福岡など13県で新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置が解除された。解除初日の7日、時短営業を余儀なくされてきた飲食店はほっと一息ついたが、福岡県はこの1週間、新規感染者が1日1000~3000人台で高止まりしている。医療関係者は「油断すれば更に感染が広がる」と注意を呼びかける。
九州・山口では一時全県にまん延防止措置が適用されたが、既に山口、大分、沖縄の3県は解除。福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の5県も期限の6日で解除され、残るは21日まで延長の熊本県だけになった。
福岡県内は新規感染者が減少傾向にあるものの、コロナ病床の使用率は6日時点で54・0%。国は措置解除の目安を50%としており、政府内には解除に慎重な意見もあったという。しかし、県は「3月中旬に50%を切る」と予測し、経済などへの影響も考慮して解除を要請。政府も了承した。
一方、県は感染対策が緩むのを防ぐため、4月7日までを感染再拡大の防止期間と強調。歓送迎会や花見のシーズンを前に、飲食店での同席は1テーブル4人まで、路上での集団飲食も自粛するよう呼びかける。
飲食店主らは約1カ月半ぶりの通常営業に期待と不安の表情を浮かべた。福岡市・天神の居酒屋「竹乃屋ソラリアステージ店」は午後8時でほぼ満席。まん延防止措置の期間中は午後9時までしか営業できなかったため、店長の原健さん(45)は「お客さんが時間を気にせず飲めるようになってよかった。まん延防止措置は最後であってほしい」と祈るように話した。
しかし、午後9時を過ぎると同市・中洲の人通りはまばらに。1カ月半ぶりに店を開けたスナック「すぎもと」の杉元美智代さん(61)は「感染が収まっていないので1次会で切り上げる人が多い。客足が戻る前に再び感染が広がるのでは」と心配そうだった。
医療関係者は感染が再び拡大しないか気をもむ。コロナ患者を受け入れる原三信病院(福岡市博多区)の原直彦院長は「まん延防止措置が解除されても大人数での会食は避けるなど、慎重な行動が必要だ」とくぎを刺す。2月半ばには院内のコロナ病床23床がほぼ埋まったが、他の疾患の患者もいるためコロナ病床を増やすのは難しいという。
原院長は「このまま感染が落ち着けばいいが予想がつかない。4回目のワクチン接種も含め、早めの対策を検討する必要がある」と話した。【城島勇人、光田宗義、蓬田正志】