池袋暴走「苦しみ、なお終わらない」 損賠訴訟、遺族が会見

平成31年4月の池袋暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(35)ら遺族が、車を運転していた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三受刑者(90)=実刑確定=らに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が15日、東京地裁(平山馨裁判長)で開かれた。閉廷後、記者会見した松永さんは「遺族の苦しみは続いており、(事故は)なお終わらない」と訴えた。
松永さん側は訴訟で、飯塚受刑者が患っていた可能性があるパーキンソン症候群と、事故との因果関係があると主張。松永さんは「(飯塚受刑者は)運転をすべきではなかった。運転能力をなくした人に運転をさせず、その後の生活もサポートするシステムが必要だ」と述べた。
一方、訴訟の中で、飯塚受刑者が契約する損保会社が、松永さんが飯塚受刑者に向けてブログにつづった言葉を恣意的に引用し早期和解を求めてきたと指摘。「刑事裁判が終わっても民事裁判で遺族が二次被害で苦しむ現状がある」とし、金融庁などに近く対応改善を要請すると明かした。
事故では松永さんの妻、真菜さん=当時(31)と長女、莉子ちゃん=同(3)=が死亡した。