ウクライナ侵攻で世界から孤立するロシアのプーチン大統領が9日、不法占拠する北方領土を含む島に進出する企業に対して税制優遇する法案に署名し、発効させた。北方領土の実効支配を強める狙いがあるようだが、岸田文雄政権はどのように対抗すべきか。
同法案は、北方領土を含むクリール諸島(北方領土と千島列島の露側呼称)に進出する国内外の企業を対象に、所得税などの各種税を原則的に20年間免除する。事実上の「経済特区」として企業を誘致するとみられる。
2日には、北海道根室市の南東沖の領海上空で、北方領土方面から飛来したロシア機とみられるヘリコプター1機が日本の領空内に侵入したと防衛省が発表している。
岸田政権はロシアのウクライナ侵攻後、西側諸国としての結束を示し、厳しい経済制裁を科している。北方領土については「固有の領土」という表現がロシアとの交渉への配慮から控えられてきたが、再び「わが国の固有の領土」に戻した。
福井県立大学の島田洋一教授は「ロシアは中国企業などを取り込みたい狙いがあるのだろうが、今は投資などできる状況ではなく、アピールにしかならないだろう。現在はロシアを世界が非難しており、日本は北方領土がわが国固有の領土であると国際的な場でアピールできるチャンスになる」と指摘した。