旧優生保護法(昭和23年~平成8年)下の昭和40年代に不妊手術を強いられ、憲法が保障する自己決定権を侵害されたとして、聴覚や知的障害のある70~80代の男女3人が国に損害賠償を求めた訴訟で、一連の訴訟で初めて国に賠償を命じた大阪高裁判決を不服として、国が7日、最高裁に上告したことが分かった。
2月22日の高裁判決は、旧法を「非人道的かつ差別的。憲法の理念に照らし是認できない」として違憲と認定。その上で、被害者差別や偏見を助長した国側の責任を重くとらえ、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を認めず、国に計2750万円の賠償を命じていた。
原告の夫婦の妻は昭和49年、帝王切開の際に知らぬ間に不妊手術を施され、子供は出産後に死亡した。70代女性は日本脳炎の後遺症で知的障害となり、40年ごろに手術を受けさせられた。