父親放置し死なせた息子に執行猶予判決 殺人罪適用せず 地裁堺支部

大阪府泉南市で2018年8月、衰弱した父親(当時87歳)を自宅に置き去りにし熱中症で死亡させたとして殺人罪に問われた根来康久被告(52)の裁判員裁判で、大阪地裁堺支部は17日、懲役3年、執行猶予4年(求刑・懲役7年)を言い渡した。荒木未佳裁判長は「(父との)関係は良好で死を望む理由がない」などとして、殺人罪ではなく保護責任者遺棄致死罪を適用した。
判決などによると、根来被告は18年8月、自力で歩いたり、食事ができなくなったりした父に適切な診察を受けさせず、冷房をつけていない自宅に置き去りにし、熱中症により死亡させた。男性は2年間自宅に戻っていなかった。
弁護側は刑事責任能力を争い、根来被告は精神障害のため「心神喪失状態だった」と無罪を主張したが、荒木裁判長は「心神耗弱」と判断。介護をしており、保護義務は認識していたが「必要な行動を具体的に思いつき選択できなかった」とした。
大阪地検堺支部の菊池和史支部長は「判決内容を精査して、適切に対応したい」とコメントした。【園部仁史、上野宏人】