かつて「火をつけてこい」発言で物議、明石市長に副市長2人「ついていけない」…異例の同時辞職

兵庫県明石市で、副市長2人が任期途中の今月末で同時に辞職する異例の事態が起きている。泉房穂市長(58)は3年前に部下への暴言で辞職し、出直し選で当選後も暴言問題を起こしていた。泉市長は「トラブルはなかった」と強調しているが、2人は周囲に「市長にはついていけない」と不満を漏らしていたという。
辞職するのは、和田満(67)、宮脇俊夫(61)両副市長。いずれも市職員出身で、和田氏は2012年就任の3期目、宮脇氏は19年就任の1期目で、それぞれ任期を1~2年残していた。
泉市長によると、今年初めに2人から相談があり、慰留したものの意思が変わらず、新年度を前に辞職を認めたという。
一方、複数の市関係者によると、2人は昨年夏頃から泉市長への不満を周囲に漏らしていた。泉市長は議会や県と対立することが多く、2人が調整役を担っており、周囲に「対立がしんどい。市長との関係がぎくしゃくし、ついていけない」などと話していたという。
泉市長は19年1月、道路工事の立ち退き交渉をしていた職員に「火をつけてこい」などと暴言を浴びせ、辞職。出直し選で当選後の20年1月にも市議への暴言が発覚していた。
市では総務局長も今月末で早期退職する。
泉市長は「2人はご苦労があったと思うが、その内容は本人に聞いてほしい」と語った。一方、和田氏は「何も言えない」と話した。