「自分だけマスク外すわけには」 政府の「不要」見解にも残る不安

新型コロナウイルス流行下で3度目の夏が近づく中、政府は20日、未就学児にはマスクを求めず、大人でも会話のない屋外などでは不要だとの見解を公表。「それでも自分だけ外すわけには……」。街で話を聞くと、そんな不安も漏れてきた。【奥山はるな、村田拓也、原田啓之】
東京都内で最高気温が25度を超えて夏日となった19日、上野公園では、半袖姿の親子連れの大半はマスク姿だった。6歳の娘を遊ばせていた女性(36)は「マスクを着けなくて済むならありがたい」と期待する。幼稚園は運動の時間を除いてマスク着用を求めている。娘は一時、顔が肌荒れし、マスクを外してあげたいが「園が規則を見直して全員が着けないようにならないと、娘だけ外すわけにはいかない」と不安が残る。
「千代田せいが保育園」(東京都)は屋内では年長以外の着用を勧めていない。きちんと着用できないためだ。屋外では全園児にマスクを外させるが、通行人から厳しい視線を感じることがあるといい、倉掛秀人園長は「これで無理してマスクを着ける必要がなくなり気が楽になる」と話した。
大人についても会話のない屋外では不要とされ、安堵(あんど)の声が上がる。上野公園のベンチでマスクなしで読書していた千葉県の男性会社員(60)は園内を見渡し「ここなら外してもいいのでは」と語った。「周囲の目を気にしてマスクを着用している人が多い。必要以上にマスクをしなくて済むようになれば」と望んだ。
薄暗くなり始めた午後6時すぎ、皇居の周囲を走るランナー100人を記者が確認したところ、39人がマスクを着けていた。4月ごろから徐々に外す人が増えているというが、不織布マスクを着用し「トレーニングのつもりだが、息苦しくてきつい」と漏らす70歳女性もいた。
50代の会社員男性はマスクをポケットに入れて走り、歩行者が多い場所では念のため取り出して着けている。「他人にどのくらい近付くと感染リスクがあるのかわからない。専門家らは科学的根拠をもとに丁寧な説明を」と求めた。