栽培のユーカリ苗63本、抜かれる被害 東山動物園のコアラの餌

16日午前8時半ごろ、名古屋市千種区の平和公園内にある栽培温室で、東山動物園のコアラの餌として育てられていたユーカリの苗63本が引き抜かれているのを出勤した動物園の男性職員が発見した。被害額は約17万5000円に上るといい、千種署に被害を届け出た。
東山総合公園によると、栽培温室15棟のうち2棟で側面のネットが切断され、苗が引き抜かれていたほか、ユーカリの木1本が折られていた。管理委託業者が最後に確認した14日正午以降、何者かがネットを切断し侵入したとみられる。動物園は今月、飼育する11頭のコアラの餌とするため、約1300本の苗を植えたばかりだった。
ユーカリの苗木が育ち、枝がコアラの餌となるまで2~3年かかるという。ただ全ての枝がコアラの餌となるわけではなく、個体などによって食べる種類が違うため、動物園は自ら栽培するだけでなく鹿児島などの栽培農家とも契約し、餌の確保に努めている。
動物園の江口雄作・飼育第2係長は「コアラの餌はとても貴重。金額で計れるものではなく、ショックを受けている」と話した。【山下俊輔】