東京拘置所に勾留されていた男性が、拘置所内で受けた治療のカルテを不開示とされたのは違法だとして、国に160万円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、東京高裁は7日、33万円の支払いを命じる判決を言い渡した。定塚誠裁判長は「カルテの不開示は違法だ」と述べた。
判決によると、刑事施設内での医療記録は当時の行政機関個人情報保護法で開示請求の対象だったのに、法務省は対象外だと誤った法解釈をしていたと指摘。「不開示によって生命と健康の維持という重要な利益が侵害され、精神的苦痛は看過できない」と述べた。
差し戻し前の1審・東京地裁と2審・東京高裁は請求を棄却したが、最高裁は2021年6月の判決で「開示対象になる」と判断した上で、審理を同高裁に差し戻した。国は同年8月、男性にカルテを開示した。
法務省矯正局は「判決内容を精査し、適切に対応する」とコメントした。