馳氏が勝った! 保守3分裂制し石川県知事初当選 「作りましょう 春の石川 新時代」喜びの一句披露

石川県知事選の投開票が13日行われ、文部科学相を務めた元プロレスラーで前衆院議員の馳浩氏(60)が、前金沢市長の山野之義氏(59)、前参院議員・山田修路氏(67)との自民系3人による保守分裂選挙を制し、初当選した。連続7期務めた谷本正憲知事(76)は退任し、28年ぶりに新知事が誕生する。投票率は61・82%で、史上最低だった前回39・07%を22・75ポイントも上回り、県民の関心の高さをうかがわせた。
午前0時13分、金沢市内の開票会場のモニター画面に当確のテロップが流れると、会場に「馳コール」が響き渡った。目に涙をいっぱいにためた馳氏が姿を見せると、興奮は最高潮に。その差わずか8000票弱。史上まれに見る大接戦で勝利を収めた馳氏は、約200人の支援者を前に「本当にありがとうございます。いろんなことがありましたが、県民が決めた知事ということに間違いはないと思います」と声を張り上げた。
リクエストに応える形で「作りましょう 春の石川 新時代」と笑みを見せながら一句披露すると、大歓声に包まれた。
馳氏は、自民系3候補のうち最も早い昨年7月に立候補を表明。党本部が馳氏支援で準備を進めていたが、山田氏が茂木敏充幹事長らの説得を振り切り、参院議員を辞職してまさかの立候補。さらには金沢市長だった山野氏まで出馬したことで、選挙戦が始まる前から事態は混沌(こんとん)とした。
当初は全国的にも知名度の高い馳氏が有利と見られていたが、予想外に伸び悩んだ。母・川辺外美子さんや、一人娘の鈴音(りおん)さん(24)が東京から何度も通い、時にはマイクを握り支援を呼び掛けるなど親子3世代にわたり、懸命にサポート。危機感を抱いた陣営は選挙期間中、安倍晋三元首相(67)や高市早苗政調会長(61)、さらには新日本プロレス・棚橋弘至(45)ら約15人の大物を応援に続々と投入した。山野、山田両氏とは対照的な派手な空中戦を展開し、劣勢と言われた選挙戦を最後の最後で引っ繰り返した。
文科相などを歴任し、衆参両院議員を通算約27年務めただけに、中央とのパイプも太い。馳氏は今後について「県民の命を守ります。世界からも石川を理解してもらって好きになってほしい」と意気込んだ。(坂口 愛澄)
◆馳 浩(はせ・ひろし)1961年5月5日、富山県小矢部市生まれ。60歳。石川・星稜高でレスリングを始め、3年で団体優勝。専大卒業後は星稜高で国語教師を務めながら84年ロサンゼルス五輪出場。85年にプロレス転向。95年の参院選石川選挙区で無所属で初当選し政界入り。その後、自民党入党。2000年の衆院選で初当選。06年にプロレス引退。15年に文部科学相で初入閣。