2019年7月の参院選を巡る大規模買収事件で、検察当局は14日、河井克行・元法相(59)(実刑確定)側から現金を受領した100人のうち、広島県議ら9人を公職選挙法違反(被買収)で在宅で正式起訴し、25人を略式起訴したと発表した。東京地検特捜部は昨年7月、100人全員を不起訴としたが、東京第6検察審査会が35人に対して「起訴相当」と議決したのを受け、34人について判断を一転させた。
起訴相当のうち体調不良の1人と、「不起訴不当」と議決された46人については、再び不起訴とした。
起訴状などによると、34人は19年3~8月、河井元法相の妻・案里元被告(48)(有罪確定)を当選させるための報酬と知りながら、河井夫妻から現金300万~10万円を受領したとされる。34人の事件当時の肩書は、県議11人、広島県内の市議16人、町議1人、首長1人。元国会議員秘書1人、事務所スタッフ4人。
100人の刑事処分を巡り、特捜部は当初、「受動的だった」として全員を不起訴(起訴猶予99人、容疑者死亡1人)とした。これに対し同審査会は昨年12月、高額を受け取るなどした県議ら35人を起訴相当、高額を受領したが責任をとって辞職した地元政治家ら46人を不起訴不当と議決。19人は「不起訴相当」とした。
検察当局は再捜査の結果、現金受領の違法性を否定するなどした県議ら9人については、正式裁判で審理するのが妥当と判断。広島地検が広島地裁に起訴した。残りの25人は被買収容疑を認め、広島区検などが罰金刑を求めて広島簡裁などに略式起訴した。被買収罪の法定刑は3年以下の懲役か禁錮、50万円以下の罰金。刑が確定すれば失職し、公民権(選挙権と被選挙権)が原則5年間停止される。
東京地検の森本宏・次席検事は34人の処分を一転させた判断について「議決は理解できる内容だった。国民の中から選出された検察審査会の意見ということも踏まえた」と述べた。