岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年、入所者2人を死傷させたとして傷害致死と傷害の罪に問われた元介護職員、小鳥(おどり)剛被告(36)の裁判員裁判で、岐阜地裁(出口博章裁判長)は8日、懲役12年(求刑・懲役12年)の判決を言い渡した。
判決によると、小鳥被告は17年8月12日、入所者の中江幸子さん(当時87歳)の首を絞め、胸を圧迫するなどの暴行を加えてけがをさせ、翌日に外傷性右血気胸で死亡させた。同15日にも、横山秀子さん(同91歳)の胸を圧迫するなどの暴行を加え、全治約2カ月の両肋骨(ろっこつ)骨折などのけがをさせた。
施設では17年、2人のほか、別の入所者3人が脳挫傷で死亡したり、肺挫傷で入院したりするなど計5人が死傷。5人全員の介護に携わり、発覚直前に施設を退職した小鳥被告が19年2月、横山さんと中江さんへの傷害と傷害致死容疑で逮捕された。小鳥被告は一貫して容疑を否認。直接的な関与を示す物的証拠は乏しく、残る3件の事件化は見送られている。
約3カ月に及んだ公判でも小鳥被告は無罪を主張。検察側は当時の施設職員ら延べ26人の証人尋問を実施し、「犯人は小鳥被告以外に考えられない」と主張していた。【道永竜命】