知的・精神障害がある男性(当時36歳)が自殺したのは、自治会役員から障害者であることを文書に書くよう強要されたのが原因だとして、男性の両親が大阪市営住宅の自治会と当時の役員ら2人に2500万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は4日、自治会側に44万円の支払いを命じた。
判決は、障害の有無や内容を書かせたのは「プライバシーや個人の尊厳を侵害し、社会的相当性を欠いている」として責任を認めたが、文書作成と自殺の因果関係は認めなかった。
訴状によると、男性は2012年、統合失調症などで障害者手帳の交付を受けた。市営住宅で一人暮らしをしていた19年11月、自治会役員に障害を理由に持ち回りの班長ができないことを伝えた。後日、男性は役員らと話し合い、便箋2枚に「しょうがいかあります(原文ママ)」「おかねのけいさんはできません」などと書かされた。男性は翌日、自室で自殺した。
自治会側は訴訟で、「文書は他の住人の理解を得るためで、障害の程度を把握しようとした正当な目的だった。自殺は予見できなかった」と争っていた。