていた。所持金がほとんどなかったため、電車にも乗れず、女性は板橋から現場まで自転車で通っていた。満足な食事も与えてもらえず、お腹をすかせている女性を見かねた客が食事を買ってあげると、とてもおいしそうに食べていたそうです」(前出の捜査事情通)
3年が経った昨年11月、女性は知人から警察に相談できると聞き、板橋署に「居候している人に売春をさせられました」と、保護を求めた。
調べに対し、ゆき乃容疑者は「(女性が)お金をもらってセックスしていたことは知っていたが、私は強制していない。生活費としてお金をもらっていたことは間違いない」と供述しているという。
女性は「お金がなくて着る服もなくて、生活できる自信がないと思った。子どもを昼間預けているので、逃げられないと思った」と話しているという。骨の髄までしゃぶり尽くすとは、ヤクザ顔負けのあくどさだ。