大船渡のスナックは地元客が激減…コロナの影響は被災地にも 東日本大震災から11年

東日本大震災の発生から今年の3月11日で11年がたちました。1万9759人が亡くなり、2553人の行方が今もわかっていません。復興の最中にコロナ禍となった被災地の現状を取材しました。 岩手県大船渡市。震災で340人が亡くなり、今も79人の行方がわかっていません。 「おじいちゃんが流されて、まだ見つかっていないです。船に乗っているおじいちゃんだったので、海にかえったのかなという気持ちもある」 MBSの大吉洋平アナウンサーは2年前の2020年3月に、震災の取材で大船渡を訪れました。当時向かったのは、2017年にオープンした「キャッセン大船渡」です。被災した地元の飲食店や商店を中心に約30の店舗が集まり、夜もにぎやかに営業していました。そのうちの一軒、スナック「どりーむ」で話を聞きました。 【2020年3月取材】 (伊東伊佐男さん) 「このボトルだけがそのままあった」 (伊東すみ子さん) 「“奇跡の一本ボトル”です」 震災でお店のすべてを失いましたが、唯一残っていたこのボトルに勇気をもらい、2人は再びカウンターに。しかし…。 【2020年3月取材】 (伊東すみ子さん) 「段々工事関係者がいなくなって。ほんとはやめてもいい歳なんだけど、いつやめよういつやめようと思っているんですけど、応援してくれる人たちがいて、それも励みになっていますよね」 震災発生から9年が経ち、町の整備が進んだことで県外からの人の出入りが減少。それでも地元の人たちに支えられ、なんとか営業を続けていました。 あれから2年。オンラインで2人に話を聞きました。 (大吉アナ)「こんにちは。お久しぶりです」 (伊佐男さん)「はい、しばらくです」 (すみ子さん)「どうもお久しぶりです」 (大吉アナ)「ここ最近のお店の状況はいかがですか?」 (伊佐男さん)「まるっきりヒマですね。厳しいです」 (すみ子さん)「本当に土曜日で1人も来ないとか。(売り上げは)何千円とか、1人来て。厳しいです」 新型コロナウイルスの影響で外出を控える人が増えたため、地元の客も激減したといいます。コロナの影響だけでなく、2人にはさらにつらい出来事がありました。 (すみ子さん)「ボトル1本残った方もね、去年亡くなったんですよ」 (伊佐男さん)「病気で」 (すみ子さん)「ショック受けちゃってね。それでもう(ボトルを)ここに置いておくのがつらくて処分しました」 2人が大事にしてきた「震災で唯一残ったボトル」。このボトルをキープしていた持ち主が亡くなり、心の支えも失ってしまいました。ただ、後ろを向いてばかりはいられません。新たなチャレンジも行っているようです。 (伊佐男さん)「オンラインカラオケというのをやりまして。歌の好きな人がうちに多いので、昭和の歌選手権というのをやりまして、好評でしたよ。ガチンコでしたよ」 3月10日にはキャッセン大船渡には東日本大震災の犠牲者を慰霊する「竹あかり」が灯され、久々に「どりーむ」にも常連客の姿が戻りました。 (すみ子さん)「この状況で、苦しい状況で引っ込みたくないです。お客さんが復活してまた来てもらえるように」 (伊佐男さん)「まだまだこれからがんばりますよ」