「タブーなき核抑止力の議論を」元防衛政務官・山田宏氏 自民保守系「護る会」が独自策の研究と検討

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナ侵攻にあたり核兵器の使用を示唆していることを受け、日本国内でも「核抑止の議論」が浮上している。自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」(代表=青山繁晴参院議員)は、独自策の研究・検討に入る。元防衛政務官でもある同会幹事長の山田宏参院議員に聞いた。

「国連安全保障理事会の常任理事国で、核大国であるロシアがウクライナに侵攻し、プーチン氏が核恫喝(どうかつ)を行ったことで、世界は劇的に変わった。各国が『自国の防衛力』『核抑止力』を見直している。日本もタブーなく、幅広く議論すべきだ」
山田氏は語った。
日本は現在、米国が核抑止力の対象を同盟国に広げる「拡大核抑止(核の傘)」の中にいる。同盟国のないウクライナとは事情が違うが、ロシアとは北方で対峙(たいじ)しており、中国や北朝鮮の脅威は存在する。
そこで、護る会は3月30日の総会で、これまではタブー視されがちだった「核抑止の問題」から目をそらさず、議論を深める方針を確認した。わが国に核兵器を撃ち込ませない、国民の生命と財産を守るための議論だ。
具体的には、今後、核・ミサイル問題に詳しい軍事研究家、矢野義昭元陸将補らを招き、勉強会を開く予定。
「核の傘」がきちんと機能するのか、自衛隊「制服組」らの問題意識を聞き取る会合も重ねる。そのうえで、山田氏は、政府や党の国防・安全保障関係の部会への提言案をまとめたい意向だという。
山田氏は「わが国は核拡散防止条約(NPT)体制下にある。核兵器をつくり、保有する選択肢はあり得ない。この前提で『万全な核抑止力』をどう確保して機能させるかをチェックする。日本の防衛・安全保障への関心が高まっているいまこそ、現実的な議論を重ねる意義は大きい。日米首脳レベルで具体的に話し合う場を持つことや、『核共有(核シェアリング)』政策も排除せずに検討する必要性などを、論じていくことになるだろう」と語った。