陸前高田から寄贈の松、根元から切られる 静岡市は被害届提出

世界文化遺産・富士山の構成資産の一つである三保松原(静岡市清水区)で、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市のNPO法人から寄贈された松が、無断伐採された。静岡市が16日に発表した。市は文化財保護法違反の疑いもあるとみて、静岡県警清水署に被害届を提出し、受理された。
伐採された松は2018年、震災後に「奇跡の一本松」で知られるようになった陸前高田市の「高田松原を守る会」が寄贈した。三保松原内の清水三保海浜公園に記念植樹した。
市によると、13日朝、伐採に気付いた市民から連絡があった。松は高さ約2メートルで、根元から伐採されて近くに放置されていた。三保松原は、国の名勝にも指定されている。
市の職員は「陸前高田から寄贈された思いの詰まった松が切られてしまい、残念。挿し木による増殖が可能か調べたい」と語った。【山田英之】