復興シンボルの噴水、「不死鳥」のはずが傷だらけに…故障多く廃止も検討

兵庫県宝塚市の市街地を流れる武庫川内の宝塚観光噴水の将来が注目を集めている。不死鳥が羽を広げたような形になり、阪神大震災からの復興のシンボルとして「ビッグ・フェニックス」の愛称で、親しまれてきたが、20年近くが過ぎ、故障などで完璧な姿を見られなくなった。管理する市は当面、残っている機能だけで稼働させ、今後の方針を模索していく。〈傷だらけの不死鳥〉はどうなる――。(高部真一)
噴水は1969年に初代が整備されたが、90年代から使われなくなり、震災で故障したままになっていた。震災後の観光都市の名所づくりのため、2001年、県と市が1億5800万円かけて2代目を設置した。
ノズルは27本があり、最高で約20メートルまで水を噴き上げ、目覚めた不死鳥が徐々に翼を広げ、空にはばたく様子を水の高さを変化させて表現。震災から立ち直っていく街の姿をイメージした。夜間は照明でカラフルに浮かび上がり、市民や観光客の目を楽しませてきた。
しかし、水中の設備で故障が多く、最近はノズルの3分の2にあたる18本が使えなくなっている。稼働も当初の毎日から、原則として火、木、土、日曜日の週4日の午前9時~午後7時(夏季は午前9時~午後7時30分)の30分ごとに限られ、60基の照明のうち半分以上が使用できず、ライトアップもされていない。
市は、噴水近くで水をせき止める観光ダムとともに年間400万円前後をかけて維持管理して、当面はそのまま稼働していくことにしており、担当者は「できる限りのメンテナンスをし、少しでも長く運用していきたい」とする。しかし、市は、人口減少や少子高齢化を見据えて保有する様々な公共施設を削減する方針を示しており、噴水について、多額の費用がかかる大規模な修繕は困難として、廃止も視野に入れているという。
市国際観光協会会長で、川沿いの「ホテル若水」の小早川優社長は「市の厳しい財政事情は理解できる」としたうえで、「最近、武庫川河川敷に芝生が敷かれ、新しい宝塚ホテルができるなど、水辺の景観が良くなり、憩いの場になっている。その中で歴史のある噴水の存在は貴重で、『不死鳥』を死なせず、残してほしい」と話している。