「友梨早く会いたい、帰ってきて」 不明19年、再会待つ友の思い

19年前の5月20日、大阪府熊取町で小学4年生だった吉川友梨さんが下校中に突然姿を消した。何者かに連れ去られたとされ、仲良しの同級生3人と別れてから数分後のことだった。「大人になった友梨に早く会いたいよ。早く帰ってきて」。親友の一人だった女性(28)=東京都立川市=は、あの笑顔に会える日を待ち望んでいる。
「バイバーイ」。2003年5月20日午後3時ごろ、一緒に帰っていた友梨さんら4人はいつもの交差点で別れた。手を振って自宅に向かった友梨さんの姿は今も忘れられない。
友梨さんはこの後、同級生の男児とすれ違ったのを最後に足取りが途絶えた。家まで約400メートル。わずか1~2分の間に連れ去られた可能性が高い。現場周辺では小学生くらいの女児を助手席に乗せた白色のトヨタ「クラウン」が目撃されているが、大阪府警の捜査は難航している。
毎日新聞の取材に応じた女性は、小学3年生の時に埼玉県から移り住み、友梨さんのクラスメートになった。席が近く、友梨さんが気さくに話しかけてくれたことからすぐ仲良くなった。
友梨さんの自宅で電子オルガンを弾いたり、愛犬「ロン」と遊んだり。そこには屈託のない笑みを見せる友梨さんがいた。「女子トーク」で好きな男子を聞き出そうとしても、「うーん、言わない」とおどける友梨さんの姿も脳裏に焼き付いている。
笑顔の日々、日記に書き留め
女性は「友達が突然いなくなるなんて想像すらできなかった」と振り返る。笑顔があふれていた日々を記憶にとどめようと、最近は当時の思い出を日記に書き留めるようになった。
自身では何もできない悔しさも年齢を重ねるたびに強くなる。8年前の成人式。友梨さんの無事を祈って小学校で歌い継がれる曲が会場で流れると、涙が止まらなかった。「つらいのは自分じゃなくて友梨なのに……」
親友が無事に帰ってくることを祈り続けることしかできないが、進学や就職、東京での生活と自身を取り巻く環境は変わっても、友梨さんへの思いは変わらない。女性は「大人になった友梨も以前と変わらず、にこにこしていると思う。私たちの友梨を早く返して」と訴えた。
友梨さんの両親らは19年を迎える20日、今年も大阪市中央区の南海難波駅前の街頭に立ち、情報提供を募るビラを配る予定だ。事件に関する情報は府警泉佐野署捜査本部(072・464・1234)。【洪香】