群馬県みどり市笠懸町鹿で3月30日夜、民家が全焼し、住人の船戸秋雄さん(73)が死亡した火災。船戸さんの遺体に多数の骨折やあざがあり、群馬県警は2日、殺人・放火事件として捜査本部を設置した。閑静な住宅街で起きた火災は凶悪事件に発展し、周辺住民に衝撃が走った。
捜査本部によると、司法解剖の結果、船戸さんの死因は外傷性ショックと判明。
肋骨
(ろっこつ)のほか肩甲骨や鼻骨が折れ、頭や胴体に複数のあざなどがあり、何者かに暴行を加えられたとみられる。
気道には少量のすすが残っており、捜査本部は出火当時、船戸さんが生きていた可能性があることも含めて調べている。船戸さんは当日午前中、畑仕事をする姿が確認されていたという。
近くに住む50歳代の女性は、火災について「自分の家に延焼するほど、ものすごい勢いで燃えていた。急いで避難した」と声を震わせた。船戸さんは毎年、収穫した白菜を軽トラックで近隣住民に配っていたといい、「本当に面倒見が良い人。亡くなったと聞き、涙が止まらなかった」と肩を落とした。別の近隣女性(43)は火災当時、船戸さんが心臓マッサージを受ける様子を見ていたといい「助かってほしいと思っていたのに……」と言葉を詰まらせた。