障がい児育児で疲弊する夫婦「それが運命」…専業主婦の妻に「恥ずかしながら不満を述べた」ことも

障がい児を育てる親らの団体「障がい児及び医療的ケア児を育てる親の会」がこのほど、障がい児や医療的ケア児の育児と仕事の両立の実態に関するアンケートの結果や当事者の体験談を報告した。
現在、日本の小、中学生の8~9人に1人はなんらかの障がいや疾患を抱えているという。しかし、障がい児の育児支援をしている企業はほとんどない。
長崎県の企業で働く40代男性の年長の息子は、最重度の知的障がいを伴う自閉スペクトラム症と診断され毎日、児童発達支援センターに通所している。男性は仕事から帰宅すると、障がいのある息子の食事を見守り、風呂に入れる。休日も1日中長男の介助で目が離せず、体力的にも精神的にも疲れる日々だという。自分の時間がないという悩みから「恥ずかしながら妻に不満を述べた」ことも吐露。専業主婦の妻は4年前に大病をし、思った以上に体力がなくなっていたことがわかり「配慮が足りなかった」と反省したという。
妻からは「私達は我慢してやっていかなければならない。それが運命みたいなものなのよ」という言葉もあったといい、「目が覚めた」という。しかし、介助の負担から仕事を休むことが増え、家庭にも仕事にも支障が出ている状況だ。
佛教大学で障がい者の家族への負担などを研究する田中智子教授は「障がい児育児は誰にでも起こりうる偶発的な事象。個々人の愚痴として映ることもあるが、社会的問題として認識転換されていくことが重要」とした。
アンケート内の自由記述には、会社への要望として「こども看護休暇は中学生まであるが、18歳もしくは成人後も継続して取得できるよう要望したい」など、18歳以上でも引き続き看護などが必要という意見もあった。また、行政への要望として「放課後デイなどある程度遅くまでの預かりを増やして欲しい」「送迎などの行政サービスの拡充」などの声が上がった。