2019年8月に鹿児島県出水市の女児(当時4歳)が溺死した事件で、鹿児島地検は16日、女児の母親の交際相手だった建設業の日渡駿容疑者(24)=出水市明神町=を、暴行と重過失致死の罪で起訴した。鹿児島県警は、女児に何らかの暴行を加えてけがをさせて浴室内で溺死させたとして傷害致死容疑で逮捕、送検していたが、地検はその暴行は認定できないと判断した。
日渡被告の代理人弁護士は「傷害致死罪で起訴されなかったことは当然。女児死亡直前の暴行は一貫して否定してきた」と話した。
起訴状などによると、日渡被告は19年8月27日、同居していた交際相手の長女、大塚璃愛来(りあら)ちゃんの左頭部を1回殴る暴行を加えた。翌28日夜には、璃愛来ちゃんが38度以上の高熱があったにもかかわらず、一緒に入浴。注意を払わないまま、自分の髪を洗ったり、たばこを吸いに外に出たりするなどして約1時間浴室に放置して、溺死させたとしている。
日渡被告は璃愛来ちゃんが亡くなった3日後にも暴行容疑で逮捕されていたが、当時は鹿児島地検が処分保留で釈放。22年2月に改めて傷害致死容疑で逮捕されていた。【白川徹】