栃木県那須町で2017年3月に登山講習中の高校生と教諭計8人が亡くなった雪崩事故から5年になるのを前に、生徒らが通っていた県立大田原高校(大田原市)で26日、追悼式と敷地内に新設された慰霊碑の除幕式が行われる。「那須雪崩事故を忘れない」。そう刻まれた碑文の前で、遺族らは犠牲者の
冥福
(めいふく)を祈り、事故を風化させないことを誓う予定だ。
これまで追悼式は事故の現場近くで開かれてきたが、今回は初めて高校で行われる。「大田原高校は、息子たちが過ごした場所。夢も希望もあった息子たちが、ここにいたことの証しになる」。亡くなった毛塚
優甫
(ゆうすけ)教諭(当時29歳)の父・辰幸さん(69)は同県栃木市にある自宅で語った。
除幕式が行われる慰霊碑は縦1・1メートル、横1・6メートル。碑文は、遺族と学校側が作った委員会で決めた。
設置を巡っては、学校側が事故発生から数か月の時点で遺族側に提案したものの、碑文の内容などで折り合わず、いったん白紙になった。しかし、20年に遺族と学校は「事故の教訓を残したい」との思いから検討を再開し、建立にこぎつけた。
事故を巡っては今年2月2日、一部遺族が県や3教諭などに、謝罪や賠償金を求めた訴訟を起こした。同月10日には、生徒らを引率した教諭3人が業務上過失致死傷罪で在宅起訴された。
「5年たっても悲しみは変わらないが、責任追及の動きは少しずつ進んでいる」。1年生だった長男の奥公輝さん(当時16歳)を亡くした父・勝さん(50)(同県さくら市)は26日の追悼式に出席する。事故の原因究明や再発防止に向けた活動を続ける意向を、息子に誓う考えだ。
事故は17年3月27日、栃木県那須町の茶臼岳(1915メートル)中腹で、大田原高校などの生徒と教員計62人のうち、48人が雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教諭1人が死亡、40人が重軽傷を負った。